本棚を前にするとすぐ本を引っ張り出してしまう1歳児。そんな赤ちゃんに、読み聞かせの途中でお話から脱線しながらも、たくさん声がけできる絵本を紹介します。
自分で歩けるようになったり、意志をはっきりと持つようになったり、1歳児の成長は0歳児の赤ちゃんに比べて目覚ましいものでしょう。話す言葉はまだまだ少ないですが、「ママ」などの意味のある言葉を発せられるようになり、親の話も少しずつ理解していくころです。
そんな1歳児におすすめしたいのが、親子で温かい気持ちになれる『ちょうちょう ひらひら』。
色とりどりの蝶々がひらひらとんで、とまった先を笑顔にしていきます。泣いているぞうさんにも蝶々がとまれ、と願う友達の気持ちには心が洗われるでしょう。
作者のまどみちおは、童謡「ぞうさん」「やぎさんゆうびん」「一年生になったら」などが有名で多くの方にその作品が親しまれています。
- 著者
- まど みちお
- 出版日
子どもは蝶々やシャボン玉などの予測不能な動きに、興味津々。何とか捕まえられないものかと追っかけます。この絵本の蝶々の動きを思わず指でなぞってみようとするでしょう。
蝶々はなかなか捕まえられないからこそ、とまった先に笑顔を運ぶのかもしれません。
動物たちが笑顔になるときの、「うふふ」「えへへ」「おほほ」「あはは」と笑い声の表現が、まどみちおならでは。ほんわかした世界観で、つい引き込まれてしまうでしょう。
1歳から楽しめる本作を通して、自分が笑顔の時、他の人の幸せも願えるような子どもに育ってほしいものです。
好奇心旺盛なノラネコたちが活躍する、工藤ノリコの「ノラネコぐんだん」シリーズです。本作で登場するのは、パン作りに興味津々なノラネコぐんだん。夜中にパン工場に忍び込み、パン作りを始めます。
お調子者の彼らが何をしでかすか見ていると……パンをいっぱい膨らまそうと、ふくらし粉を全部いれてしまいます。いざ、パン焼きがまにパンを入れて焼くとどうなってしまうでしょうか?
読み手も一緒にパンを作った気分になること間違いなしの楽しい物語です。
- 著者
- 工藤 ノリコ
- 出版日
- 2012-11-15
パン屋さんに並んだとっても美味しそうなパンを「さわっちゃダメよ」と子どもに注意したことのあるお母さんは多いでしょう。もっと間近でじっくりと見せたいという気持ちはあるものの、子どもが好き勝手行動すれば、お店の迷惑になってしまいますよね。
本書なら、そんな悩みを解決してくれます!パン工場に並んだパンの絵を見ながら本当のパン屋さんに行ったみたいに「おいしそうだね、どれにする?」「面白い形だね、何が入っているのかな?」とウキウキした会話がはずむことでしょう。
また、本作は「子ども料理本」としても大活躍。「パンって何からできているの?」「どうやって作るの?」という疑問が一挙に解決できるのです。
小麦粉は「ドバッ」、牛乳は「ドボッ」、卵は「ドロッ」というように、音までリアルに表現されているので、本当に一緒に作っている気分にもなれます。文章が短く、分かりやすい擬音語を使って進んでいくため、まだ完全には言葉が分からない1歳児でも楽しめるようになっています。
さらに、子どもの叱り方について考えさせられる一幕も。ノラネコぐんだんがパン工場の人から怒られる、こんなシーンをご紹介します。
「あなたたちは よなかに こうじょうに しのびこんで こんなことをして いいと おもってるんですか」
「いいと おもってません」「ニャー」
「では、わるいことをしたと おもいますか」
「おもいます」「ニャー ニャー」
「よろしい。それじゃ これから しごとをしてもらいます」
(『ノラネコぐんだんパンこうじょう』から引用)
つい大人は、子どもに「ごめんなさい」を言わせようとしてしまいますね。でも本来はこのシーンのように無理に謝らせるのではなく、悪いことをしたと認めさせた上で、挽回のチャンスやミッションを与えれば十分なんですよね。そんなことを気づかせてくれる作品です。
文章がなく、絵だけで動物の親子を表現した作品です。イラストを手がけるのは、図鑑、挿絵、広告などの幅広い分野で活躍した動物画家である籔内正幸によるもの。
写真かと見間違えるほどの細かい描写ですが、背景が白いため、そのぶん動物だけに目がいきやすくなっています。彼らが今にも本から飛び出してきそうな迫力さえ感じられるでしょう。
- 著者
- 薮内 正幸
- 出版日
- 1966-11-01
「この動物の子ども、動物のパパやママとそっくりだね。同じように、あなたもパパやママとそっくりよ。」と言いながら読みたい絵本です。1歳の子どもにも、家族の絆を感じさせ、安心感を与えられるでしょう。
また、人間との違い、動物間の違いについても、「パパやママ、あなたにはしっぽはないけど、この動物には長いしっぽがあるね」「私たちは二本足で歩いているけど、この動物は手と足を使って4本で歩いているね」「首が長いのはキリンだけだね、不思議だね」などと会話がはずみます。
動物園デビューする前でもした後でも、フリートークで楽しめる1歳向けの絵本です。
子育てにおいては、他の子とうちの子が違うところについ目がいってしまいがち。しかし、そんな時は一度原点に立ち返って、親子でそっくりなところ、違うところを認め合って、親は子どもにとって一番安心できる存在でありたいものですね。
鮮やかな色彩感覚を持ち、「絵本の魔術師」といわれているエリック・カールが絵を担当しています。エリック・カールといえば、カラフルに描かれた『はらぺこあおむし』が有名でしょう。
本作でも、とても綺麗な色の動物たちが、ページいっぱいに描かれています。
- 著者
- ビル=マーチン
- 出版日
「くまさん くまさん、
ちゃいろい くまさん、
なにみているの?」
「あかい とりを みているの。」(『くまさん くまさん なに みてるの?』より引用)
赤い鳥の次は、青い馬、緑のカエル、紫色のねこ……と色あざやかな動物たちが次々と登場してきます。目で見て色や動物の形を確認しながら、音で聞いて自然に名前を覚えていけるようになっているのです。
絵や文に少し違いがあるので、1歳からもう少し大きくなって絵と言葉の違いの面白さを比べ、英語が理解できるようになってから意味の違いを読み比べて……と長く楽しめる一冊です。
左ページ一面に動物の模様と輪郭のない顔が描かれています。読み進めると、突然動物の形に切り抜かれたページがあり、動物が姿を表したかのような錯覚に陥ります。1歳ぐらいのお子さんがどんな反応をするのか楽しみな絵本です。
- 著者
- いしかわ こうじ
- 出版日
『どうぶつもようでかくれんぼ』は、いしかわこうじが手がける「これなあに?かたぬきえほん」シリーズの一作です。
お子さんに動物の名前を覚えてもらいたい時期に最適な本です。動物を紹介する言葉にユーモアがあり、「ぺたぺた」や「つんつんつん」など、動物を想像できる擬態語も使われています。自然とお子さんの興味を誘い、読んでいる大人もお子さんの笑顔でリラックスした気持ちで読み進めることができるでしょう。
描かれている動物たちも親しみのある表情と、カラフルな色使い。1歳ぐらいのお子さんが見ても、動物と認識できるよう、工夫がなされています。
お子さんが自分で開くのにちょうどよいサイズです。自分でできるという喜びが増えるのもこの時期です。大人の真似をして、愛用の人形に読んであげたり、ひとりで読んだりと子どもの可愛い姿をみることが増えるかもしれません。
絵本をめくる楽しさを教えてくれる一冊です。
ひよこのぴよちゃんがかくれんぼ遊びをしながら、お友達の動物たちを探します。動物たちは、上手に隠れています。
仕かけをめくりながら、「ぴよちゃんと一緒に動物たちを探してみよう!」と読んであげれば、子どもの主体性を育むことができるでしょう。
- 著者
- いりやま さとし
- 出版日
やさしいタッチのイラストが、物語をより穏やかに、ゆっくりと進めさせてくれます。主人公のぴよちゃんや動物たちが、あたたかい作風で描かれています。
やさしさというものは、目に見えないもので、大人がお子さんたちに伝えることは、難しいものです。しかし、本作を通して、お子さんたちは、何かを感じ取ってくれるのではないでしょうか。
ぴよちゃんの愛くるしい表情とやさしい色合いが、お子さんたちの気持ちをやさしくしてくれます。ぴよちゃんのお話を読んで、お子さんと一緒に、ゆっくりとした時間をお過ごしください。
1981年より、大切に読み継がれているロングセラーの赤ちゃん向けの作品です。とても精密に動物の親子が描かれています。
何でも吸収していく赤ちゃん時代。なるべく本物に出会い、触れさせてあげたいと思うのが親心ではないでしょうか。その思いを満たしてくれるようなリアルなタッチの作品です。
- 著者
- 小森 厚
- 出版日
- 1981-10-20
猫や猿など毛が生えている動物は、毛の1本1本まで丁寧に描かれています。象の体のしわ、ライオンの筋肉、しまうまの柄。どれも写真のような正確さがありますが、それを絵で表現することにより、人のぬくもりが画面いっぱいに広がるのです。
猫は、子どもを咥えて運びます。ライオンも同じように子どもを咥えて運ぶのです。猿は、お腹にしっかりしがみつかせ、子どもを連れています。ではチンパンジーは……?子どもとクイズを出し合いながら読むのも楽しいでしょう。
それぞれの動物がどのようにして、子どもと触れ合っているのかが描かれています。それぞれの動物たちならではの子どもへの愛情表現を知ることができるでしょう。リアルな動物の姿を学びながら、親子の絆を感じられる一冊です。
『ちびゴリラのちびちび』は、森のみんなに愛されているゴリラの赤ちゃんが大きくなるお話です。
1歳になると離乳食もそろそろはじまり、どんどん体も心も成長してゆきます。そんな時期を彷彿させる物語です。
ちびちびはちいさなかわいいゴリラ。ちびちびが生まれたその日からみんなはちびちびが大好きでした。何をしてもどこへ行っても、ちびちびは人気もの。ピンクのちょうちょ、みどりの青虫、でっかいヘビまでちびちびの大ファンです。
- 著者
- ルース・ボーンスタイン
- 出版日
- 1978-08-01
のっぽのキリンはいつもそばにいて助けてくれるし、ライオンはちびちびに尻尾をひっぱられ大きな悲鳴!森の動物たちみんなが、まるでちびちびの乳母のようです。
ところが、ある日ちびちびは成長して……見開きいっぱいの、もうちびじゃない、立派なゴリラに!このシーンはかなり衝撃的です。
自分の成長にとまどっているような、不安気な眼差しを見せるちびちびですが、大丈夫。森のみんなは、巨大化したちびちびの誕生日をお祝いするため集まってきてくれました。成長したちびちびを受け入れる仲間たちの様子から、愛されていることが実感できます。
森の中にいるかのような少しトーンを落とした色合いの挿絵はほのぼのと優しく、動物たちの目の白さが際立ち、表情豊かに描かれています。
ゴリラさん、ヘビさん、オウムさん、と話しかけながら読んでみてください。言葉を真似るのが楽しい1歳前後のお子さんにとって、動物の名前を覚えるのも楽しい一冊。ぜひ手にとってみてくださいね。
動物たちの一瞬の表情を捉えてぴったりのコメントを付けた、変顔大賞というような写真が満載です。
1歳前後は表情にも成長が見られるようになってくる頃。ママの表情を真似たり、兄弟の泣き真似をしたり……そんな時期に親子で楽しめるのが『いいおかお』です。
- 著者
- さえぐさ ひろこ
- 出版日
情けないタレ目に膨らんだ鼻で「はやくあそぼうよ」というロバ、舌を突き出し「べろべろ」と言うサル。さらに、「あはは」と人間のように笑うカンガルーや、「わはは」と素敵な笑い顔のコアラが登場します。どの動物も変顔で、その一瞬を捉えたカメラマンの腕の見事さに感服してしまう、なんとも見事な作品です。
人の顔の真似が楽しい時期のお子さんとなら、一緒になって変顔大会ができそうです。写真なので毛並みや水際の感じなどもよくわかり、動物園で見ているよう。動物好きのお子さんにもピッタリな一冊です。
動物たちのキュートな姿が楽しめる本作、ぜひ手に取ってみてください。
『たまごのあかちゃん』の初版は1993年。20年以上も前から子どもたちに人気のある、まさに定番の一冊です。単に読み聞かせするだけでなく、お子さんに語り掛けながら読んであげることで、知らず知らずのうちに親子のふれあいにつながっていきます。
柳生弦一郎が描く、まるで子どもの落書きのようなダイナミックな絵も赤ちゃんの目をくぎ付けにすることでしょう。
- 著者
- 神沢 利子
- 出版日
- 1993-02-10
まず、表紙はもちろんのこと、本作は見開きがとてもダイナミックです。
絵本は、見開きから始まると言われています。いわば見開きは物語の幕。作者の言いたい事が見開きに現れている場合もあるのです。描かれているのは、赤いぐちゃぐちゃのような絵。どんな意味が隠されているのでしょうか?
卵の絵が描かれたページでは、「たまごのなかに かくれんぼしている あかちゃんはだあれ?」と問いかけられます。次のページでだれかはわかりますが、ページをめくる前に、お母さんはぜひお子さんに「なんだろうね?」と聞いてみてください。お子さんは大人が思いもよらない答えを言うかもしれませんよ。
たまごの中からはいろいろな動物が出てきますが、見開きの赤のぐちゃぐちゃの正体が、読み進めていくうちにわかります。ダイナミックだと感じたのも納得できますよ。ぜひ、実物を手に取ってお子さんとご覧になってみてください。
『よくきたね』は、犬や猫、くまなどの動物のお母さんと子どもが登場します。お母さんが「おいで おいで ここまで おいで」と子どもを呼び、子どもがやってくると、「よくきたね いいこ いいこ」と抱きしめ、読んでいると温かい気持ちになれる絵本です。
- 著者
- 松野 正子
- 出版日
- 2009-06-10
「おいで おいで」「よくきたね」という繰り返しの内容なので1歳児でも分かりやすく楽しめる内容です。またイラストがとてもやわらかく優しいタッチなので、親子の温かい愛情が感じられます。
次々と動物が登場する『よくきたね』ですが、最後に登場するのが人間のお母さんです。お母さんにぎゅっと抱きしめられている子どものイラストが描かれているこのページ、見ているお子さんたちもにっこりします。ぜひお子さんをぎゅっと抱きしめてあげてください。子どもも親もニコニコ、温かい気持ちで満たされることでしょう。
また『よくきたね』と同じく松野正子・文、鎌田暢子・絵で、『まっててね』という絵本があり、こちらも動物のお母さんと子どもの掛け合いの繰り返しでお話が進んでいきます。この絵本を読むと、日頃から口にすることの多い「まっててね」が優しく言えそうな気持ちになる絵本です。
両手を広げた小さなサルのイラストが描かれたこの絵本、この子サルのジョジョが主人公です。森をお散歩中のジョジョは、色々な動物に出会いますが、そのうちお母さんに会いたくなってしまいます。ジョジョはなぜお母さんに会いたくなったのでしょうか。
- 著者
- ジェズ オールバラ
- 出版日
この絵本の面白さは「ぎゅっ」というセリフ、ほとんどこれのみでお話が進んでいくことにあります。森を散歩するジョジョは、ゾウやカメレオン、ヘビの親子たちが楽しそうに「ぎゅっ」とハグしているところに出会い、「ぼくもママとぎゅっとしたいな」と少ししょんぼり。
すると、ゾウの親子がジョジョのお母さん探しを手伝ってくれることになり、一緒に探し始めます。他にも色々な動物が登場するので、「これは何の動物かな」と親子で会話をしながら読むのも楽しいですね。
セリフが少ないこの絵本ですが、その分、描かれている動物たちの表情豊かさがとても魅力的。ジョジョを心配そうに見つめる動物たちの表情、ママが見つからず悲しそうなジョジョの表情、そしてぎゅっとハグしあう嬉しそうな表情などがすべて「ぎゅっ」というセリフに込められているので、読んでいる私たちの側もこのセリフに自然と感情がこもります。
ぜひお子さんを「ぎゅっ」と抱きしめてあげながら読んであげてください。
「ぼくのうしろにいるの だあれ」と始まり、上に、下に、色々な動物が登場します。次のページで出てくる動物の一部が描かれているので、「この動物はなにかな」「次はどの動物だろうね?」と親子で会話をしながら読み聞かせが楽しめる絵本です。
- 著者
- ふくだ としお
- 出版日
絵本を読み聞かせながら、動物の名前を覚えたり、「上、下、後ろ」という方向についても分かりやすく知ることができそうです。最後の「みんな近くにいたんだね」というページで、今まで登場した全ての動物の位置関係が分かります。位置関係については1歳児にはまだ少し難しいかもしれませんが、大人の私たちのほうが「なるほど」と感じそうです。
この『うしろにいるのだあれ』はシリーズになっていて、『うしろにいるのだあれ みずべのなかまたち』『うしろにいるのだあれ のはらのなかまたち』などがあります。こちらも色々な動物たちが登場するのでおすすめです。
金魚鉢に入っていたきんぎょが逃げ出し、カーテンの模様の中や、キャンディーの中にまぎれて部屋のあちこちに隠れます。子どもと一緒に絵探しをしながら楽しめる絵本です。
- 著者
- 五味 太郎
- 出版日
- 1982-08-31
『きんぎょがにげた』の作者・五味太郎は、はっきりとした色遣いが印象的なイラストを描く絵本作家です。手掛けた絵本は360冊を超え、子どもはもちろん大人にもファンが多く、海外で翻訳されている絵本も数多くあります。本作は数多くある五味太郎の作品の中でも特に人気の高い1冊です。
「どこかなどこかな」と子どもに話しかけながら読んであげると、一生懸命探して「ここー!」と嬉しそうに指差ししてくれます。子どもたちは答えを知っていても「ここ!」と指差すのが楽しいようで何度でも「これ読んで」と持ってきてくれるでしょう。普通に読むと1分足らずで読めてしまうくらいのボリュームですが、さすがは五味太郎ですね。楽しい仕掛けで子どもを夢中にさせてくれます。
『きんぎょがにげた』が楽しめたら、『かくしたのだあれ』と『たべたのだあれ』にもぜひ挑戦してみてください。どちらも『きんぎょがにげた』と同様の絵探し遊びができる絵本ですが、『きんぎょがにげた』よりは少しレベルが上がっている印象です。動物たちが体の一部に色々なものを隠しているので、ぜひお子さんと一緒に楽しみながら探してみてくださいね。
『のせてのせて』は「松谷みよ子あかちゃんの本」シリーズのうちの1冊。まこちゃんが自動車を運転しながらお出かけしていると、「ストップ!」と手を挙げて動物たちが次々と乗り込んでくる、というお話の絵本です。
- 著者
- 松谷 みよ子
- 出版日
- 1969-07-05
「まこちゃんの じどうしゃですよう ブブブー」という響きのよい言葉が繰り返され、ちょっぴりレトロであたたかなイラストが魅力の本作。中でも盛り上がるのが、トンネルに入って真っ暗になり、そして「でた!おひさまだ!」と一気に明るくなる場面です。「おっ」と表情を変える子どもがいたり、明るくなったところで手をたたいて喜んだりする子どももいるでしょう。
「松谷みよ子あかちゃんの本」シリーズは『のせてのせて』の他に、『いないいないばあ』や『いいおかお』など全部で9巻があります。どれも優しく温かな言葉でつづられている絵本なので、言葉を覚え始めの1歳児におすすめの絵本です。
ページをめくると、キリンの首がにゅっと伸びたり、サルがバナナを食べたり、色々な仕掛けが施されている絵本です。こんな小さなサイズにこんな仕掛けが!と驚くほど内容が凝っています。
- 著者
- 出版日
動物が大好きな子どもは多いでしょう。中でも人気の高い、ゾウ、キリン、パンダ、コアラなどが本作には登場します。はっきりした色づかいで分かりやすく、可愛いイラストなのも良いですね。
色々な動物が登場し、その特徴に合った仕掛けが施されているので、お子さんが動物の名前を覚えるのにとても分かりやすいのです。お気に入りのページができると、そのページの仕掛けで何度も繰り返し遊んでくれることでしょう。
手のひらサイズなので、お子さんの小さな手でも簡単に開いたりページをめくったりすることができます。また、持ち運びしやすいサイズでもあるので、外出する際の携帯用絵本としてもおすすめです。
この『とびだす!うごく!どうぶつ』は「てのひらえほん」シリーズのうちの1冊で、他には『たべもの』『のりもの』など全部で4冊あります。お子さんが興味をもってくれそうな1冊をぜひ選んであげてくださいね。
エリック・カールの代表作『はらぺこあおむし』の仕掛け絵本版です。小さなあおむしが、大きくなり、さなぎになり、蝶になるまでを仕掛けと鮮やかな色で表現しています。
お話のなかで出てくる食べ物は、仕掛けによってよりリアルに表現され、小さなあおむしの成長を手にとるように感じられる作品です。
- 著者
- エリック・カール
- 出版日
- 2009-03-01
『ポップアップはらぺこあおむし』は、通常版とは異なり、1ページごとに仕掛けがあります。楽しい物語はそのままに、楽しい仕掛けが1ページごとに飛び出します。小さな子どもたちが見たら、まるで物語のはらぺこあおむしに自分が変身した気分が味わえるかもしれません。
1歳ぐらいのお子さんの目にも映える、綺麗な原色が使われています。ぱっと目を引きやすく、仕かけが詰まっているので、思わず手が伸びてしまうでしょう。
小さなお子様の成長と、月や太陽に見守られている小さなあおむしの成長が重なり、思い出とともに大事にしたい一冊です。
絵本作家の五味太郎の作品です。
「さくらんぼたべたのだあれ?」隣のページには象が2頭、描かれています。「どちらの象が食べたのかな?」とじっと絵をみていると……。
- 著者
- 五味 太郎
- 出版日
象だけでなく、ライオン、牛、魚、猫、鳥、へびなど、さまざまな生き物が登場します。色鮮やかに描かれた作品です。
ページをめくりながら、「いちご食べたのだれ?」「ドーナッツ食べたのだれ?」というように、誰が食べたのか探していきます。
よく見ないと誰が犯人なのか分かりづらく、子どもと一緒になって大人も物語に引き込まれるのです。
可愛らしい絵が親しみやすく、赤ちゃんもくり返し読みたくなるでしょう。始めのうちは、お母さんが一緒に指差しをしながら見つけてあげてくださいね。
「だるまさんの……」とくると、次に何が来るのか不思議とワクワクしてしまいますね!この絵本に登場するだるまさんは、「だるまさんの……」の次に「め(目)」や「て(手)」や「は(歯)」が出てくるのです。
ページをめくるごとにだるまさんの体の一部が大きくなって描かれていて、次はだるまさんのどこに注目するのか楽しみになるかもしれませんね。だるまさんは「は(歯)」や「け(毛)」や「お(尾)」まで見せてくれます。
だるまさんに尾や毛があるなんて信じられませんね! 最後のページでは、だるまさんが猫に変身してコミカルな姿を見せてくれるのです。
- 著者
- かがくい ひろし
- 出版日
だるまさんの体の一部を、簡単な言葉とユーモアたっぷりの挿絵で表現しているこの絵本。体のパーツの名前を赤ちゃんが覚えるのにも役立ちます。
だるまさんが帽子をかぶったり手袋をする姿を見れば、帽子や手袋を嫌がる赤ちゃんも意外とすんなり受け入れてくれるようになるかもしれません。
「て(手)」がアップで出てくる時には赤ちゃんの手を握ったり、「け(毛)」がアップで出てくる時には赤ちゃんの髪を撫でてみましょう。スキンシップが大好きな赤ちゃんは幸せな気分でこの絵本の世界にはまっていくのではないでしょうか。
初版は1967年。半世紀にわたり版を重ねているので、親子三代で読んだという方もいらっしゃるでしょう。淡い色合いで、本当に赤ちゃんの目に止まるのかな?と初めは気になるかもしれません。しかし、赤ちゃんが自然と引き寄せられる不思議な力を持っている作品なのです。
- 著者
- 松谷 みよ子
- 出版日
- 1967-04-15
『いないいないばあ』の魅力は、なんといってもお母さんと赤ちゃんの「ふれあいの絵本」であるところ。
ページをめくると「いないないばあ にゃあにゃが ほらほらほら いないいない……」と猫ちゃんがお顔を隠している絵が現れます。次のページには「ばあ」と猫ちゃんがお顔を出す絵が描かれているのです。このくり返しで、いろいろな動物がいないないばあをしていきます。
小さい子は「隠れているもの」に興味と恐怖を抱くといわれています。本作では顔を隠している動物が次々と登場しますが、子どもたちは「何が隠れているんだろう?」とドキドキ。そしてページを開くと顔が見えてほっと安心して、思わず笑顔がこぼれることでしょう。これが、ロングセラーとなっている大きな理由かもしれません。
読み手も「いないいないしてるね~、次はどうなるのかな~?」と赤ちゃんに語りかけながら読んであげてください。
真っ暗な夜空、そこにぽっかりとおつきさまが浮かびます。『おつきさまこんばんは』はやさしい顔つきのお月さまとお話しているような気持ちになりながら、物語がすすんでいきます。濃紺の夜空と光り輝くおつきさまのコントラストが素敵な絵本です。
- 著者
- 林 明子
- 出版日
- 1986-06-20
1歳の子にも印象に残るのが、おつきさまが登場するシーン。「おや やねのうえが あかくなった」というページから一呼吸おいてページをめくると、「おつきさまだ」と輝くお月さまが登場します。ここで子どもの注目がグッと集まるのを感じることもできるかもしれません。
1歳児はまだまだ夜泣きもあるでしょう。そんなときにちょっと外に出て夜空を一緒に見てあげるのも良いですね。「おつきさまだよ」「こんばんは」と話しかけてあげると、じっと夜空を見つめて、スッと泣きやんでくれたという体験をした方もいるそう。おつきさまが心落ち着く存在だということを絵本から知っていたからなのでしょう。
繊細でやわらかいタッチ、そして子どもたちへの愛情をひしひしと感じるイラストで人気の高い林明子ですが、本当にたくさんの絵本を手掛けています。その中から『おつきさまこんばんは』と同じような1歳児におすすめの絵本としては、他には『くつくつあるけ』『きゅっきゅっきゅっ』『おててがでたよ』などがあります。「靴をはく」「口をふく」「洋服を着る」といった生活の中で必ずすることを題材にあげているので、お母さんにしてもらう時期はもちろん、自分でできるようになってくる時期まで長く楽しめるでしょう。
人気作家、林明子の「くつくつあるけのほん」シリーズ。小さいお子さんに特におすすめです。
『くつくつあるけ』は1986年が初版。30年以上愛され続けている、ロングセラー絵本です。今回ご紹介する『きゅっきゅっきゅっ』は「くつくつあるけ」のシリーズ3作目として1986年に出版されました。
「きゅっきゅっきゅっ」とは、何のことなのでしょうか?
- 著者
- 林 明子
- 出版日
表紙にはスプーンとタオルを持った赤ちゃんの絵が描かれています。赤ちゃんが大好きなお友だち(ぬいぐるみ)たちと一緒にスープを飲もうとしているのです。
ところが、ねずみさん、うさぎさん、くまさんたちがスープをこぼしてしまい……。赤ちゃんは、お友だちが汚れてしまったので、エプロン代わりにしていたタオルで「きゅっきゅっきゅっ」とふいてあげるのです。赤ちゃんの優しさに、大人はキュンとしてしまいます。
「きゅっきゅっきゅっ」というタイトルは、赤ちゃんがお友だちを大事にしていることを表した音だったのです。「ふいてあげるね きゅっきゅっきゅっ」この言葉のくり返しが、読んでいる側にも心地よいリズムとして感じられます。
さて、どうしてこの赤ちゃんはお友だちに親切に「きゅっきゅっきゅっ」と拭いてあげているのでしょう。それは、「ごちそうさま」のページで分かります。赤ちゃんは、毎日お母さんにしてもらっていることを、お友だちにしてあげているのでした。
何気ない触れ合いが赤ちゃんを成長させているんだなと感じる一冊です。ぜひ、赤ちゃんと一緒に「きゅっきゅっきゅっ」と言葉にして読んであげてください。
せなけいこのベストセラー絵本4冊セットです。『あーんあん』をはじめ、『ふうせんねこ』、『ルルちゃんのくつした』、『きれいなはこ』が収録されています。
小さな頃にくり返し読んだ方が大人になってからお子さんのために買われることも多く、誕生日などのプレゼントにもおすすめです。
それぞれ色紙をはじめ、柄物の紙や千代紙など質感の異なる紙が絵に使われ、せなけいこらしさが表現されています。
- 著者
- せな けいこ
- 出版日
『あーんあん』は保育園に預けられた男の子のお話です。保育園にお子さんを預けると、お母さんや保護者の方と離れることが悲しくなって「あーんあん」と泣いてしまう子も多くいますよね。
泣かれるとお母さんもつらいのですが、本作は男の子が主人公。保育園で泣きだした男の子につられて周りの子もひとり、またひとりと泣き出してしまいます。こういう光景も目に浮かぶでしょう。
そして、みんなが泣き出すと思いもよらない展開が待っています。保育園からの電話を受けて、バケツと網を持って出かけるお母さん。一体、お母さんはどうしてこんなものを持ち出したのでしょうか?その後は予想外の展開に。お子さんもきっと喜んでくれるでしょう。
このほか収録されているのは、靴下をなくした女の子のお話の『ルルちゃんのくつした』。また、せなけいこが描く人気のおばけキャラも顔をのぞかせている『きれいなはこ』は、きれいな箱を取り合う犬と猫のお話です。『ふうせんねこ』は思い通りにならないとぷぅ~っとふくれてしまう猫の物語。どれも子どもらしい想像力を物語にした作品です。
小さな男の子が黄色いイスを5つ並べてバスに見立て、運転手さんになりきります。「なりきりちびっ子運転手さん」と言えども、バスの車内アナウンスやお客さんへの心遣いは大人顔負けです!
思わず「乗せてくださーい!」と言ってしまいそうな作品です。同シリーズには、『ふねなのね』『おうちなのね』があります。
- 著者
- ["中川 ひろたか", "100%ORANGE"]
- 出版日
積み木を積んで家や車に見立てたり、お皿に砂を入れて色んな料理に見立てたり、粘土をこねて怪獣を作ってみたり。子どもは「見立て遊び」が大好きです。
さらに子どもにとってお店屋さんごっこや運転手さんごっこには、リアルな接客も欠かせません。子どもは大人が驚くほどに細部まで観察してごっこ遊びをします。その職業への憧れから、そっくりに真似ることができるのでしょう。
大人からすればその見立てが現実とはかけはなれていたとしても、その遊びに大人や友達がのってあげると、子どもはとても喜びます。そして自分の発想が理解されたことで、自信にもつながるでしょう。
子どもの頃には誰もがしたであろう遊びを通して、成長を感じることができる一冊です。
ピンク色の表紙が可愛らしい絵本「ももんちゃん あそぼう」のシリーズ。最初の作品が『どんどこ ももんちゃん』です。大きな頭と短い手足ふっくらとした体形のももんちゃんですが、赤ちゃんなのでしょうか?
物語は、広い野原をどんどん走るももんちゃんの姿から始まります。そして、ももんちゃんは川の上にかかる丸太橋をハイハイで通過!さらにどんどん走っていきます。ももんちゃんはそんなに急いでどこに行くのでしょう。
- 著者
- とよた かずひこ
- 出版日
- 2001-09-10
一生懸命前だけ見て走るももんちゃん。丸太橋を渡ったと思ったら急な山が待っています。山も一生懸命登り……その先には、熊が登場!?
しかし道を塞ぐ熊をどんどん押して行き、押し倒してしまうのです。倒された熊は目が点になっていて、読み聞かせをしている大人もクスッと笑ってしまうでしょう。
その後も走り続けるももんちゃんですが、山の下りで足がもつれたのか、おっとっと。とうとう転んでしまいます。
はたして、ももんちゃんがこんなにひたすら走るわけとは一体なんだったのでしょうか?
シンプルなイラストと文章ですが、ももんちゃんがとても可愛らしくて、すぐに引き込まれる不思議な作品です。
蝶や猫など、身の回りの自然や町で見かける生き物がとても気になる、歩きはじめたばかりの子どもが主人公。登場する生き物は赤ちゃんのすぐそばを通ったりベンチでくつろいだりしていますが、どれも手に触れることさえできず、ふわっと逃げてしまいます。
ゆるやかな動きとふんわりした赤ちゃんらしさを感じる絵は、絵本作家・酒井駒子によるもの。女の子か男の子かわからない主人公は、自分の子どもの姿に投影しやすい印象を感じます。
- 著者
- ["中脇 初枝", "酒井 駒子"]
- 出版日
歩きはじめたばかりの子は、まだ赤ちゃんらしさも残っていて、腕も短かく、足元もおぼつかなくて、動きもゆっくりです。
物語に登場する小さな子は自分の横をひらひら舞う蝶に手をだしますが、空へと逃げて行ってしまいます。次はトカゲに手をだして、「こりゃ まてまて」。このあたりは、怖いもの知らずで興味を持ったものに触れたくなる小さな子どもならではの動きではないでしょうか。
その後も鳩や猫に「こりゃ まてまて」をくり返します。最後の「こりゃ まてまて」で登場するのはお父さん。どうやら親子で一緒に公園で遊んでいたようです。
いろんなものに好奇心をもち、手を伸ばす子どもとそれを見守るお父さん。親の暖かい眼差しを感じることのできる一冊です。
『くつくつあるけのほん』は、とことこ歩きだした子どもの様子を足元の靴だけで表現した絵本です。タイトルの文字もそんな様子を表しているようですね。登場するのは小さな足にも合いそうな、やわらかく優しい雰囲気のハイカットシューズ。子どもにとって初めての靴でしょうか。
この絵本は終始、空を思わせる落ち着いた青色と芝生のような緑色を基調にしたページが続きます。2色のなかで一際映える、いろいろな動きをする白地で黄色い紐の靴が描かれています。
- 著者
- 林 明子
- 出版日
物語は、靴が歩きはじめるところからスタート。はじめの見開きでは、外に出かけるのを楽しみにしていた子どもの姿を感じるような、元気のよい踏み出しになっています。
小さな靴は走ったり、つま先をトントンしたり、飛び跳ねてはしゃぎすぎて転んだり……。転んでしまっても、一人でよっこいしょっと立ち上がります。最後は、眠くなっておしまい。
作中には靴しか描かれていませんが、主人公は外に飛び出したくなる歩きはじめの子どもでしょう。いろいろなものに好奇心を感じて走り出し、元気いっぱい遊んで眠くなって寝てしまう子どもの姿が目に浮かぶようです。
文章もテンポがよくて、1歳の小さなお子さんでも楽しめる作品になっています。
ピエロがラッパを吹いたら水がでたり、帽子からカラスがでたり、ぞうが風船をふくらませたり。ほっこり可愛らしいサーカス団のメンバーが、たのしい芸を披露している様子が描かれています。さらに、絵に馴染む字体が使われていて、絵とともに楽しむことができるでしょう。
- 著者
- グザビエ・ドゥヌ
- 出版日
- 2009-08-10
フランスの絵本作家グザ・ビエ・ドゥヌが著者で、赤・黒・白を基調とした作品です。インパクトがあり、お子さんの目をひきつけます。
1歳ぐらいのお子さんは、まだ視力が弱いです。そのため、コントラストの高い配色が識別しやすいという、研究結果があるそう。お子さんにとっては、赤・黒・白を基調とした絵本は、見やすいということです。自然とお子さんの方から手にとってくれることでしょう。
赤・黒・白の中に、水色や黄色を配色することによって、かわいいピエロやぞうなどのキャラクターをやわらかく表現。ところどころに型抜きがされており、それがまた、サーカスのお話をより盛りあげています。
歌のような文とかわいらしいピエロたちが楽しめる一冊です。
シンプルな分かりやすいイラストの表紙が子どもたちの目をひくでしょう。ページをめくると、「せんろです」「でんしゃがはしっています」と分かりやすい文章でつづられています。「でんしゃはどこへいくのだろう」とワクワクしながら読み聞かせできる1冊です。
- 著者
- ["バイロン バートン", "Byron Barton", "こじま まもる"]
- 出版日
シンプルな分かりやすいタッチの絵本で、色々な種類の電車はもちろん、駅や踏切、そこで働く人などが描かれています。文章は最小限に抑えられているので、「ガタンゴトン」といった効果音、「電車にお気をつけくださーい」といった駅員さんの声などアレンジして読んであげると、電車好きのお子さんならきっと喜んでくれるでしょう。外出した際に同じようなものを見たときには、「絵本でみたね」と会話が弾みそうですね。
バイロン・バートンの『でんしゃ』は「バートンののりものえほん」シリーズのうちの1冊で、他には『とらっく』『ひこうき』などの乗り物を特集した絵本があります。のりものに興味を持ちだしたお子さんにおすすめなので、興味をもってくれたものからぜひ手に取ってみてくださいね。
『いつでもいっしょどこでもいっしょ 1さいまるごとひゃっか』は、この1冊に歌、お話、手遊びなどがコンパクトにまとめられています。食べ物や果物、乗り物などのイラストもあり、1歳児が好きなものがまるごとぎゅっとつまった便利な絵本です。
- 著者
- のぶみ
- 出版日
分かりやすいイラストや写真は、言葉を覚え始める1歳児にぴったりです。一緒に指差しをしたり、「○○はどこかな?」など親子のふれあいが楽しめます。また、ボードブックで丈夫な作りになっているので、ページをめくりたい盛りの1歳児にも安心して渡せるのはありがたいです。
この絵本には、イラストのページもあれば写真のページもあります。イラストのほうが興味を持てるお子さんもいれば、写真の方が好きというお子さんもいることでしょう。様々な好みやその日のお子さんの気分にも対応できるのがこの絵本の嬉しいところです。
1歳児が好きなものが盛りだくさんですので、この1冊だけで楽しめるのが魅力。幅広いジャンルから少しずつ色々なものが載っているので、お誕生日やクリスマスなどのプレゼントにも良いですね。この絵本なら、せっかく買ったのに「動物の本がよかった!」「電車の本がよかった!」となってしまう心配もありません。毎日の外出時はもちろん、新幹線や飛行機などの長時間移動のときにもおすすめです。
表紙に描かれているわには、とっても気持ちがよさそうですね。この絵本は、お風呂が大好きなわにわにがお風呂を存分に楽しむお話です。
自分で蛇口をひねってお風呂のお湯をため、お気に入りのおもちゃをたくさん浮かべ、ざっぶーんとお風呂に入ると、一番好きなロボットのおもちゃで遊びます。お風呂の中であぶくを飛ばしたり、気持ちよく歌を歌ったり、最後、お湯に潜ってじっと温まるわにわにの姿を見たら、赤ちゃんも真似をしたくなるかもしれませんね。
- 著者
- ["小風 さち", "山口 マオ"]
- 出版日
この絵本を読んだら誰もがお風呂に入りたくなることでしょう。ギザギザの牙と爪に、ごつごつしたウロコの体をしているわにわには、お世辞にも可愛らしいという風貌ではないのに、その行動や仕草は何から何まで可愛らしく見えるのが不思議です。
洗面器をかぶってシャワーヘッドをつかみ、歌を歌う姿などは、つい笑ってしまうほどキュートです。お風呂を嫌いな子どもも、わにわにがお風呂を心から楽しむ姿を見ればたちまちお風呂を大好きになるかもしれません。
『どうすればいいのかな?』は、くまくんがお出かけ前にお着替えに奮闘しているお話。
外の世界にどんどん興味を持ちはじめる1歳の時期ですが、この頃はまだ自分でできないため、ママの顔色をうかがいながら「大丈夫かな?」と確認をしてきます。そうやって安心しながら、できることを増やしていくのです。
どうすればいいかを丁寧に教えていくことが大切な時期におすすめの一冊です。
- 著者
- ["しげお, わたなべ", "やすお, おおとも"]
- 出版日
お出かけの準備をしているくまくん。シャツを足からはいてます。「どうすればいいのかな?」と試行錯誤の末、シャツは着るものと学びます。
次はパンツ。着るものかな?頭から被ってもがいてる挿絵が臨場感たっぷりで可愛らしいです。次々と着るものや履くものを自分なりに考えながら、チャレンジしていく姿に子どもは学ぶことができるでしょう。
くまくんが上手にできた時は、「そうそう、○○は~するものだね」とやさしいナレーション。子どもが自分で頑張っているときは、こういう風に見守り、声かけすればいいんだな、と参考にもなります。
努力が実を結び、最後にはちゃんと一人でお着替が完了します。
自分でお着替えしたい時期のお子さんにピッタリのお話です。おちゃめなタイプのお子さんは、わざとくまくんみたいにさかさまな着方をしそうですが、頭が固くなった大人では思いつかない不思議な着方はユーモアに溢れるでしょう。ほのぼのと笑えて楽しい一冊です。
朝目が覚めてから夜寝るまでの一日を、谷川俊太郎が紡ぎだす言葉と長新太の絵で描かれた物語です。自分の一日とシンクロしてしまうかもしれません。少し長めの文章ですが、言葉がとてもリズミカルで、読み手も歌うように読み聞かせることができるでしょう。
初版は1984年。対象年齢は2~4歳と書いてあるものの、1歳くらいの赤ちゃんも充分楽しめます。
- 著者
- 谷川 俊太郎
- 出版日
お母さん方もどこかで聞いたことがあるような言い回しが、ところどころに出てきます。たとえば「とおりゃんせ」「いたいのとんでいけ」「ねんねんころり」など……。
また、誰でも知っているわらべうたのオマージュのような言葉もあります。声に出して読むうちに自然とリズムが生まれてくるのです。
言葉が生むリズムに、赤ちゃんも物語の世界に引き込まれていく、そんな作品になっています。
この絵本には、文章がほとんどありません。一番最後のページに一言、一番伝えたい言葉が書かれているだけです。それでも、赤ちゃんはトラックがいろんなプレゼントを運んできてくれる様子を見て、何かを感じ取ってくれるのではないでしょうか。
棒付きキャンディやソフトクリーム、ぶどうやリンゴなど。美味しそうな食べ物を次々とトラックが運んできてくれるので、「これはなんだろうね」と優しく声をかけながら読んであげたいですね。
- 著者
- まつい のりこ
- 出版日
ハッキリとした色合いで、子どもの好きな食べ物がたくさん登場するこの絵本。誕生日という特別な日の事を、赤ちゃんになんとなく分かってもらえる、そんな内容になっています。
文が少ない分、ページごとに親や兄弟がオリジナルの自由な言葉を添えて楽しむことも出来ます。「ブーブーだよ、リンゴを持ってきたよ」というように、読み手の心から発せられる言葉を赤ちゃんに伝えてあげられるのは、この絵本の一番の楽しみ方ではないでしょうか。
実際のお誕生日会の準備と絵本を見比べた赤ちゃんが何かを感じ取ってくれたら読み手も嬉しいですね。
表紙にはニッコリ笑顔の動物たちが描かれているこの絵本。1歳の誕生日を迎える子どもに教えてあげたい、日常で交わされるあいさつの様子が描かれています。
朝起きたら「おはよう」、ご飯を食べるときは「いただきます」、誰かに会ったら「こんにちは」。あいさつは、どんな時にどんな言葉で交わすのか、とても分かりやすく描かれています。
1歳になると自分の足で立って歩き回るようになり、外遊びの回数も増えることでしょう。家を出る時には「行ってきます」、出先でお友達に会ったら「こんにちは」、そうやって赤ちゃんの世界が広がっていくのをこの絵本は手助けしてくれます。
- 著者
- シンイチ, ヒロナガ
- 出版日
可愛らしい動物たちの笑顔が、赤ちゃんの興味を引くこの絵本。コンパクトなサイズなので、持ち運びにも便利です。
分厚い紙で作られているので、紙を破くのが大好きな赤ちゃんにも安心して持たせてあげられます。抗菌加工されているので、手に取ったものを次から次へと口の中に入れてしまう赤ちゃんにも、清潔に使ってもらえることでしょう。
絵本の中には表紙の動物たちは登場せず、終始男の子があいさつをする姿が描かれています。絵本の中であいさつを練習して、絵本を閉じて表紙の動物たちに「こんにちは」を言う、そんな使い方もできるでしょう。
おいもが土の中でどんな風に過ごしているか、考えたことはありますか?この絵本の中には、意外と忙しく過ごすおいもの日常が描かれています。
ご飯を食べて歯を磨き、トイレに行ってお風呂にも入るのです。おいもの不思議な日常はそれだけではありません。みんなで一緒にトレーニングをしたり、家族みんなで一緒に寝て、夢を見たりすることもあるようです。
そんなおいもの畑に子どもたちがやってくると、つるを引っ張りあっての綱引きが始まりました。落ち葉で焼き芋を焼くと、子どもたちはとっても美味しそうにそれを食べます。すると……おいもを食べるとどうなるか、予想してみてください。
- 著者
- ["中川 ひろたか", "村上 康成"]
- 出版日
おいもが土の中で人間と同じように、ご飯を食べたりお風呂に入ったりする姿はコミカルでユーモアたっぷりです。幼稚園や保育園で芋掘りを経験する子どもたちに、芋掘りの前に読み聞かせてあげれば、当日はずいぶん盛り上がるのではないでしょうか。
季節感を感じられる絵本なので、秋に誕生日を迎える子どもにもおすすめです。美味しいおいもが収穫され、落ち葉が舞う美しい光景を見ることが出来る季節に生まれたのだと教えてあげられます。
表紙に描かれている小さな男の子と犬が、満足そうに目をつむっています。ページを開くと、とってもいいにおいのする方向へ、男の子と犬が吸い寄せられていくのです。「そんなにいいにおいってどんなにおいなのかな?」と、読者は興味津々になるでしょう。
- 著者
- ちさと, たしろ
- 出版日
ワクワク期待しながらページをめくると、さまざまな「におい」が登場します。
焼けたばかりのパン、果物、炊けたばかりのごはんと焼き魚、誕生日ケーキ、さらにブランコした後の手のにおいまで。男の子と犬は、いろんなにおいをかいでいきます。においには、いろいろな感情、思いもこもっているのです。
絵がとても綺麗で、食べ物は本当においしそう。子どもが大好きなものから、いいにおいがたくさん漂ってくるような作品です。
嗅覚は感情や本能を司る脳の一部分に直接繋がってます。まだ幼い子にも幸せなイメージを残せる一冊です。
くだものの名前がリズムよく並んでいる本作。くだものがもっと魅力的に感じられるでしょう。
石津ちひろと山村浩二がコンビを組んだ絵本としては、他にも『おやおや、おやさい』『おかしなおかし』があります。食べ物がテーマになっているので、小さな子でも親しみを持てるでしょう。
- 著者
- ["石津 ちひろ", "山村 浩二"]
- 出版日
くだものが好きな子どもは多いでしょう。本作では、くだものにクリクリした目と短い手足がついています。とっても可愛く、1歳の子どもにも馴染みやすく感じられるでしょう。
くだものは色鮮やかで、形もさまざま。ママとスーパーに行けば見られる、身近なものであるともいえます。
また、甘かったり、酸っぱかったりと、ご飯やおかずにはだせない味という点でも特別であり、また食後のお楽しみ的な一面もあります。
本作では、名前をリズムよく表現することで、「聴覚」という視点からくだものの魅力を紹介しています。ダジャレを理解できない1歳の子どもでも、軽快なリズムと愛嬌のある絵が笑いを誘ってくれるはずです。
読み聞かせをしながら、「このくだものは何という名前だっけ?」「どんな味かな?」「どれが好きかな?」と会話もはずむことでしょう。
可愛い動物と一緒に、ピクニックでおにぎりを食べたり、ワニのお家にピザが配達されたり、楽しい絵が満載の作品です。ページごとに仕かけがあり、おにぎりの中身がのりをめくるとみえたり、ぞうのお弁当の中身が飛び出したり。美味しい食べものと一緒に、動物たちがニコニコ笑顔で描かれています。
- 著者
- 出版日
『とびだす!うごく!たべもの』は、「てのひらえほん」シリーズとして、長く愛されている作品です。著者のわらべきみかは、同シリーズを含み370冊以上を手がけています。知育絵本の先駆けともいえる作品です。
開くたびに、美味しそうなたべものが、仕掛けを使って目に飛び込んできます。小さな絵本いっぱいに、たべものが並び、動物たちが楽しそうにしている様子が、何とも言えません。子どもに、好きなたべものはなに?と問いかけながら読めば、楽しみも増えるでしょう。
お子さんの小さな手のサイズにぴったりなので、お出かけ先でも大活躍です。バックにこっそり忍ばせて、飽きてきたときに読んであげるのにおすすめの一冊です。
明るい色調が目を惹く『ぽぱーぺ ぽぴぱっぷ』は、谷川俊太郎の文章におかざきけんじろうが挿絵を描いた絵本です。
「ぽぱーぺ ぽぴぱっぷ」にはじまり、文章は「ぱぴぷぺぽ」を組み合わせた言葉で構成されています。挿絵のポップな絵とともに、読者も不思議な世界へと入り込んでいきそうです。
色使いもとってもカラフル。はじめは何が描いているのかよくわかりませんが、じっくり見てみると2つの生き物がいて、それぞれ会話をしていることに気がつくでしょう。
- 著者
- 谷川 俊太郎
- 出版日
- 2009-04-01
2つの生き物が出会ったと感じる場面から始まり、片方の生き物から発せられる挨拶らしき「ぱぽぺ」に呼応するようにもう1体が「ぱぷぽぴ」と返事をします。
どんどん読んでいってもずっと「ぱ行」だけの文章ですが、語尾に「?」や「!」がつけられていると2つの生き物がどんなシーンで会話をしているのか目に浮かぶようです。
文章を目で追うよりも、声に出して読んでいただきたい作品です。お子さんと一緒に、「ぱ行」だけで会話を楽しんでみるのも楽しいでしょう。
『ぴよ ぴよ ぴよ』は1987年に刊行されました。すでに30年以上愛されている名作です。絵本出版界では、20年以上版を重ねている作品を選書の目安にするといいと言われていますので、その点でも本作はおすすめできる一冊です。
大人が見たら単純に見えるのですが、赤ちゃんの心を引き付ける何かがあるのでしょう。何度もくり返し読んで、とせがまれること間違いなしです。
- 著者
- 平野 剛
- 出版日
赤ちゃんに読む絵本は、絵がシンプルで、くり返しが多い作品が好まれますが、本作はその条件にぴったり当てはまっているのです。
出て来る言葉はほとんど「ぴよ ぴよ ぴよ」。タイトルから、ひよこのお話ということは分かりますが、ページを開いてみるとまず登場するのはひよこの体の一部。それに加え「ぴよぴよ」という言葉だけです。次のページでひよこが姿を現しますが、すみっこで黒い子猫が寝ています。
次から次へと現れるひよこと、それを見ている子猫の様子が描かれています。ひよこにちょっかいをだそうとする子猫は、ひよこたちのお母さんに一喝されて自分のお母さんのところに逃げ帰ってしまうのです。
単純で分かりやすいお話ですが、赤ちゃんと一緒に読んでみると、思わぬ発見があり、驚かれるでしょう。
カラフルな小さな玉がたくさん登場します。
色玉が、ころころころ……と転がっていき、綺麗に並んで、列を乱さず進んでいくのです。まっすぐな道だけではありません。時には階段を昇って降りて、でこぼこの道をころころと静かに進んでいきます。
- 著者
- 定正, 元永
- 出版日
ページをめくるごとに背景の色が、橙色、黄緑色、赤色、灰色などに変わり、同じ転がる様子でも、読者の受ける印象が異なります。
ころころの玉の動きも、階段だったり、でこぼこだったり、坂道の先の崖だったり、道が変われば、それぞれ動きが違って見えるのが不思議で、子どもは純粋に楽しめるでしょう。
まっしろな背景にカラフルな色玉が転がる様子と言葉の面白さは、シンプルな面白さがあります。1歳くらいの赤ちゃんにも分かりやすいので、読み聞かせにおすすめです。
『でんぐりでんぐり』 は、けんちゃんがでんぐりがえりをしているお話です。
1歳頃は、ハイハイから一人歩きへ変わる時期。とにかく体を動かすのが楽しくなってきます。でんぐりがえりをお布団で練習、なんてお子さんもいるのではないでしょうか。そんな時期に、ぜひ一緒に楽しんでほしいのが本作です。
- 著者
- ["くろい けん", "くろい けん"]
- 出版日
けんちゃんが「でんぐり でんぐり ころん」。ころりんした先にはねこちゃんがいました。
けんちゃんとねこちゃんが「でんぐり でんぐり ころん」。ころりんした先で次に出会ったのはうさぎちゃん。
けんちゃんとねこちゃんとうさぎちゃんが「でんぐり でんぐり ころん」。ころりんした先に出会ったのは?だんだん仲間が増えて……でんぐりもどんどん派手になっていきます。最後は大きなゾウさんと……。
「あははは、みんな どろんこ。
ああ、おもしろかった。」(『でんぐりでんぐり』 より)
本当に楽しそうなけんちゃんとどうぶつたちの笑顔に癒やされます。大人が読めば、何をしてもどんなハプニングが起こっても、ただただ楽しいと思える子ども時代が羨ましくなるでしょう。
でんぐり返しを真似してやりたくなってしまうような楽しい作品です。
『とっとこ とっとこ』は、あんよが上手になってきた頃のお子さんにぴったりのお話です。
1歳になると、だんだんとひとり歩きを始める頃。動物たちのかわいいお散歩姿がシンプルでカラフルな色合いで描かれていて、歩くことの楽しさが溢れだしている一冊です。
- 著者
- まつい のりこ
- 出版日
ねこさんがくつをはいて「とっとこ とっとこ」お散歩。ありさんがくつをはいて「とっとこ とっとこ」。ぶたさん、かえるさん、といろんな生き物が次から次へと「とっとこ とっとこ」。
リズム感のよいくり返し言葉で、親も子も一緒になって声に出して楽しめる作品です。
そのうちに、へびさんは「とーとこ とーとこ」と長ーいリズムに。たこさんは、足が8本だからか、とっとこが8回もあります。だんだんとそれぞれの生き物に合わせたリズムになっていき、次の生き物はどんな歩き方するのかな、と最後まで退屈させません。
さてロボットはどんなリズムでお散歩するでしょうか?お星様は?ぜひお子さんと一緒に楽しいリズムを発見してくださいね。
読み終わった後は「とっとこ とっとこ」と言いながらお散歩を楽しめるでしょう。お子さんの成長を後押ししてくれる、読むだけにとどまらないおすすめ絵本です。
子供服ブランドのミキハウスが出している、赤ちゃんが楽しむための本です。
BGMのような音楽だけでなく、歌声も入っているところが他の音楽絵本とは大きく異なり、赤ちゃんに歌っている最中にうっかり歌詞を忘れてしまっても、これなら中断することなく遊べるでしょう。
手遊び歌も収録されていますので、赤ちゃんが成長したら、この本で曲を流して一緒に遊ぶのもいいですね。
収録曲は、「むすんでひらいて」、「ねこふんじゃった」、「だるまさん」、「おばけなんてないさ」、「おおきなくりのきのしたで」、「おなかのへるうた」の6種類です。
この本は単4電池を2本使用するため、ご利用の際は、電池の蓋が開かないかどうかチェックしてから使うことをおすすめします。
- 著者
- 出版日
赤ちゃんでも押しやすい形状のボタンなので、使い方が分かってくると赤ちゃんが自分でボタンを押して遊ぶようになるでしょう。
何回も遊んで”ボタンを押すと曲が流れる”ということを理解してくると、曲に好き嫌いが出てきます。好きな曲のボタンを自分で繰り返し押したり、親御さんとコミュニケーションをとりながら楽しんだりできるかもしれませんね。
もちろん、曲にあわせて一緒に歌ったり、手遊び歌で遊んだりすることもできます。
このシリーズは音楽だけではなく歌が流れますので、何度も聞いているうちに自然にいろんな歌を覚えることができるでしょう。別の曲が収録されている本もありますので、曲で選ぶのもいいかもしれませんね。
ある暖かい日に生まれた、1匹のこおろぎのぼうや。大きなこおろぎが羽をこすって挨拶してくれますが、生まれたばかりのこおろぎぼうやは、羽をこすっても音を出すことができません。
色んな虫たちと次々に出会う、小さなこおろぎぼうや。みんな鳴き声あるいは羽音で挨拶してくれて、こおろぎぼうやも挨拶しようと羽をこするのですが、やっぱり音を出すことができません。
そして、仲間の女の子を見つけ、挨拶しようと……。
カラフルなイラストでお馴染みエリック・カールが描く、可愛らしいこおろぎの子どもが主人公の話です。虫が苦手な子ども(と、保護者の方)でも、これなら楽しく読むことができるでしょう。
この本は光センサーによって音が鳴る(こおろぎが鳴く)仕掛けになっています。裏表紙を開いた内側にセンサーがあり、うっかり開くと音が出て子どもにネタバレしてしまいますので、読み聞かせの前は取り扱いにご注意ください。
- 著者
- ["エリック カール", "直子, 工藤"]
- 出版日
エリック・カールは、『はらぺこあおむし』を描いたときに、虫たちのすばらしい4部作(カルテット)をつくろうと思ったそうです。
『はらぺこあおむし』は希望、『くもさん おへんじ どうしたの』は働くこと、『さびしがりやのほたる』は仲間、そしてこの『だんまりこおろぎ』は愛についてがテーマとのこと。
そして、話の中に登場する虫たちが、エリック・カールにかかると実にかわいらしいのです。
鳴く虫がたくさん登場するのかと思いきや、蜂や蚊など鳴かない虫も羽音で登場するのが意外。薄い緑の蛾が静かに飛んでいるシーンは、無音の良さを伝えてくれます。
お話が終わった後の最後のページにある、作者エリック・カールと翻訳者くどうなおこによる一文(読んだ後はどうするか、音が出なくなったらどうするか)が、子どもの心に響くような言い回しで素敵です。
メロディに合わせてライトがピカピカと光ります。曲のテンポを速く・標準・遅くの3段階、音量は大きく・標準・小さくの3段階で調節が可能です。
歌詞・楽譜・メロディ付の曲が15曲、歌詞・楽譜のみの曲が5曲入っています。
メロディ付の曲は「かえるのがっしょう」、「ぶんぶんぶん」、「むすんでひらいて」、「メリーさんのひつじ」、「ねこふんじゃった」、「ロンドンばし」、「ハッピー・バースデイ・トゥ・ユー」、「きらきらぼし」など全15曲。
楽譜のみ(つまり楽譜を見て保護者が弾くという前提)なのが、「どんぐりころころ」、「とんとんとんとんひげじいさん」、「かたつむり」、「げんこつやまのたぬきさん」、「おおきなふるどけい」の全5曲です。
- 著者
- ねむ, さつき
- 出版日
曲の収録数は多く、童謡など定番ばかりを集めたもので、流行りのJ-POPは入っていないので、長く使うことができます。
ボタンの1つ1つに曲をイメージしたイラストがついているので、字が読めない赤ちゃんでも、絵や色でボタンを選んで押せるのも高ポイントです。
楽譜と鍵盤の両方にドレミと数字がついているので、楽譜が読めない方でも歌詞に合わせて楽譜のドレミや数字を押していけば、子どもに曲を聴かせることができます。子どもがいないときに、この本を使ってこっそり練習するのもいいですね。
幼稚園に入園すれば鍵盤ハーモニカが、小学校にあがれば音楽の授業がありますから、赤ちゃんのうちから鍵盤楽器に慣れてもらい、抵抗なく授業を受けられるようになってもらうという意味でも、このピアノ絵本はおすすめです。
曲だけでなく歌声も入っている、親御さんが歌詞を知らなくても安心して開ける本です。
ボタンを押すだけという単純な機能、軽い力で押せるので赤ちゃんでも充分使うことができるでしょう。また、ピアノ絵本よりもずっと小さくて軽いので、バッグに入れて持ち歩くにも便利です。(ただし音量は大きめなので、使う場所は選ぶかと思います。)
収録曲は、「いとまき」、「かたつむり」、「うさぎのダンス」、「はと」、「げんこつやまのたぬきさん」、「あめふり」の6曲。
イラストは、赤ちゃんのための著作が多いあらかわしずえ。うさぎのななちゃんがとても可愛らしい、女の子をイメージしたような作品です。
- 著者
- しずえ, あらかわ
- 出版日
曲を流すときはボタンを押す、止めるときはもう一回押す、ただそれだけなので誰でも簡単に扱える本になっています。
本そのものは小さいのですが、厚い紙でできたボードブックなので、赤ちゃんがページをめくったぐらいではそうそう破けないのが嬉しいですね。そして、音の出る絵本の中では比較的リーズナブル、というのも高ポイント!
小さな赤ちゃんのときはボタンを押すだけ・聞くだけかもしれませんが、何回も聴いているうちに自然と歌を覚え、成長したら親御さんと一緒に手遊び歌を歌いながら遊んだりできるようになるでしょう。
そういった意味で、歌声が入っている本は便利ですね。是非お手に取ってみてください。
子どもたちが大好きな「とんとんとんとん ひげじいさん」の歌をはじめ、「おべんとうばこのうた」「しあわせならてをたたこう」など親子で一緒に手遊びで楽しめる歌が6曲収録されています。
- 著者
- La ZOO
- 出版日
この『てとてであそぼうひげじいさん』の絵本は、ボタンを押すと、ピアノ伴奏と共に歌声が流れるタイプのものです。また、遊び方のガイドもついているので、知らない曲や手遊びの仕方が分からない曲があっても安心して遊べます。
子どもの成長過程を見られるのもこのようなタイプの絵本の楽しみ方といえるでしょう。最初は「ボタンを押す、音が出る」というだけで喜んでいたのが、だんだんと親の真似ができるようになり、そのうちにリズムに合わせて手をたたけるようになる、という具合です。そしてなんといっても、歌を歌い始めたとき、大きな成長を感じるのではないでしょうか。舌っ足らずで音程もあやふや、でもそれがたまらなく可愛く、成長が嬉しく思えますよね。
イラストもとても可愛らしいので、ページをめくるだけでも楽しめますよ。ぜひ手にとってみてください。
スタジオジブリの映画から選んだ6曲が入った絵本。厚い紙でできたボードブックなので、赤ちゃんがめくっても簡単には破けず、小さくて軽いのでバッグに入れての持ち運びも楽です。
収録曲は、「さんぽ」(となりのトトロ)、「きみをのせて」(天空の城ラピュタ)、「がけのうえのポニョ」(崖の上のポニョ)、「ルージュのでんごん」(魔女の宅急便)、「いつもなんどでも」(千と千尋の神隠し)、「となりのトトロ」(となりのトトロ)となっています。
イラストは、坂崎友紀と凹工房の2人。複数のイラストレーターによる作品のためか、ページによって画風がまったく違うのも、この本の面白さのひとつです。
- 著者
- ["坂崎友紀", "凹工房"]
- 出版日
ミニミニえほんというだけあって、本当に小さい本です。先述の『ななちゃんとうたおう うさぎのダンス』よりももっと小さく、大人の片手ぐらいの大きさ。
赤ちゃんとのおでかけはどうしても荷物が多くなりますから、他の荷物と一緒にバッグに入れて持ち歩くには、こういう小さくて遊べる本は重宝するのではないでしょうか。
ジブリ作品を子どもに見せたい・一緒に見たいという親御さんはいらっしゃると思いますが、何しろ、映画は長い!そこで、赤ちゃんが小さいうちはジブリの音楽に親しんでもらうために、この本はおすすめです。
※原曲のほとんどはオーケストラ演奏だと思いますが、これはあくまでも赤ちゃん向けの本で、楽器による演奏ではなく電子音であることを申し添えておきます。
以上、1歳児におすすめの絵本でした。
本棚から本を全部引っ張り出してしまう本棚荒らしの常連さんにもぜひ読み聞かせを続けてみてください。
その際に物語から脱線しながらも、食べ物の話なら「おいしそうだね」「この野菜は何だっけ?」、車の話なら「かっこいいね、乗ってみたいね」「どんな音ではしるのかな?」、動物の話なら「今日公園で見たね」など、たくさん声がけしてあげましょう。そのうちに自分が読んでほしい本だけを選んで持ってくるようになるかもしれません。