ショパンを学ぶ本おすすめ4選。ピアノの詩人と呼ばれた天才作曲家

更新:2021.12.19

ショパンはポーランドで生まれ、フランスで帰らぬ人となりました。39歳という儚くて、それでいて偉大なる音楽家人生を送った人物です。そんな知られざる素顔を少しでも知りたい人におすすめの書籍をご紹介します!

ブックカルテ リンク

ピアノの詩人と称されたショパン

フレデリック・フランソワ・ショパンは、1810年の3月にポーランドで生まれました。ロマン派音楽の前期において代表的な作曲家であります。また、それと同時に彼はピアニストでもありピアノをこよなく愛しておりました。

彼の作曲のほとんどはピアノ独奏曲が占めており、ピアノの詩人と称されるようになります。代表作は「ノクターン」や「ワルツ」など、クラシック音楽に詳しくない人々の耳にも、なじみのある有名な曲を残しています。

彼は父の影響で、4歳からピアノのレッスンをしていました。8歳で演奏講演会を開くほどの腕前だったといわれています。その後父の勧めもあり、16歳の時にワルシャワ音楽院に入学し、首席で卒業しました。卒業後はワルシャワ出て音楽の旅に出ます。

1837年にジョルジュ・サンドという女性に出会って恋をたことで、たくさんの名曲が生まれたといわれています。また、彼はパリに出向き、ケルビーニ、ロッシーニ、メンデルスゾーン、リストといった数人の著名作曲と知りあいました。

そんな出会いと幸せに満ちた人生は急激に変わります。1847年、恋人ジョルジュとの別れを迎えるのです。そして健康も優れなくなり、生活にも困窮するようになったといわれています。 彼女と別れてから2年後の1849年10月に結核の病にて、39年の短い生涯に幕を閉じました。 

あなたが知らない、ショパンの10の事実!

1:ショパンの心臓は故郷に持ち帰られた

遺言により、彼の心臓だけが故郷のポーランドへ持ち帰えられました。ワルシャワの聖十字架教会の柱の内部にアルコール漬けされ保存されているとのことです。

2:ショパンの妹の死因も「結核」だった

彼には一人の姉と二人の妹がいました。そのうちの一人、エミリアという妹も結核でなくなったといわれています。エミリアとショパンは同じ芸術の趣味があり特に仲が良かったそうです。

3:趣味は物真似

ショパンは音楽以外にもたくさんの趣味がありました。漫画や絵描き、そして芝居と芸術に関することに興味がありました。芝居好きがこうじて、よく人前で物真似をして周りを楽しませていたと伝えられています。この芸術好きと、人間観察力は彼の世渡り上手なところに通じてきます。

4:音楽家以外の著名人とも仲が良かった

芸術全般に興味があり、人間観察が上手だった彼は音楽関係者だけではなく、画家、詩人、版画家、彫刻家との交流がありました。なかでも親睦が深かった人物として画家のドラクロワが挙げられています。

5:出国許可が下りず親友とは数十年前にお別れして以降会えずじまいだった

彼は18歳の時の故郷を離れ音楽の旅にでます。途中までは親友のティテュスも同行していましたが、諸事情により、19歳の時に離れ離れになってしまいました。その後、彼はパリへ移り住み音楽家としてのキャリアを積みます。故郷に戻った際、親友との再会を願っていましたが、出国許可がおりず実現しませんでした。

6:「子犬のワルツ」は恋人のジョルジュ・サンドへささげた曲

ショパンはパリで出会ったサンドという女性と恋に落ちます。そして彼女の依頼により、彼女の飼っていた子犬が彼女の周りを駆け巡る情景を曲にしたのがこの「子犬のワルツ」なのです。

7:サンドという女性にギャップ萌えした

ショパンは最後の恋愛としてジョルジュ・サンドと恋に落ち10年間関係を持ちます。破局を迎えた後に鬱になってしまうほど、彼は彼女のことを愛していました。

実は、当初二人が出会った時には、ショパンは男勝りなサンドに嫌悪感すら抱いていたそうです。しかし、彼女の女性らしい優しい一面などを見て、惚れてしまったといわれています。

8:自身の病弱な体のせいで二人の女性と破局をした

晩年体調の悪さが悪化し、恋人のサンドは女性としてではなく、まるで母親のような立場になり、彼を看病し続けました。しかし看病に疲れ、ショパンに対しいら立ちを感じはじめます。とうとうサンドは彼のもとから去りました。また、彼女に会う前に婚約までかわした女性がいましたが、結局はショパンの虚弱体質のせいで破綻となっています。

9:ショパンは残された肖像画通り美しい容姿をしていた

肖像画は写真とは違い、実物よりも良くおられていることが多々あります。ショパンの場合は、肖像画どおりの端正な顔立ちをしていたといわれているのです。髪は茶色ふさふさしており、額は秀でた美しさがあり、優しい笑顔があったと当時の書記にあるとされています。

10:ショパンは当時のファッションリーダー的存在だった

彼はファッションに大変気を使っており、宮廷中の女性の目をくぎ付けにしていたほどだといわれています。故に、彼はファッションリーダー的存在になっていました。

ショパンについての教科書とも言える本

ショパンは小さい頃から体が弱く、肺結核に悩まされていました。残された肖像画などからも分かるように、赤みがかった頬やふんわりとしたヘアスタイルに白い肌が特徴的です。

この本は初心者の方でも気軽に読むことが出来る、ショパンについてわかりやすくとことん追求した書籍です。一体どういう人間なのか?なぜ作曲家になったのか?その才能の凄さとは、強さとは何であるのか?そんな疑問も一から学べる傑作本です。

著者
バルバラ スモレンスカ=ジェリンスカ
出版日
2000-12-01

ポーランドの宝のような存在で、世の音楽ファンを虜にし、この先も音楽界に名を残していくであろう音楽家、フレデリック・フランソワ・ショパンという人間について、知っているようで知らないことが多いという人は大半を占めるのではないでしょうか?ましてや音楽以外のことであれば尚更で、ほとんどが謎と感じるかもしれません。

天才音楽家であるゆえの悩みや葛藤。彼はどのような人生を歩み、どのようなことを考えて曲作りに励んできたのか。彼を支えてきたものとは一体何なのか。ショパンの些細な謎にまで迫った貴重な一冊です。
 

ショパンに少しでも近づきたいならこの一冊

ショパンがこの世を去った今、彼本人に疑問を投げかることは出来ません。その短い生涯の中で、どのような音楽に感化され、感動し、どのようにして素晴らしい音楽を生み出してきたのでしょうか。このような問いに答えてくれるような一冊です。

彼が残してくれた曲には聴く者の耳だけでなく心をも魅了する力があります。しかし、そうなるためにはどれだけの並々ならぬ努力や苦しみがあったのかはかり知れません。そんなわたしたちの知らないショパンがここにあります。

著者
遠山 一行
出版日
1988-07-28

音楽評論家であり、クラシック評論の先駆者でもある遠山一行の新潮文庫「カラー版 作曲家の生涯」シリーズのショパンについて書かれた書籍として有名な一冊です。

全く知識がなくとも非常に読みやすく、わかりやすいように書かれているため、この本を読んでいると、他の作曲家のことについても興味が自然と湧いてきて、ついつい知りたくなってしまいます。
 

天才作曲家を大解剖!

音楽関係の書籍や参考書など、まさに音楽についての専門書の定番のような本音楽之友社から出ている、作曲家別名曲解説ライブラリーシリーズの「ショパン」。

多くの名曲を残してくれた彼ですが、この曲のこの部分はどういう意味?などといった疑問も少なくはないかと思います。本書は、ショパンの曲作りの情熱に追っているおすすめの一冊です。
 

著者
音楽之友社
出版日
2006-08-08

曲というものは、否が応でも作り出したその人を表すものです。ショパンの曲を聴いていて感じることは、やはり音楽に対する愛情、熱意、楽しさなど、心から音楽を愛していることがひしひしと伝わってくるということです。

曲を作っている立場であると、音楽は楽しむことが目的であるという大事な初心を、段々と無意識に忘れてしまう瞬間があります。ショパンはどのような思いを込めて、数々の名曲を制作してきたのでしょうか。感情揺さぶられる想いを目で感じてみませんか?
 

美しく音を奏でる天才作曲家ショパンの演奏美学に迫る!

かのショパンが多くの弟子をとっていたことは、実は意外に知られていません。それに加えて、弟子へのレッスンにはたくさんの愛情と熱い情熱を注いでいたという熱心な一面もあり、そういった一面を知っている人は少ないのではないでしょうか。

知りたかったショパンの音楽に対しての姿勢、想い、表現力。そんな彼の秘密めいた演奏美学、哲学がここにあります。

著者
ジャン=ジャック エーゲルディンゲル
出版日
2005-12-01

ショパンという音楽家は、その時代ではリストと並びクラシック界で最高のピアニストとして一目置かれた存在でした。そんなショパンは弟子を取ると、一人一人の才能を伸ばすべく奮闘していたと伝えられています。

こういった豆知識もふんだんに盛り込まれていて非常に読み応えのある作品です。そして彼自身の教育理念など、全体像を垣間見ることができます。著者は旧版以来もさらなる研究を重ね奮闘し、ついにこうして新たに改訂版として刊行することが実現されました。丁寧で詳しい解説を基盤に編集されたのがこちらの書籍です。

今回は4冊に絞って様々な書籍をご紹介させていただきましたが、彼の作った曲がなぜこんなにも多くの人々に愛されているのか、この本を読むことによって理解できる、初心者にもわかりやすい書籍ばかりです。

このようにどの書籍も自信を持っておすすめできるものばかりなので、教養のためや参考文書のため、目的は人それぞれだとは思いますが、興味がある方には是非手に取って頂けたら幸いです。

  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena
もっと見る もっと見る