いもとようこの名作絵本おすすめ5選!『しゅくだい』など傑作多数

更新:2017.4.24

いもとようこの描く動物や人物は、生き生きとしていて今にも動き出しそう!和紙をちぎって、命を吹き込むように色をのせて描き上げる技法が特徴で、柔らかな曲線で描かれた動物や生き物は、見た人の心をやさしく包んでくれます。

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愛らしい動物とともに心温まるストーリーを描く絵本作家いもとようこ

いもとようこは1944年兵庫県生まれの絵本作家です。金沢美術工芸大学で油絵を学び、教員として働いた後、絵本作家としてデビューしました。

創作童話の他、挿絵作家として幅広く活動。日本の昔話や世界の名作童話の絵本の絵も数多く担当し、図書館や本屋でいもとようこの作品を見ることができます。

柔らかな曲線で描かれた可愛らしい動物や人物はとても可愛らしく、見ているものの心を暖かな気持ちにさせてくれるでしょう。

シンプルな文章とイラストだけの赤ちゃんのための絵本から、柔らかくて優しい雰囲気のイラストでありながら、読んだ後に深く考えさせられる大人こそ読んで欲しい絵本まで幅広く手がけ、2017年現在までに300冊以上の絵本が出版されました。

こんな宿題なら嬉しい!いもとようこの代表作

めえこ先生が「今日の宿題はだっこです。お家の人に抱っこしてもらって下さい。」と言ったものだから、教室のみんなはびっくりします。

「やだ~。」と言っていたもぐらのもぐくんは、嬉しそうに急いでお家に帰りました。もぐくんは、きちんと宿題をできたのでしょうか?赤ちゃんの寝かしつけに、おつかい、ごはんの準備とお母さんは大忙しで、宿題の内容はなかなか言えずじまい。もぐくんの宿題がどうなってしまうのか、展開が気になります。

著者
["宗正 美子", "いもと ようこ"]
出版日

冒頭から宿題が「だっこ」だなんて、宿題の概念が覆されます。表紙をめくった1ページ目から、パンチをくらったような内容にこの先どうなるのか早く読み進めたくなります。こんな嬉しい宿題があればいいのにと、読んだ人はみんな思うはず。

さて、もぐくんはどうなったのかというと……。やっと、夜になって今日の宿題が「だっこ」と言えたもぐくんに、お母さん、お父さん、おばあちゃんからひとりずつ抱っこをたくさんしてもらって大満足。次の日、学校に行くとみんな宿題をきちんとしてきていました。

元気よく「はーい」と宿題できたよと、みんなが一斉に手をあげるシーンは、心にぱっとあかりが灯るような、温かな気持ちに。兄弟が産まれたばかりの子供や、普段忙しくしているお母さんに是非子どもと一緒に読んでいただきたいです。

大人も子供もやさしい気持ちになれる、この本を読んだみんなを幸せな気持ちにさせてくれる、そんな絵本です。

会えなくなった大切な人ともう一度話すことができるなら……

『かぜのでんわ』は、岩手県大槌町に実際に設置された「風の電話ボックス」をもとに、いもとようこが創作した絵本です。「風の電話ボックス」は佐々木格(いたる)さんが亡くなったいとこに、思いを伝えたいということがきっかけで、海の見える高台にある自宅の庭に置きました。

翌年、東日本大震災が起きたことをきっかけに、その「風の電話ボックス」のある自宅の庭をメモリアルガーデンとして開放します。家族を亡くされた方に風をのせて思いを伝えられるよう、心の復興の願いを込めて。

著者
いもとようこ
出版日
2014-02-17

物語に登場するのは、会えなくなった人に自分の思いを伝えると、必ずその人に届くと言われている山の上にある電話。たぬきのぼうやは、「どこにいるの?はやく帰ってきてよ。」とお兄ちゃんに伝えました。うさぎのお母さんは、「元気にしてる?いい子にしてる?」とぼうやに、子守唄を聞かせてあげます。

きつねのお父さんは、泣いて泣いて泣いて……。それから、「どうしたらいいんだ!」と貯め込んでいた気持ちを吐き出すように叫びました。しかし、最後には「本当はありがとうを言いに来たんだ。ありがとう!ありがとう!」と伝えることができました。

ねこさんは神様に、生きるという事、死ぬという事を教えて下さいと伝えます。その後もたくさんの人が訪れて、次第に山が色づき始め秋になり、ある雪が降る寒い夜に電話が鳴り始めました。

電話線はつながっていないはず。そう思い、くまのおじいさんが確かめにいくと……。

風の電話ボックスには、電話線のつながっていない黒電話とノートが置かれているだけ。電話機の横にこう書かれています。

「風の電話は心で話します
 静かに目を閉じ 耳を澄ましてください
 風の音が又は浪の音が或いは小鳥のさえずりが
 聞こえたなら あなたの想いを伝えて下さい」
(『かぜのでんわ』最後のページより引用)

人間と動物の共存の難しさを、いもとようこの優しいタッチで描かれる

くまさんがこどもたちに「里におりてはいけないよ」とやさしく話すところから物語が始まります。小さい時にくまさんのお父さんとお母さんは人間につかまってしまい、それきり帰らなくなってしまったのです。その悲しさを経験していたくまさんは、もう誰も失いたくないと思っていました。

「みんなケンカをしないで、仲良くするんだよ。」そういうくまさんの言葉を、りす、うさぎ、きつねの子供たちはよく聞きました。独りぼっちの寂しさを知っているくまさんは、だれも独りぼっちにさせません。

著者
いもと ようこ
出版日

昔、山には動物たちがたくさん住んでいましたが、人間が来てから動物たちは山奥に追いやられてしまいました。冬が来る前に、木の実が取れず、やむなくくまさんは、里に降りて行くのです。そして、柿の実を抱えたくまさんに容赦なく鉄砲が放たれ、子供たちのところへ足を引きずりながら倒れこんでしまいます。

子供たちは静かになっていくくまさんのそばで、「ずっとそばにいるよ」と寄り添いました。そして、くまさんも子供たちも静かになり、その上に雪が降り積もって……。そして、神様どうかこの子たちをお守りくださいという、くまさんの思いだけが静寂の中に残ります。

読んだ後に胸が切なくなり、人間と動物の共存を、改めて考えさせられる物語。人間の暮らしがよくなる一方で、山奥に追い出された動物たちは、住むところも食べるものも奪われて、必死に暮らしていることを忘れないようにしたいものです。

いもとようこの優しい動物の絵は、深刻な内容をふんわりと包まれています。しかし、伝えたい本質はしっかりと、私たちの心にずしんと重く伝わってくるでしょう。

愛するご主人様に会えるまで待ち続ける……犬ハチと飼い主の物語

『いとしの犬 ハチ』は、忠犬ハチ公の話を元に作られた創作絵本。飼い主は大学教授の上野先生。毎朝大学へ出勤するために、ハチを連れて渋谷駅まで歩いて行きました。

上野先生を見送ったハチは、夕方先生が帰ってくる頃に、渋谷駅で先生を待ちます。ところが、ある朝渋谷駅まで見送った先生が、出掛けた先で亡くなってしまい……。

そのことを知らないハチは、夕方いつも通り渋谷駅で先生の帰りを待っています。さて、これからハチはどうなるのでしょうか。

著者
いもと ようこ
出版日
2009-07-30

寝る時も散歩するときも、上野先生と一緒に過ごしていたハチ。ある日、先生が大学へ行ったきり、そのまま帰らぬ人となってしまいました。

ハチは帰ってくるはずの先生を、夕方渋谷駅で待ち続け、次の日も、また次の日も、そのまた次の日も待ち続けます。それを見かねた先生の奥さんが、遠くの親戚にハチを預けました。それでも、すぐに渋谷駅に来てご主人様を待ち続け、何度連れて帰っても、ハチはまた渋谷駅に現れて……。

どんなに遠くに預けても、何日も何日もかけてハチは渋谷駅に。そんな日々が10年も続くのです。10年も経ち、ハチも年をとりました。歩く力も弱ってきた雪の降るある日のこと、上野先生の声が聞こえてきて、ハチは大喜び!

ハチの体には雪が積もり、渋谷駅前に横たわっていました。ハチは、天国で上野先生に会えて幸せそうな表情に。

会えないままで終わるのではなく、絵本では先生と会えて幸せになってお話が終わります。現在でも、渋谷駅にはハチがいて、銅像になったハチは、今でも先生を待っているかのよう。この絵本は、人間と犬の間に生まれた絆の強さに感動する物語です。

いもとようこが描く、赤ちゃんのための絵本

『いないいないばあ』は、赤ちゃんのための絵本シリーズのうちの1冊。『いないいないばあ』は3種類あり、ねこ、桶に入ったぶた、カンガルーがそれぞれの表紙になっています。

赤ちゃんが大好きな、いないいないばあの遊びは、いつの時代になっても変わらず定番のもの。「ねこさんが、いないいない」と書かれた見開きのページには、ねこさんが両手で目を隠しています。そして次は「ばあ」と、両手を広げたニコニコ笑顔のねこさん。次々にいろんな動物が出てきて……。

著者
いもとようこ
出版日
1993-04-07

絵本のサイズが、約20×17cmと赤ちゃんが見やすいサイズ。ばあ!と勢いよく次のページをめくると、動物の顔が出てきて、赤ちゃんも大喜びです。結末が分かっていても、何度も何度も読んでとせがまれるでしょう。

同じことの繰り返しは、赤ちゃんにとって最高の遊び!この絵本は、破れにくい厚さになっているので、何度でも開いて安心して、楽しむことができます。

いもとようこが描く優しいタッチの動物は、赤ちゃんも優しく包んでくれる温かさがあります。まるで、お母さんの優しさに包まれるよう。親子で過ごす楽しいひとときに家に1冊は置いておきたい絵本です。

いもとようこの名作絵本おすすめ5選を紹介しました。どの絵本も動物や生き物がイキイキと描かれていましたね!子供に読み聞かせながら、一緒に読んでいる大人も、ほんわかとした優しくて温かい時間を過ごせることでしょう。

赤ちゃんから大人まで楽しめるいもとようこの絵本。独特の暖かみのある描き方は、幅広い世代に人気があります。これからの新作も目が離せません。

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