はじめまして、モノブライトのギター、松下省伍です。今月からこちらで連載をさせていただくことになりました。今年もまた当たり前に「一つ歳を重ねる」ということで、初回は読む年齢で色味が違うと言いますか、本自体も歳をとって成長しているんじゃないか?と感じる4冊を取り上げます。
あなたさえいれば何もいらない!と中高生の時に一度は異性にそう思ったことはありませんか? それは疑いもなく本気で、純粋にそうだったのだ、と。でも、それはいつからか言えなくなりますよね。当然のように。好きや嫌いの感情だけではなく、恋から「愛」になってまたその中に恋を求めるような、大人の恋愛の光から闇、そして人間の内面までをも描いたような小説だと思います。
- 著者
- 山本 文緒
- 出版日
『失楽園』『ベロニカは死ぬことにした』などの脚本家である筒井ともみさんの小説。人気絶頂の時に突然失踪した女優の人生を、その姪が紐解いていくといった流れのお話です。最初に読んだ時は、ちょうど自分がメジャーデビューした2007年頃でした。夢の実現のために生き方を丸ごと変えていくべきだと思っていた自分と勝手にリンクさせた記憶があります。
- 著者
- 筒井 ともみ
- 出版日
- 2008-02-08
最初に読んだのは2009年くらいだったと思います。この物語は両親と子供という関係が物話の軸です。ミステリーにハマっていた時期でした。謎解きといったものの、ラストの展開(?)に飽き始めていたのですが、この時は巧妙な伏線にまんまと絡め取られてしばらく痛快に混乱しました。ミステリーなので、あれこれと詳細は書けませんが、読み終えた爽快感の後、「あれ?」と思うかもしれません。
- 著者
- 東野 圭吾
- 出版日
伊坂幸太郎さんの小説は、ストーリーの進め方に独特なテンポ感があって好きです。
- 著者
- 伊坂 幸太郎
- 出版日
- 2009-06-26
本でも音楽でも娯楽という部分とそうでない部分はあるとは思いますが、そのバランス感覚こそ面白いのだと思います。題材の危うさとか、皮肉な言い回しの怖さとか毒気とか、いい話だけじゃないところに笑いではないオモシロサが詰まっていたりするのでしょうか。
手前味噌で恐縮ですが、僕も物作りをする立場として、そんな風に聴き手と作品が繋がっていられる楽曲に携わりたい。そして、少しでも多くの方に届けていけたらと日々考えたりしています。
本と音楽
バンドマンやソロ・アーティスト、民族楽器奏者や音楽雑誌編集者など音楽に関連するひとびとが、本好きのコンシェルジュとして、おすすめの本を紹介します。小説に漫画、写真集にビジネス書、自然科学書やスピリチュアル本も。幅広い本と出会えます。インタビューも。