ディズニーアニメに登場するヒーローやプリンセスに憧れたことはありますか?ハラハラドキドキして、胸が熱くなる名作ばかりがそろったディズニーの絵本は、どれにするか迷ってしまうほどハズレ無しの物語ばかりですよね。
『アナと雪の女王』は、触れたものを凍らせる魔力に翻弄されながらも懸命に抗う美しい姉妹愛の物語です。姉のエルサは小さいころ、魔力で妹のアナに雪だるまを作って見せたり、巨大な氷の階段を作ってあげたりして、魔力の恐ろしい面を知らずに楽しく過ごしていました。
ある時、遊びに夢中になったアナを助けるため放った魔法が、誤ってアナを傷つけてしまいます。両親はトロールのところにアナを連れてゆき、トロールのおかげでアナは一命をとりとめます。しかしエルサが使う魔法に関するアナの記憶は危険だからと消されてしまうのです。
それからエルサは自分の力をひた隠しにして過ごしますが、戴冠式の日にアナが出会ったばかりの男と結婚するなどと言い出したのをきっかけに、思いもよらず魔力を放ってしまいます。民衆はエルサの魔法に恐れおののき、エルサはまた誰かを傷つけることを恐れ、雪山の奥深くに氷の城を築いて一人閉じこもってしまうのです。
- 著者
- 小西 樹里
- 出版日
- 2014-03-10
『アナと雪の女王』の内容は映画に忠実で、文章もこと細かに書かれています。文章量が多いと感じる人もいるかもしれませんが、子どもが活字に触れるきっかけを作ってあげられる一冊です。
雪に閉ざされた国を救うため、アナが危険を冒してまでエルサに会いに行くシーンや、命を懸けてエルサを守ろうとするシーンは圧巻です。物語は姫が王子様と結婚してハッピーエンドというお決まりのパターンではなく、「真実の愛」とは何かについて見ている人が考えさせられる内容になっています。山小屋でアナと出会ったクリストフはアナの幸せを願って彼女をハンス王子に託し、雪だるまのオラフは、自分が解けるのもいとわずに冷え切ったアナを暖炉の前に連れて行くのです。
たくさんの愛にあふれたこの一冊をディズニー好きの子どもたちにプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
ディズニーで長編アニメ化された『アラジン』は、千夜一夜物語を元に描かれた物語です。貧しくても心が清らかな青年アラジンと、王国の支配をもくろむジャファーとの攻防や王女ジャスミンの美しさ、そしてなんといってもランプの魔人ジーニーの面白さが見どころになっています。
王国の大臣ジャファーは、願いをかなえることのできる宝を手に入れるために魔法の洞窟を訪れますが、心の清いものしか入れないと洞窟に告げられ、入り口は無残に崩れ落ちてしまいます。時を同じくして王女ジャスミンと貧しい青年アラジンが市場で出会い、ジャスミンのピンチをアラジンが救う出来事が起こりました。しかしアラジンは捕らえられ牢屋に入れられてしまうのです。
- 著者
- 森 はるな
- 出版日
- 2005-07-21
囚われの身となったアラジンはジャファーに利用され、魔法の洞窟に向かいます。清い心を持ったアラジンはジャファーの欲しがっている宝の洞窟に入ることができたのです。
ジャファーの悪だくみで一度は洞窟に閉じ込められてしまったアラジン。そこでアラジンはランプを擦ると、なんとランプの魔人ジーニーが現れ、彼が三つの願いを叶えてくれると告げます。一体アラジンはジーニーに何の願いをするのでしょうか……?
『アラジン』には、ランプの魔神ジーニーやアラジンの相棒子猿アブーの表情がコミカルかつユーモアたっぷりに描かれています。ジャファーのたくらみをうまくかわし、アラジンたちが本当の幸せをつかむエンディングは痛快で、何度でも読み返したくなる一冊です。
『塔の上のラプンツェル』は、言葉を覚え始めるころの子ども向けに作られた絵本です。映画の中に登場する悪者兄弟のシーンなどは大幅にカットされていますが、物語のあらすじをつかみ、子どもが絵や物語を楽しむにはとてもおすすめです。
塔の上に住む美女ラプンツェルは王と妃の間に生まれた王女でしたが、幼いころにその髪が持つ魔力を狙った魔女に誘拐され、高い塔に閉じ込められています。王女の両親は行方不明になった娘を想い、毎年王女の誕生日になると、王女のために無数の灯篭を空に飛ばすのです。
ラプンツェルは自分を誘拐した魔女ゴーテルを本当の母親だと思って成長し、外は危険だからと言って出してくれないゴーテルに反発します。若さを保つためにラプンツェルの髪の魔力を利用しようとするゴーテルが憐れであり、憎らしくもあり、読む人の年齢によってもその感じ方は違うのではないでしょうか。
- 著者
- 斎藤 妙子
- 出版日
- 2011-03-03
ラプンツェルは空を覆いつくす無数の灯篭が自分のために飛ばされていることを知らずに、外の世界への思いを募らせます。幼かったラプンツェルが王国で一番の泥棒フリンと出会い、外の世界に飛び出す姿は、幼い子どもたちの心をくすぐるのではないでしょうか。金色の長い髪がとても美しく描かれていて、プリンセスにあこがれる小さな女の子へのプレゼントにとてもおすすめです。
ラストシーンはプリンセスストーリーの王道で、世界中の女の子をうっとりとさせる夢のような結末が待っています。
ディズニー映画としての『ピーターパン』は、1953年に公開されました。大人になることのない永遠の少年が、出会った人々とともに成長する物語です。
ピーターパンの存在を信じる少女ウェンディは、父親の命令により、弟たちの部屋から出て、自分の部屋で寝るようにと言われていました。ウェンディが部屋を移動する前夜、ピーターパンが逃げ出した影を捕まえるためにウェンディたちの部屋に迷い込みます。
ウェンディがピーターパンの足に影を縫い付けてやると、ピーターパンはウェンディと弟たちをネバーランドに招きます。強気でかわいらしいティンカーベルの魔法の粉を振りかけられて空を飛ぶウェンディたちは、大人が忘れかけていたわくわくする気持ちを呼び覚ましてくれることでしょう。
- 著者
- 福川 祐司
- 出版日
- 2004-03-23
ネバーランドにたどり着いたウェンディたちは、美しい歌声の人魚やインディアン、そしてピーターパンをリーダーと認めるロストボーイたちに出会います。そこではウェンディのことが気に入らないティンカーベルがロストボーイをけしかけて危険な目に合わせたり、彼女たちがピーターパンの宿敵フック船長に襲われたり、とスリル満点な冒険を経験するのです。
この絵本の中では物語がコンパクトにまとまっているので、映画を一度見た人におすすめです。映画のファンであれば、シーンごとに流れていた印象的な歌が脳裏によみがえるかもしれませんね。
『ミッキー・ドナルド・グーフィーの三銃士』は、1840年代に発表されたアレクサンドル・デュマ・ペールの「三銃士」とは内容が大幅に違い、ディズニーのオリジナルストーリーとして描かれています。仕事でドジばかりのミッキー・ドナルド・グーフィーの三人が、ひょんなことからプリンセスミニーの護衛に抜擢されて物語は始まります。
プリンセスを守る重大任務にやる気満々の三人でしたが、プリンセスの誘拐をもくろむのは、三人を護衛に任命したピート近衛隊長でした。ピートはビーグルボーイズに命じて、プリンセスと侍女のデイジーを誘拐してしまいます。三人は力を合わせて一度はプリンセスたちを救出しますが、再び危機が襲い掛かってくるのです。
グーフィーはクララベル中尉に襲われ、ドナルドはピートの計画に恐れをなして逃げ出し、ミッキーは危険な牢獄に幽閉されてしまいます。一度はバラバラになった三銃士でしたが、それぞれが苦難を乗り越えて再びさらわれたプリンセスを取り戻すべく力を合わせるのです。
- 著者
- 斎藤 妙子
- 出版日
- 2004-09-07
ミッキーファンだけでなく、グーフィー好きにもおすすめのこの作品。ディズニーアニメでは目立ったストーリーが少ないグーフィーの魅力が前面に押し出されています。クララベル中尉に溺れさせられそうになったグーフィーが、なぜか彼女と恋仲になるシーンは予想外の展開に読み手の笑いを誘います。窮地に陥る銃士たちを救う、頼りになるグーフィーが見れる貴重な一冊です。
表情豊かなキャラクターはどれも個性的で、悪役のピートすら愛らしく見えるこの作品。夢見るミニー姫もとても可愛らしいので、男の子でも女の子でも楽しめる作品でしょう。
ディズニーの作品はどれも名作ばかりですが、そのなかでもおすすめの5作品を紹介しました。戦いと冒険の物語を好む男の子には『ピーターパン』や『ミッキー、グーフィー、ドナルドの三銃士』を、プリンセスにあこがれる女の子にはプリンセスの登場する物語を読んであげたいですね。大人が懐かしい気持ちを思い出して手に取るにも、ピッタリの絵本ばかりでした。