良い小説は読み手の年齢を問わず面白いものです。ですが、やっぱりその年齢の頃にしか物語から感じられないこと、受け取れないことというのはあるのではないでしょうか。今回は中学生にぜひ「今」読んでもらいたい作品をご紹介します。
「これは、ボクの勇気のハナシ。」
このキャッチコピーで2006年には映画化もされた本作は、直木賞作家宮部みゆきの代表作です。主人公・三谷亘は勉強よりもゲームが好きな普通の小学5年生。亘はある日偶然、幽霊が出ると噂の建設途中のビルで要御扉(かなめのみとびら)に遭遇し、その扉を通り抜けてこの世界とは違う世界である幻界(ヴィジョン)に入ってしまいます。
数日後、亘は再び幽霊ビルを通りすがり、隣のクラスにやってきた転校生の芦川美鶴が上級生にいじめられている現場を目撃します。慌てて助けようとするのですが、美鶴はなんと魔術を使って上級生に反撃するのです。
魔術を見られ姿をくらました美鶴が気にかかる亘でしたが、そんな折、突然父親が家を出て行き両親が離婚。亘の母親は激しいショックを受け、亘とともにガス心中を試みます。ガスで意識が朦朧とする亘を救ったのは、なんと行方不明のミツル(美鶴)でした。
ミツルに「運命を変えたかったら、幻界へ行け」と言われたことで、亘は幽霊ビルの要御扉をくぐりバラバラになってしまった家族の運命を変えるための旅へ出ます。しかし旅をしていく中で運命を変えてもらえるのは亘とミツルのどちらかだけだという真実が明らかになり……。
- 著者
- 宮部 みゆき
- 出版日
- 2006-05-23
亘は決して、何かズバ抜けた能力がある特別な男の子ではなく、どちらかというと随所でヘナチョコぶりが見られるような少年です。同じく自分の運命を変えたくて幻界を旅しているミツルは、逆に非常に優秀な魔導師となっています。
人生で受け入れたくない出来事があった時、どうするのか。正反対なふたりが自分の答えを出していく姿に、中学生から大人まで誰もが考えさせられてしまう物語です。
この作品は、『モモ』で有名なドイツの児童文学作家ミヒャエル・エンデによるファンタジー小説です。いじめられっ子の少年バスチアンは、ある日本屋で「はてしない物語」という本を見つけます。
本が大好きなバスチアンはこの物語に没頭していくのですが、だんだん本の中の世界「ファンタージエン」での出来事と現実が混ざり始めてしまうのです。ついにバスチアンは本の世界に入り込んでしまい、そのうえ物語の世界の運命を握る冒険の旅をすることに……。
- 著者
- ミヒャエル・エンデ
- 出版日
- 2000-06-16
たくさんの間違いを犯しながらも仲間に助けられながら成長していくバスチアンの物語に、誰もが引き込まれてしまうでしょう。そして読後「これほど本と一体になれる物語は他にない」と絶賛する人が後を絶たない不朽の名作です。
またこの本には、いくつか読書好きを唸らせるしかけが隠されています。ぜひ手に取って、それがいったいどんな謎なのかをお確かめください。
映画化もされたこの物語は、イギリスの片田舎で暮らすうさぎの群れたちの冒険譚です。主人公の若いオスのうさぎであるヘイズルは、未来を予知する力を持つ弟のファイバーに自分たちの群れに危機が迫っていることを告げられ、群れのNo.1うさぎに村から離れて逃げることを進言します。
しかしヘイズルの言葉は信用されず、ヘイズルは10匹ほどの仲間たちと共に新たな理想の土地を見つけるため冒険に乗り出します。うさぎたちは様々な危険を乗り越えながら旅をし、ついに「ウォーターシップダウン」へとたどり着くのですが……。
- 著者
- リチャード・アダムズ
- 出版日
ポイントはうさぎたちそれぞれが、魅力たっぷりのキャラクターである点。リーダーシップがあり、誰にでも優しく、冷静な思考力と勇気も持ち合わせているヘイズル。体が小さく、おとなしいが不思議な予知力を持つファイバー。心優しい戦士であり、ヘイズルを頼もしく補佐するビグウィグ。
うさぎの物語となめてかかってはいけません。読めばきっと、あなたもこの物語のとりこになるでしょう。
この物語は、日本では宮崎駿監督作品『ハウルの動く城』の原作者として知られるダイアナ・ウィン・ジョーンズが送る、魔法が存在する世界を描いたファンタジー小説です。
物語の舞台は、魔法にまつわるもの全てが禁止されており、魔法使いは正体がバレると火あぶりにされてしまうという世界。そんな世界の寄宿学校で、ある日「このクラスに魔法使いがいる」というメモが見つかります。
学校は大混乱に陥り、メモは誰が書いたのか、魔法使いは誰なのか、特定の人物に疑いの目が向けられるのです。そんな中学校で魔法によるものとしか思えないような事件が次々に起こります。魔女の血を引くため犯人だと疑われていた少女ナンは、仲間たちと古くから伝わる助けの呪文を唱えてみました。「クレストマンシー!」すると現れたのは……!
- 著者
- ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
- 出版日
- 2001-08-29
この物語は魔法が中心のファンタジーでありながら、メモの謎を解き明かす「ミステリー」としての要素も兼ね備えた作品です。寄宿学校という舞台や、魔法使いというとてもイギリスらしいキーワードを鮮やかに描いた本作は、「ハリー・ポッター」シリーズが好きな方も存分に楽しめる内容となっています。
マミコは祖父とふたりで暮らす幼い少女。突然の祖父の死にマミコは激しいショックを受け、全ての記憶を失って「マコ」と「ミコ」に分裂してしまうのです。
マコは悪魔の子を名乗り、世界の果てに自分の名前を捨てに行くと言って姿をくらましました。ミコは失った「名前」を探すためにマコを追い、「幻の島」へと渡って異世界「ハルモニア」に旅立つのですが……。
- 著者
- 寮 美千子
- 出版日
- 2009-05-29
作者の寮美千子は、この作品を自身にとっての『はてしない物語』(ミヒャエル・エンデ著)であり、『ゲド戦記』(ル・グウィン著)であり、『銀河鉄道の夜』(宮澤賢治著)であると述べています。
いずれの作品もある「自分」と別の「自分」のふたりの自分に向き合う場面があります。それは現実と幻想であったり、善と悪であったり、現実と自分の心の内であったりします。この普遍的なテーマを幻想的に詩のように美しく描いた本作を、ぜひお手にとってみてください。
舞台は「リョザ神王国」という異世界。主人公・エリンは、闘蛇衆(とうだしゅう)の村で「獣ノ医術師」の母と2人で暮らしていました。獣ノ医術師とは獣医のようなもので、ソヨンはその腕を買われて闘蛇衆の中でも特に強い「牙」という種類の獣たちの世話をしていたのです。
「闘蛇」とは、2本の角と鋭い爪を持ち、普段は水中で生活する戦闘用の獣。竜やトカゲに似た姿をしており、専用の笛の音を聴かせることで使役することができます。
ある日、村の大切な「牙」たちが全て死んでしまうという大事件が起こりました。ソヨンはその責任を問われて処刑されることになってしまいます。エリンは何とか母親を助けようとしましたが失敗、天涯孤独の身となってしまうのです。
- 著者
- 上橋 菜穂子
- 出版日
- 2009-08-12
その後、蜂飼いのジョウンに助けられたエリンは、彼と共に暮らすことに。そんなある日、エリンは山奥で天空を翔ける「王獣」と出会います。「王獣」とは翼の生えた狼のような姿をした、聖なる獣。その姿を見たエリンは、母と同じ獣ノ医術師になることを決意したのでした。
舞台も、キャラクターも、動物たちも全て架空のものでありながら、自然と頭に映像が浮かんでくるような緻密な世界観設定のもとに描かれたファンタジー作品です。上橋菜穂子の著作の中では「守り人」シリーズに続くファンタジー巨編であり、アニメ化もされました。
母の死によって打ちひしがれていたエリンが、周囲の支えによってなりたい自分の姿へと進んでいく成長の物語。美しい情景描写の中に「生命とは何か」という命題が織り込まれています。
「1闘蛇編」から始まり「4完結編」までの全4巻構成ですが、作者は本来「2王獣編」で物語を完結させるつもりでした。しかし続きを望む声で続巻を執筆したという、多くのファンに愛されたシリーズなのです。
舞台は2019年の日本。「メディア良化法」が制定され、メディア良化委員会によって「不適切」と判断された創作物は厳しい検閲にあっていました。これを妨害した場合は、武力により制圧もおこなわれましたが、この弾圧に断固として対抗したのが「図書館」でした。
彼らは「図書館の自由法」を制定し、自主防衛の姿勢をとります。そして、図書隊と良化特務機関との抗争が次第に激化し始めていくのです。
時代が昭和から「正化(せいか)」へと移って26年、高校3年生の笠原郁は幼い頃から大好きだった本を、ある図書隊員により検閲の危機から救ってもらいます。郁は彼を「王子様」と呼び、彼に憧れて自分の図書隊員になろうと決意するのです。
- 著者
- 有川 浩
- 出版日
- 2011-04-23
正化30年、郁はついに図書隊への入隊を果たしますが、その訓練は想像以上に厳しいものでした。しかしそのひたむきな姿勢が認められ、郁は初の女性隊員として「図書特殊部隊」に配属されます。彼女の「読書の自由」を懸けた戦争が始まったのです。
本作はコミック化やアニメ化・実写映画化もされ、累計発行部数は600万部を突破した超ベストセラーです。そのエンタメ性と、図書館が軍隊化されるという前人未踏のアイディアが好評を得たことで、2007年の「本屋大賞」では5位を獲得しました。
自由な発想をもって描かれた本を、読者が自由に読むことができるという当たり前が存在しない世界の中、戦いに身を投じていく郁の成長する姿も描かれています。
郁の王子様であったはずのツンデレ鬼教官・堂上と郁の関係性は、会話も含めて非常に微笑ましく映ります。ライトノベル寄りの作風で幅広い年齢層にも楽しめ、その設定と世界観に酔うことができるでしょう。
「図書館の自由が侵される時、我々は団結して、あくまで自由を守る」(『図書館戦争』から引用)
その言葉どおり、読書の自由が保証されている現在の私たちは、とても幸せなのかも知れません。
ジブリ映画の名作として知られる作品の原作小説で、シリーズとして24年間にわたって執筆されました。
魔女と人間の間に生まれた少女・キキは、13歳になったら魔女のいない町で1年間、自分の力で暮らさなければならないという掟に従い、黒猫のジジを連れて旅に出ます。やがて辿り着いた「コリコ」という町に定住することにしたのですが、町の人たちの魔女に対する冷たい反応に、キキは戸惑うのでした。
しかしパン屋のおソノさんと出会い、キキは借りた粉置き場を改装。そこで「魔女の宅急便」という宅配屋を開業します。運動靴やカバ、漁をするための網など、荷物はおかしなものばかりです。そんな宅配業を通してキキは、人々と触れ合いながら一人前の魔女として成長していきます。
- 著者
- 角野 栄子
- 出版日
- 2002-06-20
本作では、シリーズにわたってキキの半生が描かれています。最初は不安だらけのキキ。魔女に対してネガティブなイメージを持つせいで、なかなか彼女を肯定できない町の人たちとのすれ違いはありますが、そんな人々との関わり合いがだんだんとキキを強くしていきます。
そして町の人々と信頼関係を結んでいくキキの様子は、たくましくもあるのです。喜びや悲しみをたくさん経験し、やがて人々に受け入れられていく心温まるストーリーとなっています。
自分と向き合うキキの姿を見れば、きっと勇気をもらえるはず。映画版を知っている人もぜひ読んでみて欲しい作品となっています。決して児童文学の枠に収まることなく、人の温かさを感じることのできる素朴な物語です。
短槍を操る凄腕の女用心棒・バルサは、ある日川に流された皇子・チャグムの命を救います。チャグムは「精霊の守り人」として、その体に水の精霊「ニュンガ・ロ・イムの卵」を宿していました。しかしチャグムの父である帝は、国の威信を守るため彼を秘密裏に暗殺しようと計画します。
また、チャグムの命を狙うのは父だけではありません。彼の中に宿った精霊の卵を食う怪物・ラルンガもチャグムの命を狙っていることがわかります。
チャグムの母・ニノ妃に依頼され、チャグムを連れて逃げたバルサは、卵が体から離れる夏至まで、彼と共に暮らすことに。バルサの幼馴染の薬草師・タンダの元に身を寄せた彼女たちでしたが、やがて驚くべきことが発覚します。
チャグムに宿った精霊の卵を孵化するまで守らないと、世界を大干ばつが襲うというのです。
- 著者
- 上橋 菜穂子
- 出版日
- 2007-03-28
人と精霊たちが交錯する不思議な世界で、女性とは思えない強さを持ち「短槍使いのバルサ」と恐れられるバルサが繰り広げるファンタジー冒険譚です。本作はこれまでにもアニメ・コミック・実写など様々なメディア化がされました。緻密な世界観と、神話や伝承を随所に散りばめた舞台設定で、壮大なファンタジー世界となっています。
味方も敵も魅力的なキャラクターが多数登場しており、バルサの一番大切な存在である幼馴染・タンダも、その薬草の知識で彼女たちをサポートしてくれます。何より、バルサのかっこよさと強さ、そして優しさに目を奪われる作品です。
バルサは精霊の卵を、そしてチャグムを守り抜くことができるのでしょうか。
第一次世界大戦の最中、空襲を避け田舎に疎開したペベンシー一家のピーター・スーザン・エドマンド・ルーシィの4人の子供たち。
疎開先のお屋敷を探検しているうちに、洋服ダンスに入り込んでしまった末っ子のルーシィでしたが、外套をかき分けて奥へと進むと、なぜか雪の降る森の中に出てしまいました。ルーシィはそこで「タムナス」という、上半身は人間・下半身はヤギ姿をした不思議な生き物と出会います。
この雪の降る場所が「ナルニア」という国であることを知ったルーシィ。再度洋服ダンスの中を通って戻ってみると、やはりそこは元いた屋敷の中でした。ルーシィはさっそく姉や兄たちに今しがた見てきたことを興奮気味に話して聞かせますが、誰も彼女の話を信じてくれませんした。
- 著者
- C.S.ルイス
- 出版日
- 2000-06-16
ナルニア国は、「白い魔女」の呪いで延々と続く冬の中に閉じ込められていました。しかし「アダムの息子」「イブの娘」が揃ってナルニアの玉座に就くとき、呪いは解けると言い伝えられていたのです。
やがてルーシィたち4人は、揃ってナルニア国に向かうことになります。ナルニア国は、神話の生き物や妖精たちが生きる幻想的な世界でした。彼らは「アスラン」という不思議なライオンに導かれ、白い魔女の呪いを解くための旅に出ます。
本作は「ナルニア国」シリーズ7部作のうち、一番最初に発表されたもので、かの『指輪物語』と並んで20世紀のファンタジー文学の礎を築いた作品です。実は聖書が下敷きとなっており、アダムとイブなどそれを元にしたモチーフも数多く登場します。
洋服ダンスから繋がる異世界で、4人の兄妹たちは、白い魔女との戦いに身を投じていくことになります。巨大なライオン・アスランの作ったナルニア国で繰り広げられる冒険活劇は、大人も童心に返って読むことができるでしょう。
熊野古道にある玉倉神社に住む鈴原泉水子は、いつも「触った電子機器を壊してしまう」という特異体質の持ち主です。彼女は高校に進学するにあたり、幼馴染の相良深行と一緒に東京の「鳳城学園」に入学するよう、親から決められてしまいました。
実は泉水子は「姫神」と呼ばれる存在の依代となる家系に生まれ、相良深行はその家系を守る山伏の一族の生まれだったのです。
鳳城学園の高等部に入学した泉水子でしたが、同級生は戸隠神社の家系の宗田真響や、陰陽師の家系の高柳一条など、濃い面々ばかり。両親の仕事の都合で宮司である祖父に育てられた泉水子は、とても引っ込み思案で人見知り、男子ともまともに口がきけないほどでした。
しかしその学園生活の中で、彼女の姫神の力もだんだんと目覚めていくことになります。
- 著者
- 荻原 規子
- 出版日
- 2011-06-23
時々憑依してくる姫神を封印するため、腰まである長い髪を三つ編みにし、どこか暗い雰囲気のある泉水子。それに対し、華やかで、相良深行は女子からとても人気があります。
彼は一見、泉水子を嫌っているように見えますが、実は心のどこかで気にかけていました。そんな少女漫画のような微妙な関係も本作の見どころです。いつもは反発し合う2人でしたが、修学旅行に行った先の東京で事件に巻き込まれてしまいます。泉水子の一族が持つ秘密とは?
普段はおどおどしている泉水子ですが、姫神の憑依によって尊大な態度に変わるシーンは非常に面白い見どころです。他にも山伏や神霊・修験者に巫女などの和風な世界観を、ヤングアダルトなファンタジーとして書き上げているところは、さすが荻原規子だといえます。
読者は思わず泉水子を応援したくなってしまうかも知れません。暗躍する謎の組織の存在も見え隠れし、続きが楽しみな作品です。
荻原規子のデビュー作で、日本児童文学者協会新人賞を受賞した作品です。日本神話がモチーフとなる「勾玉」シリーズ3部作の第1作目です。
輝(かぐ)の一族が治める羽柴の里の少女・狭也(さや)は、ある日異郷人の一行と出会いました。彼らは闇(くら)の一族で、狭也を闇の巫女姫と呼んで空色の勾玉を渡します。その勾玉は狭也が生まれた時、その手に握っていたものだというのです。
一行が去った後、輝の一族の御子である月代王(つきしろのおおきみ)が現れ、狭也を輝の宮に連れ帰ります。そこで稚羽矢(ちはや)という1人の少年と出会ったことで、狭也の運命が大きく動き出すことに。
狭也は実は闇の巫女姫「水の乙女」の生まれ変わりでした。水色の勾玉を握って生まれ、その右手には赤い花のような痣があったのです。
- 著者
- 荻原 規子
- 出版日
- 2010-06-04
豊葦原は照日王(てるひのおおきみ)と月代王という2人の輝の御子によって治められていました。「水の乙女」狭也と「風の若子」稚羽矢の出会いは、やがて豊葦原を変えていきます。そして稚羽矢もまた、大蛇の剣を守る巫女でした。狭也は幽閉されていた稚羽矢を解き放ち、外の世界へと連れ出します。
本作は古事記がベースとなっており、光と闇とが対比する物語です。神の末裔である少年少女が出会い、やがて世界の運命を動かしていく、壮大でドラマチックなファンタジー小説です。
日本神話に詳しい人ならば、それぞれのキャラクターについて、どの神様をモチーフにしているかを一考するのも楽しみのひとつでしょう。神と人が交錯する古代日本、闇の巫女姫の生まれ変わりでありながら、心から光を愛する狭也の神話です。
今回は日本と海外の両方の作品をご紹介しました。私はもう20歳を過ぎていますが、昔夢中になって読みふけったファンタジーの世界は、今でもキラキラした思い出として心に残っています。気になったものがあったらぜひ読んでみてくださいね。一生ものの宝に出会えるかもしれませんよ。