怖い絵本おすすめの7選!奇妙でダークなお話

更新:2017.4.14

不思議で奇妙でダークな世界、子どもだけでなく大人も魅了される、怖い絵本。物語の巧妙さには、大人でも背筋がゾっとする思いをするかもしれません。怖いもの見たさでつい身を乗り出してしまう、おすすめの怖い絵本を紹介します。

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鏡が見れなくなるかもしれない怖い絵本『かがみのなか』

表紙の絵からして怖さが伝わってくる『かがみのなか』は、直木賞作家・恩田陸の作品です。どこに行っても、必ずどこかにあるかがみ。もしかしたらその向こうに、別の世界があるかもしれない。そんな想像をしたことはありませんか?

この物語は、かがみを覗いた女の子が、いつの間にか現実世界とかがみの世界を入れ替わり、帰ってこれるのかどうかわからないという恐ろしい内容です。何よりも不気味なのは、主人公の女の子の表情だと思います。

何を考えているのかわかりづらい小さな目と、もんしろちょうをむしゃむしゃ食べる顔、全てが恐ろしすぎます!

著者
恩田 陸
出版日
2014-07-21

かがみの中の世界が、少しづつ現実世界を侵食する恐怖を感じる『かがみのなか』。絵本に使われている言葉は単調なもので、それがまた恐怖を引き立てます。

かがみの中から女の子が手を伸ばし、現実世界にいる女の子の手をつかむシーンは、夢に出てきそうなほどの不気味さです。この絵本を読んだ後は、街中や学校でかがみを見るのが怖くなってしまうかもしれませんね。

『いるの いないの』あなたは見ずにいられますか

この絵本は、心臓の悪い人や小さな子どもは見ないほうがいいかもしれません。物語自体はそれほど恐怖にみちたものではなく、どこか懐かしい雰囲気の家屋が舞台です。しかし、ラストに近づくあるページに、大人でも驚くほど恐ろしい絵が待っています。

この物語は、突然おばあさんの古い家で暮らすことになった男の子が主人公です。その家は田舎にあり、古いつくりで、天井が非常に高く、てっぺんには小さな窓があります。首が痛くなるほど見上げてじっと見ていたくなるような、不思議な天井です。

著者
京極 夏彦
出版日
2012-01-28

男の子は古い家の高い天井の窓のそばに、恐ろしい男の顔を見つけます。もうこの設定だけで怖がりな人は逃げ出したくなるかもしれません。

一緒に暮らすおばあさんは男の子の不安を消してくれるどころか、その天井の男の顔と共存している様子。男の子がいくら天井の顔について話しても、見なければ存在しないのと同じとばかりにまともに取り合ってくれません。

天井からこちらを見ている恐ろしい男の顔は、ただ下を見ているだけです。何か危害を加えるわけではありません。それでも、子どもは好奇心に勝てずに何度も見上げてしまいます。本を閉じた後、ふと天井を見上げたら……。

不思議でぞくっとする、大人が読んでも面白い怖い絵本 『あずきとぎ』

京極夏彦絵本をもう1冊。

少年は夏休みにおじいさんが住む田舎へとやってきました。そこは何もない自然に満ちた場所。そこに、何やら奇妙なしょきしょきしょきという音が聞こえてきます。おじいさんは、少年にその音はあずきとぎだと言うのでした……。

著者
京極 夏彦
出版日
2015-03-02

子供には、一度読んだだけではわかりにくいかもしれないこの絵本は、抑えられた記述と、陰影に富んだ挿絵で、読者の想像を呼び起こし、恐怖をかきたてます。音だけの妖怪あずきとぎは、本当にいたのか、それともただの言い伝えなのか。 

実際に妖怪が出てこないからこそ、得体の知れない不気味さがただよい、子供よりも大人の方が読後の怖さを感じるかもしれません。登場するのは主に少年とおじいさんと、犬。犬の目線が、何かを感じ取っているようで、見えないものが少年を見ている……そんな考えも浮かんでくるような構図の絵が、作品をさらに怖ろしく雰囲気のあるものにしています。 

少ない言葉と1枚1枚の絵で伝えるストーリーは、想像によってより膨らんでいく恐怖を感じます。

教訓なのか警告なのか……怖い絵本『悪い本』

この絵本は、未就学児には向かないかもしれません。表紙には何の変哲もないぬいぐるみの並ぶ本棚が描かれています。しかし、表紙を開くと、悪い本が語り掛けてくるのです。

悪い本は、この世の中で一番悪いことを知っていると言います。世の中で一番悪いことって何でしょうか。物事の良し悪しを学ぶ時期にある小学生には、教訓となるかもしれません。

主人公の幼い女の子は、悪い本の語りかけにおびえながら森を歩きます。すると、大人になった自分がいつか人を憎むことがあると聞かされるのです。

著者
宮部 みゆき
出版日
2011-10-08

主人公の女の子が森の中で出会うのは、誰かにのどの部分を破られ綿がはみ出している猫のぬいぐるみとそれにたかる無数の蟻、そして女の子の足に縋りつく不気味な猿のぬいぐるみです。彼らを取り囲む森は闇に包まれていますが、そのタッチはまるで、時間がたって変色した血にまみれたようにも見えます。

最後のシーンでは、助けを求め森から逃げ出そうとする女の子の前にとてつもなく大きな熊が立ちはだかり、その後彼女がどうなったかは、謎に包まれています。

「あなたがわたしをわすれても、わたしはあなたをわすれない」(『悪い本』から引用)

物語の最後を締めくくるこの言葉は、教訓なのか、それとも悪い道に迷いこまないための警告なのでしょうか。

『あけるな』と言われると、あけたくなりますね

あけるなと言われると開けたくなるのが人間というもの。『あけるな』は、目の前の扉を次々に開けていき、読み手が旅をしている気持ちになれる絵本です。

一番最初の扉には、「あけるな」と警告の文字がありますから、どこか危険な場所へ通じているのかもしれない……そんな不安を抱きつつ、読み手はページをめくることでしょう。しかし、扉を開けるとそこに広がるのは幻想的な雰囲気に包まれた森でした。扉の向こうに何か恐ろしいものが待っているのかと思って再びページに手をかけても、また似たような森に出ます。
 

著者
谷川 俊太郎
出版日
2006-12-01

物語の序盤は読み手の不安をあおるような演出がされていますが、恐ろしい出来事は何も起こりません。しかし、いくつかの扉を開けていくと、突然真っ暗闇に入り込みます。その扉がどこか不思議な世界と現実とをつなぐ扉なのかもしれません。

物語が終わりに近づくと、動かなくなった誰かの背中が出現し、読み手は現実とは思えない世界にだんだんと迷い込んでいきます。そして最後の扉に手をかけると、その扉だけはびくともしないのです。開けてはいけない扉だったのでしょう。無理な力を入れてその扉を開けると、その先は、絵画の中の世界でした。

扉を開け続けた誰かはどうなったのでしょう?奇妙な世界観にいつの間にか引き込まれる不思議な絵本です。

子どもの好奇心をくすぐるおばけの世界『ねないこだれだ』

宇宙人、怪物、おばけ……どうして人は得体の知れないものに、こうも興味をもってしまうのでしょうか?それは大人だけではありません。小さな子どもだって同じです。むしろ、小さな子どもほど未知のものに興味をもち、純粋にそれを受け止めます。

「怖いけど知りたい。でも、やっぱり怖い」、そんな子どもたちの微妙な心理をくすぐる絵本が、この『ねないこだれだ』です。くすぐると言っても、笑い転げるような内容の絵本とは違いますよ。小さな子どもたちからしてみれば、その後の人生に大きな影響を与えてしまうかもしれないほどの、怖いお話なんです。

この『ねないこ だれだ』は、おばけが夜遅くまで遊んでいる子どもをおばけにして、そして最後はおばけの世界へ連れ去ってしまうという、子どもが読む絵本にしては随分怖い内容になっています。

著者
せな けいこ
出版日
1969-11-20

闇の中に光る眼や、ふくろう、黒猫、ねずみ、泥棒の演出が、陽の当たる昼間とは全く違う‟夜”の世界へ子どもたちを誘います。

「よなかに あそぶこは おばけに おなり」(『ねないこだれだ』より引用)

こういったシーンもありますが、決して恐怖心をあおった作品ではなく、子どもたちの「こわい、でも知りたい!」という‟好奇心”にスポットライトを当てた作品なのです。現実とは違った世界は子どもたちの好奇心や探求心を養ってくれるでしょう。

物語を読みながら、「早く寝ないと本当におばけがやってくるの?」、「おばけの世界って本当にあるの?」と子どもたちの疑問が次々とわき上がります。親子でおばけのでる世界を存分に楽しみたい絵本です。

絵からは想像できない!怖い絵本『たべてあげる』

全編を通してリアルな風合いで描かれたりょうたくんにくぎ付けになるこの絵本。『たべてあげる』には、二人のりょうた君が登場します。

一人は本物のりょうたくん、そしてもう一人は、りょうたくんが嫌いな食べ物を残さず食べてくれる小さなりょうたくんです。最初はコップの影からひょっこり顔を出して可愛らしい偽物のりょうたくんですが、本物が残した野菜を食べていくうち、だんだんと二人の大きさが入れ替わっていきます。

本物のりょうたくんが気が付いたときにはもう、偽物が自分よりも大きくなってしまうのです。大人でもゾっとする展開ですね。本物のりょうたくんはどうなってしまうのでしょう?

著者
ふくべ あきひろ
出版日

好き嫌いの激しい子どもにぜひ一度読ませてあげたい『たべてあげる』。りょうたくんはなにげなく、お皿にのったピーマンを見て「いやだ」と言いました。すると突然小さなりょうたくんが現れて、「たべてあげる」と言うのです。

表情が乏しい人形のような偽物のりょうたくんと比べて、本物のりょうたくんの心境の変化が、ページをめくるごとに怖いほど読んでいる人に伝わってきます。最初は小さなりょうたくんに甘えて次々と嫌いな食べ物を食べさせていたのに、途中からなんでもかんでも食べ物を横取りされて、不安なりょうたくんを見ていると、読み手までハラハラドキドキすることでしょう。

最後はちいさくなったりょうたくんが、偽物のりょうたくんに食べられてしまいます。この展開は好き嫌いの多い子どもを震え上がらせるものではないでしょうか。

子どもに読ませるのはまだ早い、そんな絵本もありましたね。あまり小さな子どもに読んで聞かせたら、夜一人で眠れなくなってしまうかもしれません。小学校での読み聞かせ会や、友達が集まるお泊り会の夜には、盛り上がって楽しめることでしょう。

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