5分でわかるキジの生態!鳥なのに飛ぶのが苦手⁉生息地や鳴き声を解説!

更新:2018.7.12 作成:2018.7.12

桃太郎のお供として鬼ヶ島に同行したキジ。万葉集の歌にも多く登場し、古くから日本で親しまれていたことがわかります。この記事では、そんな彼らの生態や、飛ぶことが苦手だという意外な事実、地震予知の噂や繁殖期の行動などについてわかりやすく解説していきます。あわせておすすめの関連本も紹介するので、ぜひチェックしてみてください。

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キジの生態は?日本の国鳥!野生の生息地や種類、鳴き声など

 

日本の国鳥に指定されているニホンキジ。旧1万円札の裏面に描かれていたことでも有名です。

4の亜種が固有の種として分布していて、いずれも平地、河原、山地の草原、農耕地、雑木林などに生息しています。そのほかユーラシア大陸原産のコウライキジが、もともと分布していなかった北海道や南西諸島などに持ち込まれ、野生化しています。体長は、オスが80cmほど、メスが60cm弱です。

ニホンキジが国鳥に選ばれたのは1947年のこと。日本の固有種で親しみ深かったこと、肉が美味で古くから貴族や武家の間で最高の獲物として親しまれたことなどが理由として挙げられています。ちなみに国鳥を狩猟対象にしている国は珍しく、また国鳥を食べる習慣がある国は日本以外にありません。

「キジも鳴かずば撃たれまい」「ケンもほろろ」など、彼らの鳴き声はことわざや慣用句に使われていますが、通常は大きな声をあげることはほとんどないそう。

春から初夏の繁殖期になると、オスが「ケンケーン」という金属を擦り合わせたような甲高い声を発します。気性が荒くなって縄張り争いをしたり、自分の胸を羽で叩く「母衣打ち(ほろうち)」をしてメスにアピールをするようです。

また彼らは個体ごとに異なる声紋をもっているので、鳴き声で識別をすることが可能になっています。

キジは鳥なのに飛ぶのが苦手⁉

 

彼らの翼は幅が広く丸みを帯びていて、体の大きさに比べて短いため、長距離飛行に適したつくりではありません。巣も地上につくり、餌はクチバシと足を使って地面を引っかき、土の中の虫や植物などを食べます。

飛ばないために広い縄張りをもたないので、生息地によっては水浴びではなく砂浴びをして羽毛をきれいに保っています。地面に体をこすりつけて泥や砂にまみれることで、羽についている油分を吸い込ませてとることができるそうです。

キジが飛ぶのは、キツネなどの外敵が迫った時。彼らの羽の形は瞬発性には優れているので、危険を察知した場合は素早くその場で体を浮かせることができます。

キジは地震を察知できる?

 

繁殖期以外はおとなしいキジですが、地震の前夜に騒がしく鳴くことがあるため、地震の予知能力があるといわれています。

古いものでは、幕末の1847年に起きた「善光寺地震」の際に、静かだったキジたちが数日前からけたたましく鳴き、あまりにも奇異な状態から悪事の前触れではないかと噂された、という記録が残っていました。

また2011年に起きた東日本大震災では、前日、気仙沼に生息するキジが海鳴りの後に鳴いたという報告がされてます。気仙沼付近ではもともと「海鳴りの後にキジが鳴くと地震が起きる」という言い伝えがあったため、警戒する声があがっていたそうです。

彼らが地震を予知できる科学的根拠として、足の裏に振動を察知する感覚細胞があることが挙げられます。しかし実際に地震が発生する数秒前ならまだしも、前日から感覚細胞で揺れを感知することができるとは考えづらいため、予知のメカニズムは解明されていません。

キジのオスとメス、繁殖期の行動は?

 

おとなしくて静かな性格をしているキジですが、繁殖期にあたる4~6月のあいだは、まるで別の種類の鳥のように凶暴になります。

甲高い声をあげながら母衣打ちをくり返して縄張りを主張し、誰かが侵入してくれば大声をあげて威嚇。クチバシや鋭い爪を使って目や頭などの急所を攻撃し続けます。どちらかが倒れるまで長時間おこなうこともあるそうです。

またこの時期の彼らは、人間に対しても攻撃を仕掛けてくることがあります。オスの目の周りにある肉垂が赤く腫れあがるので、赤くて動くものすべてを敵視する習性があり、たとえば赤い洋服を着た人や赤いバイクに乗った郵便局員などが追いかけられてしまうそうです。

メスの個体が縄張りに入ってくると、オスは自分の羽を広げて何度もアピールをします。縄張りに来たすべてのメスを対象にし、1羽でも多く自分の子孫を残そうと試みるのです。

交尾をした後のメスは、オスの縄張り内の、なるべく自分の羽の色と同化する土の中に巣をつくり、産卵をします。卵を温めているあいだはほぼ動くことなく、じっと身を潜め続けて外敵の眼を欺くそうです。オスは縄張り内の見回りを続け、野良猫やカラス、アオダイショウなど卵を狙う敵が現れれば素早く威嚇攻撃をし、自分に注意を引き付けて追い払います。

自分よりも強い相手に対してもひるまずに襲い掛かっていく勇ましいオスの姿と、近くまで敵が来ても決して逃げずに卵を温め続けるメスの姿に、日本人が理想とする家族像が投影されたことも国鳥に選ばれた理由のひとつだそうです。

美しい写真とともに世界36ヶ国の国鳥を紹介

著者
水野 久美
出版日
2017-09-29

 

アジア・オセアニア、ヨーロッパ・アフリカ、アメリカの3つの区域ごとにそれぞれを代表する国の国鳥を紹介しています。

インドクジャクやホオジロカンムリツルのような豪奢な見た目をしているものや、ハクトウワシやアンデスコンドルといった勇壮な姿をしているものなど、その姿はさまざま。しかしさすが国鳥に選ばれるだけあり、どれも美しくて見ごたえがあるでしょう。

キジをはじめ、家族愛を感じさせる姿が選定の理由になっているものも多く、そのエピソードは興味深いものばかり。国鳥の生態から国民性をうかがい知ることができます。

キジをはじめ日本の野鳥のエピソードが満載

著者
大橋 弘一
出版日
2015-12-10

 

春夏秋冬、季節ごとに日本で見ることができる野鳥を、呼び名の由来や民話などと絡めて紹介している作品です。

それぞれのエピソードが興味深く、見どころになっています。たとえばウグイスは、江戸時代より前は「ウーグイ」と鳴くと考えられており、そこに鳥を意味する接続詞の「ス」をつけて名付けられたそう。またキジについても「雉撃ち」の歴史が記されています。

掲載されている写真が美しいので、眺めているだけでも楽しめるでしょう。写真とともに撮影場所も記載されているので、バードウォッチングの参考にもなるはずです。