『PSYCHO-PASS サイコパス』の虚淵玄 おすすめ小説作品紹介!新作情報も

更新:2022.6.1

アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の脚本家として一躍脚光を浴びた虚淵玄。その後も代表作『PSYCHO-PASS サイコパス』などの脚本を担当し、人気を博しました。現在公開中の新作アニメ映画『バブル』でも脚本を担当。ゲームシナリオや小説などでも数々の作品を発表しています。今回はその中でも小説に注目。おすすめ作品を紹介します。

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代表作『PSYCHO-PASS サイコパス』シリーズの虚淵玄とは

2022年現在、脚本を担当した最新作映画『バブル』が絶賛公開中の虚淵玄。ゲームメーカー・ニトロプラスの取締役も務めています。虚淵玄は、このニトロプラスにてゲームシナリオを担当し、デビュー作『Phantom-PHANTOM OF INFERNO』をはじめとする人気ゲームを手掛けました。

その後、大人気ゲーム『Fate』シリーズの『Fate/Zero』ではオリジナルストーリーで小説を担当するなど活動の幅を広げ、アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』のシナリオを担当したことで知名度を上げることに。続く『PSYCHO-PASS サイコパス』にて、さらなるファンを獲得しました。

また実写でも『仮面ライダー鎧武/ガイム』のメインライターも務めるなど、その人気は止まることを知りません。ゲームライター、脚本家、小説家といったさまざまな顔を持ち、多くの作品を発表しています。

ダークな世界観に鬱要素を多分に含んだ作品を数多く手掛ける虚淵玄。救いようのない展開にも関わらず、その徹底した作り込みにコアファンを獲得してきました。また世界に作用する巨大な力など壮大なテーマを掲げており、その想像力の豊かさにはいつも驚かされます。

文章力も特出したものがあり、小説作品においても読み応えのある作品を生み出しています。たとえ残酷な描写であっても、流れるような文章でついつい読み進めてしまうほどです。この記事では、そんな虚淵玄が執筆した小説作品を紹介。文章で魅せる虚淵玄の世界を解説します。

【代表作配信情報】

『魔法少女まどか☆マギカ』

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『PSYCHO-PASS サイコパス』

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              Netflix https://www.netflix.com/jp-en/title/80006146 

著者
深見 真
出版日
著者
["三好 輝", "天野 明", "虚淵 玄(ニトロプラス)", "サイコパス製作委員会"]
出版日

虚淵玄のおすすめ小説『鬼哭街』

虚淵玄が所属するニトロプラスのサイバーパンク武俠片ノベルPCゲーム『鬼哭街』。そのシナリオを虚淵玄が手掛けています。そんな虚淵本人が自ら小説化した作品が小説『鬼哭街 紫電掌』と『鬼哭街 鬼眼麗人』です。もともとは角川のスニーカー文庫から発売され、後に合本版として星海社文庫から『鬼哭街』が再発売されました。

舞台は近未来の上海。肉体をサイボーグ化する人間が横行する時代、生身でサイボーグに対抗する殺し屋・孔濤羅(コン・タオロー)。孔は刀の名手でもありますが、電磁発頸の使い手で「紫電掌」と呼ばれています。電磁発頸は、サイボーグの機械化された神経に電磁パルスを撃ちこむ気功術のこと。

ある時、仲間の裏切りに合った上、妹の瑞麗(ルイリー)までも惨殺されてしまいます。さらに瑞麗の魂を5分割にされてしまうことに。妹への復讐を誓った孔は組織に立ち向かいながら、分断された瑞麗の魂を集めるのでした。

虚淵玄の得意とする鬱々としたゲームの世界観そのままに、重厚な物語として楽しむことができるのが小説版。ゲームの原画を担当した中央東口がイラストを担当。そのカラーイラストも魅力な作品です。

著者
["虚淵 玄", "中央 東口"]
出版日

虚淵玄のおすすめ小説『金の瞳と鉄の剣』

『金の瞳と鉄の剣』は、星海社のWEBサイト「最前線」にて連載された虚淵玄原作のオリジナル小説です。この連載に加筆訂正をし、さらに書き下ろしを加えて書籍化されました。イラストは、『機動戦士ガンダム00』のキャラクターデザインでも知られる漫画家・高河ゆんが担当しています。

龍殺しの名声欲しさに龍を追うタウと欲のない魔術師のキア。2人の冒険者たちは固い絆で結ばれた相棒同士で、常に行動を共にしています。共に龍と戦い、共に戦に与する。互いを補い合う最高のバディです。そんな2人の冒険の先に待ち受けているものとは。王道のファンタジー小説です。

大人気クリエーター虚淵玄と高河ゆんのタッグというのが本作の最大のポイント。虚淵のストーリーテラーとしての面白さに、とにかく美しい高河のイラストの魅力が加わりました。王道ファンタジー、バディもの、冒険もの。これでもかという魅力が詰まったエンターテインメント作品となっています。

著者
["虚淵 玄", "高河 ゆん"]
出版日

虚淵玄のおすすめ小説『ブラック・ラグーン』

「月刊サンデージェネックス」にて連載の広江礼威原作ハードなガンアクション漫画『ブラック・ラグーン』。同作のオリジナルストーリーとして小説版を書き下ろしたのが虚淵玄です。ガガガ文庫より、これまで2作品が発表されています。『ブラック・ラグーン シェイターネ・バーディ』と『ブラック・ラグーン2』です。

日本の商社マンの岡島緑郎は、出張先の南シナ海で運び屋を生業とする海賊「ラグーン商会」に誘拐されてしまいます。会社から見放された岡島は、自分を誘拐した「ラグーン商会」の一員になることに。ロックという新たな名で、曲者ぞろいの仲間たちとともに裏社会で生きていきます。そんな岡島の姿を描いた物語です。

ロックたちが住まう架空の都市・ロアナプラ。ここは、マフィアの利権が絡む無法者の街です。普通のサラリーマンをしていた人間が、これまで知ることもなかった裏の世界に巻き込まれていく様を虚淵持ち前の破天荒な展開で切り込んでいきます。

原作者・広江礼威のイラストも秀逸。漫画とはひと味違った「ブラック・ラグーン」の魅力を味わうことができます。

著者
["虚淵 玄", "広江 礼威"]
出版日

虚淵玄のおすすめ小説『Fate/Zero』

ゲームブランドTYPE-MOONから発売された人気コンピューターゲームの『Fate』シリーズ。あらゆる願いを叶える「聖杯」を手に入れるために、7人の魔術師たちが使い魔を召喚し戦い合う「聖杯戦争」を描いた物語です。

その第一弾にあたるのが『Fate/stay night』。この『Fate/stay night』の前日譚にあたるのが、虚淵玄原作の小説『Fate/Zero』です。『Fate/stay night』の10年前に起こった「第四次聖杯戦争」を描いています。『Fate』シリーズのキャラクターデザインを務めている武内崇がイラストを担当しました。

『Fate/stay night』の主人公である衛宮士郎を大火災から救った衛宮切嗣が『Fate/Zero』の主人公。士郎は切嗣が助けた縁で養子となります。この切嗣の聖杯に託す望みは恒久的な世界平和。そんな切嗣を中心に、「聖杯戦争」に命を賭ける魔術師たちを描いています。

本作では、聖杯の正体がわかることに。また『Fate/stay night』の伏線を回収しており充実の内容です。星海社文庫では全6巻となっています。

著者
["虚淵 玄", "武内 崇"]
出版日

虚淵玄のおすすめ小説『白貌の伝道師』

もともとはコミックマーケットにて販売する目的に出版された虚淵玄のオリジナル小説『白貌の伝道師』。その後、挿絵もkamiwataからあきまんへと変わり、新装版として星海社から発売されました。

主人公のラゼィルは美しい容貌の白きエルフ。旅の途中、野盗に捕らわれたハーフエルフの少女アルシアを助けます。ハーフエルフとは人間とエルフの混血で、人間、エルフどちらからも蔑まれる存在です。

アルシアは人間に裏切られたことで、生きる希望をなくしていました。ちょうどそんな時、ラゼィルに助けられます。ラゼィルと行動を共にしていアルシアは、やがて彼の真の目的を知ることになるのでした。

裏切りに次ぐ裏切り、惨殺......。なかなか救いのない物語は虚淵得意のダークな魅力に溢れています。とはいえ、なぜか美しいラストが待っているという不思議な物語です。特に虚淵の描くバッドエンド好きには堪らない作品のひとつでしょう。

著者
虚淵 玄
出版日
2012-03-16

虚淵玄のおすすめ小説『ファントム アイン』

虚淵玄が初めて発表した小説が『ファントム アイン』です。虚淵が所属するニトロプラスが発売したゲーム『Phantom-PHANTOM OF INFRRNO-』のノベライズ。このゲームでも虚淵は、企画、シナリオ、監督を担当しました。第1弾が発表された半年後、第2弾として『ファントム ツヴァイ』も刊行されました。

主人公ツヴァイは、ある事件を目撃してしまいます。そのため、犯罪組織・インフェルノから記憶を消され暗殺者として洗脳されることに。ツヴァイにはその素質があると見込まれ、暗殺者の道へ引き込まれてしまったのです。

ツヴァイが目撃してしまった事件に関わっているのが、組織最高のヒットマン「ファントム」の称号で呼ばれる少女・アイン。彼女のもとでさまざまな暗殺術を学ぶことになるツヴァイ。徐々に暗殺者としての頭角を現していくのでした。

映画好きな虚淵玄が、有名な名作にオマージュを捧げるように、映画を彷彿とさせるシーンを盛り込んでいることが本作の魅力のひとつ。その映画とは『狼/男たちの挽歌・最終章』、『ニキータ』、『レオン』、『タクシードライバー』、『夕陽のガンマン』などアクションが有名な作品ばかり。もとの映画と比べながら読んでも面白そうですよね。

著者
["虚淵 玄", "リアクション", "山田 秀樹"]
出版日

虚淵玄のおすすめ小説『沙耶の唄』

『沙耶の唄』は、ニトロプラスから発売されたサスペンスホラーゲームです。その脚本を担当したのが虚淵玄。その発売から15年後、虚淵玄自身がノベルゲーム界の先駆者・大槻涼樹とともにノベライズしたのが小説『沙耶の唄』です。

表紙を飾るのは、原作ゲームの原画担当・中央東口。描き下ろしイラストの美麗さは原作ファンも納得の出来栄えです。

家族と共に交通事故に遭った匂坂郁紀は1人だけ一命をとりとめました。しかし、事故の後遺症ゆえか、目に映るすべての形が醜く見えてしまうことに。人間はおぞましい肉塊にしか見えません。

そんな郁紀の前に現れた少女・沙耶。彼女だけは普通の人間しかも美しく見える郁紀でした。徐々に沙耶に惹かれていく郁紀に待ち受けていた運命とは......。

ゲーム同様にクトゥルフ神話要素や手塚治虫の『火の鳥』がモチーフ。原作とは異なるオリジナルストーリーは狂気と純愛のどちらも含む問題作です。小説としても読み応え十分な作品となっています。

著者
["大槻 涼樹", "虚淵玄(Nitroplus)", "虚淵玄(Nitroplus)", "Nitroplus", "中央東口"]
出版日

虚淵玄のおすすめ小説『アイゼンフリューゲル』

『アイゼンフリューゲル』は虚淵玄原作の小説。『Fate/Zero』などの既存作品のノベライズではなく、オリジナル書き下ろし小説です。『白貌の伝道師』以来のオリジナル小説となります。

本作でも挿絵を担当したのは、ニトロプラスで多くの作品に共に携わった中央東口。変わらぬ美しいイラストで作品に花を添えています。後にコミカライズ『アイゼンフリューゲル 弾丸の歌よ龍に届いているか』も連載された人気作品です。続く2巻まで発売中。

大空に龍がいた頃、主人公のカール・シュニッツは、高速レシプロ機エトピリカのパイロットでした。天才的な技術を持つカールは、「プロジェクト・ブリッツフォーゲル」の専属テストパイロット。

この最新型「ブリッツフォーゲル」は、軸流式ターボジェットエンジンを搭載し人類の新しい翼を目指すのでした。大空という神々の領域へ挑む人々を描いた物語です。

カールには先の戦争でもパイロットとして戦地に赴いていたトラウマが。なぜ人は戦うのか。主人公の葛藤などの人間ドラマが面白く描かれたおすすめの作品です。

著者
["虚淵 玄", "中央東口"]
出版日

まとめ

虚淵玄は、ゲームライター、小説家、脚本家とさまざまな顔を持ち、多くの話題作を世に送り出しています。その中でも今回は小説作品に注目し紹介しました。メディアは違えど、その実力は本物。どんな作品、どんな内容であっても、世界観の構築やストーリー展開など常に高い満足度を与えてくれます。小説作品はもちろん、そのほかの作品に関してもぜひ触れてみてください。

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