webコミックサイト「週刊コロコロコミック」にて連載が始まるや、SNSで大いにバズり話題を呼んだ『ぷにるはかわいいスライム』。 本作は中学生のコタローと、彼のことが大好きなスライム娘・ぷにるの日常を描いたラブコメ風味のドタバタギャグ漫画。 低年齢向けのコロコロコミックのイメージを覆す、尖った性癖を突っ込んでいます。 今回はまえだくん『ぷにるはかわいいスライム』の魅力をご紹介していきます。
中学生の河合井コタローは至って平凡な少年。唯一普通じゃないのはスライム娘のぷにるが居候していること。
ぷにるはコタローが子供の頃大事にしていたスライムが命を宿し、少女に進化した存在です。
当初はペンギンに似た姿をしていましたが、創造主のコタローに「かわいい」と認めてもらえなかったリベンジを誓い、あの手この手で彼から言質を引き出そうとしてきます。
性格はとてもポジティブで前向き、自分の事を世界一可愛いと豪語して憚りません。
トラブルメイカーのぷにるに毎日のように振り回されうんざり気味なコタロー。学園のマドンナ・雲母麻美に片想い中の彼は、ちんちくりんのぷにるなど眼中にないのです。
はたしてぷにるは大好きなコタローに、世界一かわいいスライムとして認めてもらえるのでしょうか?
『ぷにるはかわいいスライム』の作者はまえだくん。
次にくるマンガ大賞2022では4位に輝いており、世間の注目度の高さがうかがえます。
『ぷにるはかわいいスライム』の魅力として一番に挙げたいのは、ヒロイン・ぷにるの反則級の可愛さ。
一人称は「ぼく」で性格は天真爛漫元気溌剌、コタローのことが大好き。目標は世界中で愛されているマスコットキャラ、キュティちゃんの可愛さをこえること。
少々狙い過ぎといってもいい、あざとさ炸裂の女の子です。カラフルなグラデ髪が映えてますね。
ぷにるを紹介する上で欠かせないのは彼女の特性。
何せ伸縮自在・変幻自在のスライムときて姿を変えるのはお手の物。服装や体型は言うまでもなく、もとが無性別のスライムなので男子小学生にも化けられます。
これまで作中で披露してきたコスプレはギャルかわいいぼく、ちょっと大人なかわいいぼく、ぴかぴかランドセルのかわいいぼく、かわいいダンサーのぼく、どんなゴミよりかわいくないぼく、ワルイプニルなど。しかも現在進行形で増え続けているのですから目が離せません、一人で何分裂もおいしいですね。
スライムの強みを生かした七変化でコタローを翻弄する様はまさにいたずら小悪魔!
溶けたり切られたり分裂したりスライムならではの過激パフォーマンスをこなす半面、肝心な所で詰めが甘く、なかなかコタローの「かわいい」をゲットできない不憫さや残念さも大きな魅力です。
あなたの推しぷにるはどの子でしょうか?再登場に期待してください。
第二に挙げるのは脇キャラたちの強烈な存在感。
彼等のエキセントリックな言動はしばしばコタローやぷにるを食うほどで、一歩間違えばドン引きされてもおかしくありません。
たとえばコタローが恋する学園のマドンナ、雲母先輩。見た目は清楚な美少女で成績優秀品行方正、おまけに中学生とは思えないグラマラスなボディの持ち主でカリスマ的人気を誇ります。
その本性は子供が大大大好きなキラーマミー、野生の母性を持て余しことあるごとに暴走するヤバい人です。
子供に向ける感情は健全な庇護欲や愛でたい願望なのですが、小学生を見るなり息を荒げ突進していく様や、見た目が幼いぷにるを巨乳に埋めて頬ずりする姿は犯罪スレスレでした。
他にもナンパなチャラ男と見せかけ中身は健康優良小学生男子の南波遊助、高飛車お嬢様の御金賀アリスにマッドサイエンティストの真戸博士など、愉快な仲間たちに事欠きません。
上記のキャラたちとコタロー&ぷにるの交流は安定した面白さ。
ほぼ全員見た目と中身にずっこけるようなギャップがあり、そのちぐはぐさが抱腹絶倒のギャグに繋がっています。
強調したいのはただの出オチで終わらない所。
良い例が雲母先輩で、彼女自身も自分の性癖を恥じ、矯正したいと思っていました。ですがありのままの自分を受け入れてもらえた事で救われ、以降はやっぱり暴走しながらも、年上だからこそできるアドバイスや溢れる包容力でコタローたちを導きます。
黙っていればモテそうなのにおばか出しで憎めない南波や、勝気なくせして人一倍寂しがり屋なアリスにも愛着が湧いてきて、未登場回は寂しくなってしまうほど。
メタボなおっさんなのに何故かヒロインより露出が多い真戸はその最たるもので、すっかりいじられ役として定着しました。
心がほっこり温まるエピソードも多く、ドタバタ賑やかな日常をずっと見守っていたくなります。
最後に挙げるのがラブコメとしての完成度の高さ。
ドタバタギャグ漫画として笑えるのはもちろんのこと、コタローとぷにるの掛け合いにはニヤニヤ成分を補給できます。
とはいえコロコロの漫画なので、性描写は一切ありません。パンチラもありません。なのに読者のツボをしっかり押さえて面白く、子供から大人まで安心して読めるあたりにまえだくんの確かな実力を感じました。
ラブコメ漫画の主人公はとにかく鈍感でラッキースケベに見舞われがち。コタローも鈍感なのは間違いないですが、不思議とそれが不快ではありません。
かえって微笑ましく初々しいエッセンスになってるのに注目してください。
なんたってまだ十四歳の中学生、思春期真っ盛り。もとがスライムでしかも友達だったぷにるを、異性として意識するのに抵抗を覚えるのは無理からぬことです。
一方、ぷにるのコタロー大好き加減はブレません。コタローにかわいいと言ってもらうために日々けなげに頑張る様子に胸キュン。
コタローも本心ではぷにるを大事に思っており、彼女のピンチにはびしっと決めてくれます。
付け加えるなら、本作には悪人が存在しません。
ぷにるとコタローの進展具合を見守る人々の眼差しはとても温かく、たとえどんなハプニングが起ころうと二人はきっと大丈夫と思える、優しい世界観が素晴らしいです。
皆さんもぜひこの機会に世界一かわいいスライム、ぷにるにハマってください。
- 著者
- まえだくん
- 出版日
『ぷにるはかわいいスライム』が気に入った方には、オカヤド『モンスター娘のいる日常』をおすすめします。
こちらにもスライム娘が登場するので、ぷにると比べてみると面白いのではないでしょうか。
新しい性癖の扉が開けますよ。
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- オカヤド
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