長崎書店「サイエンスフェア」/本屋遊泳~ブックリウムに会いに行こう~【第27回】

更新:2024.7.25

「書店オリジナルのフェア」の取材を通してお伝えしている本屋遊泳。今回は長崎書店さんの「サイエンスフェア」について紹介します。 「サイエンスフェア」について杠由香さん・宮川洋一郎さんにお話しを伺いました!

ブックカルテ リンク

理系の書籍がおよそ90タイトル並ぶ!

長崎書店さんの「サイエンスフェア」では普段だとお店にあまり置くことのできない、理系の本がおよそ90タイトル並べられています。

「理系は苦手分野だけど、興味がある、勉強してみたい」と思っている方や、「もっと知識を深めたい」方に向けて、様々なジャンルの書籍が紹介されているのが魅力です。

生物や物理、数学、宇宙、天気、鉱物、医学などの幅広いジャンルの本が、初心者向けから上級者向けまでバランスよく選書されており、どんな人でも理系の世界を楽しむことができます。

また、新書だけでなくノンフィクションや図鑑なども置いてあり、気軽に読める作品も紹介されているのも「サイエンスフェア」の特徴となっています。

実際に本棚を眺めてみると、タイトルに惹かれてしまう作品がたくさん並んでいて、どの本を買うのか迷ってしまいますね。

フェアの後半にはラインナップが変わるそうなので、何度も足を運んでみたくなる企画となっています。

 

必ず興味の沸く本と出会える!

熊本県では半導体の大手企業であるTSMC(台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー)の進出が決まり、地域全体で理系熱が高まっています。

しかし長崎書店さんの場合はスペースの問題で理系の本をあまり店頭に置くことができず、はがゆさを感じていました。

そこで、夏の2カ月間だけでも理系の本を思い切り紹介できるように「サイエンスフェア」が企画されました。

内容が専門的で難しい本もありますが、初心者の方でもわかりやすく楽しめる作品もたくさん紹介されています。

何か一つ気になる本を読んでみて、興味がわいたらもっと専門的な本に進んでいくことができるのも「サイエンスフェア」のおすすめポイントです。

インターネットの画面を通して本を選ぶより、実際に手に取って読んでみることで、一味違う魅力を感じることができるでしょう。

長崎書店さんの「サイエンスフェア」は2024年7月1日〜8月31日まで開催されています。また、長崎書店さんのその他の情報は公式HPまたは公式Xにてご確認ください。

 

創業130年以上の書店

長崎書店は明治22年に熊本市・上通の地で創業し、熊本の書店として皆様に支えられ、2019年には創業130周年を迎えました。

日々の生活のヒントとなる本、人生を豊かにしてくれる良書を取り揃えて、皆様のご来店を心よりお待ちいたしております。

また、店内のギャラリースペースでは、絵本原画展や地元の作家様の作品展などを開催し、気軽に芸術に触れていただけるよう企画しています。

 

長崎書店 杠由香さん・宮川洋一郎さんからのメッセージ

文系女子と理系男子が選びました。ぜひチェックしてみてください!

 

ここからは「サイエンスフェア」の中でもおすすめな本を5冊紹介していきます。

 

おすすめ本①『すばらしい人体 あなたの体をめぐる知的冒険

 

『すばらしい人体』は、外科医の山本健人が人体の驚異的な仕組みや医学の進歩を解説する本です。

日常的な体の機能から病気の治療法まで、幅広いテーマを扱い、読者の知的好奇心を刺激します。特に、肛門の機能や深部感覚の重要性など、普段意識しない身体の働きに焦点を当てています。医学や人体に興味がある人におすすめの一冊です。

 

おすすめ本②『遺伝子―親密なる人類史 上・下』

 

『遺伝子―親密なる人類史』は、腫瘍内科医シッダールタ・ムカジーによる遺伝子の壮大な「伝記」です。

科学的な論説に加え、遺伝子が人類史に与えた影響や社会的意義を広く論じています。アリストテレスから現代まで、遺伝学の発展と科学者たちの物語を織り交ぜ、優生学の歴史と倫理的問題にも触れる、知的好奇心を刺激する一冊です。

科学と人文学の融合が特徴的で、遺伝子が造る人類の未来を考えさせられます。

 

おすすめ本③『バッタを倒しにアフリカへ』

 

『バッタを倒しにアフリカへ』は、昆虫学者の前野ウルド浩太郎が、サバクトビバッタの研究のためにモーリタニアに赴いた体験を描いたエッセイです。

彼の奮闘とユーモア溢れる筆致で、過酷な環境での研究生活や現地の人々との交流が生き生きと描かれています。昆虫学やアフリカの自然に興味がある人におすすめの一冊で、学術的な内容とともに冒険記としても楽しめます。

 

おすすめ本④『TERRA Sakurai Collection』

『TERRA Sakurai Collection』は、櫻井欽一が収集した日本最大の個人鉱物コレクションを収めた写真集です。

佐々木光の美しい写真と米沢敬の構成により、432点の鉱物が精緻に紹介されています。鉱物愛好家や自然科学に興味がある人におすすめの一冊で、視覚的な美しさと学術的価値のある書籍となっています。

 

おすすめ本⑤『〈標本〉の発見 科博コレクションから

『〈標本〉の発見』は、国立科学博物館の貴重な標本約150種を紹介する写真集です。

絶滅したニホンオオカミやオオサンショウウオなど、貴重な標本が美しい写真とともに解説されています。博物館の標本がどのように収集・保存されているかを知ることができ、自然科学や博物館学に興味がある人におすすめです。標本を通じて生物の多様性や進化の歴史を学べる一冊です。

 


取材にご協力いただいた長崎書店の杠由香さん・宮川洋一郎さん、ありがとうございました!

ホンシェルジュでは、フェアを紹介させていただける全国の書店様を募集しております。ご興味をお持ちいただけた書店様は、問い合わせからぜひご相談ください。

次回もお楽しみに!

 

特集

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本屋を訪れる楽しみの1つが、その本屋さんオリジナルのフェア。ホンシェルジュでは「書店オリジナルのフェア」を「ブックリウム(本で満たされた空間)」と命名し、取材を通してその魅力をお伝えしていきます。

 

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  • 本屋遊泳~ブックリウムに会いに行こう~

    ホンシェルジュでは書店オリジナルのフェアを「ブックリウム(本で満たされた空間)」と命名。 本屋さんへの取材を通してフェアのテーマや選書を紹介、アーカイブ化する特集です。 ぜひお気に入りの本屋さんを見つけてください。

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