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ハロルド作石のおすすめ漫画5作品!漫画家漫画『RiN』で大人気!

更新:2020.12.1 作成:2017.2.24

ロックに青春を捧げる青年達を描いた傑作バンド漫画『BECK』。作者のハロルド作石はストーリー漫画を描かせればピカイチですが、シュールギャグもこなせるマルチタレントの持ち主です。

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青春漫画の旗手、ハロルド作石

ハロルド作石、本名、作石貴浩は1969年3月16日生まれの漫画家です。1987年、『そうはいかん』でちばてつや賞優秀新人賞を受賞してデビューしました。

彼の漫画は藤子不二雄Aの『まんが道』に影響を受けたとされています。また、ペンネームの「ハロルド」は伝説のプロレスター力道山をスカウトした「ハロルド坂田」に由来します。

初連載でギャグ漫画『ゴリラーマン』を長期連載し、好評を博します。同作は1990年に講談社漫画賞一般部門を受賞しました。

緻密な絵柄と巧みなストーリーテリングで読者を惹き付けることに定評があり、その手腕は大ヒット作『BECK』で存分に振るわれました。ストーリー漫画もギャグ漫画もこなす器用な作家として知られています。

夢のために命を賭けて、漫画を描けるか。

高校2年生の伏見紀人は、漫画家を夢見て日夜作品を描き続けています。紀人は描き上げた作品を人気漫画誌「トーラス(TAURUS)」に持ち込みますが、評価は惨憺たるもの。しかし一時は落ち込むも再度奮起するのです。

紀人は夏休みを全て費やして漫画を練り上げます。その結果、新人作家の登竜門、沢村叡智賞の期待賞に選ばれました。

下から数えが方が早いランクの入賞とはいえ、ともかく夢に向かって一歩前進。同賞の授賞式に招待された紀人は、そこで同学年ながら最優秀賞を獲得した瀧カイトと運命的に出会います。紀人はカイトの才能、巨視的視点に圧倒されました。

そしてまた紀人は、もう一人の運命の人物と邂逅を果たします。グラビアが縁で授賞式に呼ばれた石堂凜。死者と交感出来る彼女は、既に他界した漫画家、沢村叡智と接します。沢村は死の床で「トーラス(TORUS)」という言葉を残していました。

沢村叡智賞、そして2人との出会いによって、紀人の運命が大きく動き出します。

著者
ハロルド 作石
出版日
2013-05-17


漫画家を目指す登場人物が、現実の厳しさにぶつかりながらも、もがいて描き続ける作品を漫画家マンガと呼びます。メディアミックスもされた『バクマン。』や『アオイホノオ』が有名でしょうか。藤子不二雄の『まんが道』が、このジャンルの元祖ではないかとされています。同作には相方(藤子F不二雄)の才能に感化される藤子不二雄Aの姿があります。

天才を間近にした苦悩。藤子不二雄Aほどの大家にもそんな時代がありました。ハロルド作石がこの『まんが道』に影響されているのは一目瞭然。『RiN』でも同様に、漫画の才能がないとまで言われた紀人と、最優秀賞を取った天才、カイトが鮮明に対比されます。しかし、才能を補って余りある情熱を紀人は持っているのです。

紀人の情熱は尋常ではありません。実は彼の家系には体が動かなくなる奇病があり、それが原因で母は死去、姉も既に発症しています。いずれ自分もそうなると知りつつ、紀人は全身全霊で漫画に打ち込むのです。命を賭けた夢だからこそ本作から伝わる熱意は凄まじいものになっています。

文字通り命を賭ける紀人。凜、そしてカイトとの因縁。沢村の残した言葉「トーラス」。漫画界を背負う若者達の行く末はどうなるのでしょうか。

男は黙って……ぶちのめす!?ハロルド作石の不良ギャグ漫画

ある日、白武高校に強面の転校生がやって来ます。名前は池戸定治。以前の高校では、その容姿と寡黙さからゴルゴ池戸と呼ばれていました。初日から不良グループに気に入られた彼は、仲間として受け入れられます。彼がゴリラに似ていることから、不良達は「ゴリラーマン」と呼び始めました。

強面に反して大人しいゴリラーマンは、不良達から気安く扱われます。しかし、本当の彼はハードボイルドそのものです。誰も見てないところで通好みのタバコを吸い、因縁をふっかけられても黙って返り討ち。平気な顔でまた高校生らしい日常へ戻り、白武高校の誰もが本当のゴリラーマンを知りません。

著者
ハロルド 作石
出版日
2010-08-17


ハロルド作石の初連載、そして長期連載となった作品です。週刊ヤングマガジンに掲載されており、シュールな日常風景と不良漫画を掛け合わせたような作風になっています。困難を人知れず力業で解決し、涼しい顔で過ごすゴリラーマンの姿は笑いを誘うもの。不良高校生のシュールギャグ漫画とも分類できるかもしれません。

本作の特徴はなんと言ってもゴリラーマンのビジュアル。そのゴリラ顔というか、類人猿顔は一度目にしたら忘れられないインパクトがあります。作中で最も腕っ節が強いのに、誰にもそのことを認めらていません。

そしてゴリラーマンのもう一つの特徴は無口。ただひたすらに無口を貫きます。全編に渡ってまったく台詞がありません。表情も仏頂面のみ。眉毛や目の動き、口の形だけで感情表現がなされるのですが、それが言葉より雄弁にゴリラーマンの内心を語ります。

真面目にやっているのにどこかおかしい。黙っているだけなのに妙に面白い。ある種の顔芸とも言えるような作品となっています。

心を揺さぶる歌声がある。ハロルド作石の名作音楽漫画

コユキこと田中幸雄は14歳の平凡な中学生。人並みに正義感はあっても、なかなか行動に移せない小市民的な少年です。ある日、つぎはぎ模様の犬が子供にいじめられているのを見て、コユキは思わず注意します。すぐに飼い主の少年が現れ、その場は収まりましたが、コユキは関わるのを嫌ってすぐ立ち去りました。

数日後、夜遅くまで遊んでいたコユキ達は、外国人の酔っ払いに絡まれます。言葉が通じないまま襲われそうになった彼らを救ったのは、あの犬の飼い主の少年でした。彼の名前は南竜介。借金は踏み倒す、女は泣かせるというろくでなしですが、音楽に賭ける情熱だけは本物の男です。

竜介はロックバンドを組むメンバーを探していました。紆余曲折を経てコユキはサポートとして参加します。バンド名はつぎはぎ犬の名前を取って「BECK」と名付けられました。この出会いがコユキの人生を大きく変えていくことになります。

著者
ハロルド 作石
出版日
2000-02-15


コユキは当初、平凡な少年でした。どこも秀でたところはない、しかし普通でいることに耐えられない、というとてもリアルな中学生像として描かれています。『BECK』はハロルド作石初の少年誌掲載作品となりますが、本作の人気はこういったリアリティある登場人物の造形が同世代の共感を呼んだことも一因でしょう。

コユキは徐々にギターを覚え、天性のボーカルとして才能を開花させます。『BECK』はメディアミックスの行われた作品ですが、もちろん漫画版には聴覚的に感じられる歌も曲もありません。しかしハロルド作石の圧倒的な作画、迫力ある描写で観客が熱狂するライブに説得力を持たせることに成功しています。

本作はバンドが成功する過程を描く漫画ですが、日常を疎かにはしていません。話は読者にとってリアルに感じられる日常から、スムーズに非日常へと移行します。それによって現実と劇中は地続きになって、読者はBECKというバンドが実在するかのような錯覚に陥り、より深くのめり込んで興奮を呼び起こす作品となっているのです。

『BECK』については<漫画『BECK』6の魅力!あらすじ、最終回、名言をネタバレ紹介!【無料】>の記事で紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。

バカ空手?いや、空手バカ。

喧嘩が取り柄の高校生、大場一良。格闘技の経験はありませんが、ジャッキーのカンフー映画に心酔しています。成績は悪く、そのため付けられたあだ名がバカイチ。

そんな一良が通う畠山高校へ、関根茂三という老年教師が赴任して来ます。白髪で威厳に満ちた風体ですが、実は教員免許を取ってから一年足らず。彼にはとある目的がありました。それは一良に空手を教えることです。

一良は関根に付き合ううちに、空手の世界的権威・正武塾で将来を嘱望される永射謙二と戦い、惨敗。一良は雪辱を果たすため、本格的に空手の道へと邁進していきます。

著者
ハロルド作石
出版日


70年代に空手ブームを巻き起こした劇画がありました。大山倍達をモデルとした『空手バカ一代』です。『バカイチ』は、そのパロディ作品となっています。

本作で描かれる日常パートはコメディそのもの。頭が大きく、等身は低くなっていて、ギャグ漫画調です。一方、アクションパートの格闘については細かく、痛々しく描写されます。

空手未経験ながら確かな才能を感じさせる一良ですが、関根が一良にこだわるのはなぜなのか。一良の出生に秘密があるようで……。一良に対して、執拗に空手を薦めるあまり、コミカルに立ち回る関根のおかしさは必見です。

果たすべきか、果たさざるべきか。

西暦1600年、ロンドン。特別自由区の劇場で、ある芝居の興行が打たれていました。芝居は絶大な人気を得ていましたが、清貧を尊ぶ清教徒や権力者に疎まれています。役人は強権を振りかざし、劇場を閉鎖しようとしました。敢然と立ち向かう男がひとり。役者にして劇作家、今まさに『ハムレット』を上映するウィリアム・シェイクスピアその人でした。

時は遡り、1587年のリヴァプール。弁が立ち、計算高いランス・カーターという塩商人の弟子がいました。まだ何者でもないその青年の風貌は、13年後にウィリアム・シェイクスピアを名乗る男と瓜二つです。彼は幼馴染みのワース・ヒューズ、従僕のミルと暮らしていました。彼はある時、中国人少女リーを助けます。

ランスは教会で演じる芝居の脚本作りに没頭していましたが、重厚な物語がどうしても書けませんでした。しかし、ひょんなことからランスはリーの才能に気付くのです。彼女の言葉は何者にも勝る見事な詩でした。その詩を取り入れた劇は大成功。ランスは自身の過去、そして野望のためにロンドンを目指す決意を固めます。

著者
ハロルド 作石
出版日
2010-05-28


英文学史に名だたる偉人、ウィリアム・シェイクスピア。『ハムレット』をはじめ、英語で書かれた最も美しい文学と讃えられる作品は枚挙に暇がありません。シェイクスピアには今なお論争となる疑問があります。彼は一体何者なのか。「失われた年月」と呼ばれるシェイクスピアの空白の7年間がその疑問を後押し、別人説、複数人説が唱えられています。

本作はハロルド作石独自の視点で「失われた年月」を補完し、ウィリアム・シェイクスピアの真実に迫る歴史漫画です。計算高いランス、商才に長けたワース、旧教の司祭ミル、本売りの行商人トマス・ソープ、そして運命を見通す少女リー。タイトルの「7人」とは彼ら5人を指すのか、そうだとすれば残りのふたりとは。あるいはもっと他の意味が……?

もちろん、これは作者の創作した物語です。しかし、空白の7年間は誰も知らないからこそ、創作の中に真実が紛れ込んでいるかもしれません。片田舎の青年がどうして英文学最高峰に上り詰められたのか。シェイクスピアの真の姿とは一体。

ビッグコミックスピリッツに掲載されていた本作はしばらく休載していましたが、2016年に掲載誌を週刊ヤングマガジンに変更、『7人のシェイクスピア NON SANZ DROICT』と改題して連載が再開されました。今後の展開に要注目です。

いかがでしたか。『BECK』の影響でハロルド作石の名前をご存知の方は多いかと思います。もしもあなたがハロルド作石作品を未読なのであれば、この機会に一度手にとってご覧になってみてはいかがでしょうか。