冒険ファンタジー小説おすすめ5選!異世界へ旅に出よう!

更新:2021.12.17

アニメやゲームでも登場し、誰もが一度は夢見る異世界への冒険。今回の記事ではその異世界への冒険ファンタジー小説のおすすめ作品を5冊ご紹介します。

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5位:死者たちの魔境へ、少女は父を探しに旅立つ『サブリエル―冥界の扉』

死者たちの魔境と化した古王国へ、父を探しに旅立つ少女の物語を描いたガース・ニクスのファンタジー小説です。

主な舞台となるその古王国は、かつては魔術の名地として栄えた国でした。しかしその裏には、冥界から蘇ろうとする死者たちの存在があり、古王国の住人が徐々に消えていく事件が起きるようになります。主人公・サブリエルの父も古王国に仕える名うての魔術師で、満月の夜に魔術を教えに、娘に会いに来るという約束を交わしていました。

しかし、満月の夜になっても父は現れず、そればかりか何の音沙汰もないということに、サブリエルは父に何かあったのではないか、と不安に思っていました。そんな中、見知らぬ人の形をした化物から父の剣と魔術の道具を渡されたことで、父の安否を確かめる為に、単身古王国へと旅立つことを決意します。

著者
ガース ニクス
出版日
2002-10-01

行く手を阻む多くの死者や悪霊たちと戦うは勿論、古王国と同じ、彼らの住む魔境である冥界にも足を踏み入れ、父の手掛かりを探し求める……。そんな死者と、彼らの住む世界を相手にするだけあって、どこか暗い雰囲気がこの物語全体に漂っているのが大きな特徴となっています。

しかし、その恐ろしい敵と、彼らの世界を前にしても、サブリエルは懸命に父の行方を追い続けます。そして、その旅を続ける中で姿を現し始める、死者や悪霊たちを操る謎の敵の存在と、その謎の敵が目論む恐るべきある陰謀……。そんなハラハラドキドキするダークな展開に、目が離せなくなること間違いありません。

果たしてサブリエルは、父を見つけ出すことができるのでしょうか。そして、古王国の事件の真相とは……? 気になる方は、ぜひこのファンタジー小説で確かめてみてくださいね。

4位:腕白少女とオコジョの精霊の冒険『黄金の羅針盤』

フィリップ・フルマンの冒険ファンタジー小説「ライラの冒険」シリーズ。1995年に刊行された第1部『黄金の羅針盤』1997年の第2部『神秘の短剣』、2000年の第3部『琥珀の望遠鏡』の計3編で構成されています。

主人公の少女ライラはある名門大学の寮に住んでいますが、いつも元気でやんちゃなために周りを困らせていました。しかしある日、自分の周りで子供たちが誘拐され、叔父であるアスリエル卿も失踪する事件が発生。その後、北極で誘拐された子供たちが何か良からぬことに使われ、叔父も巻き込まれているらしいことを突き止めたライラは、叔父と子供たちを救いに旅立ちます。

著者
フィリップ・プルマン 大久保 寛 Philip Pullman
出版日

このファンタジー小説の特徴は、ひとりひとりの人間の側に居着く形で共存する動物の姿をした守護精霊「ダイモン」にあります。彼らは人の言葉を話し、意思疎通が可能となっています。そして、その側に居着いた人間が死ぬまで常に一緒に存在し続けるものとなっているのです。

主人公のライラにも、オコジョのダイモン「パンタライモン」がついており、話し相手として、何より友人として彼女から信頼されています。叔父と子供たちを救う旅に出る時でもその立ち位置は変わることなく、様々な困難に直面するライラを支えていきます。

そんな強い信頼関係で結ばれあった腕白少女とオコジョの精霊の旅は、果たしてどのようなものとなっていくのか。このファンタジー小説を手に、ライラとパンタライモンの冒険へと出かけてみてください。

3位:過去と弱い自分を受け入れた魔法使いの物語『影との戦い』

古い時代の言葉に込められた魔法で栄える多島海世界を舞台にした、アーシェラ・K・ルグウィンの長編ファンタジー小説「ゲド戦記」シリーズ。清水真砂子が訳を務める日本語版は岩波文庫から全6巻が刊行され、2006年に宮崎吾朗が監督、脚本を務める形でスタジオジブリによって映画化されています。

主人公のゲドは、かつては「学院」と呼ばれる魔法を学ぶ学校にて、秀才として名を馳せた少年でした。しかし、自尊心に逸るあまり、学院で禁じられていた魔法を使い、「影」と呼ばれる闇の世界の魔物を解き放ってしまうのです。

結果、この影を止めようとした多くの人間が傷つき、死んでしまい、ゲドは自分のしたことの重さに戸惑い、後悔します。そして、尊敬する師匠オジオンの助言に従って、影との対峙を決意する所から、物語は始まっていきます。

著者
アーシュラ・K. ル=グウィン
出版日
2009-01-16

「人は自分の行きつくところをできるものなら知りたいと思う。だがな、一度は振り返り、向き直って、源までさかのぼり、それを自分の中にとりこまなくては、人は自分の行きつくところを知ることはできんのじゃ。」(『ゲド戦記 影との戦い』から引用)

このオジオンの言葉は、その後、幾度となく立ち塞がってくる影と戦うことになるゲドはもちろん、読者である私たちに今を生きるための力を与えてくれます。自分の弱い所や醜い所とも向き合わなければ、前へ進むことはできない。その上で、自分でそれらを受け入れなければ、人として強くなることもできない、と。

学院での「影」との戦いを乗り越え、自分の過去と罪を受け入れたゲドは、「ハイタカ」という通り名を持つ魔法使いとして旅に出るようになります。その後もなおも続く「影」の戦いと、様々な登場人物との出会い。そんな光と闇に彩られた魔法使いゲドの旅を、第1章『影との戦い』からぜひ、手に取ってみて確かめてみてください。

2位:インドを舞台にしたガール・ミーツ・ガール『カーリー』

20世紀前半のインドを舞台にした、少女たちの出会いと友情を描いた高殿円のファンタジー小説シリーズ。第1作に『黄金の尖塔の国とあひると小公女』、第2作に『二十一発の祝砲とプリンセスの休日』、第3作に『孵化する恋と帝国の終焉』の計3編が刊行されています。

1930年代後半、第二次世界大戦が目前に迫ってきた中、主人公のシャーロット=シンクレアは父の仕事の都合で、英国統治下のインドに渡ります。そこでオルガ女学院で寄宿学校生活を始めることになったシャーロットは、謎めいた雰囲気の美少女・カーリーガード=アリソンをはじめとした個性豊かな仲間たちと出会うことになります。

著者
高殿 円
出版日
2012-10-16

このファンタジー小説の魅力は、「ボーイ・ミーツ・ガール」ならぬ「ガール・ミーツ・ガール」としてのストーリー。カーリーたちとも賑やかで楽しい日々を送るシャーロットですが、第二次世界大戦直前という世界情勢に置かれているため、戦争がらみの事件や騒動に何度も巻き込まれることになります。しかしそれでも、シャーロットは挫けることなく、カーリーたちと力を合わせて立ち向かい、今を懸命に生きようとします。

そんな「ガール・ミーツ・ガール」としての作風を持ったファンタジー小説『カーリー』は、楽しくほのぼのとした感じですが、時に切なく重い展開も含まれて、程良い刺激がきいています。皆さんにも是非、シャーロットたちの生き様を確かめてみて頂きたいです。

1位:目覚めた先はアラビアンナイトの世界!?『これは王国のかぎ』

失意の眠りから目覚めた少女が、アラビアンナイトの世界で冒険する物語を描いた荻原規子のファンタジー小説です。

15歳の誕生日に失恋という経験をしたことで、「自分が自分でないものになりたい」と自棄っぱちに強く願った主人公の中学生、上田ひろみ。泣き疲れて眠ってしまい、目がさめると、なんと見知らぬ異世界にタイムスリップしてしまっていました。しかもひろみは、魔神族(ジン)と呼ばれる不思議な者たちが持つ空を飛ぶ力を身につけていました。さらにそこへ現れた一人のターバンの青年・ハールーンと一緒に都を目指して旅をすることになるのです。

著者
荻原 規子
出版日

このファンタジー小説はアラビアンナイトをモチーフとしており、チグリス河と灼熱の砂漠、絶世の女奴隷や空を飛ぶ木馬、シンドバッドの船など、アラビアンナイトにも登場した人物やものや場所がいくつか登場します。

さらに、ハールーンの国での王位争いに巻き込まれたり、シェヘラザード王妃に魔法でハトに姿を変えられたりと、様々な展開にひろみは巻き込まれていきます。そんなアラビアンナイトの設定と世界観を踏襲した波瀾万丈なファンタジーは、目が離せない展開です。

失恋での寝覚めから、突如見知らぬ伝説の世界に飛ばされたひろみ。果たして彼女は、無事に元の世界へ戻ることができるでしょうか。荻原規子のファンタジー小説『これは王国のかぎ』。彼女の行方が気になりましたら、皆さんも彼女と共にアラビアンナイトの旅に出かけてみてくださいね。

今回は、皆さんが夢見る異世界の冒険ファンタジー小説を5作紹介しました。皆さんも興味が沸いたら、この本を手に取り、冒険に旅立ってみてください。

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