加門七海の怖くて不思議な怪談・オカルトエッセイおすすめランキングベスト5

更新:2017.2.23

自らも強い霊感を持つ加門七海は、自らの体験を元にしたオカルトエッセイも、たくさん執筆しています。フィクションじゃないホラーを楽しみたい人には、ぜひ読んでほしい5冊をご紹介します。

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加門七海とは?

1992年、『人丸調伏令』で小説家としてデビューした加門七海。小説を始め、自らの霊感と心霊体験をもとにしたオカルトルポタージュを数々執筆しています。

美術館で学芸員を勤めた経験もあり、民俗学などの知識にも精通しており、特技はひとり百物語。てのひら怪談大賞の選考委員を務めるなど、幅広い活躍をしている作家です。

5位: 怪談好きにも猫好きにも

引っ越しをしようと思ったことに、それほど特別な理由があるわけではありませんでしたが、年を取ったせいなのか、ふとマンションを買うことを思い付いた作者。

思い付いてから数年をかけて、作者はいくつかの土地を選び出します。その中の1つを訪ねたとき、作者はひどく高揚感を覚えるマンションを見つけ、写真を撮りました。とても良い雰囲気だったのですが、マンションを写した写真には、オーブと呼ばれる心霊現象の1種である発光体が大量に写りこんでいたのです。とはいえ、オーブが全て悪いものではないので、霊能者にも見てもらった後、作者は結局、そのマンションを購入しました。そうして始まった新居生活も半年が経った頃、作者1匹の子猫と出会ったのです。

著者
加門 七海
出版日
2014-11-20

作者が引っ越しを思い付いた理由に、それほど特別なものはありませんでした。ただ、理由はなくても、引っ越しをするにあたって、住居に関してはそれなりにこだわりの条件があったそうで、まずは、「ペット可」の物件であること。その他にも9つの条件がありますが、その中の1つに「野良猫に優しい」というものがありました。

「猫好きゆえというだけではない。そういうゆとりを持っている地域というのが好きなのだ」(『猫怪々』より引用)

そんな考えを持つ作者が体験する怪異の中でも、特に猫にまつわる話が書かれているのが本作です。怪異を扱ったものではありますが、それほど怖いと思うものではなく、むしろ猫の飼育エッセイとも読めるくらい猫に関する話題がたくさん書かれています。

猫を飼っている人であれば、「わかる!」と思えるような猫のあるある話もたくさんあり、猫好きにはたまらない1冊ともいえるでしょう。もちろん猫を飼ったことのない人でも猫好きであれば楽しく読むことができます。

加門七海が猫と出会ったからこそ書ける、猫好きのためのオカルトエッセイです。

4位: 加門七海による、霊感と知識の総動員ルポ

自称「神仏ゴシップ芸能記者」という作者が、全国の怪しい話を集め、あらゆる日本の神々や妖怪の話を紹介した異色のエッセイ。二部構成になっており、一部はオカルト談義、二部は作者が自ら現地へ取材に出向いた現地ルポになっています。

著者
加門 七海
出版日

ライトな文章と、スピリチュアルな体験だけを書くだけではなく、歴史や民俗学などの知識も踏まえて書いてあるので、普段あまりオカルトやスピリチュアルな本は読まないという人にも馴染みやすいでしょう。

かた苦しく語ることなく、むしろ神様や仏様を「ちゃん付け」で呼んでしまうほど軽くて高いテンションで書かれているので、ちょっとした神仏入門としても楽しむことができます。読み終わったら神仏に会いに出かけたくなるかもしれません。オカルト・ルポライターとしての作者の真骨頂な1冊です。

3位: 怪奇体験の詰め合わせ

修験の山として知られる出羽三山は、他界へ繋がっているといわれています。友人と一緒にその山へ登りに行った作者は、そこで不可思議な体験をします。登山行程の途中にある神社の周辺には、お墓がいくつかありました。興味を持った友人はお墓を見に行きますが、作者はためらいます。なぜためらったのか原因はわかりませんでしたが、何となく入りたくなったのです。

友人は、背広を羽織ったお墓を見つめていました。誰かが置いていったものだろうと思いましたが、お墓に背広という組み合わせはどこか恐怖を覚えます。すると、友人が急に走り出し、作者のほうへ戻ってこようとしました。それを見た作者は、自分でもよくわからないまま友人に向かって、「走るな!」と叫びました。

著者
加門 七海
出版日
2011-12-15

作者の体験を記した、20編のエピソードで構成された身辺雑記帳『怪のはなし』。フィクションのホラー作品ではないため、怖さを狙っているわけではなく、作者の体験に基づいた怪奇体験であるぶん自然な怖さが伝わってきます。

どうしてそんなことが起こるのか、作者自身も明確な原因や理由はわかっていないようで、「自分ではよくわからない。わからないから、彼らとの出会いと感じたことを、一モノ書きとして、この場所に書きとどめておこうと思う」(『怪のはなし』より引用)と書いています。

一つひとつは短いエピソードですが、一気に通して読むとゾクゾクと背筋が震えてくるような怖さに襲われます。怪談話が好きな人にはぜひチェックしてほしい1冊です。

2位: 加門七海が届ける、怖すぎるホラーエッセイ

霊感の強い作者が、これまで怖すぎて封印してきた部分も全て赤裸々に紹介した怪談エピソードが40編も収録された1冊です。エッセイ集などでは怖い話も軽い語り口で書くことも多い作者ですが、この本はとても怖い話で溢れています。

収録された中に、「三角屋敷を巡る話」という話があります。珍しい三角の形をしたマンションは、とてもおかしな設計をしていました。どう考えても奇妙なその造りを不審に思った作者が霊能者に相談すると、そのマンションは何とわざと、「呪い」がかかるように作られているのだと、信じられない答えが返ってきたのです……。

著者
加門 七海
出版日

その他にも、上海で起きた悲惨な列車事故の数日前に出会った死神の話や、井戸に現れる首だけの女の話、髪の毛が落ちてくる更衣室の話など、鳥肌が立つ怖い話がこれでもかと掲載されています。

しかも、どれも普段の生活からそう離れていないところで起きている話なので、もしかしたら明日、自分の身にも降り掛かってくるかもと思うと……夜には読まないほうがいいかもしれません。

1位: モノに宿る不思議

京都を訪れた作者は、たまたま入ったお店で堆朱(ついしゅ)の香筒を見つけます。ひと目で気に入った作者はそれを手に入れたいと思いますが、その時は運悪く、持ち合わせがありませんでした。後ろ髪引かれる思いでその場を後にした作者でしたが、数か月後、再び京都を訪れる機会のあった作者は、堆朱の香筒を忘れられず、再びお店を訪れました。

しかし、堆朱の香筒はもうありませんでした。ショックを受けた作者が慌てて店員に尋ねると、店員は、そういうものを扱った記憶はない、と答えます。売れたわけでもなく、扱っていないと言われた作者は首をひねりますが、ないものはありません。しかし、それでもなぜか諦めきれない作者は、その後も、京都を訪れる度に店へ寄り、堆朱の香筒について尋ねるようになり……。

著者
加門 七海
出版日
2014-01-25

作者は何かと人と違うものに好かれる体質らしく、身の周りにはごく自然に不思議なことが起こります。ただ、それは気が付いていないだけで、普通の人にも起こっていることなのかもしれません。

「『なんで、こんなもの、買っちゃったんだろう』とか、(中略)『いつから、これが家にあるのか、誰も知らないんだ』とか。誰もがきっと、そんなもののひとつやふたつ、心当たりがあるに違いない」(『もののけ物語』「堆朱の香筒」より引用)

本作は、そんな不思議なことに気が付ける作者が体験した「モノ」にまつわる不思議なエピソードがたくさん詰まっています。怖いというよりも不思議な話を覗きこむ感覚で、怪談好きな人もそうでない人も楽しむことができます。

いかがでしたか? 自らも様々な怪奇体験をしている作者だからこその臨場感を持って、不思議な世界を覗くことができる加門作品。ホラーが苦手でも楽しめるものもあるので、ぜひ自分の好みにあった本を探してみてください。

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