大塚真一郎が挿絵を描くラノベ4冊!アニメが大ブレイクしたあの作品も!

更新:2021.12.19

大塚真一郎は、元株式会社コンパイルのグラフィッカーであり、「ワンダーワンダー」「サモンナイト」など人気ゲームのキャラクターデザインを担当しています。そんな大塚がイラストを担当したラノベを4冊、紹介したいと思います。

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大塚真一郎とは

大塚真一郎は、元々は企業に所属していたイラストレーターです。『アンチェインブレイズレクス』『CONCEPTION』『放課後ガールズトライブ』などゲームのキャラクターデザインをメインに活動していました。

そんな大塚真一郎の知名度を一躍高めたのがライトノベル『Re:ゼロから始める異世界生活』です。繊細な色使いだけでなく、老若男女美醜をきちんと描き分けるデザインの懐の深さが大きな魅力であり、これからの活躍が期待されるイラストレーターといえるでしょう。

彼はGASHINという別の名義でも活動しており、以降で紹介する作品のうち『Re:ゼロから始める異世界生活』以外はこちらの名義でイラストを描いています。

主人公を待ち受ける過酷な運命「Re:ゼロから始める異世界生活」シリーズ

『Re:ゼロから始める異世界生活』は、小説投稿サイト「小説家になろう」で連載されていた同名小説を書籍化したものです。異世界で主人公が華々しい活躍を見せる、といった作品が多い同サイトで、主人公が死に戻るというタイムリープものであることや重苦しい展開が多々存在するなど、異色の作品として人気を集めました。

著者
長月 達平
出版日
2014-01-23

物語は主人公であるナツキ・スバルが異世界に転生し、身の危険に晒されるも、銀髪の美少女エミリアに命を救われるところから始まります。そんな彼女はルグニカ王国の次期国王候補の一人であり、スバルはエミリアのためにタイムリープ能力「死に戻り」を利用しながら戦い続けるのです。

本作の登場人物は非常に多いのですが、それらの人物の特徴や性格を、きちんとデザインという形に落とし込んでおり、誰もが魅力的なキャラクターとして設計されています。そんな美しいキャラクターたちに心を奪われること間違いなしでしょう。

アニメも放送されるなど絶好調の『Re:ゼロから始める異世界生活』おすすめです!

超人気作家の意外な過去作!「ダーク・バイオレッツ」シリーズ

本作は『ビブリア古書堂の事件手帖』で一躍有名になった三上延のデビュー作です。電撃小説大賞三次選考を通過した作品を改稿し出版されたもので『ビブリア古書堂の事件手帖』とは異なり、ホラーテイストの強い作品となっています。 

ダーク・バイオレッツ

三上延
メディアワークス

主人公の神野明良は幽霊を見ることができる「紫の右目」を持っています。ヒロインであり幽霊に触ることができる「紫の右手」を持つ御厨柊美と協力して、物語の舞台である神岡町に出現する幽霊「常世の怪物」を倒していくというホラーテイストの強いバディものの作品です。

オカルト設定に加え、ライトノベル特有の軽さが抑えられ、陰鬱な展開が多いため『ビブリア古書堂の事件手帖』で三上延を知ったという読者は少々面食らってしまうかもしれません。しかし、最終巻である7巻への伏線の回収、展開の収束などは見事で、非常に魅力的な作品です。

大塚真一郎がイラストを担当しているのは2巻以降になっており、また2002年から刊行が始まった作品でもあるため現在の絵柄とは異なる部分もあります。しかし、持ち味である多様なデザインは共通しており、非常に味わい深いイラストです。

人気作家とイラストレーターのタッグという強力な一作、ぜひともいかがでしょうか?

古き良きポストアポカリプス「ポストガール」シリーズ

今作は第1回電撃hp短編小説賞を受賞した作品を刊行したものです。全4巻からなり、1話完結の短編集というライトノベルとしては珍しい形式を取っています。

著者
増子 二郎
出版日

大戦の影響で崩壊した世界が舞台。人口の減少で通信システムが維持できない地域に郵便物を配送する人型機械の、シルキーという少女が主人公です。彼女が配達業務で関わりあった人々との触れ合いを通して、感情を芽生えさせていくという展開となっています。

様々な人物が、手紙を受け取るという経験を通して魅力的に描かれており、それらに影響されて徐々に人間らしい存在になっていくシルキーの変化は、とても美しく感じられるでしょう。心や人間の本質に問いかけるテーマも鋭く描かれており、考えさせられる作品ですが、短編集ゆえの読みやすさもあるのでおすすめです。

大塚真一郎のイラストも繊細な色使いに加え、美しいキャラクター造形など本作の雰囲気を見事に再現しており、大きなウリになっています。

人間らしくも人間ではないという葛藤に苦しむ少女シルキー。彼女の人間らしい一面の愛らしさが、最大の魅力になっている作品といえるでしょう。

大胆なアレンジが魅力!?「おとぎ銃士赤ずきん」シリーズ

本作は2005年に発売された同名OVA作品、テレビアニメシリーズを中心とするメディアミックス作品であり、霧海正悟を著者とする、いわばノベライズという側面の強い作品です。
 

著者
霧海 正悟
出版日

物語の登場人物の多くが有名な童話の人物をモチーフとしていますが、大胆なアレンジが施されるなど、オマージュではなく純粋なオリジナル作品として描かれています。TVアニメやOVAとでは多少の設定の違いはありますが、ハードな戦闘描写などがしっかりと描かれており、その魅力が変わることはありません。

物語は主人公の鈴風草太が、子供のときに母親に教えてもらった御伽噺を探している最中に異形の悪魔に襲われ、そこを赤ずきんに助けられるところから始まります。

「ファンダヴェーレ」と「エルデ」、二つの異世界を守るために奮闘する四ツ葉騎士団三銃士の一人である赤ずきん、草太を襲った組織であるサンドリヨンの一員でありながら、兄ヘンゼルが操られていると知り離反する機会を伺っていたグレーテルが中心となって展開していく作品です。

大塚真一郎のデザインも、元となった童話を意識しながらそれを感じさせないオリジナルのものとして完成されています。魅力的なキャラクターが多数登場しますのできっとお気に入りの一人が見つかることでしょう。

童話を知っていてもいなくても楽しめる名作『おとぎ銃士赤ずきん』ぜひともいかがでしょう?

大塚真一郎名義ではない作品もありますが、その息吹は感じ取ることができたのではないでしょうか?

どの作品も面白く仕上がっておりオススメなので、ぜひともご一読下さい。

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