寝かしつけにぴったりのおすすめ絵本15選!気づけばスヤスヤと夢の中へ

更新:2021.12.18

早く子供を寝かしつけたいのに、いつまでも元気に興奮している子供は眠そうな気配を見せない……よくあることです。元気な子供の心を落ち着かせ、スムーズに眠りにつかせるための寝かしつけにぴったりなおすすめの絵本を15冊紹介します。

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定番の寝かしつけの絵本

この寝かしつけ絵本は、寝る前の子うさぎが自分の目に映るもの一つ一つにおやすみのあいさつを言っていく、シンプルなお話です。緑色の壁のおしゃれなお部屋には、いつも子うさぎを見守ってくれる額縁の絵がかかってあり、うさぎのおばあさんはベットで横になる子うさぎを見守っています。

いつも自分の周りにあるものが、当たり前に自分のそばにいてくれる安心感を感じながら、子うさぎはうとうとと眠りに落ちていくのです。今にも眠ってしまいそうな子うさぎを見守るおばあさんは、とても小さな声で「しずかにおし」とさとします。子供がいつまでもおしゃべりをしていたら、うさぎのおばあさんになりきって声をかけてあげるのも楽しいですね。

著者
マーガレット・ワイズ・ブラウン
出版日

部屋の中は落ち着いた色合いで描かれていますが、額縁などがクローズアップされる場面はモノクロで描かれています。ハッキリした色合いばかりだと頭がすっきりして目が覚めてしまいそうですが、この絵本全体の色使いは心を落ち着けてくれることでしょう。

子うさぎが一つ一つ、目に映るものに「おやすみ」を言っていくことで、読み手も聞いているほうも、ゆっくりと心を落ち着けていくことができます。部屋が真っ暗になってから何かの物音が聞こえても、この絵本を読んだ後なら怖がらず、気にせずに眠ってくれるかもしれませんね。寝かしつけにぴったりの作品です。

こんないすがあったらいいな

『ねむりいす』は、ねこのお父さんが家に持って帰ってきた不思議ないすの物語です。幼稚園の年少さんくらいから、寝かしつけの際に読み聞かせてあげるのがおすすめです。

お父さんが家に持って帰ってきたいすは、座ると誰もが眠ってしまうという不思議ないす。こんないすが現実にあったら、世のお母さん方は夜泣きする赤ちゃんを即座に座らせたいと思うかもしれません。ねむりいすは不思議ないすで、捨てても壊しても元通りになってしまいます。ちょっと不気味な気もしますが、ねこの家族はねむりいすにピンチを救ってもらうのです。

著者
ゆーち みえこ
出版日
2007-10-01

大きないすにちょこんと乗っているねこのぼうやがとてもかわいらしく、また座ると眠ってしまうという面白い設定も、すんなりと読む人を物語に引き込んでいきます。

最後はねむりいすが大きな木に変身するというサプライズがあり、子供たちはストーリーの面白さを味わえるのではないでしょうか。

いつまでも眠ろうとしない子供がいたら、「ねむりいすのところに連れて行こうか?」と声をかけてあげれば、案外素直にベッドに向かってくれるかもしれません。

穏やかな夜がながれる、寝かしつけに最適の絵本

表紙の絵は少し怖そうな雰囲気ですが、中身は怖くありません。この絵本の中の、男の子の周りにあるイス・テーブル・戸棚・お皿が音楽にのって静かに踊り始めるシーンが、独特の世界観をつくりあげています。

男の子はお皿が落ちてしまう音で一度目が覚めてしまいますが、不思議な音楽が消えると、再び静かな眠りに落ちていきます。夜中に目が覚めてしまって怖いと騒ぐ子供も、物語の中の男の子が落ち着いている様子を見て、安心するのではないでしょうか。

著者
ユリ シュルヴィッツ
出版日

男の子が住んでいる家や、それを取り囲む木、さらに空にぽっかりと浮かび上がる月までも眠そうに見えます。作品の中には「ねむいねむい」という言葉が繰り返し使われているので、読んでいるほうも、聞いているほうも催眠術にかかっているかのように眠くなってしまうかもしれません。

カーテンが揺れて、どこからともなく楽しい音楽が聞こえてくると、眠いはずのイスや、お皿がそわそわと動き始めます。お皿が落ちてしまって大きな音がすると、眠っていた猫がびっくり。男の子が目を開けると今まで眠そうにしていたイスやテーブルが、音もなく楽しそうに踊りだします。その様子は、夢の中の出来事のようです。

絵だけのページがしばらく続くと、絵本を見ている子供の気持ちも落ち着くのではないでしょうか。やがて音楽が過ぎ去って静寂が訪れるころには、読んでいる子供もとても安らかな気持ちで目を閉じてくれることでしょう。寝かしつけのつもりで読んであげていたら、自分も一緒に夢の中へと入り込んでしまいそうな絵本です。

好きな生き物が出てくるかな?

『おやすみ おやすみ』は、たくさんの種類の生き物がどんなふうに眠るのかが描かれている、寝かしつけに最適な絵本です。1ページ目から最後まで、背景の色は薄闇を連想させるグレイで統一されています。大きな色の変化はなく、終始暗い中にもぬくもりを感じられる色づかいが特徴的です。

どんな子供でも好きな生き物を見つけられるほど、登場する生き物のバリエーションは豊かです。読んでいくうちに、お母さんやお父さんも知らなかった生き物の寝顔を見つけられるかもしれません。

著者
シャーロット・ゾロトウ
出版日
2014-03-19

絵本の表紙に出てくる男の子が主人公なのかと思いきや、この絵本の主人公はありとあらゆる生き物たちです。ハトは家族や友達とみんなで仲良く身を寄せ合い、とても愛らしい寝顔を見せてくれます。ガは、白いはなびらのように窓に止まって寝る姿を見せてくれます。

アザラシが氷の上で眠るその先には、海に半分影を映した美しい月の姿。シラサギが片足で眠る姿も、クマが冬眠をする姿も、実際に目にすることがなかなかできない光景です。いろんな生き物の、いろんな寝顔を知ることができて、学びにもなります。

最後には星が瞬く夜空と、ぐっすり眠る子供がならび、可愛らしいイラストで締めくくられているので、寝かしつけの「一緒に寝てみようか」という声をかければ子供もその気になってくれることでしょう。

寝かしつけにこんな羊の絵本はいかが?

眠れない夜に数えるものと言ったらひつじですね。広い草原にひつじが現れて……1匹、2匹、3匹。だんだん眠くなることを期待して数えたのに、数えた数だけひつじに囲まれたら大変。メエメエうるさくて、眠るどころではなくなってしまいます。

主人公の男の子はしかたないので、つぎに空に浮かぶ雲を数え始めます。すると今度は、男の子の周りが雲であふれていってしまうのです。

こんなことが起きたら困ってしまいますが、絵本の中の出来事なので、クスっと笑いがこみあげてくるから不思議です。

著者
ヤナキ ヒロシ
出版日

『ひつじのよる』は、えんぴつで書かれたようなタッチの、懐かしい雰囲気の絵本です。

寝る前に子供が興奮して目が覚めてしまったら困りますが、この絵本の中で起こるアクシデントは自然と笑顔になれるような面白いものばかり。

絵本を閉じたら電気を消して、子どもと一緒に「今日は何を数えようか?」と子供の好きなものを数えるのも面白いかもしれません。数を数えるのに夢中でどんどん数が大きくなってきたとしても、数字の勉強になっていい事だと前向きに過ごしたいものです。寝る前にちょっと笑えると、明日もいい日になるような気がしませんか?

韓国の子守歌を覚えよう

『ことりはことりは木でねんね』は、韓国の絵本作家、チョンスニが描いた作品。韓国の子守歌がのっている、寝かしつけにもってこいな絵本で、お母さんと子供がふっくらと柔らかに描かれています。子供に眠ってほしい時、お母さんがこんな風に優しく歌ってくれたら子供もお母さんも大きな幸せに包まれるのではないでしょうか。

物語と同じように小さな子供をお母さんが包み込むように抱き、やさしくささやくように読んであげれば、メロディーがわからなくても子供の心に残る幸せな時間になると思います。

著者
チョン スニ
出版日

この絵本の魅力は何といっても落ち着いた色合いと、柔らかな風合いで描かれたお母さんと子供の絵です。文字がわからず見ているだけの子供にとっても、頬を赤く染めたお母さんと子供が寄り沿う姿に母親の深い愛情を感じられるのではないでしょうか。

歌がうまくない、気恥ずかしい、そんな理由で子守歌を歌ってあげないお母さんが増えているそうです。子供にとっては、どんな歌声でもやさしいお母さんの歌声です。愛情をこめて読んであげて、寝る前にはお母さんの好きな子守歌を歌ってあげると子供はとても喜ぶと思います。

寝かしつけに読んであげたい癒しの絵本

寝る前になっておしゃべりが止まらない子供、いますよね。今日が終わってしまう前に今日の出来事を全部お母さんに知ってほしい。そんな気持ちが隠れているのでしょうか。

『よるくま』に登場する男の子は眠る前に、お母さんにある出来事を話します。それは、母クマがいなくなってしまった子グマと男の子が一緒に、母クマを探しにいったというお話。彼は自分のお母さんに、一生懸命そのことを伝えるのです。

寝る前にお母さんがそばにいてくれないと、とても不安になるものですね。男の子はお母さんがいなくて泣いている子グマのために、手をつないで一緒に母クマを探してあげます。

著者
酒井 駒子
出版日

子グマの手を引いて男の子が夜の街を歩くシーンは、子供にとっては未知の世界ですね。実際に夜の街を歩いたことが少ない子供たちは、少しの興奮と不安を抱えながら男の子と子グマを見守ることでしょう。夜の街を歩き回っても、子グマのお母さんは見つかりません。ついに子グマは泣き出してしまいます。男の子は不安な気持ちに共感し、安心させようと子グマをぎゅっと抱きしめます。

でもその後二人が流れ星を捕まえると、その先に母グマがいました。男の子と子グマが安心して眠りにつく頃には、絵本に夢中になっていた子供もほっとして眠くなってしまうことでしょう。

子グマのお母さんは、お仕事をしていました。釣ってきた魚は明日の朝食べて、残りのお魚を売ったお金で、子グマに自転車を買ってあげる。母クマのその思いは、日々働いているワーキングマザーの心に触れるのではないでしょうか。外で働いて帰ってきて、可愛くて温かいわが子を抱きしめる瞬間は至上の幸福です。

はやくベッドに飛び込みたくなる絵本

ベッドに入るのが楽しみで仕方なくなってしまう寝かしつけ絵本、それが『旅するベッド』です。主人公の表情はとても豊かで、言葉をまだしゃべり始める前の子供にもおすすめです。ベッドに入って呪文の唱えてから眠れば、旅に出られるというベッド。本当にあるならば、大人でも欲しくなります。

登場する男の子はお父さんと一緒に古いけど不思議とワクワクさせられるベッドを買って、一生懸命キレイに掃除します。こんなシーンがあれば、古い物を大事にする心もはぐくまれますね。そして、自分だけの魔法の呪文を唱えて眠ると、魔女や海賊に会う事が出来るんです。

著者
ジョン バーニンガム
出版日

男の子がお父さんと一緒に選んだ不思議なベッド、お母さんは中古よりも新しい物を望むかもしれません。でも子供にしか見えないロマンチックな夢の世界への扉が、不思議なベッドには隠されています。

男の子はお父さんと一緒に、その古ぼけたベッドを隅々まで洗ってきれいにします。古いものでも丁寧に扱って手入れをすることは大事です。うす汚れたベッドがきれいになっていく様子は見ていてすがすがしいものです。

絵本を最後まで読んだら、子供に自分だけの呪文を作ってもらいましょう。その呪文を唱えれば眠りに落ちた後の世界は自由自在。子供がそんな風に思えれば、寝かしつけもスムーズにできるのではないでしょうか。

のんびりと旅するはりねずみが可愛い

この寝かしつけ絵本には、胸がドキドキするようなシーンも、息が詰まりハラハラするようなシーンも出てきません。出てくるのはお友達の家に向かうはりねずみと、はりねずみが出会ういろんな生き物たちです。

日が沈んでからはりねずみは、のいちごのはちみつを持って家を出ます。こんな時間にどこに行くのかと思いきや、お友達のくまの家に行って二人で夜空の星を数えるのです。お友達とお茶を飲みながら夜空の星を数える。なんて素敵な約束なんでしょう。晴れた日の夜にこの絵本を読んだらついつい外に出て、星空を見上げたくなるかもしれませんね。

著者
["ユーリー ノルシュテイン", "セルゲイ コズロフ"]
出版日
2000-10-25

はりねずみが道中で出会うのは不思議なものばかりです。水たまりの中に浮かぶ星や、返事をする井戸、そして真っ白な霧に包まれた真っ白な馬。はりねずみは真っ白な霧に馬が包まれていくのを見て、馬が霧に溺れてしまわないか心配になります。

きれいな音を奏でる銀色のガが登場すると、はりねずみは音に合わせて踊りだします。こんなガが本当に現実世界にいたら、一度はこの目で見たいと思うことでしょう。霧の中には不思議な生き物だけでなく、得体の知れないばけものも現れます。はりねずみは大ピンチに見舞われ川に落ちてしまいますが、川の主がはりねずみを助けてくれるのです。

ついにお友達のクマに会うことができたはりねずみは、とまらないクマのおしゃべりを聞きながら、満点の星を見上げます。はりねずみの身に起きた数々の不思議な出来事を知っている読み手の子供は、はりねずみと秘密を共有したような、くすぐったい気持ちになるかもしれませんね。

僕とお月さまとの友情を描いた心が温かくなる物語

アルジェリア生まれの作者が描いた絵本に、絵本作家であり翻訳家としても知られる、きたやまようこが日本語で文章を描いたどこまでも優しい気持ちになれる作品です。

ある日、お月さまと出会った僕。一緒にいると黙っていても楽しくて、こんなにウキウキ、ハラハラ、ドキドキしたのも初めての経験です。一緒にいるとあっという間に時間が過ぎて、夜明けが来るとお月さまが消えてしまうので、僕は家に招待しました。一緒に歌って踊って、時間を忘れるほど夢中になって。そしてその気持ちを他の誰かにも伝えたくなって……。こんな素敵な気持ちをくれた友達との、最高のめぐり逢いの物語です。

著者
["アンドレ・ダーハン", "きたやま ようこ"]
出版日
1999-06-25

お月さまの驚いた表情、男の子と一緒にはしゃぐ様子、吊り下げられた紐が切れそうになる時の哀しそうな顔。全ての表情や仕草がユーモラスで生き生きと描かれ、お月さまの声まで聞こえて来るようです。

全ての絵が、男の子とお月さまの気持ちを表していることにも注目です。お月さまが水に落ちそうになる場面では全ての物が色を無くしてお月さまも白く描かれ、2人ではしゃぐ場面では子どものクレヨン画のように楽しさが前面に描かれ、絵を見ているだけで2人の気持ちが伝わってきます。また、一本一本の線が柔らかく、水面や空の色の移り変わりなど、淡い色遣いの色彩が物語の優しさを更に際立たせています。

そして、お月さまと男の子が触れ合う時の嬉しそうな様子。お互いがお互いを思いやる気持ちに溢れています。文章がシンプルで短く綴られているからこそ子どもにも分かりやすく、友達ができるって素敵だなと心から感じることができるはずです。

お月さまを探す大冒険、ユーモアに溢れテンポよく読める一冊

デンマークの国民的作家、イブ・スパング・オルセンが描くユーモアたっぷりの作品。縦長の形が、つきのぼうやの冒険の魅力を更に際立たせています。

お月さまは、ある晩見つけた池の中にいるもう一つのお月さまのことが気になって仕方がありません。そこでつきのぼうやの登場です。お月さまに頼まれて、もう一つのお月さまを探す旅に出掛けます。

空からどんどん降りて行くつきのぼうや。途中で星を蹴飛ばし、雲を潜り抜け、渡り鳥や凧に出会い……。お月さまを探す旅は続きます。お月さまのように丸いボールやりんごも見つけましたがお月さまではありません。街を通り過ぎ船着き場を越えて、たどり着いたのは水の中。しかし、いるのはお月さまとは大違いの魚ばかり。

さて、つきのぼうやは無事にもう一つのお月さまを見つける事ができるのでしょうか?

著者
イブ・スパング・オルセン
出版日
1975-10-20

つきのぼうやが空から地上に降りて行く間に出会う、たくさんの物や人がどれもユーモアに溢れどんどん読み進めたくなってしまう作品です。

つきのぼうやに出会った時の人々の反応も様々で、びっくりして目を丸くする人もいれば、嬉しそうに手を振る子どもも。男の子がつきのぼうやだと分かっている子どももいれば、全く信じようとしない大人もいる。この大人と子どもの反応の違いも見ていて面白いですよ。

そして、ラストのお月さまの様子がなんとも微笑ましく、幸せな気持ちにさせてくれます。

子どもの想像力に丁寧に答えてくれる一冊

月に行ってみたいという子どもの思いをしっかりと受け止め、形にしてくれる作品です。

月に行くためにはどんな方法が想像できるでしょうか?山を登って塔を作りはしごで雲を乗り継いでいく?それとも風船で空を飛ぶ?小学生が3億人繋がってやっと届くほど、遠くにある月。ロープを登れば120年、はしごでは60年くらい、エレベーターでは1年。こんなに上り続けられませんよね。では、15日でたどり着くと言われている飛行機はどうでしょう?それも残念ながら無理なようです。

そこで考えられたのがロケット。本を丁度半分読み進めたところに、見開きで大きなロケットが細部に渡って描かれています。そして、その後のページには宇宙での生活についてや地球から月への道のり、ロケット以外に現在考えられている月に行く方法が詳細に描かれています。

図鑑のように分かりやすく描かれた内容に、子どもの好奇心はきっと刺激されることでしょう。いつの時代も子ども達の憧れである月への旅が少し身近に感じられますよ。

著者
松岡 徹
出版日
2014-09-03

大きな月を見ていると、すぐにでも手が届きそうだと考えたことがある人も多いのではないでしょうか?近いようでも遠い月。どうして飛行機では行けないの?上って行くとしたらどのくらいの時間が掛かるの?といった、子どもの疑問に真剣に丁寧に答えてくれる作品です。

ロケットの作りも子どもには難しいのではないかと思うほど詳細に描かれていますが、だからこそ子ども達は自分でその言葉を読み取り理解しようと頭を働かせるのでしょうね。詳細な説明の中でも、全て子どもが知っている分かりやすい言葉で説明が書かれていますし、漢字にもルビが振られていますのでじっくりと読めば必ず理解できるように描かれています。

もちろん子どもだけではなく、大人が読んでも興味深い内容ばかり。ぜひ親子で、月への憧れを現実のものへと近付けてみてくださいね。

子どもへの優しい愛情にあふれた作品

作者は代表作『はらぺこあおむし』など、鮮やかで一度見ると忘れられない絵と温かなストーリーで世界中の子ども達から愛されるエリック・カール。あっと驚く仕掛けと子どもへの愛にあふれた作品です。

ある晩、窓からお月さまを見ていた女の子のモニカ。お月さまと遊びたくて、パパにお月さまをとってと頼みます。すると、パパは長いはしごを持ってきて高い山のてっぺんに立て、ついにはお月さままで上ってしまいました。でもお月さまはあまりにも大きくて持って帰ることができません。そこで、お月さまが毎晩小さく小さくなってからモニカの元へと持って帰ったのです。

モニカは大喜び。しかし、その間にもお月さまはどんどん小さくなりついには消えてしまいます。お月さまにはもう会うことはできないのでしょうか?

著者
エリック カール
出版日

長いはしごが登場する場面は見開きで本当に長いはしごが描かれ、大きなお月さまはページをめくると突然現れるあっと驚く仕掛けで描かれ、子ども達が歓声をあげること間違いなしです。見開きのページには子ども達にめくる方向が分かりやすいように矢印が描かれるなど、どこまでも子どものことを考え作られたのだということが伝わってきます。

自然にできた模様のように描かれたお月さまの顔はどの表情も穏やかで、お月さまに顔があったら本当にこんな表情なのかもしれないなと思わせてくれます。そして、毎晩少しずつ小さくなっていくお月さまの様子。自然と月の満ち欠けについて学ぶこともできますね。

「パパ、あのお月さまとって!」という娘の言葉から生まれたというこの作品は、娘へのそして全ての子ども達への愛情であふれています。

主人公の純粋な気持ちを応援したくなる一冊

何度失敗しても諦めない姿と月夜の美しい景色に癒される作品です。

主人公は、お月さまを初めて見たもぐら。キラキラ光るお月さまがどうしても欲しくて、あの手この手でお月さまを取ろうとします。棒で突こうとしたり、どんぐりを投げてみたり……。周りの動物からはお月さまは遠くにあるから無理だよと言われますがどうしても諦めきれません。そこで今度は高い木に登ってみることにしました。やっとの思いで登り切ったと思ったらなんと木から落ちてしまったのです。

目標に向かって頑張るもぐらは、お月さまをつかまえることができるのでしょうか?

著者
ジョナサン エメット
出版日

もぐらの何度でも諦めずに挑戦する姿に、いつしかエールを送っていることに気付きます。この純粋な気持ちはきっと子どもの姿そのものなのでしょうね。そして、もぐらが落ち込んでいる時に傍に来て慰めてくれる仲間の動物達。その優しさもじんわりと心に沁みわたります。

ラストの台詞は、もぐらが自分の目標に向かって思い切り挑戦したからこそ分かった成長の証の一言に感じます。きっと子どもも同じで、周りから教えてもらった情報ではなく、自分でやってみて初めて分かる事があるのでしょうね。

すべてのページに描かれたお月さまの美しさにも癒されながら、ぜひ親子でゆっくりと読んでみてくださいね。

スキンシップが大好きな子に贈る寝かしつけ絵本

日本人の親子がおやすみのキスをするのは、子供が本当に小さい頃だけかもしれませんね。この絵本の作者はアメリカ人のカレン・カッツ。日本にはない風習のあいさつ代わりのキスが、寝る前に繰り返されると言うお話です。

絵本を読み進めていくと、おやすみのキッスをしてくれるキャラクターが次々と現れます。お母さんだけでなく、おじいちゃんやおばあちゃん、そして兄弟までもキスしてくれるのです。絵本のマネをしてたくさんキスしてあげると、お母さんも子供も楽しくてテンションが上がってしまうかもしれませんね。

著者
カレン・カッツ
出版日
2003-09-30

この絵本では、ただ単にキスするだけでなく、カウントダウンしながらキスしていきますので、リズム感も楽しめます。絵本に出てくるお部屋のデザインもかわいらしくて、赤ちゃんの表情もとても愛らしいのです。

子供が大きくなっても、「こんな風にあなたを愛して育てたんだよ」と伝えてあげられる作品でもあります。赤ちゃんに限らず、幅広い年齢の子供に読み聞かせてあげたい寝かしつけ絵本です。

いかがでしたか?眠れ眠れと催眠術のように唱える絵本もあれば、夢の世界が楽しみでベッドに飛び込みたくなるような絵本もありました。子供の年齢や好みに合わせて選んだり、プレゼントにもおすすめの絵本ばかりでしたね。

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