たかぎなおこの本おすすめ5選!『マラソン1年生』など傑作多数!

更新:2021.12.19

たかぎなおこは、現在コミックエッセイを中心に活躍しているイラストレーターです。特別なことを書いているわけではないかもしれない、だからこそ引き込まれてしまう彼女の魅力的な5つの作品を紹介します。

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たかぎなおこは、自分の思いを大切に描く作家

たかぎなおこは、三重県出身のイラストレーターです。絵を描くことが好きという思いから、進路を決めました。美術系の専門学校を卒業した後に、一般企業にイラストレーターとして就職したのですが、次第に、自分の描いている絵に疑問を持ち始めます。自分の描きたかったものは、したかったことは何だろう?

そんな思いから、仕事を辞めてフリーのイラストレーターとして上京します。好きなことをしたい、その思いから始まった新生活は、しかし厳しいものでした。絵を描くために仕事を辞めたにも関わらずバイトで時間をとられてしまったり……。焦りと不安で落ち込んで、周りにいる人に支えられて、そして上京してから数年後についにコミックエッセイを出版します。

嬉しいことや悲しいこと、頑張ってることも嫌なことから逃げている所も、飾ることなく描かれているのが彼女の作品の特徴。実際に起こった出来事だけでなく、その時の思いや考え方、感情の起伏が分かりやすく描かれているのです。その人間らしさに共感でき、ファンが増えているのかもしれません。

知ると走りたくなる?『マラソン1年生』

ふと、自分の生活を振り返ると、仕事柄運動不足ではないかと考えました。色々なことに挑戦はしたものの続いているのは太極拳ぐらい。

そんな時目に留まったのはマラソン中継。マラソンなら、自分にも出来るかもしれない……。そしていつかは、有名マラソン大会に出たい! そんな思いから、たかぎなおこは友人や編集者のスタッフを誘い、実際にやってみました。

 

著者
たかぎ なおこ
出版日
2009-09-30

マラソンは、手軽に始めることができ健康やダイエットに効くと、興味を持っている人も多いのではないでしょうか?

実は簡単に見えて、走り方や走りやすいフォームといったコツがあるのです。そして、その為には筋肉トレーニングという大きな壁も。それらを一つひとつ経験しながら、たかぎなおこはそのプロセスを描いていきます。

走るのに適した靴や種類が豊富なウェア選び、プロに教わるマラソンのポイントなど、すぐに使える情報もふんだんに描いてあります。また、楽しいこともある反面、苦手な筋肉トレーニングや運動の後に飲みたくなるお酒の誘惑、そして葛藤まで……。

笑いあり、苦難あり。友人への嫉妬もたまにあります。実際にやってみて、続けられている人も挫折してしまったという方も。何より、まだやったことがない方にも一度手にとってほしい本が『マラソン1年生』です。
 

初めはドキドキ『ひとりたび1年生』

周りの一人旅の話を聞いて「はたしてひとりたびとは楽しいのか、はたして自分はひとりたびに向いているのか、はたしてひとりたびで学ぶものとは!?」(『ひとりたび1年生』から引用)と、そんな思いを抱きつつ実際にやってみた、たかぎなおこ。その体験が描かれているのがこのコミックエッセイです。

友人と途中で別れて見知らぬ土地を探索してみたり、以前から気になっていたことをしてみたり……。期待と不安でドキドキしながら行ってみた一人旅ルポが描かれています。

 

著者
たかぎ なおこ
出版日
2006-12-01

誰かとの旅は、移動中の会話も途切れることはないですし、楽しいもの。ですが、一人旅の移動時間の使い方は自由ですので、これはこれでとっても楽なのです。景色を見たり、同じ空間にいる人を観察したり、寝ちゃうのもあり。

いつもなら、相談する相手もいない状況で悩んでしまう些細なことも、旅を振り返ってみると楽しいものです。一人で見知らぬ土地へ行くのはドキドキしますが、一人ならでは感じることのできる地元の人とのふれあいが魅力的。そんな体験がぎゅっと1冊に詰まったコミックエッセイです。

板についてきた?『ひとりぐらしも5年目』

不安と期待で始まる一人暮らし。洗濯、掃除に食事と、すべてを自分でしなければならないことから、今まで身のまわりの世話をしてくれていた家族へ、感謝の気持ちが湧いてくるでしょう。

この作品では、一人暮らし5年目の著者が日々の生活を描いています。

 

著者
たかぎ なおこ
出版日

一人暮らしも5年目になると、生活パターンができ、少しずつ落ち着いてくるもの。

一方、5年経った今、部屋へのこだわりはあるのか。初期の頃と比べて、変わらないもの、逆に増えたものってどんなものか。食事は?家計は?など、一人暮らしのリアルな生活が覗けます。

一人暮らしをして得られた知恵や、楽しみや困難も描かれているので、共感できることが多いはずです。一人暮らしをしたことのある人はニヤニヤしながら楽しめますし、これから一人暮らしをする人は想像しながら楽しんでみてください。

「気楽でいて孤独。でも、やめらんない ひとりぐらし。」(『ひとりぐらしも5年目』より引用)
 

わかる!納得?驚く?『150cmライフ』

身長150cmから見える世界を紹介しているこの作品。

周りより小さくて得したことも大変なこともあるけれど、「規格外というならば、それはそれで自分のやり方を見つければいいだけであって、身長が低いことも立派な個性のひとつ」(『150cmライフ』より引用)です。

たかぎなおこが身長150cmからの視点に着目し、日常を振り返りながら描いています。

 

著者
たかぎ なおこ
出版日
2003-02-25

学生時代に身体測定が定期的に行われていた頃には、身長を気にして過ごした人も多いのでは。「となりの芝は青い」と言うように身長の高い人は低い人を、低い人は高い人を、お互いに羨ましいと言っていた気がします。

年を重ねると、身長を気にしていても口に出すことは少なくなりますよね。成長期が終わり、見えてくる世界に慣れてくるからかもしれません。それでも時折「違った高さから見える景色はどんなものだろう」と思うことはありませんか。

町の中で見かける踏み台や、店であたり前のようにある洋服の手直しの表示。それは必要な人にとっては嬉しく、そうでない人には謎のものです。

身長150cmから見える景色は、一体どんなものなのでしょう。共感できることもあれば、新たな発見もあるかもしれません。自分の見ている世界がほんの少し特別なものに感じるきっかけになるコミックエッセイです。
 

行きたくなる!食べたくなる!『愛しのローカルごはん旅』

「ローカルごはんを思いっきり旅しちゃおうと、今回はいろんな同行人と共にいろんな土地に行っておなかいっぱい食べてきました。そんなくいしんぼな旅エッセイです」(『愛しのローカルごはん旅』より引用)

名産品、ご当地グルメなど、旅先やイベントで見聞きする機会が増えてきました。実際に行かなくても、お取り寄せやデパートなどで気軽に楽しめるようになったローカルごはんですが、本作では実際に食べに行って感じたことを綴っています。

本作で楽しめるのは、静岡県、和歌山県、山形県、埼玉県、熊本県、大阪府、東京(日帰り)など、様々な地域のローカルご飯。読みながら、油断をしているとお腹がなってしまいそうです。

 

著者
たかぎ なおこ
出版日
2008-10-28

旅先での食事は、普段食べることができないその土地ならではの食材を食べたくなりませんか? 計画的に下調べをし予約を入れていくのもよし、ローカルごはんの名前や見聞きした情報を頼りに探すのもよし。楽しみ方は人それぞれです。

本編では、計画的に訪れた所もありますが「入ってみたい」「美味しそう」といったその場の直感を頼りに店を選ぶことも多々あります。計画していても辿り着けなかったり、入る勇気が出ずに後悔してしまったという、旅先で起こるハプニングも見所の1つ。

作中では、実際に買ったお土産や食べたごはんの感想とおすすめを教えてくれます。今回は一人旅ではないので、複数の感想が聞けるのが嬉しいポイント。

紹介された土地に行ったことがなくても、まるで自分も旅をしているように楽しむことのできる1冊です。
 

それぞれ違ったおもしろさをもつ5つの作品です。書いてあるのは生活の事や身長の事で、私たち読者と似ているところは少ないかもしれません。それでも、読んでいて思わず頷いてしまったり「もしかしたら自分にも出来るんじゃない?」と感じるのは、生活環境は違えど通じるものがあるからだと思います。

日々過ごす中で、こう感じているのは自分だけ?と悩むことがあります。そんな時に手にとって欲しいコミックエッセイです。楽しいことも、苦しいことも漫画で客観的に見てみると不思議と気持ちが楽になっている事もあります。

ここに挙げた5つの作品は続編や前作があります。紹介した5作品はもちろん他の作品にも興味を持っていただければと思います。

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