「ずっと面白い小説を読み続けたい大人たちへ」のキャッチコピーで知られ、若者だけでなく様々な世代にも読み親しまれる作品を売り出しているメディアワークス文庫。今回は、その中からおすすめの10作を紹介します。
このシリーズの特徴は、各話の題名とそのストーリーの中で登場する古書です。太宰治の『走れメロス』、江戸川乱歩の『少年探偵団』、手塚治虫の『ブラック・ジャック』……いずれも、実在した著名な作家たちが生み出した名作で、本に詳しい人はもちろん、そうでない人もピンとくるものが次々と出てくることは間違いないでしょう。そして一方、古書堂の店主の栞子は初対面の人間とは口もきけない人見知りで、接客業を営む人間としては心配ですが、古書の知識と情熱は人一倍と言っていいほどです。
- 著者
- 三上 延
- 出版日
- 2011-03-25
「あのボート部を即刻この川より撤退させよ!」(大神霊龍王※『神様の御用人』1巻より引用)
- 著者
- 浅葉なつ
- 出版日
- 2013-12-25
このシリーズの見所は、ストーリーに登場する和菓子の数々です。豆大福、どら焼き、雷おこし、桜饅頭、桜餅、あんみつ……いずれも事細かに美味しそうに描写されて、読んでいるだけで喉が思わずゴクリと鳴って、今すぐに和菓子屋へ行って食べたくなるほどになるのは間違い無くなるでしょう。しかも、それらの和菓子が、栗丸堂やその他の登場人物たちに様々な影響をもたらし、引き起こされる数々の珍騒動にも目が離せません。
- 著者
- 似鳥航一
- 出版日
- 2014-04-25
響介が出会ったそのアマチュアオーケストラの面々は、魚屋の店主、女子高生、スナックのママととにかく個性的ですが、皆それぞれオーケストラ、音楽へ向ける思いは本物です。そんな彼らと共に音楽活動をして、様々な経験を重ねていくうちに、音楽を奏でることとは何かを真摯に知り、成長していきます。
- 著者
- 美奈川 護
- 出版日
- 2012-03-24
それこそが、この作品の見所である、目に見えないモノが見えるという旅人の能力です。彼は過去にある事件で視覚以外の全ての感覚を失ってしまい、代わりに失われたそれら全ての感覚が目に宿ることで、超感覚というに相応しい視覚を獲得しました。音、匂い、味、感触、温度、重さ、痛み。そんな、普通の人間では決して目で見ることのできないモノを視ることで、旅人は探偵として次々と事件を解決していくのですが、逆に使いすぎるとその反動として高熱を出して倒れてしまうことがあるのです。
- 著者
- 山口 幸三郎
- 出版日
- 2010-09-25
この物語は、本編である「断章のグリム」シリーズと同じく、しばしば童話になぞらえたストーリーとなっているのが特徴です。例えば、先ほど紹介した夕子の場合は「シンデレラ」で、夕子の境遇は、ふたりの姉と継母にいじめられているシンデレラと共通しているところがあります。そして他にも、同じ第1集に収録されている「ヘンゼルとグレーテル」のように、母を恐れて身を寄せ合って生きている兄妹。第2集の「塔の上のラプンツェル」のように、異性と外の世界に触れさせない母親のせいで世間知らずのまま育った少女……。
- 著者
- 甲田学人
- 出版日
- 2014-01-25
その注目するべき彼の戦い方。それはなんと、自分の知識と洞察力。ただそれだけなのです。怪異が起こす不可思議な現象、そして怪異の存在そのものを自分なりに分析、理解し、霊感、法力、神通力のような特殊な能力や方法ではなく、物質的な方法で怪異を倒します。退魔師たちからは「零能者」「無能力者」と呼ばれて疎まれていますが、驚いたことにそれで怪異事件を次々と解決していきます。
- 著者
- 葉山 透
- 出版日
- 2011-02-25
失敗続きの就活に疲れ切っていたところへ、御伽話でしか見たことがないような美形との出会いという棚ぼた的な展開に、美久も最初は思わず胸をトキメかせます。しかし、その棚ぼたによるトキメキも一瞬。天才的な頭脳の持ち主で王子様だけど、超がつくほどの意地悪かつ捻くれ者で、おまけにプライドも高く口が悪い悠貴。そんな彼との出会いは最悪の一言に尽きるもので、顔を会わせるたびに口喧嘩が絶えないほどですが、紆余曲折を経て美久はエメラルドのウェイトレスとなり、おまけに悠貴の助手にもさせられてしまい、エメラルドを拠点として数々の事件に挑むハメになるのです。
- 著者
- 近江 泉美
- 出版日
- 2012-11-22
この博多の街の人口の3%を占め、さらにこのシリーズの登場人物の大半を占める殺し屋たち、そして、馬場をはじめとしたそれを取り巻く周囲の人物の活躍と人間模様が目玉となっています。
- 著者
- 木崎 ちあき
- 出版日
- 2014-02-25
ある時は、京都の街の妖怪たちの纏め役となる鬼や狐の親分と天狗の惣領。ある時は、五山の送り火の夜に京都の空を飛び回る怪鳥。またある時は、病院で働く「異人さん」という名の妖怪……。このシリーズには、これでもかとばかりに多くの妖怪たちが登場し、当たり前のように京都の市民として生活しています。
- 著者
- 峰守ひろかず
- 出版日
- 2015-11-25
メディアワークス文庫のおすすめ10選、いかがでしたでしょうか。この中から興味が湧いた本が一冊でもありましたら、是非とも探して一読してみてください。