飛び出す絵本おすすめ12選!子どもと一緒に読んで楽しめる!

更新:2021.12.18

いつも平面でしか見ることが出来ない物語のイラストが本の中から飛び出してくるポップアップ仕掛け絵本。その魔法は、子供も大人も瞬く間に夢中にさせてしまうパワーを持っています。今回は特に人気のポップアップ代表作をご紹介します。

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美味しいクッキーで数遊び

手に取ると、その分厚さに驚くかもしれません。大きなクッキーの表紙がインパクトたっぷりの仕掛け絵本、『クッキーカウント』。2005年、「紙の魔術師」と称される仕掛け絵本の匠、ロバート・サブダの手によって生み出された絵本です。

親しみやすいポップなイラストで、思わずパクッとかじりつきたくなるようなクッキーがたくさん飛び出してきます。コックはなんと、小さくて可愛いねずみなのです!さあ、一体どんなクッキーが登場するのでしょうか?
 

著者
ロバート サブダ
出版日


歌うように軽やかでシンプルな文にのせて、踊るように現れる色とりどりのクッキーの美味しそうなこと!キラキラ輝くジャム、粉雪のようにクッキーに降り積もった砂糖に最後はなんと……!

一緒に増えていくコックネズミの可愛らしいしっぽもたまりません。ガマン出来なくて、ちょっぴり食べてしまったネズミもいるみたい。かじったクッキーも出てくるので、どこにあるのかぜひ探してみてくださいね。

親子で楽しく数遊びが出来るサブダの『クッキーカウント』。きっと読んだ後クッキーが食べたくなりますよ。

「かざぐるまの クッキー3つ くるくるくるっ」
(『クッキーカウント』より)

特別な海の旅

サックスブルーの海にまぶしく映える赤い一艘の船。オセアノ号は読者と共に冒険の旅に出ます。パリッと張られた白い帆が風を受けて大海原へと滑り出す様子を想像してみてください。でも、これは単なる船の絵本ではありません。

本を開けば縦長サイズの意味が分かります。これは船だけが主役の絵本ではないことを。

著者
["アヌック ボワロベール", "ルイ リゴー"]
出版日


繊細なタッチと工夫を凝らした仕掛けの数々が、海の中を生き生きと照らし出します。その美しさを隅々まで表現している本作は、作者の自然に対する愛情が溢れています。どんな航海をしているのか、まずオセアノ号に目がいき、そして仕掛けを開くとそこに素晴らしい発見ができるでしょう。何が出てくるか、開くたびにワクワクを味わえるのです。

楽しいだけではない船旅。過酷な大自然の試練も待ち受けていて、まさに1ページ1ページがオセアノ号にとって冒険です。そんな中、繰り広げられる海の中の日常。海の生き物たちにとってはいつもの風景でも、読む私たちにとっては、驚きと感動に満ちた素敵な世界が最後まで読者の心を捕えて離すことはありません。

子供はもちろん、大人も一緒に読んで、冒険気分と美しい自然を味わって欲しい一冊です。

夢の中のおもちゃばこ

レトロでおしゃれで、アンティーク雑貨のように愛着の湧く絵本です。

イマドキでない、手作り感あふれるおもちゃの数々が子供には魅力的に、そして大人にはどこか懐かしく感じられることでしょう。誰にも見せずそっと大切にしまっておきたいような、インテリアとして場所を作って飾っておきたいような、複雑な気持ちになるかもしれません。
 

著者
ジェラール・ロ・モナコ
出版日
2014-09-30


車、兵隊の人形に木馬など、1つ1つが思わず手に取りたくなるほど完成された立体で、どれもどこか懐かしい表情をしています。背景の色遣いがハッキリしていてシンプルなことがポップアップの存在感をより一層際立たせています。

ただ立ちあがるだけでなく、動かす仕掛けもあり楽しめるのも魅力です。フレンチテイストのアーティスティックなこの本は、プレゼントとしても喜ばれることでしょう。

おもちゃばこは、子供はもちろん、大人にとっても忘れた夢がつまった大切な宝物だと思い出させてくれる1冊です。

なくしてはならないもの

瑞々しい緑に囲まれた森が、ある日突然「ヒト」の手によって消されてしまったら……。

『オセアノ号、海へ!』の仕掛けを手掛けたボワロベールとリゴ―が一緒に作った森がテーマの仕掛け絵本です。繊細なディテールで描かれた絵に施された精巧なポップアップの立体感が、読者をあたかも深い森の中にいるような気分にさせてくれます。

著者
ソフィー・ストラディ
出版日
2012-02-08


ポップアップと言えばダイナミックなものを想像しますが、こちらは静かに佇む豊かな森とそこに住む命の営みが丁寧に表現されていて美しいです。そんな大地に青々と茂る木々が突然、次々と怪物のように襲いかかる重機によって倒され無くなっていく様は、ポップアップだからこその臨場感があります。

どうしようもない喪失感が漂う中でもこの本は希望も残してくれていて、仕掛け絵本が人に与える感動を胸の奥底から感じることが出来るでしょう。

「ヒト」はナマケモノのいる森を壊すのか、守れるのか。難しく重いテーマですが、未来を生きる子供たちの為に、親子で読んで考えて欲しい作品です。

ワンダーワールドへようこそ!

クラシカルな雰囲気に加え、ファンタジックな色遣いと大胆な構図の仕掛けが魅力的で、ページをめくる手が止まりません。ルイス・キャロル不朽の名作『不思議の国のアリス』が素敵なポップアップ絵本に生まれ変わりました。

時代を越えて愛される物語は、これからも読み継がれていってほしいものですよね。文章が難しくてなかなか手が出ない・・・・・・と敬遠する前にぜひ、この絵本を手に取ってみてください。

著者
ロバート・サブダ
出版日
2004-11-16


一体どうやって作っているのでしょう。アリスの体が大きくなって家からはみ出してしまったり、膨大な数のトランプが宙を舞ったり。ロバート・サブダの天才的な手腕が光る仕掛けがたっぷりつまっているこの名作は、今まで原作を読んだことのない人や文を読むのがちょっと苦手な子供でも、スッと物語に入りこめるでしょう。

数々の名場面を三次元で表現したポップアップの迫力は、ページを開くと歓声が上がるほどです。また、この絵本はどのページにも小さな仕掛けがあって、1ページで沢山の仕掛けが楽しめます。何枚も紙を重ねた重厚で華やかな仕掛けでも、本の中にぴったり収まってしまうのです。老若男女誰でも読者がスムーズにポップアップを楽しめるようにと工夫を凝らしたサブダのこだわりと熱意を、ぜひその目でお確かめください。

さあ、親子でアリスと一緒に不思議の国へ出かけましょう!表紙を見ただけで、うさぎを追いかけたアリスがどこへ行くのか気になりませんか?今まで見た事がない出来事があなたを待っているかもしれません。

人気キャラクター、ダヤンが飛び出す絵本

池田あきこが創作した架空の国「わちふぃーるど」に暮らす、人気キャラクター・猫のダヤンが登場する『ダヤンのたんじょうび』。シリーズの中でも特に人気の作品が、豪華な飛び出す絵本になって帰ってきました。『ポップアップ絵本 ダヤンのたんじょうび』は、猫のダヤン誕生25周年を記念して出版されたものです。

通常本はA5版と小さいのですが、こちらは大きいサイズになって迫力満点。ストーリーはもちろん同じでありながら、ポップアップになることで、臨場感が高まり、リアルさが増しています。通常本を既に持っていた人が購入することも多いようです。

著者
池田あきこ
出版日
2009-03-26


ダヤンの他に、3人の魔女など個性的なキャラクターも登場しますが、彼らの動き回る様子など、各ページそれぞれ違った立体表現がされていて、ページをめくる毎に驚きがあります。色鉛筆で描かれた優しさあふれる絵も、この本の魅力のひとつではないでしょうか。

お話はそんなに長くはないので、読み聞かせにもおすすめです。可愛いダヤンのファンには大人も少なくなく、シリーズ本のコレクターもいるのだとか。ポップアップ絵本は、親子で楽しみながら「わちふぃーるど」の世界観を満喫できるでしょう。

紙芸術の最高傑作!現代アートが飛び出す絵本

これはもう、究極の飛び出す絵本と言っても過言ではないでしょう!黄色に大きな赤い丸が描かれた表紙の『あかまるちゃん』は、そのシンプルな表紙とは打って変わって中身には夢がギッシリ詰まっています。

「紙工作の鬼才」とも言われるデビット・A・カーターの作品で、「しかけ絵本」という枠を飛び越えたもはや芸術作品です。1~10のそれぞれ異なるしかけの中に、隠れている小さな赤い丸を探すという趣向。しかし、それはもとより、まず、しかけの完成度の高さに圧倒されます。思いがけない形ができあがる立体に、大人も子どもも大興奮することでしょう。

著者
デビッド・A. カーター
出版日


ポップで色彩豊かな立体は美しく、眺めているだけでも楽しめます。赤い丸を探しながら、いろんな角度から見るのがおすすめです。視覚だけでなく、音や動きを絡めたしかけもあって、内容は盛りだくさん。インテリアとして飾っておきたくなるくらい、アート作品としてレベルの高い飛び出す絵本と言えるでしょう。

大人も子どもも釘づけになる素晴らしい本ですが、その面白さに惹かれ、どうしても触りたくなります。しかけは繊細なので、小さなお子さんとは、大人が一緒に見るようにした方がいいかもしれませんね。

大人が興奮!ヴェルサイユの庭園が再現される絵本

CDサイズという小さな本の中に、驚くべき空間が広がる『ヴェルサイユの庭園』。その繊細さから、どちらかというと子どもよりも大人向けの絵本です。

ページをめくるのでなく、6枚のプレートが蛇腹式につなげてあって、その真ん中に開けてある穴からのぞいて絵を見るという、珍しい「のぞきからくり」というしかけ。これは、実は1820年代に既にあったスタイルで、当時流行していました。そのからくりを復刻した、という訳です。

著者
出版日
2005-06-01


穴をのぞくと、1830年代のパリ・ヴェルサイユ宮殿が奥に見え、そこにずっと道が続き、全体に庭園が広がっています。実際に複数の絵がある程度の間隔をおいて連なっているため、実際の距離以上に奥行きが感じられるのが不思議。両サイドには行き交う人々も描かれていて、当時の風俗なども知ることができます。

リビングの飾り棚などに、広げた状態でさりげなく飾っておきたい絵本ですが、コンパクトでもあり収納も便利。姉妹品として『パレ・ロワイヤル』もありますが、揃えてコレクションしたくなりますね。しかけ絵本好きの方へのプレゼントにもおすすめです。

ハリーの世界観が広がる、ファン必見の飛び出す絵本

一世を風靡した映画「ハリー・ポッター」シリーズの世界をポップアップ絵本として再現した本作。「ホグワーツ」を舞台に繰り広げられた、映画での名場面や撮影エピソードなどもたくさん紹介されている本です。

表紙を開くと、映画に登場した様々な建物やキャラクターが立体になって浮かび上がって、一気に映画のワンシーンに入り込んだよう。ポップアップのそれぞれに説明のコメントが掲載されているので、ハリー・ポッターにまつわるうんちくを知ることができて、読み物としても楽しめます。

著者
["ブルース・フォスター", "ルーシー・キーン"]
出版日
2010-11-20


映画や本でハリー・ポッターを既に知っている人には感動をよみがえらせてもらえる本として、また、知らない人でも純粋にポップアップ絵本作品として楽しめるつくり。ファンでも、そうでない人でも満足できるでしょう。

大人も子どももハリー・ポッターワールドを満喫できる一冊です。本やグッズをコレクションしているとファンの方へお贈りするのもいいかもしれませんね。

中高生にもおすすめ!プレゼントにも喜ばれる仕掛け絵本

フランク・バウムが描いた原作に忠実に、ロバート・サブダが魅力たっぷりに創り上げた作品です。

大きな竜巻によって不思議な世界、オズの大国に飛ばされてしまったドロシー。思いがけず悪い魔女を倒して、良い魔女から銀の靴を授けられたドロシーは、オズの魔法使いに家に帰してもらうためにエメラルドの都に向かいます。途中で出会ったかかし、ブリキの木こり、臆病なライオンと共に冒険を続けるドロシー。魔法使いに出会った一行は、西の悪い魔女を倒せば全員の願いを叶えると言われるのです。

機転を利かせて悪い魔女を倒したドロシー達は、再びオズの魔法使いの元へ。しかし魔法使いは本当はただの老人、魔法を使うことなどできません。しかし、それぞれに合った方法で願いを叶えてくれた魔法使い。ドロシーには家に帰るための気球を用意してくれました。これで家に帰れるかと思いきや、元の世界から一緒に来た犬のトトが気球から飛び降りてしまい、ドロシーも気球に乗り損ねてしまいます。

数々の冒険を潜り抜きたドロシーは無事に家へと帰ることができるのでしょうか……。

著者
["フランク バウム", "ロバート サブダ"]
出版日

原作に忠実に描かれているからこそ、読みごたえがあり内容の濃い作品です。ドロシーが冒険を通して成長していく物語とも言えますね。

そして、なんと言ってもロバート・サブダの創り出した仕掛けの数々は、まるで本当の魔法のようです。特に家の造形や色とりどりに飛び出す花、そして1番の見どころであるエメラルドの都。煌びやかで美しくずっと眺めていたくなってしまいます。そして、このページには、ドロシーたちが渡された物と同じエメラルド色の眼鏡が付属されています。遊び心を忘れない仕掛けも素敵ですね。

じっくり読めるストーリーと美しい仕掛けがたっぷり詰め込まれた本書は、中高生へのプレゼントとしてもおすすめです。

大人も夢中になって楽しめる!何度読んでも驚きを与えてくれる絵本

太古の世界に生息していた海の生物を、迫力のあるポップアップ絵本として作り上げた作品です。作者はロバート・サブダと、彼と共に仕掛け絵本を多く手掛けるM. ラインハート。この作品は「太古の世界」シリーズとして第2作目で、1作目となる『恐竜時代』も子どもから大人まで幅広く人気を博しています。

登場するのは、見たこともない恐ろしくも惹きつけられる生物の数々。大きく口を開けたサメは鋭い歯もリアルに作られ、今にも噛みついてきそうです。今とは全く違った姿のペンギンや骨の一本一本まで精巧に作られた化石まで、見たことのない太古の生物に目を奪われます。その数は35体以上。

一つひとつの生物に詳しい説明が書いてあるので、読んでも見ても楽しめる1冊です。

著者
["ロバート サブダ", "M. ラインハート"]
出版日

大学で生物学を学んでいたM. ラインハートならではの細かい描写と生物についての説明、そしてロバート・サブダと共に作り上げた仕掛けの数々はさすがです。

圧倒的な迫力に初めて見た方は、怖いと感じる方もいるかもしれませんが、そのリアルさがこの作品の魅力であり、リアルだからこそ何度読んでも飽きる事はありません。

もちろん大人だけではなく、生物に興味を持ち始めている子ども達も夢中になって読めること間違いなしの作品ですので、ぜひ親子で読んでみてくださいね。

大迫力のドラゴンたちが飛び出す絵本

マシュー・ラインハートとロバート・サブダがタッグを組んだ、しかけ絵本のシリーズ「エンサイクロペディア神話の世界」の『妖精と魔法の生き物』、『神々と英雄』に続く完結編である『ドラゴンとモンスター』。世界の伝説・神話に登場するドラゴンやモンスターの姿を、飛び出す絵本という形でよみがえらせ、紹介した作品です。

表紙を開くと、中央に立ちあがってくるのは、髪の毛がヘビになっているメドゥーサの顔。本のサイズの何倍もあろうかと思われる大きさ、その迫力に度肝を抜かれるでしょう。見開きの左右下側にも開くところがあり、それぞれにモンスターたちが立ちあがり、思わず興奮してしまいます。

著者
マシュー ラインハート
出版日
2011-08-16


とにかく、ドラゴン・モンスターの立体表現が独特です。単純に紙を立ち上げているだけでなく、ドラゴンのボディを蛇腹にしたり、大きな口がカーッと開くようにしたりするなど、随所に工夫が見られ、感心させられます。彩色もカラフルで綺麗で、全ページを通じて飽きさせません。

題名からして、ちょっと怖いのかな?と思われるかもしれませんが、登場するドラゴンたちの表情はコミカルで憎めず、なんとなく親しみやすい感じも受けます。恐竜好きの男の子へのプレゼントなどにもおすすめです。きっと毎日開きたくなる絵本となるでしょう。

いかがでしたか?仕掛け絵本はデリケートなので、丁寧に扱うことで、物を大切にすることを子供たちに教えてくれるでしょう。仕掛け絵本で親子の絵本タイムがいつも以上に楽しくなりますよ。

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