絵本作家ののぶみは1978年東京都生まれ。少年時代にいじめや不登校を経験し、絵本が好きだという現在の奥様の一言がきっかけで、日本児童教育専門学校在学中に絵本を描きはじめ、1999年に『ぼくとおなべ』で絵本作家デビューします。
のぶみは、子どもたちに喜んでもらうことを一番に考え、子どもたちのために作品を描いてるそう。そのため、ほぼすべての絵本に自身の子どもをモデルにした「かんたろう」「アンちゃん」が登場します。絵本作品は、2017年現在、約160冊以上にもなります。
のぶみの活躍は、絵本作家だけにとどまらず、TVアニメやいろいろなキャラクター制作、復興支援などの社会貢献と幅広く、情報番組などでも数多く取り上げられています。また、自伝やエッセイなどの作品もあります。
シンガポールに住む小学生の作文を原案に描かれた、子どもと親の向き合い方に問題定義するようなのぶみの絵本です。大人にとっては、今や欠かせない便利なツールのひとつであるスマートフォンですが、子どもにとってはそんなことは関係ありません。
家事や育児の間に、スマートフォンをついつい見てしまうということは、誰にでもありますよね。ほんのちょっとのつもりでも、子どもにとっては長く感じたり、孤独を感じたりしてしまうようです。切ないかんたろうの思いが、ひしひしと伝わってきます。
それでも、子どもなりにガマンしたり、どうしたらいいか考えたりしている姿が、とっても健気です。「ママのスマホになりたい」という気持ちになったかんたろうのことを思うと、親としては、胸が締め付けられる思いになるのではないでしょうか。
- 著者
- のぶみ
- 出版日
- 2016-08-08
世界中が感動した作文を原案にしたのぶみのこの絵本は、是非、多くのママとパパに読んでほしい作品のひとつです。わかっていても、忙しい日常に追われ、過ごしてしまいそうですが、スマホを置いて、子どもたちの顔を見て話を聞いて、貴重な親子の時間を大切に過ごしてみたくなるはずです。
のぶみの人気絵本「ぼく、仮面ライダーになる!」シリーズの一作目です。仮面ライダーが大好きで、仮面ライダーになりたいかんたろうが、どうやったら仮面ライダーになれるか、何が必要で何が足りないのか、子どもなりに試行錯誤して、いろいろ学んでいくというストーリーです。
かんたろうは、仮面ライダーになるにはどうすればいいか考えます。牛乳パックで仮面ライダーのベルトを作ったり、自転車をダンボールで改造したり、歴代全員の仮面ライダーの変身を覚えたりと、やれることはすべてやります。ですが、仮面ライダーにはなれません。
あるとき幼稚園で、いつものように悪いことをするゴンちゃん見て、かんたろうは、仮面ライダーならどうするか考えます。仮面ライダーだったら、絶対に、見て見ぬふりをしたり、逃げたりしません。怖いけど、勇気をふりしぼって、ゴンちゃんに挑みます!
- 著者
- のぶみ
- 出版日
- 2010-02-26
大好きな仮面ライダーになりたくて、いろんなものを作って、いろいろ試すけれど、最初は、どうして仮面ライダーになれないのかわかりません。でも、仮面ライダーのように、悪いことを悪いと言える勇気をもったとき、かんたろうは仮面ライダーになれたのです。仮面ライダーを知らなくても楽しめる、爽快でパワーをもらえる熱いのぶみの絵本です。
新幹線のしんかんくんとかんたろうとの、心温まる友情物語です。主人公となっている新幹線のしんかんくんのキャラクターが、とてもかわいらしいのぶみの人気絵本シリーズです。
かんたろうはしんかんくんが大好きで、いつもしんかんくんのホームに会いに行っていました。2人はとっても仲良しです。ところが、そんなかんたろうが、来なくなってしまいます。しんかんくんは、心配になって、かんたろうに会いに行くことを決め、ホームを飛び出してしまいます。
しんかんくんは、他の電車の上に乗ったり、街中へ出て行ってしまったり、かんたろうに会いたい一心で、騒ぎを起こしてしまいます。そんなしんかんくんを助けてくれたのが、せんろくん。最初は、しんかんくんを説得しますが、しんかんくんのかんたろうへの思いを知り、協力してくれます。
- 著者
- のぶみ
- 出版日
風邪で寝込んでいたかんたろうですが、大好きなしんかんくんが会いに来てくれたので、元気になりました。そして、2人の友情が深まったのは言うまでもありません。子どもが大好きな乗り物が主人公という、のぶみのこの絵本は、子どもだけでなく大人の心もわくわくさせるファンタジーが詰まった物語です。
絵本のタイトル通り、しかけがないのに「しかけえほん」です。表紙だけ見ると、どういうことなのか全くわかりませんよね。しかし読んでみると、なるほど!と目からウロコがでる、カラフルでとっても楽しいしかけ絵本なのです。
絵本自体に「しかけ」はありません。ページいっぱいに描かれている絵やアイディアいっぱいの絵をつかったり、絵本そのものを動かしたりして、子どもも一緒に参加して遊びながら読み進めていき、ストーリーを体感するというしかけの絵本です。
鳥の絵は、絵本をバタバタさせて飛んでる姿を演出したり、鬼が出てくる場面では、本をゆさぶって臨場感をだしたり、ボタンの絵をおすと動物の声がするというページでは、子どもがボタンの絵をおすタイミングで、読み手が鳴きまねをしたりします。
- 著者
- のぶみ
- 出版日
- 2016-03-16
「しかけのないしかけえほん」だからこそ、読み方と工夫によって、いろいろな「しかけ」になるということです。のぶみのこの絵本に沿って想像力をふくらませ、子どもと一緒に対話しながら、いろいろなパターンで、繰り返し楽しめるのではないでしょうか。
多数のベストセラーを生み出している絵本作家のぶみの作品より、ほんの一部を紹介しましたが、どれもテーマは、異色の経歴の持ち主だからこその「人生で大切なこと」というシンプルなものです。子どもの心はもちろん、大人の心もつかむこと間違いないです!