魅力たっぷりの登場人物が、本格ストリートダンスで魅せる漫画『ワンダンス』。この記事ではダンス経験者の作者・珈琲が描く本作の、魅力やあらすじを含めてネタバレ紹介!デザイン違いの表紙が存在する巻があること、メインキャラの紹介など様々な角度から本作の魅力に迫っていきます。
漫画『ワンダンス』は、今まであまり漫画のテーマに選ばれなかったストリートダンスの世界を描いた漫画です。
中学時代の出来事から、ダンスを直視できない小谷花木(こたにかぼく)。湾田光莉(わんだひかり)が1人でダンスをしている姿を偶然見かけた時から、ダンスに興味が湧きはじめ……。
吃音症を抱える寡黙な少年・花木が、湾田との出会いを通じて避けていたダンスの世界に魅了されていく本作。ダンス初心者の花木はダンス部に入部し、秘めた才能を開花していきます。
ダンス部部長の宮尾恩(みやおおん)が、ダンスの基礎から新入部員たちにレクチャーしていくためダンスにあまり詳しくない方でも世界に入りやすくなっています。
ダンスの世界に興味を持ち始めた方、ダンスを始めてみたい方におすすめの作品です。
本格ストリートダンス漫画『ワンダンス』の主人公は、寡黙な少年・小谷花木(通称:カボ)。
うまく喋り出せない吃音症を抱えるカボは、自分の思いを口にするのが苦手。そのため本心を伝えることができず、周囲に合わせた生活を送っています。
嫌味を言われても笑ってかわしてしまうなど、極力話さなくていい手段を選ぼうとしてしまうカボ。
そんな彼は言葉を発しなくても自分の熱い思いを乗せて表現できる、ダンスの世界に魅了されていきます。バスケットボールで培った間のとらえ方により、音楽の本質を捉える能力に目覚めダンスの才能が開花。
人との関わり方に悩みながらも、目まぐるしく成長していく魅力的な主人公です。
ダンスを直視できなかったカボを、ダンスの世界に魅了していくのはヒロインの湾田光莉。
登場当初から、抜群のダンスセンスを垣間見せる湾田。湾田と出会ったことで、カボはダンスと湾田自身に深く興味を持ち始めます。
湾田はダンス部新入部員の中で、人を惹きつける力がダントツ。ダンスをはじめたきっかけや、ダンス歴はまだ作中で公開されていないため謎多きヒロインでもあります。
世界一のダンサーを目指す彼女には、負けず嫌いの一面が。自分の苦手な分野や自分より格上の存在に直面した際、決して目をそむけず高みを目指すための惜しみない鍛錬を重ねていきます。
絶妙なコンビネーションによって、カボの成長に影響を与えていく湾田。今後どういうダンス街道を歩んでいくのか、目が離せないヒロインです。
頼れるダンス部部長、それが宮尾恩。
部員たちに恩ちゃんと呼ばれ、不思議な親しみやすさがある恩。ダンス未経験の新入部員たちを、基礎から鍛え上げていく彼女の指導能力は様々な登場人物から一目置かれています。
厳しくあたり散らすわけではなく、和気あいあいとした雰囲気でダンス部をまとめあげていく恩。そんな彼女の存在は部員たちにとって、精神的支柱であり少しでも近づきたい存在になっています。
ダンス歴は、10年超え。HIPHOPやPOP ROCK、WAACKなど多彩なジャンルのダンスをこなし、高校ダンス界で一目置かれています。
湾田にとって恩は、最も身近にいる越えていかなければいけない存在。今後直接対決する機会があるのかも、気になるポイントです。
厳島伊折はカボが入部するまで、ダンス部唯一の男子部員でした。
幽霊部員のため、カボが伊折の存在を知るのは少し後。昨年の高校対抗ダンスコンテストで、持ち前のダンスセンスを披露し他校生に一目置かれている伊折。
他人の気持ちを汲み取るのが不得意で、人付き合いに苦手意識があるため一匹狼気質。HOUSEやBLAKEのジャンルで、主に活動しています。
コンテストよりも、ダンスバトルの世界を好んでいる伊折。カボの秘めた可能性を見出し、ダンスバトルの世界へと誘っていきます。
ダンスバトルで優勝する実力がある伊折は、今後カボにとって越えていかなければならない存在。カボと伊折が互いを認めつつ、切磋琢磨していく様は本作の見どころのひとつです。
カボや湾田と同じ、ダンス部1年の仁上ゆら。ゆらは入部当初より、恩に「ある程度踊ってたっぽい子」と評されます。
ダンスは動きの完成度・フィジカル・ポージングの美しさが第一という持論を持っているゆらは、何かと周囲に褒め称えられる湾田を敵視。
自分の実力や心情を過信しており、柔軟さに欠ける一面も。コンテストメンバーの選考に落ちたことに納得がいかず、恩に自分が落ちた理由を問う勝ち気さを見せます。
恩のアドバイスを元にあらためて湾田のダンスを見て、自身の欠点に気づくゆら。ストイックな彼女が今後どのように成長していくか期待が高まるとともに、カボや湾田とどう絡んでいくのかも楽しみなキャラです。
第3巻で初登場する、ブレイクダンサーの壁谷楽。ダンス歴6年のBREAKIN'ダンサーです。
ダンスコンテストの動画を見て、カボに興味を抱く壁谷。伊折が実力を認めるダンサーで、伊折とダンスバトルで浅からぬ因縁があります。
可愛らしい風貌とは裏腹に、攻撃的な内面の持ち主。ブレイク以外のジャンルを揶揄するなど、相容れない考えを持つ者には敵意を剥き出しにします。
部活動以外の学校での練習場所を失ったカボたちが、B-BOYの練習場所を訪れた際にカボと初対面。それからカボに連絡を取るようになりますが、自身の考えを植え付けようとするような素振りをみせます。
伊折と正反対の考え方を持つ壁谷は伊折やカボの強力なライバルとして、立ちはだかる存在です。
一凛高校に入学し部活動紹介に参加した小谷花木(通称:カボ)は、過去のトラウマからダンス部のパフォーマンスを直視することができずにいました。
目立たず、逆らわず、普通に振る舞おうとしてきたカボ。変わった表情でダンス部のチラシを見ていた湾田光莉が、人気のない場所でダンスする姿を見て無意識に惹きつけられてしまいます。
合同授業を通して湾田と会話を交わすようになり、なぜ踊りたいのかというカボの問いに好きだからと答える湾田。さらにダンスは喋らなくていいという良さもあると聞き、カボはダンス自体に興味を抱き始めます。
意を決してダンス部に入部したカボは、新入生唯一の男子部員。部長の宮尾恩は、新入部員たちにわかりやすく基礎からアドバイスしていきます。
湾田に少しでも追いつきたいカボは、自宅でも鏡を見ながらダンスを練習。最初はまったく思うように踊れなかったのに、耳の良さを生かして頭角を表し始めます。
1年生を含めたダンスコンテストに出場するメンバーの、選抜オーディションがはじまり……。
ダンスから目を反らしていたカボが、一念発揮してダンス部に入部する第1巻。初心者にも関わらず、頭角を表していくさまが見どころです。
- 著者
- 珈琲
- 出版日
- 2019-05-23
買い物に訪れたスーパーでダンス部の先輩たちと偶然会い、カボは前回のダンスコンテストの話やステージに立つ感覚などを質問。コンテスト時の動画を視たカボは、恩のダンスレベルの凄さを目の当たりにします。
恩のダンスに目がいってしまう理由を、動画を視ながら模索するカボ。部活時に恩から教わった後拍アクセントの重要さを、自主練しながら実感していきます。
コンテストに向けて、本格的な振り付け練習がスタート。自分よりも覚えが悪い子が多くいる中、コンテストメンバーに選ばれなかったことに納得がいかない仁上ゆら。
ゆらは恩に落選の理由を訪ね、「なんかいいなと思った人の間(ま)に注目してみて」というアドバイスを受けます。ライバル視していた湾田を自然と目で追ってしまっていることに気づいたゆらは、カボ・湾田と一緒にダンス動画を撮影。自身の欠点に気づきます。
コンテストの振り付けで、見せ場をもらったカボと湾田。ダンス部もう1人の男子部員・厳島伊折は、恩からダンスコンテストが面白いことになりそうだと聞きカボに興味を抱き始めます。
コンテストメンバーに選ばれたカボが、コンテストに向けての練習に励む第2巻。伊折に勝負を持ちかけられ、カボが初めてダンスバトルを経験するシーンは見逃せません。
- 著者
- 珈琲
- 出版日
いよいよ迎えたコンテスト当日。審査員のひとりダンス歴20年の大御所ダンサー・アッセイは、湾田に可能性を感じます。
審査員に挨拶しようとするも、吃音症により挨拶の言葉を発することが出来なかったカボ。コンテストを見に訪れた伊折にもうまく挨拶できず、小バカにしたような物言いをされますが何も言わず笑顔で流してしまいます。
そんなカボに変わって伊折に、カボは言葉が出にくいのだと伝える湾田。それを聞いて伊折は、いろんなことに合点がいきます。
コンテストの本番がはじまり、ライバル校たちがそれぞれ独自のパフォーマンスを披露。一凛高校のステージがはじまり、ダンサーの顔を魅せるカボと湾田。圧巻のパフォーマンスを見せ、一凛高校は見事優勝!湾田はアッセイ賞を獲得します。
プロダンサーに声をかけられた湾田の姿を目にしたカボは、湾田を遠く感じ鬱屈とした気持ちが湧き上がって……。
コンテストも終了し心機一転部室を訪れたカボは、恩と伊折のダンスバトルを目にし自身も恩にバトルを挑むことになります。
コンテスト本番の様子が描かれた第3巻。一凛高校ダンス部の熱いパフォーマンスや、部室で行われるダンスバトルなど見どころ満載の一冊です。
- 著者
- 珈琲
- 出版日
ダンスバトルの世界に惹かれ始め、伊折と毎日昼休みに踊るようになったカボ。カボは伊折にハウスやウィンドミルをやりたいと言います。
一方、湾田はPOPPINのヒットに挑戦し始めますが、思うように習得できずもどかしい気持ちになり……。
免許を取得するため自動車学校を訪れたカボは、吃音症の症状によって色覚検査で答えを発することができず全色盲と判定される結果に。
思わずテンパってしまったカボは説明もままらならいまま自動車学校を出て、湾田とともにB-BOYの練習場へ向かいます。伊折よりひと足先に到着し、B-BOYダンサーたちと交流する2人。
壁谷と伊折も合流し、ダンサーが円を形成するサイファーにカボと湾田も参加します。
ついに訪れた、高校生ダンスバトル当日。恩・伊折・湾田が、順調に予選を通過。湾田の姿を見失ったカボは、集中力を欠いてしまい思うようにパフォーマンスを発揮できず落選してしまいます。
しかし敗者復活戦で無事自分らしさを取り戻し、カボも本選に進出。白熱の本選バトルの幕があがります。
ついに本格的なダンスバトルに突入する第4巻。新しいダンスジャンルに没頭するカボや湾田の姿から、目が離せません!
- 著者
- 珈琲
- 出版日
物語はダンスバトル本選へ。まずは湾田がマッチンという選手と対戦。3対0で湾田が勝利しひと足先に、2回戦へと駒を進めます。
続いての対戦は、恩と昌谷高校ダンス部部長・巧宇千(たくみうせん)による部長対決。独特なキャラ性の黒さで渋カッコいいダンスをくり広げる宇千に対し、恩は持ち前の動きの良さや音の捉え方を全力でぶつけていきます。
2人の高レベルな戦いは、審査員も甲乙つけがたく勝負は延長戦へ。しかし激闘のバトルを制したのは、恩ではなく宇千でした。
伊折とカボも無事勝ち抜け、バトルは2回戦に突入。湾田は恩を破った宇千と、対戦することになります。会場を自分の世界へと呑み込む湾田に対し、宇千はパワフルなダンスで対抗。宇千が勝利を手にします。
恩や湾田が本選から姿を消して行く中、伊折とカボは2回戦を突破。伊折は恩や湾田に勝った宇千と、準決勝で戦うことになります。今まで宇千に、勝てる気がしていなかった伊折。
途中ミスする場面がありつつも自分らしさを取り戻し、今までの自分を超えていくダンスで周りを魅了していきます。
一凛高校メンバーの前に、強敵が立ちはだかる第5巻。ハイレベルなダンスバトルが続々登場し、手に汗握る展開が見どころです。
- 著者
- 珈琲
- 出版日
緻密な描写で読者を、ダンスの魅力に惹き込んでいく漫画『ワンダンス』。
実はこの作品、デザイン違いの表紙が存在する巻があります。表紙が2パターンあるのは、第1巻と第2巻。リニューアル版は第3巻が発売された翌日の、2020年5月23日に発売されました。
しかもこの新バージョンの表紙、ただデザインが一新されただけじゃないんです!表紙を外すと下から旧バージョンの表紙が出てくる2重構造になっています。両方楽しめるなんて、ちょっと得した気分になってしまうかもしれませんね。
ちなみに第3巻以降の表紙は、新バージョンの表紙とデザインが統一化されています。
表紙でも様々な楽しみ方を味わわせてくれる、『ワンダンス』。今後またデザインが一新される機会があるのか、気になってしまいますね。
- 著者
- 珈琲
- 出版日
ワンダンス(2) (アフタヌーンコミックス) 電子書籍端末版
2019/11/22
2巻を電子書籍で購入したい方はこちらから検討、試し読みができます。
ダンス未経験の主人公カボが、ストリートダンスに魅了されていく漫画『ワンダンス』。ここでは今後この物語が、どのような展開を遂げていくのか考察したいと思います。
最新刊の第5巻で、準決勝に突入したダンスバトル。現在勝ち残っているのは、カボ・伊折・壁谷・宇千の4人。カボvs壁谷、伊折vs宇千の勝ち残った者が決勝に進みます。決勝は先輩後輩対決になるのか、はたまた因縁の対決になるのでしょうか。
いずれにしても、胸熱バトルになるのは必至です。
ダンスバトルの世界に魅了されはじめたカボ、世界一のダンサーを目指す湾田。お互い気になる存在で、お互い負けず嫌いな面がある2人。
得意分野は違えどもチームコンテストやダンスバトルの経験を経て、これから2人が進むべき道を見つける展開が予想されます。2人でパートナーとして一緒に踊っていくのか、それとも良きライバルとして同じ道で戦うことを選ぶのでしょうか。
互いに惹かれ合っている様子のカボと湾田、恩に思いを告げた伊折。まだハッキリと恋愛に発展していませんが、この4人は今後恋愛関係に発展していく可能性が高いと思われます。
これから4人が紡いでいく、未来の形がどうなるのか楽しみですね!
ダンスシーンの描写が、印象的に映る漫画『ワンダンス』。そんな本作の魅力とは、一体何なのでしょうか?2つの魅力を紹介していきたいと思います。
本作の主人公カボは、新入生&未経験の状態でダンス部に入部。湾田とゆら以外の新入部員は、ほぼダンス素人状態。そのためダンス部部長である恩の、レクチャーシーンが多数登場します。
恩が基礎や技などを、ひとつひとつわかりやすく説明。この恩によるレクチャーを読み進めていくうちに、もしかして自分にもできるのかな?という気持ちに自然となってきます。
『ワンダンス』を読んでいたら、ダンスをはじめたくなった!という方も少なくないのでは?
主人公のカボは、吃音症により人と話すのが苦手。伊折は、人とコミュニケーションを取るのが苦手。そんな2人の共通点は、ダンスや音楽の前では正直でいられること。
普段の生活で思うようにコミュニケーションを取れない不器用さがありますが、ダンスという表現方法を取れば自分らしくいられるのです。
彼らが普段抱える悩みは、時に心苦しいもの。しかし、その表現方法を手にしたことで才能が開花し一心不乱に踊る姿には、情熱や生きざまを感じられます。読者も「ここまで夢中になって向き合えるなにかを見つけたい」と勇気をもらえるでしょう。
魅力的なダンスシーンを描く作者・珈琲とは、どういう人物なのでしょうか?実は作者・珈琲自身がダンス経験者であり、吃音症を抱えています。
主人公カボのキャラクター性には、自身の経験も反映されているのだとか。
珈琲は小学生の頃にDA PUMPをきっかけにダンスに興味を持ち、インターネットの動画を見ながらダンスを学びはじめました。その後ダンススクールに通い、ダンスバトルやコンテストに出場した経験も。
「自分にもできそうと読者に思ってもらいたい」という気持ちを込めて、『ワンダンス』を描いている珈琲。そんな作者の思いが、思わず目が奪われてしまうダンスシーンの誕生に繋がっているのではないでしょうか。
珈琲がどんなダンスを踊っていたのか気になる方は、YouTubeでダンスしている様子を見ることができます。
『ワンダンス』のほかにも、キャラクターの身体の躍動の描写が魅力の漫画を読みたい方は、同作者の『のぼる小寺さん』がおすすめ。こちらの記事で詳しく解説しています。
『のぼる小寺さん』無表情ボルダリング女子可愛い!最終回までの見所ネタバレ
頑張っている人を見ると、自分も頑張ろうという気持ちが生まれてきますよね。本作は、ボルダリングに熱中する少女を中心に、様々な人の視点で日常がくり広げられる漫画です。最後まで目を離せない全4巻で構成されています。実写映画化が2020年6月5日から公開になります。 ファンを熱中させた本作の魅力についてご紹介します。なおネタバレも含まれますので、未読の方はご注意ください。
- 著者
- 珈琲
- 出版日
ページをめくる内に気がつけば、踊ってみたい気持ちが込み上げてくる漫画『ワンダンス』。ダンス経験者である作者・珈琲の、初心者でも楽しみやすい表現にしたいという思いが読者の心を動かしています。ダンスの世界へ足を踏み入れる第一歩として、本作を手にとってみてはいかがでしょう?