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ロマンス小説おすすめ作品ランキングベスト5!

更新:2017.4.14 作成:2017.4.14

ロマンス小説というと単に官能小説だと思う方もいるかもしれません。確かにエロティックな描写もありますが、実はそれだけではないのです。揺れ動く心理描写や新しい世界観、史実の面白さなど、楽しみ方は色々。今回は選りすぐりの5作品をご紹介します。

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5位 イギリス版『美女と野獣』

貴族でありながら浪費家で、経済破綻している両親と、美しい妹たちを持つ本好きのマデリンが主人公の物語。彼女は書店で仲良くなった老人から「自分は花嫁世話人であり、城主の花嫁を探しているのだ」と打ち明けられます。

細密画に描かれた城主に一目惚れしたマデリンは、会ったこともない城主アナトールと結婚することを承諾して結納金を受け取り、断崖絶壁の城に暮らす彼のもとに向かいます。しかし、実際に彼女を迎えたのは画とは似ても似つかない、逞しく粗野な印象の男性でした。

更に、アナトールの一族とその城には、ロンドン育ちで理論派のマデリンには想像もつかない秘密が隠されていたのです。
著者
スーザン・キャロル
出版日
2008-07-19
『魔法の夜に囚われて』は一見、『美女と野獣』と似た作品に思えます。しかし、単に恐ろしい外見で忌み嫌われ、優しい娘の心に救われるというわかりやすい内容ではありません。城主一族が持つ能力がそれぞれ違っており、また能力を持たない者もいるところから、アナトールの苦悩は深まり、より奥行きのある内容になっています。

そして、ヒロインのマデリンもまた、本好きで優しいだけの女性ではありません。理論武装し、気になることは納得するまで質問しないと気がすまない性格なのです。本人も自覚するとおり、女性としてはなかなか可愛らしいとはいわれない性格ですが、これが彼女の強さになり、結果としてアナトールの心を溶かす一因となります。

力強く粗野に見えるアナトールの、少年のような傷つきやすい心、そして理屈が第一になってしまうがゆえのマデリンの弱さをそれぞれが認め、互いにさらけ出した時、2人の間には本当の愛が生まれるのでした。

この作品は、一族の宿敵であり、絶滅したはずのモートメインの復讐劇や、アナトールの先祖で悪しき魔法使いプロスペローのいたずらなどが絡み、単なる恋愛物語では終わりません。ファンタスティックでハラハラする物語になっており、様々な面から楽しむことができるでしょう。

4位 すべてを持つ男と何も持たない女

主人公のグレイシー・スノーは、両親の経営する老人ホームで働いてきましたが、一念発起して映画配給会社に就職しました。彼女はそこで、自らの故郷テラローザで撮影する映画への出演契約をしながら、期日通りに現場入りしない元フットボール選手のボビー・トムを連れてくるよう、社命を受けます。

女好きで軽口ばかり叩くボビー・トムに手を焼きつつも、惹かれていくグレイシー。ボビー・トムもまた、四角四面で融通の利かない彼女を初めは疎ましく思いながらも、徐々に気になってくるのでした。
著者
スーザン・E. フィリップス
出版日
かたや富も名誉も手に入れた色男、かたや失職し貧相な体つきにセンスのない外見の30歳の処女。『ロマンティック・ヘヴン』は正反対の男女が次第に惹かれあっていくさまを描いています。

グレイシーはボビー・トムが今まで付き合ってきた女性とは違い、男性に服や装飾品を買ってもらうことを良しとしません。自分の仕事を全うすることに全力を傾ける女性です。

読者もボビー・トムと一緒に、はじめは真面目過ぎるグレイシーにびっくりするかもしれませんが、読み進めるうちに色男の軽口に全力で応戦するグレイシーが可愛らしく思えてくることでしょう。

作品の見どころは2人の関係の変化だけではありません。テラローザの活性のために、町から撤退しようとする企業を止めに入るボビー・トムの母スージーたちの活動、未亡人であるスージーの葛藤や、嫌われ者のソーヤーの過去が明かされるなど、目が離せなくなります。

何より、ボビー・トムとグレイシーのちょっとずれた会話が可笑しい!笑いながらホロリとしたりホッとしたりと最後まで楽しく読める作品です。

3位 危険な男性に守られるスリルと快感

優秀で美しいインテリアデザイナー、スザンヌのビルの借り手として現れたのは、戦闘の名残をとどめ危険なオスの匂いをプンプンさせたジョン。出会ったその日に夕食を共にし、激しく体を交わした二人ですが、このまま愛を深められるかと思いきや、スザンヌのもとに本物の刺客がやってきます。

身を挺して彼女を守るジョン。二人は逃避行しながら愛を深め、なぜスザンヌが狙われることになったのか、真相を確かめることになります。
著者
リサ・マリー ライス
出版日
強くて自信に満ち溢れ、少し陰がある男。ほとんどの女性が興味をかきたてられてしまう男性が出てくる、王道のロマンスです。

ジョンはただ腕っぷしが強いだけでなく、元海軍の特殊部隊SEALにいたこともあって様々な能力を磨いており、機械にも強い。そんな男性が全身全霊をかけて自分を守ってくれるという、まるで青春時代の憧れを体現したような物語です。

スザンヌの所持品やレストランの描写もおしゃれで、読んでいて嬉しくなります。潜伏先でも、自分なりのセンスで居心地の良い場所に変えていく、スザンヌのデザイナー魂には脱帽です。

そして、平穏な日々を送っていた一市民であるスザンヌが、なぜ本格的な刺客に狙われることになったのか?2人は無事に危機を乗り越え、その後も愛を育んでいけるのか?ロマンスにスリルの要素が加わり、ドキドキが止まらない1冊です。

2位 まったく新しいヴァンパイアの世界

新聞記者のベスはある夜暴漢に襲われました。何とか逃げ出した翌日に、2mもある大男が自分の部屋を覗いていることに気付き、パニックになります。実は孤児のベスには出生の秘密があり、大男はベスの父親から頼まれて彼女を守ることになった純血のヴァンパイア、ラスだったのです。
著者
J. R. ウォード
出版日
2008-07-18
書籍以外にも映画やドラマなど、吸血鬼をモチーフにした作品はたくさんあります。しかし、この作品に出てくるヴァンパイアは不死ではなく、血を吸われた人間が吸血鬼になることもありません。

この作品では王の相談役である超俗的存在「書の聖母」がおり、選び抜かれた戦士たちが「黒き剣兄弟団」を結成して、一般のヴァンパイアたちを守っているのです。

一方で彼らを殲滅しようとする、謎の超俗的存在「オメガ」がつくった、ゾンビにした人間たちを操る「殲滅協会(レスニング・ソサエティ)」という組織もあり、兄弟団との死闘を繰り広げていました。

はじめは戸惑っていたベスですが、ラスの気持ちに触れ、ヴァンパイアたちのことを知るうちに、自分の出生とラスの愛を受け入れていきます。そして、王になることを拒み続けていたラスもまた、ベスと触れ合う中で自分の運命を受け入れていくのです。

ラス以外にも、分別あるトール、双子のフュアリーとZ、優秀な医師のハヴァーズなど魅力的なヴァンパイアがたくさん出てきます。迫力ある戦闘シーン、丁寧に構築されたヴァンパイアの世界、人間の警察官ブッチとヴァンパイアの恋なども描かれ、まったく新しい世界観が読者を魅了してやまない物語です。

1位 ロマンス小説の枠を超えた大作

第二次大戦中、従軍看護婦であったクレアと歴史学者の夫フランクは、戦後スコットランドで休暇を過ごしていました。ある日、花を求めてストーンサークルに行った彼女は、岩の裂け目からなんと18世紀にタイムスリップしてしまうのです。

彼女を初めに見つけたのは、夫の先祖ジョナサン・ランダル。彼の元から逃げ出したクレアはマッケンジーの一族に捕らわれ、その城に連れて行かれます。その間、何度となくクレアを守ってくれたのがハンサムな戦士ジェイミー。彼は実は犯罪容疑者でした。

クレアは冷血なジョナサンから身を守るために、ジェイミーと結婚することになるのです。
著者
ダイアナ ガバルドン
出版日
『時の旅人クレア』はロマンス小説でありながら、1巻ではエロティックな描写はほとんど出てきません。運命に翻弄されつつも必死に生きるクレアと、信念を貫き生き残るために、文字通り戦っていた18世紀の男たちが描かれています。背景としてイングランドとスコットランドの歴史も描かれ、壮大な歴史小説を読んでいる気分になります。

信念を持ち、強くハンサムな戦士であるジェイミーが素敵なのは勿論ですが、看護師としての経験と18世紀にはなかった医学の知識で、自分の居場所を作っていくクレアも格好いい女性です。

2巻以降ではついにクレアとジェイミーが愛を深めたり、クレアがフランクとジェイミーのどちらを選ぶのかなど、内容が登場人物にフォーカスしたものになり、ストーリー展開も速くなっていきます。第1部が完結する1~3巻を入手して、一気に読みたくなる物語です。

一口にロマンス小説といっても、内容も魅力も様々です。心も体もドキドキさせられてしまう、そんなとっておきの1冊を見つけてみてください。