絵本/児童書

林明子のおすすめ絵本5選!大人から子供まで愛される、可愛らしい作品

更新:2017.4.20 作成:2017.4.20

子どもが手に取りやすいように、分かりやすい題名と可愛らしいイラストを手がける林明子の作品は、読んでみても子どもが楽しめるものばかりです。今回はその中でも人気作品を紹介します。

  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena

勉強家であり、努力の人林明子

林明子は非常に勉強熱心な方といえるでしょう。10歳で画家の飯島一次に師事を仰ぎ、大学も美術科に進み、未来画のイラストレーターとして著名な真鍋博のアトリエに就職します。その後は雑誌のカットなどを通して絵の研究を重ねていきました。

1971年に独立した後は、引き続きカットや絵地図に専念します。その約2年後、初めて絵本の絵の制作に関わりました。それまでシャープな輪郭のイラストを愛し、自身もそういった作品を多く発表していたなか、絵本の絵の研究のためにと手に取った『ピーター・ラビット』シリーズなどに衝撃を受けます。柔らかくまろやかな表現の魅力にとりつかれ、以降彼女のタッチは変化していきました。

林明子は五味太郎との対談を数回行っています。その中で「五味さんが私を絵本の編集者に紹介してくれていなかったらまだ絵本を描いていなかったかもしれない」というほど感謝の念を抱いていることを明かしてます。多くの著名人との対談を行う彼女の本も出版されているので、彼女の人となりを知る1つのきっかけとして、そちらを手に取るのも良いかもしれません。

幼い友情にホッとする作品

著者
林 明子
出版日
1989-06-30
『こんとあき』はぬいぐるみのこんと持ち主の女の子あきの小さな冒険のお話です。

おばあちゃんに作られたこんは古くなって腕がほころびてしまい、それを直してもらうためにおばあちゃんの家に向かうところから物語は始まります。その道中様々なアクシデントがあるのですが、それぞれが不安と戦いながらお互いを助けあい、必死で目的を達成しようとする様子が可愛らしく、幼い二人の様子に癒されます。

無垢な二人の友情に心を洗われるからでしょうか、ぬいぐるみが動いてしゃべるというファンタジーな設定も気になりません。友達を思いやること、ものを大切にすることはいつだって子どもに大切に守ってほしいと思う大人は多いでしょう。そうすることで周囲の人たちから自分も思いやり、大切にしてもらえるということも分かってもらえるからです。それら全てがこの1冊に凝縮されているので、ぜひお子様と一緒に楽しんで下さい。

可愛いはじめてのおつかいに、めいっぱい褒めてあげたくなります。

著者
筒井 頼子
出版日
1977-04-01
『はじめてのおつかい』はタイトル通り、5歳の女の子が初めてのおつかいをしたお話です。“きっとどんな子も、初めてはこんな風にどきどきしているのだろうな……”と、幼い心の心理描写が的確に描かれた作品といえるでしょう。

生まれたばかりの赤ちゃんのために、ミルクを買うおつかいを頼まれたみいちゃんは転んだり、お店の人にうまく話しかけられなかったり様々なアクシデントを乗り越えながらおつかいをこなそうとします。その間の緊張した面持ちや“頑張らなきゃ!”というような必死さは言葉がなくとも伝わってくるでしょう。

読み終わった後はきっと“わが子もこんなに不安だったのかな”“自分の初めてのおつかいはどうだったのだろう”“あの子はできるのかな”といった、わが子なのかはたまたかつての自分なのかは別として子どもへの思いに浸ることになるでしょう。めったに親から離れることのない子どもが初めて1人を経験するその瞬間の様子に、涙を浮かべる読者もいるかもしれません。

大人として、親としてはハラハラしてしまうほどの現実感がこの作品にはあります。最後に迎えにきたお母さんの気持ちもきっとよく分かるでしょう。できたことをめいっぱい褒めてあげたくなる作品です。

“1人でできた!”を増やすための絵本

著者
林 明子
出版日
1986-06-20
『おててがでたよ』は赤ちゃんの着替えの練習を描いた絵本です。赤ちゃんの表情の変化と手足をばたばた動かす様子はリアリティがありとても可愛らしい作品です。

『はじめてのおつかい』と同じように、子どもの“1人でできること”が増えていく様子を感慨深いものを感じながら読み進めることのできるでしょう。少しずつ服の穴から出てくる体は、本物の赤ちゃんのようにぷっくりとした可愛いもので思わず撫でてあげたくなります。

読み聞かせをしてやってみるように促すもよし、子どもに読んでもらって“自分もできる!”と自信をつけてもらうもよしの作品です。成長を楽しみながら自信をつけてもらうための最初のツールとしておすすめの1冊と言えるでしょう。

子どもの好奇心を大切にした作品

著者
林 明子
出版日
1997-08-15
『まほうのえのぐ』は林明子の代表作であり、子どもの好奇心がいかに自由で大切にしなければいけないかを訴えた作品です。

お兄ちゃんの絵の具と筆を借りて、よしみは色々な絵を描いている途中に蛇に絵の具を取られてしまい、森の奥へと入っていきます。そこでは様々な動物が絵の具を使って自由に絵を描いていました。よしみも一緒に“まほうのえのぐ”で絵を描いてお兄ちゃんを驚かせるのです。

まだ十分に絵の具の使い方を分かっていないよしみですが、お兄ちゃんが楽しそうに絵の具を使って絵を描くのがうらやましかったのでしょう。絵の具のカバンを離そうとしないときの表情は、とてもリアルに表現されています。そんなよしみの表情の変化が、とても愛おしく感じられます。

森の奥で多くの動物が同じように絵を描いていました。その様子は一見メルヘンともとれますが、動物たちの楽しそうな笑顔を見たらそんな解釈はなくなります。ただただ純粋に絵の具を使って絵を描くことを楽しんでいるのです。それを誰が止められるでしょうか。

最初から最後までほのぼのとした雰囲気が漂う作品ですが、子どもの好奇心を活かした作品といえます。やってみる、挑戦させてみると子どもは無限の想像力を働かせて物事を成し遂げようとします。それがいかに大切なことかを大人に訴えかけてくる作品です。

お風呂はみんなで入るから楽しい、気持ちいい

著者
松岡 享子
出版日
1982-04-30
『おふろだいすき』ではたくさんの動物が男の子と一緒にお風呂を満喫する絵本です。

次々に登場する動物たちがみんなお風呂を満喫している様子に、とても安心感を覚えます。“お風呂は良いものだ”ということをめいっぱい表現しているからでしょう。湯船につかった笑顔はとても満足気です。

動物たちの自由な振る舞いに淡々と応える男の子の健気な様子がまた可愛らしく胸をときめかせます。お風呂が大好きだというだけあって、動物たちを洗いながら自分も体を洗うなどお風呂に入った時の動作がスムーズで、また愛おしさを覚えるでしょう。

なかなか予想外の展開の多い絵本ですが、読み聞かせをするなら深く考えずに楽しそうに読んであげるのが良い作品です。

林明子の作品はまさしく子どもが楽しむために描かれたものが多く、それは世界的にも高く評価されています。海外版も数多く出版されており、無垢な子どもや動物の様子が心温まるタッチで描かれています。

子どもの成長を楽しむ様子が描かれているかのような優しいイラストに大人はきっと癒されぬくもりを感じるはずです。親子で楽しむにはうってつけの絵本ばかりなので、ぜひ子どもと一緒に選んで楽しんで下さい。