胸のときめく恋愛ストーリーは、世代を超えて楽しむことができるものですよね。こんな男の子に好かれてみたい!こんな言葉を言ってもらいたい!女子の憧れる恋愛ストーリーを120パーセント体現したおすすめ5作品をご紹介します。
1997年頃に、小学館の「Sho-Comi」からデビュー。主に同誌にて執筆している漫画家です。
「Sho-Comi」の看板漫画家・水波風南のアシスタントを経てデビューしたこともあり、ドラマチックな恋愛ストーリーや、作品に登場するイケメンキャラには、定評があります。
初期の頃の作品は原作に基づいたものがメインでしたが、その実力が徐々に認知されていくに伴い、ストーリーに関しても、夜神里奈自身が担当するようになります。
作者本人が、中学、高校と女子高に通っていたということで、作品は、当時感じていた学生同士の恋愛についての憧れを基に描いていることが多いそうです。その気持ちが、誰もが憧れる恋愛ストーリーとして表現されています。さらに丁寧で繊細な絵柄とマッチすることにより、作者の世界が確立されているといえるでしょう。
天使のように可愛くて、弟のように慕っていた幼なじみの想。彼はアメリカに引っ越してしまいましたが、日本の高校に入学するため、5年ぶりに帰国します。しかも日本の生活に慣れるため、主人公・愛依の家に居候することに。ドキドキのど同居生活が始まります!
- 著者
- 夜神 里奈
- 出版日
- 2009-11-26
久しぶりに会った想は相変わらずの美少年ぶりで、愛依の心をときめかせます。しかしある日突然、「絶対愛依を俺のものにするから覚悟しなよ」(『彼氏年下系。』から引用)と、彼女にキスマークを付けるのです。
可愛い弟としか見ていなかった想に、愛依は戸惑います。けれども想は、積極的に、時には強引に、彼女に気持ちをアピールします。非の打ち所の無い美少年に、これでもかと迫られたら……。想像しただけでも、ドキドキしてしまいますよね。
好意を持っている相手からストレートに気持ちをアピールされ、嬉しい反面、困惑する気持ちが芽生えたり、知らなかった一面を見て、より惹かれていく気持ちが出てきて戸惑ってしまう。そんな、乙女心を揺るがすようなエピソードが、短いストーリーのなかに凝縮されています。
最初は愛依のイメージ通りの「可愛い年下の想君」でしたが、しだいに肉食系男子の本性を表していきます。そのギャップもまた、胸キュン度がアップするポイントになっています。これまで、年下なんて興味ない!と、眼中になかったとしても、想の姿を見れば少し変わるはず。彼の魅力満載なキャラクターによって、その価値観が覆ってしまうこと間違いなし!
また表題作の他にも短編が2編収録されていますが、そのうち1編も年下ものとなっています。作者の描く、可愛いけれどかっこいい、そしてちょっと押しの強い年下彼氏の世界を堪能してみてはいかがでしょうか。
本作は、実際に開催されている、小学館の少女漫画雑誌である「Sho-Comi」と芸能プロダクションとのコラボ企画である、「Sho-Comiプリンセスオーディション」のコミカライズ作品です。
結丹(ゆに)・通称ぷに子は、亡くなった母親の「誰だって女の子は可愛くなれるのよ」(『蜜恋Honey』から引用)という言葉をいまいち信じることができず、そんなの選ばれた子だけ、と卑屈になっていました。
- 著者
- 夜神 里奈
- 出版日
- 2010-08-26
しかし父親が再婚したことにより兄となった大和と大翔と出会って以来、徐々に変わっていきます。優しい2人に励まされ、そして、大翔と恋をしていくなかで自信をつけていくのです。そして「Sho-Comiプリンセスオーディション」への参加を決意するのでした。
大和と大翔のカッコ良さにときめくことはもちろん、恋する気持ちをエネルギーに、女の子が変わっていく様子が見られる本作。勇気をもらえる!好きな人のためにもキレイになりたい!純粋で前向きな主人公の姿に、きっと共感できるはずです。
最初ぷに子は、決して自分に自信のある女の子ではありませんでした。けれども小さな子が困っていたら放っておくことはできないし、人のイヤがることもできる女の子なのです。そんな、ぷに子のよい面を、大和と大翔はしっかりと見ています。
優しさや思いやりといった人柄が、外見をも輝かせるという大切なことにも、あらためて気づかせてくれる作品です。
また突然かっこいいお兄さんが2人もできてしまったら…なんていうシチュエーションも、羨ましい限りです。夜神里奈の描く、王道のイケメンを、たっぷりと堪能することができます。女の子なら誰でも憧れるシンデレラストーリーを、ぜひ楽しんでみてください。
幼稚園の頃からの幼なじみ、歩優(あゆ)と花萌(かほ)。
歩優は元気で明るく、男の子と一緒にサッカーで遊ぶほど活発な女の子です。そんな歩優とは対照的な花萌。可憐な美貌の少女ですが、とても大人しい性格です。しかし意外にも、幼稚園の時に、男の子に嫌がらせをされていた歩優をかばったのが、花萌だったのです。以来2人は唯一無二の「心友」になりました。
- 著者
- 夜神 里奈
- 出版日
- 2012-01-26
しかしある日、花萌は歩優に、「あたし好きな人できたの。」と告げるのです。突然の発言に動揺しながらも、「そんなにスキなんだ?」と尋ねる歩優に、花萌は「うん。一番スキ。」と、これまで見たことないほど優しい顔で答えたのでした。「花萌にとっての一番は私だったじゃん」(『心友と私のスキな人』より引用)
歩優はあまりにショックで泣いてしまいますが、そこで、裕貴という男の子に出会います。悲しんでいる歩優を、裕貴は「嫌なこと忘れさせてやるよ」と、サッカーに誘います。いつの間にか笑顔を取り戻し、カッコ良くて優しい、ノリもぴったりな裕貴に歩優は惹かれていきます。けれどもその裕貴こそが、花萌が「一番スキ」と言う相手だったのです。
「心友」に対する「スキ」とは異なる、男の子に対する、「スキ」という気持ち。まったく異なる「スキ」があることを知ってしまった歩優は、裕貴に対する自分の気持ちに苦しみます。さらに、花萌を心の底から応援することができないことにも、苦しんでしまうのです。
そんな歩優の心情が、丁寧に描かれています。その繊細な描写で、気が付けば物語の世界にどっぷりと浸かってしまってるはず。そして意外ともいえる物語の結末ですが、歩優らしいエンディングに、読者はついつい納得してしまうはずです。
なお本作は全3話からなるストーリーとなりますが、ラスト一話は花萌側から見たストーリーとなっています。歩優だけではなく花萌の心情もプラスされ、人を想う気持ちがより色濃く表現された作品になっています。
実は血の繋がらない兄妹が、一つ屋根の下で暮らしている。しかも、カッコよくて自慢の兄は、妹である自分に夢中。そんな胸キュン要素が、これでもかと詰め込まれているのが本作です。
学校のイベントであるオーストラリアでのサマースクールのため、パスポート取得のために必要になった戸籍抄本。それがきっかけとなり、主人公であるせとかは、実は自分が養子であることを知るのです。当然、兄だと思っていたはるかとも、血の繋がりはありません。両親からそのことを告げられた、せとかと兄のはるかは……。
- 著者
- 夜神 里奈
- 出版日
- 2015-10-26
元々せとかに近づく男子を「害虫駆除」していたはるかですが、血が繋がっていないと知って、自分の気持ちを抑えることができなくなります。
彼はある日突然、せとかにキスをするのです。突然の出来事に戸惑い、どうしていいのか分からないせとか。ここで、すぐに両想いになってしまわないところが、じれったくもあり、この先どう盛り上がっていくのか楽しみなところでもあります。
そしてせとかのモテっぷりは、さらにヒートアップ。別のイケメンでお兄系キャラ・千明先輩に、元々せとかに想いを寄せていた可愛い系の同級生・鈴木くん、そして何といっても、イケメンお兄ちゃん・はるか。彼らイケメンキャラがせとかに想いを伝える言葉は、ストレートでカッコよいものとなっています。
「おかしいって 感情押し殺さなきゃって 言い聞かせてたのに 本当の兄妹じゃないって知って もう 最近 我慢が全然できねー」(『兄に愛されすぎて困ってます』から引用)
「僕をスキになりなよ 僕なら君を 死ぬほど甘やかしてあげる」(『兄に愛されすぎて困ってます』から引用)
見目麗しいイケメンの直球で突き刺さる台詞の数々など、女子の憧れを余すところなく体現した、夜神里奈の真骨頂ともいえる本作。ぜひお楽しみください。
本作には、これまで紹介した作品のイケメンたちとは一味違ったキャラクターの男の子が登場します。その名は、東雲万里(しののめばんり)。
もちろん夜神里奈作品だけあって、見た目は完璧な王子様なのですが、人嫌いで滅多に笑わず、当然自分から好きな女の子に迫るなどもっての外です。むしろ、女の子を「好き」になることすらないほどの人嫌いなのです。
- 著者
- 夜神 里奈
- 出版日
- 2014-05-26
そんな万里に恋をしたのが、主人公である森永心愛(もりながここあ)。いつも同じ電車で見かける万里に、密かに想いを寄せています。ですがある日、タチの悪いグループに絡まれた心愛を万里が助けたことをきっかけにし、2人は言葉を交わすようになりました。
しかし、心愛の気持ちはなかなか届きません。友達としか思っていないとはっきり言われてしまったり、さらに万里が、彼の義母・アキに想いを寄せる素振りを見せるなど、恋の行方は前途多難です。
それでも人嫌いの万里が心愛と友達として、時には疑似彼女として関係を続けているのには、実は理由があったのです。彼が憧れを抱いているアキと同じ、ヴァニラの香り。それがお菓子作りが好きな心愛からも漂っているため、どうしても冷たくすることができないのです。香りが結びつけた2人の関係は、一体どんな展開を迎えるのでしょうか。
もちろん本作で登場するイケメンは、万里だけではありません。万里の幼なじみ・虎鉄(こてつ)や、万里の空手仲間で、心愛に恋するあまり同じ学校に編入してきてしまった四谷(よつや)など、2人の仲を良くも悪くも発展させるキャラクターたちも、それぞれ見応えあり。夜神里奈の描くイケメン達は、本作でも健在です。
真正面から気持ちをアピールする肉食系イケメンとはまた違った、恋する気持ちには鈍感ながらも、こうと決めたら一直線な実直さを持つクール系イケメンとの恋の行方を、ぜひ楽しんでみてください。