名だたる文豪たちの名前を持つキャラクターたちが、異能バトルアクションをくり広げる漫画『文豪ストレイドッグス』。この記事ではアニメをはじめ、続々とメディアミックス化されていく本作の見どころをネタバレありで紹介!本作の魅力や注目のキャラ紹介など、押さえておきたいポイントを綴っていきます。
もしも名だたる文豪たちがイケメンで、能力バトルをくり広げたら……。そんな作者の思いが形になった『文豪ストレイドッグス』は、KADOKAWAの漫画雑誌「ヤングエース」2013年1月号より連載を開始しました。
孤児院を追い出され耐え難い空腹感に苛まれていた中島敦は、入水中の太宰治を発見し助けます。この太宰との出会いをきっかけに、探偵社の一員に加わることになる敦。宿敵・ポートマフィアをはじめ、様々な敵との異能バトルに身を投じていくことになります。
太宰治や芥川龍之介など、誰もが一度は耳にしたことがある名前のキャラが多数登場する本作。各キャラの必殺技も文豪の作品名だったりと、「知ってる!」や「聞いたことある!」が溢れている作品です。
人気上昇に伴いテレビアニメ、劇場版、舞台、テレビゲームと、幅広くメディアミックス展開され続けています。
メディアミックス化が続く漫画『文豪ストレイドッグス』は、2021年8月現在までに3度アニメ化されています。1st SEASONは2016年4月~6月、2nd SEASONは2016年10月~12月、3rd SEASONを2019年4月~6月に放映。
アニメーション制作はアニメ『鋼の錬金術師』や、アニメ『僕のヒーローアカデミア』を手掛けたボンズ。中島敦の声を上村祐翔、太宰治の声を宮野真守が務めるほか、名だたる声優がキャラクターに声を吹き込んでいます。
また2021年1月には、登場人物たちが愛らしい姿になった公式ギャグスピンオフ『文豪ストレイドッグス わん!』をアニメ化。
2nd SEASONと3rd SEASONでは小説のエピソードもアニメ化され、漫画本編で描かれていない太宰の過去をアニメで見ることができます。
個性あふれるキャラがバトルをくり広げる、魅力いっぱいの漫画『文豪ストレイドッグス』。ここでは本作の見どころポイントや魅力を考察していきます。
この物語はフィクションのため作者名や作品名のみの登場になりますが、著名な文豪を模したキャラクターたちが多数登場します。
主要キャラの名前は著名な文豪の名前、能力名は文豪が書いた作品の名前になっている本作。登場する文豪は日本国内に留まらず、世界の名だたる文豪にも及んでいます。
実際の文豪のエピソードを踏襲しているキャラクターもいるので、探してみてはいかがでしょう?
本作の胸アツポイントとして紹介したいのが、異能アクションバトル。しかもただの異能を使ったアクションバトルに留まりません。自身の異能をどうフルに活かすかという頭脳戦が、本作のバトルシーンに彩りを添えています。
エドガー・アラン・ポオから、ペンネームを考えたという実在の江戸川乱歩。その乱歩とポオが両方登場し、推理戦をくり広げるライバルから良き友人に変化していくさまは心踊る設定なのではないでしょうか。
ここからは魅力的なキャラクターが多数登場する中、特に押さえておきたいキャラクターを紹介していきます。
様々な異能が登場する漫画『文豪ストレイドッグス』の主人公は、白虎に変身する中島敦。
孤児院を追い出され、さまよっていた時に太宰と出会います。白虎に変身する月下獣の能力を持っており、変身時には銃弾を物ともしない強固な身体と目覚ましい俊敏さを発揮。
物語当初はなかなか能力を扱い切れず変身時の記憶がなかったり、太宰に制御しきれない能力を打ち消してもらう必要がありました。
道標という特殊な能力を秘めているため、やがて数奇な運命に巻き込まれていくことになる敦。孤児院で虐待を受けていたという辛い過去があり、その記憶が重い枷になることも。
純粋でひたむきな敦の人柄は、様々なキャラたちの心境に変化を与えていきます。
露頭に迷っていた敦に、新たな人生を歩むきっかけを作る人物。それが太宰治です。
鶴見川に入水していた際に、助けられる形で敦と出会う太宰。自殺マニアで美しい女性との心中を希望しているなど、文豪のエピソードを時折連想させることも……。
太宰が持つ異能は人間失格という名の、直接触れたものの異能を無効にする能力。重要な局面で求められるなど、必要とされることが多い強力な能力です。
物腰が柔らかくマイペースな太宰は、いまいち何を考えているか読み取れない人物。そんな彼は心情を悟られずに頭脳戦をくり広げられる、優秀な頭脳の持ち主でもあります。
ポートマフィアの元幹部で武装探偵社の明暗を握ることが多い太宰は、戦いの行く末に希望の光を見せてくれる存在なのです。
国木田独歩は、敦が働くことになった武装探偵社の兄貴分的なキャラ。
太宰を探しに来た際に敦と出会う国木田は、マイペースな太宰に振り回されることが多く手を焼かされています。
破いた手帳のページに書いたものが具現化される異能、独歩吟客(どっぽぎんかく)の持ち主です。冗談が通じず融通の効かない性格で、厳しい言葉を浴びせる一面があります。自身が思い描く理想と、残酷な現実の剥離に苛まれて心が蝕まれていくことも。
そんな国木田は探偵社の一大事にメンバーを牽引し、持ち前の正義感でみんなを守る術を考え抜く兄貴肌なキャラです。
真面目な国木田と人をおちょくる面がある太宰のやり取りは、過酷なバトルが多い本作にとってクスりと来る笑いのスパイスになっています。
太宰と並ぶ武装探偵社のブレーン的存在、それが江戸川乱歩です。
武装探偵社メンバーの中で、唯一異能を持たない乱歩。しかし彼には異能に匹敵する、ズバ抜けた推理力が備わっています。福沢からもらったメガネで現場を観察し、すぐに事件の真相を解明してしまう乱歩の推理は秀逸。
他の追随を許さない乱歩の推理能力には探偵社メンバーも一目置いており、太宰は彼を探偵社最強の男と評しています。
超越した推理能力とは裏腹に、一般常識には疎く電車の乗り方がわからないという一面も。優秀であるがゆえに、傲慢な性格が見え隠れすることがあります。
探偵社のピンチには、乱歩の推理能力が必須。どんな難事件も解決に導いていく乱歩の推理力によって、爽快な気分を味わうかもしれません。
傷ついた武装探偵社の社員を治療する役割を担うのは、与謝野晶子。
彼女の異能・君死給勿(きみしにたもうことなかれ)は、傷を残さずに治療を施せる能力。しかし瀕死状態の者にしか能力を発揮できないため、瀕死じゃない者を一度瀕死の状態にさせてしまうという独特な治療をおこないます。
気っ風のよい性格で、ドS気質。森鴎外の元で治療役を担っていた際に、自身の能力によって心が壊れていった人を目にし、自身の心も蝕まれてしまった過去があります。
独特な治療法から探偵社メンバーに恐れられることもありますが、武装探偵社にとって死にかけた時に命を救ってくれる無くてはならない存在の与謝野。
男だらけの探偵社の中で、みんなの背中を守るような立ち位置のキャラクターです。
実際の作家は男性ですが、異能バトル中心の本作でヒロイン的役割を担うのが泉鏡花です。
ポートマフィアの一員として登場した鏡花は最初、武装探偵社の敵として登場。半年で35人もの人々を殺めてきた鏡花は感情を動かさずに、夜叉白雪の能力で組織の兵器的役割を果たしてきました。
敦との出会いを通じて徐々に心境の変化が現れ、ポートマフィアを捨てて探偵社の一員として生きていく道を選ぶ鏡花。
自身を救ってくれた敦は特別な存在で、敦のために変わろうとしたりヤキモチのような行動を見せたりすることも。
両親の死がきっかけで心を閉ざしてしまった鏡花ですが、両親の死の真相を知ることで新たな変貌を遂げていきます。敦との仲がどうなっていくのかが、楽しみなキャラクターです。
個性あふれる社員たちが信頼を寄せる、武装探偵社の社長は福沢諭吉。
福沢は元政府最強の暗殺剣士であり、武道の達人。その腕前は、複数の敵や異能力者を一人で制圧できてしまうほど。
異能の出力度合いを調整できる、人上人不造(ひとのうえにひとをつくらず)という能力の持ち主です。福沢の異能は、自身の部下にだけ有効。自分の力を思うように制御できなかった敦や鏡花は、福沢の異能によって力を扱えるようになります。
社員思いの社長で、社員たちの窮地には自ら敵に交渉を申し出ることも。
ポートマフィアのボス・森鴎外とは旧知の仲。軍警特殊部隊の隊長・福地桜痴(おうち)は幼なじみ。
社員たちの良き理解者である福沢が、武装探偵社という家族を守るために振るう采配は本作の見所のひとつです。
漫画『文豪ストレイドッグス』のキャラクターの中で、敦の宿敵にあたるのが芥川龍之介です。
ポートマフィアの一員である芥川は、登場当初から圧倒的な強さを見せつける難敵。芥川の異能・羅生門は、あらゆるものを切り裂く黒獣へとコートを変化させる能力。
太宰に認められたいという気持ちが原動力になっている芥川は、太宰に対して一種の執着心を持っています。その執着は太宰とともにいる敦に対して、異常なまでの嫌悪感を抱くほど。
非情な性格で、標的を殺していく様は残忍そのもの。宿命のライバルである敦と、度々対峙します。
敦と芥川は名コンビになりうる存在だと感じる太宰の思いが、どのように花開いていくのか。2人の関係の変化は、見逃せないポイントのひとつです。
次に紹介するのは、太宰の元相棒・中原中也です。
ポートマフィア幹部の中也は、太宰がポートマフィア所属時代に双黒と呼ばれた相棒。絶妙なコンビネーションを誇るコンビにも関わらず、人をおちょくってばかりの太宰を中也は嫌っています。
汚れつちまつた悲しみにという能力で、触れたものの重力の方向や強さを操って自由自在に攻撃が可能です。
過去、太宰に数々の嫌がらせを受けたことにより、仕返しの機会を伺っていますが一回り上をいく太宰の返り討ちにあうこともしばしば。
好戦的で熱くなりやすい性格の持ち主ですが、部下思いの一面も。
基本は武装探偵社の敵として立ちはだかる存在ですが、双方の危機には太宰とのコンビが復活する様を見ることができます。どんなに仲が悪くても、双黒の力は健在。太宰にからかわれるシーンは、思わず笑いがこみあげてしまうかもしれません。
芥川や中也が所属する、ポートマフィアのボスは森鴎外。
森は元医師で、大戦中は軍医を努めていました。冷静沈着で合理的な性格、モンゴメリが敦を異空間に取り込んだ際に敦と出会います。
ヰタ・セクスアリスという異能の持ち主で、エリスという幼女を作り出す力があります。自身が作り出したエリスを溺愛していて、その溺愛ぶりが作中に度々登場。
福沢とは旧知の仲で、与謝野は軍医時代の部下。与謝野の過去に深く関わっており、福沢とは相容れない思想を持っている森。普段は決して相容れることのない森と福沢ですが、双方の守るべき存在を何よりも大切に思う気持ちは一緒。
ポートマフィアと武装探偵社の双方に危機が訪れた際、森と福沢は互いが最も信頼に値する存在であるかのような行動を魅せてくれます。
ここからは、漫画『文豪ストレイドッグス』の各巻あらすじを、アニメと原作の違いも踏まえながら紹介していきたいと思います。
2016年4月~6月に放映されたアニメ1st SEASONでは原作漫画の第1巻~第4巻と、太宰の武装探偵社新人時代を描いた小説版第1巻『太宰治の入社事件』がアニメ化されました。
孤児院を追い出され、空腹に耐えかねていた中島敦。生きるために財布を奪う決意をした矢先、鶴見川に入水する不思議な男・太宰治を発見します。
太宰を助けた敦は国木田独歩のお金で、お茶漬けをご馳走になることに。太宰と国木田は異能力集団・武装探偵社の一員で、人食い虎の調査中。
虎に襲われたことがある敦は、太宰たちの虎探しを手伝うことになります。虎の正体は、月下獣の力で虎に変貌した敦ということが判明。太宰の異能により、事件は終息します。
仕事斡旋のため太宰に呼び出された敦は、爆弾魔立てこもり事件に巻き込まれてしまい……。
探偵社の入社試験だった、この事件。試験での働きぶりにより、探偵社の一員として認められた敦は武装探偵社に入社します。
入社後初依頼は、密輸業者の証拠をつかむこと。しかし初依頼は、ポートマフィアが仕掛けた罠だった!突然窮地に立たされた敦は、どうなるのか⁉
太宰とのひょんな出会いから、敦が武装探偵社に入社する第1巻。事件を装った入社試験が見どころです。
アニメでは太宰が最初に登場するタイミングが異なったり、月下獣の力が解けたあと敦が目を覚ますなどアニメオリジナルのシーンが所々にあります。漫画にはないシーンを、探してみてはいかがでしょう。
文豪ストレイドッグス -1
2013/4/3
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初任務で芥川龍之介と戦闘になり、太宰の力で急死に一生を得た敦。
70億の懸賞首になっていた敦は、探偵社を守るため会社を去ろうとします。しかしそんな敦の思いを欺くように、ポートマフィアの黒蜥蜴は武装探偵社を襲撃。
この襲撃を圧倒的な力で、跳ね除ける探偵社。敦は引き続き探偵社に留ることになり、江戸川乱歩と殺人事件の現場へ。
到着した乱歩に、60秒で事件を解決しなさいと無茶振りされる杉本巡査。マフィアの仕業ではないかと推察しますが、太宰は偽装工作だと一蹴。超推理を使って乱歩が事件の全貌を解明し、早々に事件は解決します。
与謝野晶子の買い出しに付き合った帰りに、ポートマフィアが仕掛けた爆弾による地下鉄襲撃に遭う敦。手分けして爆弾解除にあたり、与謝野は爆弾魔・梶井基次郎と対峙。敦は夜叉白雪の能力を持つ泉鏡花と戦うことに。
劣勢を強いられた敦と与謝野は死闘の形勢を逆転させ、鏡花の心の叫びを聞いた敦は……。
敦がポートマフィアに執拗に狙われ始める第2巻。乱歩の超推理による、鮮やかな事件解決劇は見逃せません!
第2巻第6話の乱歩が殺人事件を解決する回と第7話のマフィア地下鉄襲撃事件の間に、アニメ版では小説版第1巻『太宰治の入社事件』の内容が放映されています。
- 著者
- ["春河35", "朝霧 カフカ"]
- 出版日
孤児になった際マフィアに拾われ、暗殺者に仕立てられた鏡花。携帯を使い夜叉白雪に司令を出していたのは、芥川でした。
鏡花に救いの手を差し伸べたい敦に国木田は、鏡花の不幸を肩代わりする覚悟があるのかと問います。鏡花を軍警の屯所に連れて行くよう命じる国木田。
心の迷いから、鏡花をデートに誘う敦。自分の要望に応えてくれたことに感謝し、警察へ出頭しようとする鏡花の前に芥川が現れます。
芥川に敦が拐われてしまい、敦奪還へ動く武装探偵社。ポートマフィアに先読みされ敦の奪還作戦は行き詰まりますが、乱歩の推理能力で居場所を突き止めます。
捉えられ拘束中だった太宰に戦いを挑む、元相棒の中原中也。太宰がわざとマフィアに捕まった真意のひとつが、自分に嫌がらせをするためだったと知り愕然とします。
敦を助けるため、芥川に反旗を翻す鏡花。敦は鏡花を救うため、芥川に立ち向かっていくのでした。
35人殺しの鏡花が、敦との出会いで変化していく第3巻。理想と現実のはざまで悩む、敦が下す決断とは⁉
冒頭の国木田が敦に鏡花の携帯を返すタイミングに、漫画とアニメで違いが。また漫画にはない観覧車のシーンがアニメでは追加されているなど、演出が異なる部分があります。
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鏡花も武装探偵社に入社。敦は宮沢賢治とともに、走行中の車が謎の爆発を遂げた現場へ。純粋で天然気質な宮沢は顔が広く、聞き込みは順調に進みます。
容疑者本人に聞き込みをし、証言を純粋に受け止める宮沢の独特な仕事方法。敦は自分が宮沢から何かを得るのは、無理だと悟ります。
重症を負い昏睡状態の芥川が何者かに拐われ、樋口一葉と黒蜥蜴は芥川の奪還へ。
部屋が足りないという理由で、鏡花との同棲がはじまる敦。敦に懸賞金をかけた北米異能者集団の組合(ギルド)の団長フランシス・スコット・キー・フィッツジェラルドは武装探偵社を訪れ、探偵社を買いたいと福沢に交渉を持ちかけます。
福沢が申し出を断った後、忽然と姿を消す宮沢と谷崎ナオミ。谷崎潤一郎と敦は2人を拐った犯人ルーシー・モード・モンゴメリを見つけますが、モンゴメリの異能・アンの部屋に取り込まれてしまいます。
敦と潤一郎の機転と森鴎外のアドバイスで、アンの部屋から抜け出すことに成功するのでした。
新たな敵・組合が登場する第4巻。独特な宮沢の仕事方法、ポートマフィアのボス森鴎外の登場など見どころたっぷりです。
ルーシー・モード・モンゴメリは漫画では自身のことをモンゴメリと名乗りますが、アニメではルーシーと名乗っています。
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アニメ2nd SEASONは2016年10月~12月に放映。原作漫画の第5巻~第9巻と、太宰のポートマフィア時代がわかる小説版第2巻『太宰治と黒の時代』がアニメになりました。
武装探偵社の社員として、初任務を得た鏡花。裏から侵入やスタンガンで攻撃など、事を荒立ててしまいます。そんな鏡花と敦の前に現れ、鏡花を連れ戻そうとするポートマフィアの尾崎紅葉。
武装探偵社とポートマフィアの全面戦争になりかけますが、ハワード・フィリップス・ラヴクラフトやジョン・スタインベックなど組合のメンバーが出現。その場にいた全員が、組合に倒される事態に。
探偵社は紅葉を捕獲し、鏡花は行方不明に。拠点を旧晩香堂へ移し、作戦会議を開く探偵社。メンバーを守勢と2つの攻勢グループに分け、三組織異能力戦争へと備えます。
森鴎外からの手紙が届いた、組合のマーガレット・ミッチェルとナサニエル・ホーソーン。手紙の内容はミッチェルとホーソーン2人の命を消すというものでした。
2人が守るのは前線基地に等しい、燃料や武器などの消耗品を積んだ船。そこに梶井が現れ無数のレモン爆弾を投下、船を襲撃し……。
いよいよ三組織異能力戦争が本格化する第5巻。三組織それぞれが、相手を出し抜こうとする様が見物です。
アニメ版では第5巻の内容に入る前に、小説版第2巻『太宰治と黒の時代』をアニメ化した黒の時代を放映。漫画では描かれていない、太宰のマフィア時代を知ることができます。
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熾烈な一騎打ちをくり広げる、ホーソーンと芥川。一族の名誉を取り戻すという執念でミッチェルは攻撃を仕掛けますが、芥川の刃に倒れてしまいます。さらにホーソーンを、身を挺して守るミッチェル。戦いは芥川の勝利で終わります。
武装探偵社の守勢チームの拠点を訪れ、ラヴクラフトとジョンを餌で釣ったと福沢に告げる中也。
ポートマフィアが組合に与えた餌とは、探偵社の非異能社員・春野綺羅子とナオミの潜伏先でした。春野とナオミは敵の監視をかいくぐって車で脱出しますが、ジョンの能力によって捕まってしまいます。
駆けつけた潤一郎と国木田は、2人を逃がすことに成功。しかしラヴクラフトの圧倒的な強さにより状況が一変、またもや春野とナオミが拐われそうになります。
潤一郎の機転で危機を脱し、列車に乗車した春野とナオミ。しかし2人の前に、何やら怪しい人物が現れ……。
春野とナオミが乗った列車が、到着する駅で待つ太宰と敦。お腹の調子が悪くなったと言って敦のそばを離れた太宰の前に樋口と銀が現れ、森からの伝言を伝えます。
組合の急襲の裏で、ポートマフィアが暗躍する第6巻。ミッチェルの執念やラヴクラフトの化け物じみた強さなど、続々と明らかになる組合の異能は必見です。
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マフィアの幹部に戻らないかという森の伝言と、座敷牢からQが解き放たれたことを聞いた太宰。春野とナオミを駅で迎え入れた敦は、Qの異能に操られた春野に首を締め付けられてしまいます。
さらにナオミもQに操られてしまいますが、駆けつけた太宰により術にかかっていたのは自分だったと気づく敦。Qが去り、自責の念にかられる敦を太宰が一喝。反撃に出るため太宰は、内務省の坂口安吾へ会いに行きます。
フィッツジェラルドに拐われかけた敦を、行方不明だった鏡花が救出。しかし助けを求めた警官に疑われ、思わず警官を傷つけてしまう鏡花。
全ては組合が立てた作戦通り。先回りしていたフィッツジェラルドに、敦は拐われてしまいます。
ラヴクラフトと対峙し、組合に捉えられ拷問にあうQ。組合はQの能力を使って、横浜焼却作戦を企てていました。作戦が実行され、混乱する横浜。
モンゴメリに助けられた敦は、パラシュートを使って組合の白鯨から脱出。マーク・トウェインの攻撃にあいながらも無事、太宰の下へ辿り着き……。
敦がついに組合に捕らわれてしまう第7巻。太宰の過去を知る坂口安吾の登場、モンゴメリと敦の交流など息を呑む展開の連続です!
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太宰と敦の連携で、横浜壊滅の危機は回避されました。森との密会の場で福沢は、一時停戦を申し入れます。
愛する街を守るため、Q奪還作戦へと動き出す武装探偵社。ポートマフィアとの一時的な同盟により、Qの監禁施設へ向かった太宰と中也によって一夜限りの復活を遂げる双黒コンビ。
反撃の狼煙を上げた、対組合共同戦線。互いに罵り合いながらも太宰と中也はQを奪還しますが、ラヴクラフトに行く手を阻まれてしまいます。
圧倒的なラヴクラフトの強さを前に、汚濁を発動する中也。中也と太宰の勝利で、戦いは終了します。
組合から挑戦状を受け取り、与謝野とともに指定された場所へと向かう乱歩。乱歩に謎解き勝負を持ちかけたのは、エドガー・アラン・ポオでした。
ポオの能力によって、小説に引きずり込まれてしまった乱歩と与謝野。小説の中で起こった殺人事件を解決するまで、元の世界へ戻ることができない2人は推理を開始します。
乱歩の超推理で難事件を解決し、ポオから組合の弱点を入手。ポオから得た資料を元に、白鯨潜入作戦を開始します。
対組合共同戦線が始動する第8巻。見どころはなんといっても、一夜限りの双黒コンビ復活。太宰と中也ならではの、コンビネーションは必見です。
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同じように白鯨に潜入してきた芥川と鉢合わせした敦は、芥川を撹乱してフィッツジェラルドの元へ。
白鯨の制御端末奪還へ動き出した敦でしたが、フィッツジェラルドの力にねじ伏せられてしまいます。そこへやってきた芥川が、敦を鼓舞。敦は再びフィッツジェラルドに立ち向かいますが、孤児院時代の過去に触れられてしまいます。
芥川の機転でその場を脱するも、どうしても考えが相容れない敦と芥川。フィッツジェラルドに袋小路へと追い込まれ、敦と芥川はともにフィッツジェラルドに挑んでいきます。
妻の妄想を現実にして家族を取り戻すという目的のため、本を手に入れたいフィッツジェラルド。その執念はすさまじく、敦と芥川の攻撃を一蹴していきます。
互いの能力を駆使して、敦と芥川は連携攻撃を開始。全ての力を出し切り万事休すと思われた瞬間、ついにフィッツジェラルドが倒れます。
制御端末を奪還したものの、止まらない白鯨の下降。横浜を守るため、鏡花の乗る無人機を白鯨に衝突させることに。作戦は成功し、守られた横浜。鏡花も無事、生還を果たします。
ついにフィッツジェラルドとの戦いが始まる第9巻。実現することが想像できなかった、宿敵・芥川と敦の連携攻撃を見ることができます。
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2nd SEASONの放映から約2年半の時を経てアニメ化された、2019年4月~6月放映の3rd SEASON。原作漫画の第10巻~第13巻と、太宰・十五歳時のエピソードが描かれた劇場版の入場者特典小説『十五歳』がアニメ化されました。
武装探偵社の社員たちが、休憩時によく利用する喫茶店うずまき。うずまきが何者かに襲われ、店長は手を負傷。
うずまきを襲ったのは、組合の遺産を狙う海外犯罪組織でした。なじみの喫茶店を襲われたことに怒りを覚え、犯人たちに仕返しを果たす探偵社員たち。
乱歩の代理で事件現場に駆けつけた敦は、自身がいた孤児院の院長先生が被害者だと知ります。孤児院を出ても、ずっと恐怖の象徴だった院長先生。無実でも罪に問われ、折檻された過去。
敦は自分を暗闇に落とし続けた、院長先生の死を受け入れられません。死の間際、敦を捜していた院長先生。院長先生に関する資料から、院長先生の過去と真意を知ります。
白鯨の制御を奪った黒幕を調べるため、元探偵社員の田山花袋の元を訪れる敦と国木田。花袋は恋煩いにより、異能が使えなくなっていました。花袋の恋煩いを解消するため、告白大作戦が始まります。
一方ポートマフィアはA(エース)が、白鯨落としの黒幕・ドストエフスキーを捕らえ……。
太宰に匹敵する天才ドストエフスキーが登場する第10巻。敦の過去と閑話休題の役割を果たす、コミカルなショートストーリーが多数詰まった一冊です。
アニメ版では第10巻の内容に入る前に、太宰が15歳の時の物語・小説『十五歳』のアニメが放映されました。
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福沢の能力で夜叉白雪の力を、ある程度制御できるようになった鏡花。探偵社なじみの喫茶店でバイトするモンゴメリは、預かっていた依頼を鏡花に渡します。
大金の入った鞄を指定企業に届ける依頼は、一部書類をモンゴメリが抜き取ったため難航。溺れた敦をアンの部屋の能力で助け、モンゴメリと敦は互いの素直な気持ちを吐露します。
見つけた依頼書の鞄の中には、鏡花の両親が亡くなった本当の理由を記した書類が。
貧民街へフィッツジェラルドを捜しにやって来た、ルイーザ・メル・オルコット。夢破れたフィッツジェラルドは、すっかり生気を失っていました。
遺産目当ての犯罪者集団に襲われたオルコットは、フィッツジェラルドに救われます。生気を取り戻したフィッツジェラルドは、オルコットとともに新生組合をスタート。
フィッツジェラルドはマナセット・セキュリティの会長T・ブキャナンを陥れ、人体識別システムの本体とセキュリティ会社を手に入れます。
異能者狩りに襲われてしまった、福沢と森は……。
新生組合が誕生する第11巻。鏡花を縛り付けていた、両親の死の真相が明らかになるさまから目が離せません!
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フョードル・ドストエフスキーの謀略で、ウイルス型の異能・共喰いに倒れた福沢と森。ウイルスが2人の命を奪うまでのタイムリミットは48時間。
命を救う方法はウイルスを仕掛けた能力者を見つけるまたは、福沢と森のどちらか一方を殺すの2つのみ。首領の危機に、ポートマフィアと武装探偵社は一触即発の状況に陥ります。
全面戦争を避けたい探偵社は、ウイルスを作った異能者捜しを開始。ドストエフスキーによって何重にも張り巡らされた罠に、翻弄され追い詰められていく探偵社員たち。
作戦が失敗し潤一郎は森の命を奪おうとしますが、紅葉に阻止されてしまいます。マフィアと戦うなという福沢の言葉を社員たちに伝える敦、しかし乱歩は退くかマフィアと戦うか選べと皆に言います。
探偵社の考えは割れ、花袋の行方を追うことにする敦と国木田。乱歩たちは各自、マフィアとの戦闘をスタートします。
部下たちの思いとは裏腹に突如姿を消し、自身の手で決着をつけようとする福沢と森。三刻構想の終焉を覚悟した2人の前に夏目漱石が姿を表し、2人を一喝します。
共喰いの発動により、緊迫状態が続く第12巻。見どころは各自の思いから挑む、マフィアと探偵社の熾烈な総力戦です。
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太宰はウイルス異能者を捕縛するために、敦と芥川の2人がアジトに潜入する作戦を立てます。
アジトに潜入し花袋の能力を用いて耐爆鉄扉を開けようと試みるなか、捜していたウイルスの能力者アレクサンドル・プシュキンを逃がしてしまう敦と芥川。
必至に追い続ける2人を足止めする、イワン・ゴンチャロフの能力・断崖。プシュキンを追うため一刻も早く戦闘を終わらせたい2人は、ふたたび連携攻撃を開始します。
芥川の能力・羅生門を身に纏い、ゴンチャロフの岩巨人を切り裂く敦。
脱出した能力者を見張る潤一郎と太宰の前に、幾重にも仕掛けられたドストエフスキーの策略が立ちはだかります。ドストエフスキーが仕掛けた罠にハマる中、プシュキンの安易な思考を読み取り捕獲に成功。
太宰はフィッツジェラルドが持つ神の目を利用して、ドストエフスキーを捕捉。共喰いウイルス事件は幕を閉じます。
共喰いにかかった福沢と森の、命の行方がわかる第13巻。太宰の命で、敦と芥川のコンビネーションが復活。探偵社とマフィア総出の作戦が、見物です。
共喰い抗争編のアニメ版には、ラストに追加シーンが。また単行本13巻には小栗虫太郎が登場する話がありますが、アニメは共喰い抗争編の終わりとともに完結しています。
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まだアニメ化されていない第14巻以降。新たな強敵・天人五衰の登場により武装探偵社が、かつてない窮地に追い込まれていきます。
ポオとともに訪れた展望台で、殺人事件に遭遇した乱歩。小栗虫太郎の能力・完全犯罪により、証拠が消滅し捜査は難航します。
殺された推理作家ヨコミゾが書いた最終話の原稿が、事件解決の鍵になると気付き事件の真相を暴いた乱歩。ポオの能力でヨコミゾの殺害現場を再現し、虫太郎を自首させることに成功します。
護送中にゴーゴリの襲撃に遭った虫太郎は、乱歩にこれから探偵社に来る大きな仕事を受けてはいけないと忠告。そのまま行方知れずとなってしまいます。
共喰い事件から1ヶ月後、武装探偵社は祓魔梓弓章を受章。政府からの緊急要請で、殺人結社による事件を追うことに。
六道輪廻の天人が死の間際にあらわす5つの兆候・天人五衰を模した殺人事件がすでに4件起きており、残る不楽本座を模した事件が起こると予想した武装探偵社。
虫太郎の忠告を危惧した乱歩は依頼を断ろうとしますが、社長の福沢は仕事の受諾を決断。
太宰が逮捕され、乱歩は瀕死の種田山頭火に遭遇。人質を天人五衰から救うため、現場に駆けつけた探偵社はゴーゴリの能力で犯人に仕立て上げられてしまい……。
虫太郎との出会いから天人五衰事件に突入する第14巻。ヨコミゾと虫太郎の友情と、2人の思いに乱歩がどう応えるのかに注目です。
- 著者
- ["春河35", "朝霧 カフカ"]
- 出版日
種田を殺した犯人に仕立てられてしまった乱歩。天人五衰にされてしまった国木田たちは狙撃され、軍警に追われる立場に。福沢は逮捕されてしまいます。
絶望的な状況に、心が折れかける国木田。嵐を越えて、夜明けを越えて生きよう。という宮沢の言葉に鼓舞され、逃げ延びるための算段を模索します。
現場にかけつけた軍警最強の特殊部隊・猟犬は、逃走する国木田たちを先回り。無事車を調達して逃走を図る国木田たちの前に、姿を現します。
一人遅れて事態を呑み込んだ敦は、鏡花と合流。
猟犬の条野採菊と末広鐵腸に追い詰められ絶体絶命の国木田、潤一郎、宮沢、与謝野は、ヘリコプターに乗って現れた中也に救出されます。
社員を守るため、森と取引していた福沢。森が提示した救助の対価は、探偵社員の1人がマフィアに移籍すること。しかし末広が執拗に攻撃を仕掛け、皆を守るために国木田が1人で挑み……。
探偵社の無実を証明するため、敦と鏡花は虫太郎捜索を決意。神の目の力を借りるため、フィッツジェラルドの下へ向かいます。
急転直下・武装探偵社が殺人犯として追われる第15巻。絶体絶命の状況の中、宮沢が探偵社員たちにかける台詞が色濃く映る一冊です。
- 著者
- ["春河35", "朝霧 カフカ"]
- 出版日
ドストエフスキーと同じ収容所に収監され、互いに腹の探り合いをはじめる太宰。
与謝野がミッチェルを治療することを条件に、神の目の利用を承諾するというフィッツジェラルド。
武装探偵社員を救出した森は、探偵社員たちにバラバラに逃げるよう指示。過去の遺恨から森の指示を受け入れられない与謝野は森の嘘に惑わされながらも、フィッツジェラルドとの取引場所へ向かい潤一郎と宮沢に自身の過去を語ります。
大戦末期、国防軍第356歩兵師団で軍医委託生として、森の助手を務めていた与謝野。与謝野の治療で回復した兵士たちは、与謝野に心から感謝していました。
瀕死の重傷を負う度に治療を施され戦場に幾度も送り出されるうちに、精神が崩壊していく兵士たち。兵士の心を踏みにじり続けていく状況に、与謝野の心も蝕まれていきます。
心を閉ざした与謝野を再び利用しようとする森。福沢と乱歩によって与謝野は、救われます。
取引場所についた矢先、軍警の襲撃にあった与謝野たちはバラバラに逃げることを決意。与謝野はミッチェルを治療し、黒蜥蜴とともに逃亡。しかしそこに猟犬部隊が現れ……。
与謝野の過去が明らかになる第16巻。絶望の淵にいた与謝野が、探偵社に入社するエピソードは必見です。
- 著者
- ["朝霧 カフカ", "春河35"]
- 出版日
黒蜥蜴の立原道造は、ポートマフィアに潜伏していた猟犬だった!しかも与謝野が大戦時に、精神を崩壊させてしまった兵士の弟だった立原。
虫太郎の居所を探し当て、救出に来た敦と鏡花。外の世界に興味が持てない虫太郎は敦の申し出を断りますが、原稿を盾にされついていくことに。
虫太郎の収監場所に訪れた安吾を欺こうとする敦たち。作戦は成功し無事脱出しますが、安吾に追いつかれてしまいます。
ドストエフスキーを欺くため、一芝居打っていた安吾。安吾は最初から太宰と組んでおり、獄中にいる太宰の仲介役を担っていました。
モンゴメリのアンの部屋で虫太郎は、天人五衰の目的は国家の消滅であると告げます。
福沢に自供を促す、猟犬隊長の福地桜痴。敦たちが天空カジノへ向かったことを突き止めた猟犬は、天空カジノの封鎖を要求しますが支配人のシグマはこれを拒否。
敦の姿を見つけ後を追った立原は、隠し金庫を発見。秘密の露呈を恐れたシグマは、立原を仕留めようとするも失敗。カジノを守るため、驚くべき行動に出ます。
ついに天人五衰の目論見が明かされる第17巻。それぞれが敵を欺くために、巧妙に張り巡らせる心理戦や異能力戦が胸アツです。
- 著者
- ["朝霧 カフカ", "春河35"]
- 出版日
カジノを守るため、執拗に立原や大倉燁子を襲うシグマ。立原はカジノ自体がテロリストで、硬貨爆弾を世界中で起爆させようとしていると推察します。
安吾が敦たちに告げた天人五衰の次の計画は、硬貨爆弾を起爆した後の経済恐慌。敦は猟犬と共闘してテロを阻止し、テロリストではないことを証明しようと目論みます。
過去に互いが会話した内容を暗記して、その会話・単語を番地のように指定し2人にだけ通じる暗号を即席して会話する太宰とドストエフスキー。
一般客も利用してシグマは、立原と燁子を追い詰めます。シグマは本に書き込まれたことによって生まれた人物で、過去を持たない男。ようやく見つけた自分の居場所を、守りたいと思っていました。
敦は投降を拒否し命を投げ出そうとしたシグマを救出し、頁の在り処を聞き出そうとします。しかしホーソーンがシグマを襲い、作戦は失敗。
探偵社の無実を信じない改変が猟犬たちに施されており、猟犬を味方にする作戦も実現不可。絶体絶命の状況のなか、立原は探偵社がテロリストであるはずがないと思い始め……。
天空カジノでの決戦が終息する第18巻。常軌を逸する、太宰とドストエフスキーの巧みな頭脳戦が目を引きます。
- 著者
- ["朝霧 カフカ", "春河35"]
- 出版日
シグマから頁の在り処を教えられていた敦。頁は天人五衰のボス、神威が持ち歩いている!シグマから受け取った情報が大きすぎた敦は、神威の居場所をいまいち導き出せません。
国木田、与謝野、花袋、福沢を乱歩が次々と救出。
生中継の会場に侵入した乱歩は事件の真相を語り、立場や職業で考えず己の魂で考えろと訴えかけます。箕浦刑事の心をはじめ数人の心を動かす、乱歩の問いかけ。
敦と鏡花も乱歩たちと合流し、久しぶりに揃った武装探偵社。まだ見つかっていない宮沢と潤一郎を国木田が探すことになり、乱歩は福地に接触を図ろうとします。
天空カジノ事件で世界滅亡を危惧し始めたCTC(国連安保理テロ対策委員会)は、世界の正義を統一するための部隊・汎人類守護部隊の司令官を福地に依頼。
福地は安全保障理事会で部隊の必要性を説いた後、乱歩に会います。福沢の福地を信じるという言葉を受け入れた乱歩は、神威の正体が福地だと気がつくのに遅れてしまい……。
乱歩はポオの推理小説に逃げ込み、残された敦は福地と対峙することになります。
久しぶりに探偵社がそろう第19巻。乱歩の鮮やかな手腕、最後にわかる大ドンデン返しの神威の正体。見どころ満載の一冊です。
- 著者
- ["朝霧 カフカ", "春河35"]
- 出版日
どう動くべきか決めかねている敦のところに、太宰の依頼で敦を尾行していた芥川が駆けつけます。太宰が芥川をマフィアに誘い敦と組ませたのは、新しい時代の双黒を予感していたからでした。
持つ武器の性能を百倍にする福地の能力は、普通の欄干が船をバターみたいに切断するほど強力。その攻撃を芥川は受け止めますが、追撃が疾く捌ききれません。
芥川を連れてその場を脱出する敦。6ヵ月間1人も人を殺すなという敦との約束を守っていた芥川。芥川と敦は異能を混成して放つ月下獣羅生門・黒虎絶爪で、福地を倒す算段を立てます。
国家や秩序が存在するから、戦争という地獄が生まれるという福地。福地は神刀・雨御前を使い、時空を越えた攻撃を仕掛けてきます。
福地から猟犬にならないかと持ちかけられた芥川は、肺の病で自身の命が長くないことを敦に告げます。殺し合いをすると見せかけ黒虎絶爪で、福地を仕留めた2人。
しかし福地の時空を超える剣は、未来から過去へと飛び黒虎絶爪を回避。敦を逃がすため、芥川は命を落としてしまいます。ブラム・ストーカーの能力で、芥川は吸血種にされ……。
最大の敵・福地と激突する第20巻。絶望感を味あわせるほどの福地の強さと、敦と芥川の間に生まれる新しい絆は必見です。
- 著者
- ["朝霧 カフカ", "春河35"]
- 出版日
一連の事件に疑問を感じ始めた立原は、福地に罠を仕掛け真相にたどり着きます。立原は森の指示で、二重スパイとして動いていました。
金属操作の能力で福地の雨御前を奪い優位に立ち、福地を追い詰める立原。あと一歩のところで、過去に情報を送るという福地の機転により形勢が逆転。
裏頁を使用する前にブラムの能力を使って全国家の半数を支配しようと企む福地は、立原も吸血種にしてしまいます。
ブラムの感染異能は海外へと侵食し、安全保障理事会は異能兵器・大司令の封印解除を要請。
ポオの能力で作られた偽探偵社で、最終作戦会議をおこなう武装探偵社。天人五衰の計画は最終段階に入り、吸血種を世界にばらまき16の国軍を陥落。
吸血種のばらまきは計画のひとつでしかなく、真の狙いは大司令を使用しての世界征服。福地の世界征服を阻止するため作戦を立てます。
福地は条野に真相を打ち明け、仲間に加わることを提案。しかし条野は猟犬として生きていく内に、民を守ることの愉悦を感じていたため福地に切りかかります。
条野は吸血種になった芥川に倒されますが、ひとつ策を仕掛けていて……。
天人五衰の最終計画が動き始める第21巻。これまで何度も武装探偵社に辛酸を舐めさせていた猟犬の、新たな一面が垣間見える一冊です。
- 著者
- ["朝霧 カフカ", "春河35"]
- 出版日
強すぎる福地との戦いも、いよいよ最終局面を迎え始めた漫画『文豪ストレイドッグス』。ここではポイントを踏まえながら、物語の今後の展開を予想したいと思います。
追い詰めても、人智の遥か上をいく反撃をする強敵・福地。この福地を、いかに欺き倒すのかが気になるところ。
これまでどんな困難な状況でも、武装探偵社は窮地を乗り越えてきました。福地に勝つためには乱歩の頭脳と、ドストエフスキーを抑えるためしばらく姿を表していない太宰の動きが鍵となるのではないでしょうか。
第20巻で吸血種にされてしまった芥川。ブラムの能力が解除されると人間に戻る可能性がありますが、余命わずかという問題をかかえています。
本作が最後に行き着く場所は、現実を改変して書いたことが真実になる本であることが予測されます。
この本のたった1頁によって、窮地に追い込まれた武装探偵社。現在は切り取られた1頁しか作中に出てきていませんが、本自体に辿り着く鍵を敦が握っています。
不可能を可能に変えてしまうこの本は、手にする者次第で世界が激変する可能性が。
この本が使用されるのか、使われずに封印されるのかにも注目です。
アニメだけに留まらず、ゲームや舞台など多方面でメディアミックス化されている漫画『文豪ストレイドッグス』。最大の敵に立ち向かう天人五衰編のアニメ化に期待が膨らみます。原作漫画を読んで、実際の文豪との共通点などを探してみる。そんな楽しみ方をしてみては、いかがでしょう。