2022年6月から元祖「〇〇さん系」漫画『からかい上手の高木さん』の劇場版アニメが公開されます。昨今、「高木さん」に続く「〇〇さん系」漫画が多く発表されており、その作品の中から続々とテレビアニメ化が進んでいます。そんな注目の「〇〇さん系」漫画を紹介します。
2013年から連載が始まった漫画『からかい上手の高木さん』は、元祖「○○さん系」漫画と言われています。スピンオフ漫画も多数生まれ、その後、テレビアニメ、ゲーム、劇場アニメへ着々とその人気を広げていきました。この成功に倣ってか、出版各社から「〇〇さん系」と呼ばれる漫画作品が次々に発表されています。その作品はどれも人気で2022年現在もなお、その流れは続いています。
「〇〇さん系」漫画の特徴は、多くが10代の男女ペアを中心に描かれる物語となっています。可愛いいヒロインが地味目な主人公を振り回すといった展開です。2人はカップルのこともありますが、ヒロインが主人公を好いており、次第に2人の距離が縮んでいきます。この2人のやりとりが最大の見せ場です。
また、コメディ要素が強いのも特徴のひとつ。学校が舞台になるなど、いわゆる「学園ラブコメディ」といったジャンルがほとんどです。
「〇〇さん系」漫画はどの作品も人気があり、続々とテレビアニメ化されています。中にはテレビドラマ化されたものもあります。それだけ多くのファンを獲得している「〇〇さん系」漫画は非常に面白く、ついついハマってしまう読者も多いようです。
今回は、そんな「〇〇さん系」漫画に注目しました。特におすすめの作品をピックアップし、その魅力を紹介します。
- 著者
- 山本 崇一朗
- 出版日
- 2014-06-12
『久保さんは僕を許さない』は、「週刊ヤングジャンプ」にて連載中の学園ラブコメディ。「僕」は「モブ」と読みます。
2019年、集英社が主催する連載権獲得のための読切競作企画である「シンマンGP2019」にて、見事、連載を勝ち取りました。同年、連載スタート。原作は、期待の新人『人間に恋した鬼は咲う』の雪森寧々です。美麗な絵柄にせつない純愛を描ける漫画家のひとり。
『久保さんは僕を許さない』もラブコメでありながら、優しいタッチの絵柄とキュンとする初々しい恋にどハマりするファンが続出し人気漫画になりました。2022年5月には、テレビアニメ化決定の発表もされています。
完全モブキャラの主人公・白石純太。これまで、誰にも気付いてもらえない影の薄い白石くんに、久保さんというヒロイン級の美少女が声をかけてきます。久保さんはどうやら白石くんが気になる様子。そんな2人の日常を描いた物語です。
久保さん自身、白石くんへの自分の気持ちに気付いておらず......。そんな久保さんにドキマギさせられる白石くんとのやりとりが何とも微笑ましくなんだか癒されてしまいます!
- 著者
- 雪森 寧々
- 出版日
人づきあいが苦手なコミュ症の女子高生・古見さんと周りの空気を読むのが得意な同級生・只野。ひょんなことから、只野の協力のもと「友達を100人作る」という古見さんの夢を叶えることに。そんな2人の様子を描いた漫画『古見さんは、コミュ症です。』。
2016年より、「週刊少年サンデー」にて連載中の大人気学園コメディです。原作はオダトモヒト。第67回小学館漫画賞少年向け部門を受賞しました。
2019年9月には、テレビドラマがスタート。同年、10月には、テレビアニメも始まりました。2022年4月からはテレビドラマ第2期も放送されるといった人気ぶりです。
容姿端麗で学力も運動神経も抜群のパーフェクトな古見さん。しかし、コミュ症ゆえに、友達がほしいのになかなかできません。それでもひたむきに頑張る古見さんの姿が非常に可愛らしいキャラクターに。そんな彼女に手を差しのべる只野の優しさも含め、つい応援したくなる、そんな物語です。
また本作では、さまざまなキャラクターのクラスメイトが登場するところも魅力のひとつ。クラスメイトと徐々に仲良くなっていく古見さんの姿に、思わずちょっと心打たれてしまいます。ラブの部分も次第に発展していく古見さんと只野。そこもぜひお見逃しなく!
- 著者
- オダ トモヒト
- 出版日
- 2016-09-16
2017年よりWEBコミック配信サイト「少年ジャンプ+」にて連載中の『阿波連さんははかれない』。コミティア116という同人誌展示即売会に出品していた『君との距離が測れない』がもとになっています。
原作は水あさと。自身原作の『デンキ街の本屋さん』が、2014年にテレビアニメ化された経歴の持ち主です。『阿波連さんははかれない』も2022年4月よりテレビアニメの放送が始まりました。
なかなか人との距離がはかれない阿波連さん。その隣の席のライドウは、阿波連さんとの距離を感じていました。たまたまライドウが阿波連さんの落とした消しゴムを拾ったことがきっかけで、交流を持つようになる2人。阿波連さんの予測不能な行動をライドウが受け入れながら、徐々に2人の心の距離も縮まっていくのでした。
阿波連さんのおかしな距離感と常に表情に変化のないライドウとの掛け合いが独特の雰囲気を醸し出しています。また、背の小さい阿波連さんと体の大きいライドウという対照的なビュジュアルも効果的。花火の見えない阿波連さんをライドウが肩車するなど、ほかの作品とは異なるキュンがみられます。そんな2人の独特なコンビ感が魅力的な作品です。
- 著者
- 水 あさと
- 出版日
『可愛いだけじゃない式守さん』は、不幸体質の和泉くんとめちゃくちゃ可愛い式守さんという高校生カップルの物語です。普段はとびっきり可愛い式守さんが和泉くんを守るため、時にカッコいい彼女に早変わりするという学園ラブコメディ。
もともとは、Twitter漫画から始まり、2019年よりWEBコミック配信サイト「マガジンポケット」にて連載をスタートさせています。最初のTwitter漫画では、累計300万超のいいねを獲得した人気作品です。
2022年4月からはテレビアニメも始まり絶賛放送中。彼氏のような彼女、式守さんのカッコいいアクションも動画で見ることができます。
原作の真木蛍五もまだまだ若手ながら、本作で各漫画賞を受賞しています。可愛い彼女からカッコいい彼女というふり幅の大きい式守さんと明るくて優しい性格の和泉くん。そんな2人のお似合いっぷりに、こちらが当てられてしまいそう。いつまでも仲睦まじい2人でいてほしいと思ってしまう素敵な作品です。
- 著者
- 真木 蛍五
- 出版日
- 2019-06-07
pixiv上で公開されていたナナシ原作の漫画『イジらないで、長瀞さん』。その人気に火が付き、2017年より、講談社のWEBコミック配信サイト「マガジンポケット」にて連載が始まりました。ドSな後輩女子が、大人しい先輩男子をイジりまくる学園ラブコメディです。
そんなコミックの人気を受け、2021年4月よりテレビアニメもスタートすることに。さらに、第2期の放送も決定しています。
気弱で大人しい高校2年のセンパイがいつものように図書室に行くと、そこには1年生の女子集団が騒いでいました。その中の1人、ドSな長瀞に目をつけられるセンパイ。何かとイジってくる長瀞とセンパイのやりとりを描いた物語です。
かなりこっぴどくイジられるセンパイですが、次第に長瀞が気になり出します。一方の長瀞も最初から気になっている様子で。意識しながら徐々に距離が縮まる2人の様子に目が離せません。また、センパイ、長瀞それぞれのキャラクターが、きちんと深堀されていくところなど読み応えのある作品になっています。
- 著者
- ナナシ
- 出版日
「〇〇さん系」漫画作品の中でも異色の漫画『藤代さん系。』。この作品は「〇〇さん系」の元祖と言われている「高木さん」シリーズよりも前に、「別冊マーガレットsister」に読切作品として掲載されました。「別冊マーガレット」で活動する漫画家・湯木のじん原作。4巻で完結しています。
真面目で一生懸命な女子高生・藤代さんは、頑張っても報われません。そんな彼女のことが気になるクラスメイトのイケメン・久世くん。何を考えているかわからないながら、藤代さんをイジってきます。そんな久世くんに振り回されっぱなしの藤代さんですが......。
これまで紹介してきた「〇〇さん系」とは真逆の男の子から女の子をからかうお話。とはいえ、テンション低めの久世くんは、少女漫画独特のクールボーイなので、なかなかつかみどころがありません。
読者も藤代さん同様にどうなっていくのかわからず。だからこそ、久世くんの気持ちが藤代さんに向かっていけばいくほど、よりキュンキュンするのです。
ちょっと変わり種の「〇〇さん系」漫画『藤代さん系。』。どんなラストを迎えるのか、ぜひ直接確かめてみてください!
- 著者
- 湯木 のじん
- 出版日
今回は「〇〇さん系」漫画を紹介しました。元祖「〇〇さん系」漫画『からかい上手の高木さん』に続く人気作が続々と発表されています。たくさんあるその作品の中から、特におすすめしたい「〇〇さん系」漫画をセレクションしました。ぜひさまざまな作品に触れてみてください!
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