派手だという訳でないのに、街ですれ違った瞬間にこちらがハッとするような素敵な人っていますよね。背筋が伸びていて、毎日をポジティブに生きている、真っすぐな人。今回は「自分にとって大切なもの」とともに生活を楽しむミニマリストの本を紹介します。
『モノは最低限、幸せは最大限』というこの一冊は、豊富なカラー写真とともに、住んでいる人たちのそれぞれの生活スタイルを紹介しています。部屋の家具から置いてある雑貨に至るまで、魅力的な写真が並びます。
実はこの本を特に読んでほしいのは、日本の昔ながらの和式の住まいに住んでいる人たち。
決して、お洒落なデザイナーズマンションに住んでいるリッチな人たちでも、原宿系のDIY系な人たちでもないのです。
なぜなら、この本で紹介されているどの部屋も、何の変哲もないどちらかと言えば地味なフローリングのアパートのような造りのもの。どの写真を見ても浮かぶのは、実家のあの部屋に似ているとか、お友達のお部屋に似ているとか、そんな普通の印象なのです。
- 著者
- 出版日
- 2015-11-30
決定的に違うのは、圧倒的に「モノがない」こと。フローリングの上に、趣味の良い限られた家具。だけど冷蔵庫にメモなんてもってのほか、洗濯物なんて散乱してなんていません。
この本に掲載された写真に写っているのは、すっと背筋を張った家具たち。ちょっとばかりいつもよりも自信を持って、自足したモノたちによる空間なのです。
この本の著者は、ハイパーメディアクリエイターの高城剛さん。少し前に某有名女優との離婚騒ぎで巷を騒がせました。そんな高城剛さんとは一体何者なのだろうと、その時多くの人たちが疑問を持ったと思います。彼の肩書きであるハイパーメディアクリエイターとは、TVやインターネット、CMや書籍というメディアを駆使したアーティスト、クリエイターなのです。
この本を手にしたときには驚きました。アーティストと言えば、たくさんの「モノ」に囲まれているイメージ。高城剛さんの、時代の寵児のような暮らし振りには、きっと大量のメディアからのインプットが必要でしょうし。そんな氏がスーツケースひとつまで自分の持ち物を絞っていくという生き方を実践しておられるというのがこの本です。
- 著者
- 高城 剛
- 出版日
- 2012-11-15
驚きですね。一昔前には、男性ファッション誌でも女性ファッション誌でも、モノをたくさん持っていることこそがステータスでした。靴、バッグ、どんなアイテムにおいても、コレクターというのがもてはやされた時代。それに今でも芸能人というと、大きな特注の書庫や衣装部屋があるというのが定石です。
しかしながら、高城剛さんは、資産99%を処分して残りの1%にしたというのだから、本物です。その1%って気になりますよね。それがこの本で徹底的に公開されています。高城さんのこのライフスタイルは新しい時代の生き方として若者の予言書のようになる予感がします。
さて、芸能人の生活は実際には私たちの生活レベルとは違いますから、今度は実践レベルで参考にできる一冊をご紹介いたしましょう。
この本の著者は、「家の中のモノ9割捨てたら人生が変わった!」というミニマリストブログのライターである「ちゅらさん」です。
断捨離という言葉が流行っても、実際その言葉通りに捨てていくのは難しい。そして大掃除のように一度だけ「モノを処分」しても、その後こそが大事なのです。買っては貯めてまた捨てるということを繰り返すのでは駄目です。
- 著者
- ちゅら
- 出版日
- 2017-01-26
どうやったら「いらない!」という選択が出来るか、それを一緒に勉強しながら実践していこうというのがこの本です。家計が5万円浮いたっていうのですから。これはもう「片付け」だけの問題ではないですよね。残りの5万円を貯金できるのですから、「財テク」にも繋がっていくのではないでしょうか。
ただモノを減らしていても、寂しい暮らし、不便な暮らしでは本末顛倒。この「わたしがラクするモノ選び」では、断捨離を行ったとしても、それによって生活が豊かになっていなければ意味がない、と言っています。より良い生活にしていくための、本当に良いモノの選び方を教えてくれます。
- 著者
- Emi
- 出版日
- 2015-07-10
例えば、ここに10枚のお皿があったとする。それを1枚だけ残して捨ててしまったら、お客様がいらした日なんかに、とっても恥ずかしい思いをすることになってしまいます。ではどうしたらよいのか。この本では、こんな答えを提示しています。「薄くて収納しやすいお皿を選べば良い」その通りなのです!
「モノを大事にする」ためには、選ぶ段階で「よいモノ」を選ぶことが大切なのです。ついつい買いをなくして、本当によいモノ、便利なモノを大事に使っていく。それは快適なミニマリストとしての賢い生き方ですね。
最後に紹介するこの一冊は、現代のミニマリストという生き方を推奨するアメリカの運動家ジョシュア・ベッカーによる一冊です。
モノを減らすということが、目の前の現実的な問題だけにではなく、現代社会のライフスタイルの在り方として本当に求められているのだという真の理由を知ることが出来ます。
- 著者
- ジョシュア・ベッカー
- 出版日
- 2016-12-14
いくらモノに溢れていても、空虚な気持ちが拭い去れない。どんなに贅沢品に囲まれても、幸せを感じているかどうかは疑問が残る。何が自分の幸せなのだろう。そんなバブルからバブル以降の現代社会の闇における、真の人間性の探求、それこそが自分探しの新たなヒントなのです。
消費社会に育てられた私たちは、たくさん買うこと、たくさんあることが善であると思ってきました。だけどここでいったん立ち止まってみよう。そして自分にとって本当に何が必要なのか。それを考えるべき時がきたのではないか、この本はそんな疑問について語っています。
まだまだ続く不況の時代、都会では家族四人での狭いマンション暮らしというのも珍しくはありません。残業を終わらせて、そそくさと自宅へと向かう。ふっと一息つきたい楽しい我が家。でもそこにはモノが散乱して、足の踏み場もない。そんな我が家では、ゆったりなんかできません。豊かな生活とは程遠いですよね。
豊かさとは、「量」ではない「質」だということ。
洋服も、本当に自分に似合った丈の服を大切に数着持つだけでもいいのです。
一人暮らしでも、家族と一緒でも、部屋からスタートする自分探し。部屋=自分が豊かになっていれば、周りにもきっとポジティブな人たちが集まってくるに違いありません。
自分に似合うモノを知っている女性は、その内面から輝く自信に溢れていて美しく見える。
それと同じです。自分に見合うライフスタイルを知ることで、充実した毎日を送るために、今必要とされているのが「ミニマリスト」という生き方だと思います。