イソップ物語から人生の教訓を学ぶ!今こそ読みたい絵本5冊

更新:2021.12.19

昔読んだことがあるイソップ物語の教訓を生活や仕事に生かしてみませんか?

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戦うべき相手は己!

著者
ラ・フォンテーヌ
出版日

自分の実力に過信したうさぎが、かめとの競争に負けてしまうというお話。

油断をすればすぐに足をすくわれてしまうし、こつこつと努力をしていれば必ず報われるから頑張ろうと幼い頃に教えられた人も多いでしょう。

実は最近もう一つの見方に注目されているのはご存知でしょうか?うさぎとかめの最終ゴールとするものが全く違ったということです。うさぎはかめに勝つことのみを、かめはゴールにたどりつくことを目標としていたのです。

うさぎはかめの追ってくる姿が見えないことに慢心してしまい、一方で、かめはただひたむきにゴールのみを目指すことに専念したので、結果的にうさぎに勝利をしたということです。

実生活でもこのようなことはないでしょうか?子どもに対して、もう○○ちゃんはこんなこともできているのにと思ったり……。多くの人は他の人と比べて自分の存在価値を見出すうさぎなのかもしれません。しかしながら、戦うべき相手は他者ではなく、誘惑に負けず大きな目標に向かっていく自分なのです。

人と比べて落ち込んだりせず、まず自分の目標を設定して、それに向かってひたむきに取り組めばおのずと結果がついてくる......そのようなことがこのお話から学べるのではないでしょうか?

ちなみに、このブライアン・ワイルドスミス作品選の『うさぎとかめ』は鮮やかな色彩のイラストでうっとりとしてしまいます。絵本としてではなく、芸術作品として部屋に飾ってみるのもおすすめです。

情けは人のためならず!その場だけの感情に流されず行動しよう

著者
ジェリー ピンクニー
出版日

ライオンがネズミを食べようとしたところ、ネズミに命乞いされ、逃がしてあげます。その後、ライオン自身が網にかかって捕らわれたとき、ネズミが網を食いちぎってライオンを助けてあげたというお話。

他人にしてあげたことはめぐりめぐって自分の身にかえってくるものだということが言えるでしょう。そして、百獣の王ライオンでさえも、小さなネズミに助けてもらう場面があることから、強い者が弱い者に助けてもらう場面があるということがうかがえます。今自分自身が勢いにのって調子が良いとき、他人をぞんざいに扱ったり、馬鹿にしたりしていると将来痛い目にあうかもしれないということも肝に銘じておかなければいけませんね。

自分の立場や行動を見つめなおす、良いきっかけとなるお話になるでしょう。

急がば回れ!じっくり物事をすすめよう!

著者
蜂飼 耳
出版日
2011-03-04

北風と太陽がどちらが強いか勝負をすることに......目の前の旅人の服を全部脱がせたほうが勝ちという太陽の提案で勝負はスタートします。北風がめいっぱい風をふきつけるも旅人は服を脱ぐどころかどんどん身をかたくしてしまい、北風は力尽きます。一方、太陽はゆっくりと旅人の周りを温めていき、旅人自身が一枚一枚服を脱いでゆき、最後にはすべての服を脱ぎ、太陽が勝利したというお話。

このお話も有名なので、ご存じの方も多いでしょう。北風のように自分本位に乱暴に物事を扱うより、太陽のようにゆっくり物事をすすめる方が成功をおさめることができるということが言えます。

時間的、心理的に余裕がないとき、相手を自分の都合に合わさせようとしたことはないでしょうか?また自分の考えを相手に押し付けたことはないでしょうか?結局、相手が態度を硬化させたり、萎縮してしまったりで良い結果を生み出すことはないでしょう。太陽のように相手の立場に立って、結果が遅くてもあたたかい目で見守り、ここぞというときに最後の一押しをする......そんな人になりたいものですね。

忙しい人にぴったり!イラストと短い文で心におちるイソップ物語

著者
いまい あやの
出版日

先ほどご紹介した『うさぎとかめ』や『みえっぱりのカラス』『キツネとブドウ』などイソップ物語が13話おさめられた短編集です。

この絵本はカレンダーのように縦に開いて読み進めるという珍しい形の絵本です。そして、1つのお話しにつき、見開き1ページ。上にいまいあやののイラスト、下にお話で完結されています。

半ページの文章と半ページのイラストで1話が完結するの?物足りないのでは?と感じられる方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。お話の象徴的な部分の挿絵が上部にあるので、まるで話の中に入りこんでいるかのような錯覚さえ覚えてしまいます。美しく細部までこだわったイラストの一方で、クスっとわらえたり、ちょっと恐かったり......オリジナルの内容を知っているからこそ、この絵本の良さがわかる大人向けの絵本と言えるでしょう。

イソップ物語はともすれば説教臭かったり、教訓めいていたりと敬遠されることもありますが、この本は部屋に飾っていると癒されるほど美しく、おしゃれです。

自己啓発本を読みたいけど、時間がない……忙しい人にはぴったりの絵本です。

折に触れて読みたい 人間関係に悩む前に!

著者
村上 勉
出版日
2009-03-27

イソップ物語が16話おさめられている絵本。大きくて、臨場感のあるイラストも楽しめます。

ここで、私が個人的におすすめのお話を紹介します。

『いなかのねずみとまちねずみ』。田舎のねずみが都会のねずみを食事に招待したところ、素朴な食事や退屈な生活がつまらないと言い、自分の家に来ないかと誘います。都会のねずみは豪勢な食事をふるまいますが、何者かが扉を開けて入ってきてびくびくすることに......田舎のねずみは「こんな危険がいっぱいのところは僕はごめんだ」と言って帰っていくお話。

日常生活の中でも、隣の芝生は青く見えることが多々ありますが、実際その生活に自分が入ってみると今まで目に見えなかった苦労があったりするものです。人の幸せや満足というのは人それぞれ。置かれた状況で日々生きることが一番の幸せなのかもしれません。

もうひとつは、『こなやとむすことロバ』。粉屋とその息子がロバを売りに歩いていると、「自分ならロバに乗っていくのに」という声を聞き、ロバに息子を乗せたところ、「近頃の子どもは甘やかされている」という声を聞いて今度は自分がロバに乗り、「子どもがかわいそう」と言われ、二人でロバに乗り、「ロバがかわいそう」と言われ、ロバを2人で担ぎ上げたところ、変な親子だと集まってきた人々にロバが驚き、川に落ちて死んでしまう話。

人は誰しも他人の評価や噂というものが気になる生き物です。しかし、すべての人の意見を聞き入れていては、この親子のような結果になりかねません。自分の信念をもってぶれないことの重要性を教えてくれます。

家庭や会社でも、考えやポリシーなく、その場その場でころころ考えが変わってしまうと周りも巻き込んでしまいます。ただ、前に紹介したような「北風」にようにトップダウンになってしまってもいけません。バランスが非常に難しいですね。

時と状況によって自分に今必要な教訓は変化していくものだと思います。この16話の中に自分の性格に近い登場人物がいてはっとすることがあるかもしれません。今足りないものが何かをイソップ物語から気づかされるでしょう。

以上、人生の教訓となるイソップ物語を紹介しました。人間関係に悩んだとき、仕事に行き詰ったとき、イソップ物語の中に解決のヒントが隠れているかもしれません。

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