グッズ展開も大人気の児童書『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』。「東映まんがまつり」での公開を経てテレビアニメとなり、さらなる人気を得ることに。書籍も子どもから大人まで幅広く愛されています。そんな『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』の人気キャラクターからあらすじまで一挙に紹介します。
『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』は、児童文学作家・廣嶋玲子原作の児童小説です。廣嶋玲子は、2005年『水妖の森』で第4回ジュニア冒険小説大賞を受賞し作家デビューを果たした人気作家。
これまでも多くの人気シリーズを世に送り出してきた廣嶋玲子が、2013年から偕成社にて執筆を始めたのが『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』。子どもから大人まで楽しめる作品は多くのファンに愛されています。
ふしぎな駄菓子を売る銭天堂。この店を訪れる客はみな、その駄菓子に魅了されていきます。しかし、幸せになるか不幸になるかはそのお客次第。そんな駄菓子に翻弄される人々を描いた物語です。
2022年現在、既刊16巻。小学校の図書館では新刊が出るたびに、予約待ち必至の人気シリーズです。シリーズ累計380万部を突破し、児童小説としては異例の大ヒットとなりました。2月に発表された第3回“こどもの本”総選挙では堂々の第1位を獲得しています。
2020年には、「東映まんがまつり」にて短編アニメとして劇場公開されました。その後、NHKEテレにて、テレビアニメもスタート。2022年もなお続く人気シリーズです。
この記事では、そんな大人気シリーズ『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』の魅力を紹介します。主人公紅子をはじめとする魅力的なキャラクターや人気のグッズなども紹介。これを読めば、『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』の虜になること間違いありません。
この物語の主人公で銭天堂の女主人。年齢不詳。ふくよかな体つきに、古銭柄の赤紫の着物がよく似あう。白い髪をアップに結い上げ、綺麗な化粧を施し、どこか上品な佇まい。何者であるかはわかっていない。銭天堂を訪れるお客の願いがなぜかわかっており、それに見合った駄菓子をすすめる。
紅子が飼っている黒猫。非常にかしこく、紅子とは言葉が通じている。紅子の代わりに、店番もできる頼りになる相棒。
銭天堂で売っている駄菓子作りやお菓子の箱の組み立てを銭天堂の地下にある工場で行っている。お客が銭天堂の駄菓子を食べて幸せになると、紅子が小びんに入れた小銭がこの招き猫に変わる。
紅子をライバル視しているおかっぱ頭の女の子。赤い彼岸花模様の黒い着物を着ている。見た目は少女だが、しわがれ声の持ち主。たたりめ堂の駄菓子を使って、お客の悪意を引き出す。
「天獄園」という名前の遊園地を経営している男性。警察に捕まったよどみの依頼で、紅子に勝負を挑む。
銭天堂の駄菓子で幸せになる人がいる一方で、不幸になる人も。お客が不幸になったときに、小びんの小銭がこの不幸虫になる。よどみはこの不幸虫を集めて、たたりめ堂の駄菓子の材料として使っている。
銭天堂へ荷物を届ける宅配便。配達員はみな、黒い羽を縫い付けたマントをかぶっている。その正体はわかっていない。
銭天堂に住みついているぷるぷるとしたゼリー状の存在。自由に形を変えることもできる。その数はどんどん増えている。
悪さをしているものを取り締まっている警察。銭天堂に悪事を働いたよどみを捕まえた。捕まえたものを鳥かごに閉じ込めている。
銭天堂で売っているカプセルトイを作っている。紅子の取引き相手。
紅子が留守中に銭天堂を訪れ、駄菓子を買おうとしない男の子。銭天堂にいることを望む。結局、銭天堂に住みつくことに。関ノ瀬
銭天堂を独自に調査している謎の男性。自身の研究所を持ち、教授と呼ばれている。銭天堂をなぜ調査しているかはわかっていない。
六条教授の研究所で働いている。自身の娘が銭天堂を訪れたことがある。だんだん六条教授に不信感を持っていく。
六条研究所で働く六条教授の部下。教授の指令で、いかようにも動く。
選ばれたお客しか行くことのできないふしぎな駄菓子屋、銭天堂。その店の女主人は紅子です。年齢は不詳。大きな体つきに、白髪を結い上げ、赤紫色の古銭柄着物を着ています。一度見たら忘れられない風貌です。
紅子はなぜかお客が望む駄菓子が何なのか知っています。そのお客の悩みがわかっているのです。紅子が駄菓子をすすめると、お客はそのほとんどが買っていきます。
福引用の八角の箱から出てきた銅色の玉に書かれた小銭を持っているお客が銭天堂に選ばれた幸運なお客です。しかしながら、駄菓子で幸せになるか不幸になるかはお客次第。そんな駄菓子屋・銭天堂に訪れる人々を描いた物語です。
謎の多い物語ですが、毎回登場する駄菓子がいつも魅力的。あったらいいなと思う駄菓子ですが、どう選択し、どう生きていくかは結局、自分で決めるものだと痛感するエピソードばかり。子どもの本とはいえど、大人も楽しめる物語となっています。全6話。
【登場する駄菓子】型ぬき人魚グミ、猛獣ビスケット、ホーンテッドアイス、釣り鯛焼き、カリスマボンボン、クッキングツリー
- 著者
- 廣嶋 玲子
- 出版日
第2巻で代表的な作品に「怪盗ロールパン」があります。盗みの名人になりたいという泥棒家業の男が銭天堂を訪れます。そこで、紅子にすすめられる駄菓子が怪盗ロールパン。誰にも気付かれることなく、華麗に盗みを働くことができるようになります。
しかし、ある時、難事件を続々と解決する刑事に捕まってしまうのでした。実はこの刑事も銭天堂のお客だったのです。銭天堂の駄菓子が絶対ではないことを物語るエピソードでした。
銭天堂の駄菓子には必ず注意事項が書かれています。また、紅子からも直接気をつけるよう言われるのですが、人間は弱いもので、その約束事を果たせない人もいます。こうした教訓めいたところも本作の魅力のひとつです。全6話。
【登場する駄菓子】怪盗ロールパン、ドクターラムネキット、お稲荷せんべい、ミュージックスナック、しっぺがえしメンコ、おもてなしティー
- 著者
- ["廣嶋 玲子", "jyajya"]
- 出版日
銭天堂から大きな羽があり、トカゲのような長い尾を持ち、全身が真っ黒く、目玉がぎょろりとした不幸虫が出てきました。この不幸虫を素早く捕まえたのが、7歳くらいの少女でした。この少女の名はよどみ。
人形のようにきれいな顔だちですが、不気味な雰囲気をもっています。その風貌には似つかない老婆のようなしわがれ声です。不幸虫を集めてお菓子を作るのです。そんな時、よどみのターゲットのサラリーマンを見つけ突然誘い出し、連れて帰るのでしたが......。
第3巻では、紅子を一方的にライバル視しているよどみが登場。何かと紅子の邪魔をしていきます。今後、紅子とよどみの勝負が続いていきます。この2人の勝負は本作の最大にみどころとなっています。全6話。
【登場する駄菓子】獏ばくもなか、留守電でんシーン、絵馬せんべい、しわとり梅干し、兄弟だんご、ミイラムネ
- 著者
- ["廣嶋 玲子", "jyajya"]
- 出版日
銭天堂に対抗するよどみの「たたりめ堂」は、よどみが不幸虫などを材料に駄菓子を作りお客に提供する店です。お金は受け取らず、代金は後払いになっています。
その代金は人の持つ「悪意」。この悪意の支払いは、よどみエピソードの注目ポイントです。
銭天堂の駄菓子を買ったお客をターゲットにするなど、紅子の邪魔をしていくよどみ。あるお客が銭天堂の駄菓子を手ばなし、たたりめ堂の駄菓子を食べてしまう『ヤマ缶詰とずるずるあげもち』などのエピソードが収録されています。たたりめ堂の駄菓子を選んだ主人公がどうなってしまうかは直接確かめてみてください。
何かと紅子の邪魔を仕掛けていくよどみ。紅子とよどみの勝負が本格化していく第4巻です。全6話。
【登場する駄菓子】ヤマ缶、ずるずるあげもち、ウルフまんじゅう、眠り貯金箱、眠れませんべい、ゴブリンチョコエッグ、虫歯あられ、虹色水あめ
- 著者
- ["廣嶋 玲子", "jyajya"]
- 出版日
銭天堂の自動販売機やカプセルトイが何者かに壊されました。しかも、その中に入っていた商品も盗まれてしまいます。幸運のお客でない人にその商品が渡ってしまうのでした。
それを知った紅子。しばらく銭天堂を閉めて、盗まれた商品を探すことに。このまま運を持たないお客に商品が渡り続けたら大変なことになるからです。
紅子は盗まれた商品を回収していくうちに、怪しい男に行く着くのでした。果たしてその男の正体は。紅子は無事に商品を取り戻すことはできるのでしょうか。
よどみ登場から銭天堂を邪魔する存在が常につきまといます。新たな人物の登場に、今後の展開がさらに盛り上がりそうな予感の第5巻です。全5話。
【登場する駄菓子】新品ピン、おじょうさまココア、バーチャルバッチ、イケ面、スピーチジュース
- 著者
- ["廣嶋 玲子", "jyajya"]
- 出版日
盗まれた商品の回収にあたっていた紅子。ようやく落ち着き、しばらく閉めていた銭天堂を再開することに。
そんな紅子ですが、なんと風邪を引いてしまいます。加えて、お客にすすめる商品を間違えてしまうなど、いつもの紅子ならあり得ないことです。
ここのところ調子のよくない紅子でしたが、これもまた何者かの仕業でないかと疑うのでした。しかし、よどみは動ける状態にないはず......。そんな時、幽霊速達が手紙を届けにやってくるのでした。
第5巻で登場した怪しい人物の謎がいよいよ解けることになります。ここは見逃せない注目ポイント。次巻に続きます。全6話。
【登場する駄菓子】ビッグリもなか、バランスラスク、がまんエンピツ、チャーミングミ、ラプンツェル・プレッツェル、子守コウモリ
- 著者
- ["廣嶋 玲子", "jyajya"]
- 出版日
幽霊速達の届けた手紙の送り主は、「天獄園」という遊園地を経営する怪童でした。紅子に送った手紙は、銭天堂への「果たし状」。
怪童に呼び出された紅子は、「天獄園」まで会いに行きます。怪童が紅子に果たし状を送った理由は、たたりめ堂のよどみからの依頼だったのです。できるだけ嫌がらせをするように頼まれたとのこと。
そして、よどみに代わって今度は怪童が紅子に勝負を挑むのでした。よどみの言う通りにすれば、彼女が持つ「悪鬼の型ぬき」をもらえるからです。
勝負の内容は、たたりめ堂の駄菓子を銭天堂に1カ月間置かせてもらい、店にやってきたお客がどちらの駄菓子を選ぶのか、その数で勝負を決めるというもの。それならと納得する紅子。
紅子自身もその内容には興味があるようです。次の日から、特別セールと銘打ち、勝負が始まるのでした。銭天堂VSたたりめ堂。ここからは、ハラハラドキドキの展開となっていきます。
【登場する駄菓子】ドリームドーム、最後にわら麩、ハンターバターサンド、シェフ・ショコラ、おもてナシ、餓鬼ニッキ
- 著者
- ["廣嶋 玲子", "jyajya"]
- 出版日
第7巻で、よどみが差し向けた「天獄園」を経営する怪童と紅子が対峙しました。そこで、行われることになった銭天堂とたたりめ堂の勝負。結果は、なんと引き分けに終わります。よどみは、勝負の結果に納得がいきません。
そんななか、常闇横丁警察に捕まっていたよどみが解放されることに。銭天堂を訪れます。そして、一度取り潰しになったたたりめ堂を新たに再開することを宣言。その時、よどみの着物から小さな黒いものが素早く物陰に隠れるのでした。
この小さな黒いものの正体が、よどみが銭天堂に送り込んだ2匹の黒の招き猫です。この黒猫は第8巻の鍵となります。とにかく、しつこいよどみがさらなる嫌がらせを銭天堂に仕掛けていき、銭天堂をつぶそうとするのでした。そんな銭天堂の危機にドキドキな展開となっています。全6話。
【登場する駄菓子】ほしいイモ、おっかさん仮面、泣かんパイ、マスク・メロンパン、バイリンガール、スリスリリンゴ
- 著者
- ["廣嶋 玲子", "jyajya"]
- 出版日
銭天堂をつぶすためのよどみの嫌がらせは、紅子によって阻止され、よどみもまた紅子に倒されてしまいます。よどみとの勝負が落ち着いたところで、マフラーとなった墨丸とともに旅に出る紅子でした。
そんな紅子ですが、旅先でもさまざまな人たちに出会っていきます。そこで出会った人たちにも銭天堂の駄菓子をすすめていくのでした。今回はちょっとしたハプニングもあり、いつものお話とはまた違った新鮮な展開となっていきます。
いわば出張版銭天堂。紅子のいくところには、必ず何かが起こる。そんなわくわくの物語となっています。全6話。
【登場する駄菓子】酔わんようかん、肩こり地蔵まんじゅう、写らんシール、底なしイ~カ、カモメアメ、アイディアあんこ
- 著者
- ["廣嶋玲子", "jyajya"]
- 出版日
第9巻でしばらく旅に出ていた紅子でしたが、銭天堂に呼び戻されました。紅子が留守の間は店を閉め、金の招き猫たちが留守番をしていたのですが、3日前にやって来た杉田健太というお客が居座っているとのことだったのです。
金の招き猫の福引きの箱を回すいたずらで、やってきてしまいました。健太はお菓子やおもちゃを買うこともなく、ただ銭天堂にいたいというのが望みでした。
仕方なく銭天堂にとどまることを認める紅子。健太がどこから来て、何が目的なのかわからないまま、墨丸に見張りをさせることに。そうして、久しぶりに銭天堂を開ける紅子なのでした。
この健太の正体がわかるのは第10巻最終話。それまで気に展開が続きます。この巻には、招き猫さんたちの座談会もありますよ。全6話。
【登場する駄菓子】天晴れレモン、聞き耳グミ、家カエル、コントロールケーキ、アドベン茶~、やりなおしおこし
- 著者
- ["玲子, 廣嶋", "jyajya"]
- 出版日
紅子との勝負に負け、銭天堂の冷凍室に閉じ込められていたよどみ。なんとか冷凍室から逃げることに成功します。
よどみが真っ先に向かったのは、大きな竹林の中。そこには、よどみが隠していた「たたりめ堂」と書かれた箱がありました。その中には、たくさんの駄菓子が入っています。
今度という今度は、紅子にひと泡ふかせたい。紅子への復讐を誓うよどみは、紅子に新たな嫌がらせをするのでした。その内容とは......。
第11巻で、いよいよ紅子とよどみの対決もクライマックスを迎えます。これまでも、数々の嫌がらせを続けてきたよどみも最後の手段をとることに。そんなよどみにどう立ち向かうのか。第1シーズンで最も大きなみどころとなっている第11巻です。全7話。
【登場する駄菓子】ダイナソーダ、遺跡おかき、虫よけ香水、チュチュットチューインガム、つまみぐいサブレ、いそげもち、のんびりりんご、すいすいソーダ水、先頭糖、引きさきイカ
- 著者
- ["廣嶋玲子", "jyajya"]
- 出版日
『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』第12巻からは第2シーズンが始まります。これまで紅子の邪魔ばかりしていたよどみとの決着がついたのもつかの間、また新たな人物が登場。
その人物とは、高級そうなスーツを着た50代くらいの紳士です。すっきりとした細面で、物腰は柔らか。そんな紳士が、これまでに登場したある人物に接触するのでした。
ある人物とは第1巻で登場し、カリスマボンボンを食べたあの北島です。北島は自分の人生をめちゃめちゃにしたのは、銭天堂だと逆恨みしていました。そんな北島から、銭天堂へどうやって辿り着いたのか、何を買ったのか聞き出す紳士。
この紳士の狙いは一体何なのか、紅子や銭天堂にとっての敵なのか。今後は、この紳士の動向に注目です。全6話。
【登場する駄菓子】楽だお札、インココイン、田舎もなか、ホームズビーンズ、お仲間まんじゅう、なつかれナッツ
- 著者
- ["jyajya", "玲子, 廣嶋"]
- 出版日
第12巻から登場している謎の紳士は、六条という初老の男性でした。品のある風貌ではありますが、その目の奥には冷酷さが垣間見られます。
六条は自身の研究所を持ち、そこで働く研究員からは教授と呼ばれていました。なぜか銭天堂のことを調査しています。彼の研究所では、さらなる計画が始まろうとしていました。
研究員たちに、あちこちの神社やお寺からお賽銭をお札と交換してもらい、小銭の集めていたのです。その小銭をランダムに振り分ける機械も作りました。
研究員やその家族、モニターを集め、彼らに小銭を渡します。そこから銭天堂に辿り着くという作戦。うまく銭天堂まで辿り着くお客もいましたが、彼らの小銭袋を不審に思う紅子なのでした。
六条の作戦はわかってもその目的までは謎のまま。果たして、六条のたくらみとは。まだまだ気になる展開が続きます。全7話。
【登場する駄菓子】熱帯鯛焼き、スクープクレープ、ぴったりピーナッツ、ヒップポップコーン、先取りメガネ、見定めメーター
- 著者
- ["廣嶋玲子", "jyajya"]
- 出版日
六条教授の研究所で働く関ノ瀬。娘が銭天堂に辿り着いたことでデータがとれた喜びの一方、そのせいで不幸になる人いることから六条教授のやり方に疑問視するようになります。
しかし、計画はすでに最終段階を迎えていました。関ノ瀬は思い切って、六条に進言するのですが......。
一見、紳士にみえる六条教授ですが、実は外見とは別人のように冷酷な内面を持っています。その冷酷さで、計画を推し進めていきます。その内容は、小銭と特殊センサー入りのお守りをくばり、銭天堂まで行くことのできたお客の満足度を図るというもの。
自身の研究のためなら、犠牲をも厭わない六条教授に反旗を翻した関ノ瀬は、ある行動に出るのでした。果たして、六条の計画は、銭天堂はどうなっていくのでしょうか。
六条研究所の計画もますます大詰めになっていくところが今回のみどころです。全7話。
【登場する駄菓子】もてもてもち、チリチリチェリー、プレゼント扇子、タイムライム、レアレアチーズケーキ、みせびら菓子と......
六条が銭天堂をつぶそうとしているという話を六条研究所の研究員・関ノ瀬から聞いた紅子。真意はわかりませんが、しばらくの間、銭天堂を閉めることに。
店を閉める代わりに、トランクにつめられるだけの駄菓子をつめて、行商スタイルであちこちをめぐり歩くことにしました。その途中で、情報も集めようというのです。
六条は銭天堂のデータ収集を終え、次の計画に移ろうとしていました。その計画とは、研究所で作った駄菓子によって、銭天堂に悪い噂を立てようとするもの。
なぜ六条がそんなことをするのか。六条とは一体何者なのか。さらなる謎は深まるばかりの第15巻です。全7話。
【登場する駄菓子】シークレットタブレット、ラプンツェル~プレッツェル~、サイン・コイン、マッチョーレオーレDX、ピチピチピーチ、クリーングリーンティ
- 著者
- ["廣嶋玲子", "jyajya"]
- 出版日
しばらく銭天堂を閉めて、行商に出ていた紅子。久しぶりに店に戻ります。しかし、その顔は晴れやかなものではありませんでした。
というのも、六条研究所の策略により、研究所で作ったにせの駄菓子で銭天堂の妨害をしただけでなく、それを食べて不幸になってしまったお客がいるからです。いよいよ紅子が動き出します。
金の招き猫たちにこれからどうしてほしいか、何が必要か話しました。また、不幸になってしまった人を救うため、研究所の計画を阻止しなくてはなりません。紅子はある行動に出ることに。いよいよ紅子と六条教授の対決が始まるのでした。
この紅子VS六条教授が最大のみどころです。そして、ついに六条教授の正体も明かされることに。全8話。
【登場する駄菓子】いいものナゲット、メイク・アップル、ごまかしボーロ、忍者ジンジャー、まねまねマネー、デジタルト
- 著者
- ["廣嶋玲子", "jyajya"]
- 出版日
『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』の作者・廣嶋玲子は、神奈川県出身の児童文学作家です。『水妖の森』にて第4回ジュニア冒険小説大賞の大賞を受賞し、作家デビューを果たします。
作品に『送り人の狼』『おっちょこ魔女先生』『盗角妖伝』や『怪奇漢方桃印』シリーズ、『秘密に満ちた魔石館』シリーズ、『十年屋』シリーズ、『鬼遊び』シリーズ、『妖怪の子預かります』シリーズなどがあります。
廣嶋玲子は、日本に古くから伝わるふしぎなものの存在などを扱う作品を多く発表しています。本作『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』もそのひとつ。時に怪しく、時に優しい物語を世に送り出している作家です。
また、現在の銭天堂シリーズが始まる前に書かれた幻の銭天堂が存在します。それは、2013年に発表された『不思議駄菓子屋』という作品。銭天堂公式ガイドブックにて掲載されています。
- 著者
- ["廣嶋玲子", "jyajya"]
- 出版日
『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』の人気を受けて、2020年、『2020東映まんがまつり』にて初めてアニメ作品となりました。その作品は第1巻に収録の『釣り鯛焼き』。同年、テレビアニメシリーズとして、NHKEテレより放送が始まります。2022年現在も続く人気シリーズです。
アニメ版での紅子の声優に注目が集まりましたが、多くの舞台やテレビ、映画で活躍する女優・池谷のぶえが担当しています。紅子のキャラクターにぴったりなキャスティングとなりました。そのほか、毎回のゲストやレギュラーに豪華声優や俳優が登場しています。
フルCGアニメで、銭天堂の不思議な世界観を見事に表現。原作に忠実に作られた物語で楽しませてくれます。原作ファンにも納得の作品となっています。
『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』はアニメ作品にはなっていますが、実写化も多くの原作ファンから熱望されているようです。作品の感想などにも、この人が紅子を演じたらなどといったコメントが寄せられることも。
もし仮に実写化されるとしたら、最も気になる点ははやり、紅子を誰が演じるのかといったところではないでしょうか。原作ファンだけなく、作者の廣嶋玲子も信頼を寄せるイラストを担当するjyajya。このイラストにより、すでに紅子のイメージが出来上がっている人も多いはずです。このビジュアルから離れてしまうと残念に思うファンもいることでしょう。
実写化が成功するかどうか、紅子を演じる女優にかかっていると言っても過言でないのでは。逆に言えば、紅子にぴったりなキャスティングができれば勝ったも同然です。
人気作品だからこそ、作品世界にできるだけ近いイメージを大切にすることが最大の目標でしょう。物語の面白さはそのままに、生身の人間とCGの見事な融合が実写化の鍵となるのではないでしょうか。
『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』の人気のひとつにグッズ展開というのもあげられます。アニメシリーズが始まったこともあり、紅子、墨丸、金色の招き猫などのさまざまなアニメグッズが販売されており、人気を博しています。
また銭天堂といえばお菓子です。菓子メーカーとのタイアップ展開なども多く見かけます。さらに、子どもたちに人気なのが、銭天堂で売っている駄菓子たち。書籍を出版している偕成社の公式ページでは、この駄菓子のディスプレイを自作するための型紙がダウンロードできます。ぜひ親子で作ってみてはいかがでしょうか。
アニメシリーズもますます好調な本作。2022年4月15日に発売される書籍第17巻では、六条教授の新たな計画が始まります。まだまだこの人気が続くこと間違いないでしょう。
- 著者
- ["廣嶋玲子", "jyajya"]
- 出版日
小学生を中心に大人気の『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』は、子どもだけでなく、大人も一緒に楽しめる魅力満載の作品です。テレビアニメも絶好調の上、さまざまなグッズ展開、企業コラボも盛んです。まだまだ気になる今後のお話。未読の人もぜひ、ふしぎな世界観に思いっきり浸ってみてはいかがでしょうか。
ホンシェルジュ認定ライターの偏愛
長年ホンシェルジュを支える本好きライターたちが、「これについて書きたい!」と作品選定から企画・執筆した記事を集めました!