失恋した時に読みたい感動漫画おすすめ5選!大人のビターな恋愛に泣ける!

更新:2021.12.19

失恋は誰にでもあり得ることですが、実際に体験するのはやはり辛いですよね。そんな時こそ、失恋しても頑張っている主人公が活躍する漫画を読めば元気をもらえるかもしれません。ここでは感動できる大人の恋愛漫画5作品をご紹介します。

ブックカルテ リンク

失恋から生まれる甘いチョコ『失恋ショコラティエ』

製菓学校に通う小動爽太(こゆるぎそうた)は、高校時代に一目ぼれした高橋紗絵子(たかはしさえこ)と念願叶って交際していました。

バレンタイン前日、爽太は紗絵子のために張り切って作ったチョコレートを渡しますが、紗絵子は付き合っている人がいるから受け取れないと言います。驚く爽太ですが、紗絵子の方はもともと爽太と付き合っているつもりはなく、二股をかけていたわけでもないと言って去ってしまいました。

その後、傷ついた爽太は、勢いのままフランスにある有名なパティスリー「ラトゥリエ・ド・ボネール」に働かせてほしいと飛びこむのですが……!?

著者
水城 せとな
出版日
2009-01-09

講談社漫画賞少女部門やananマンガ大賞を受賞、2014年にはテレビドラマ化もされた人気作です。

実家がケーキ屋であることから製菓学校に入学した爽太は、高校1年の時に一目ぼれした紗絵子のことを一途に想っています。爽太の1つ先輩の紗絵子は、高校時代から男子にモテており、何人ものイケメンと付き合うタイプの女性。そのため、同性からはよく思われないところもあります。

爽太のすごいところは、紗絵子に振られかなり傷ついたのは間違いないのに、それでも紗絵子への想いが冷めることがなく、フランスに渡ってまで修行に励む原動力も全て紗絵子に振り向いて貰いたいからというところです。一歩間違えば少し危ない印象を受けてしまうキャラクターではありますが、作中に登場するチョコレートや爽太の一途な努力が魅力的なので、楽しく読むことができます。紗絵子のキャラクターを好きになれる方は、さらに面白く感じることができるでしょう。

嫌なことも良いことも日常の中に『ピースオブケイク』

24歳の梅宮志乃には正樹という彼氏がいましたが、正樹の自分勝手な性格に振り回され、だんだんと正樹の気持ちを信じられなくなっていきました。そんな中、流されるままに志乃が浮気をしてしまったこともあり、2人は別れることになります。

正樹と別れた後、志乃は心機一転するためにも仕事をやめ、引っ越しをすることにします。母の紹介で叔父の経営する木造アパートに引越した志乃は、そこで隣に住む菅原京志郎と出会います。バイト先の店長でもあった京志郎に片想いをするようになりますが……。

著者
ジョージ朝倉
出版日
2004-05-08

女性向けの漫画雑誌「FEEL YOUNG」に連載されていた漫画で、20代から30代の女性から多くの共感を集めた作品です。2015年には映画化もされました。

主人公の志乃はそれなりにモテるタイプですが、自分を好きだと言ってくれた人と流されるままに付き合ってしまうようなところがあります。そんな志乃が想いを寄せる菅原京志郎には、同棲している彼女・あかりがいました。

しかしあかりは名前すら偽名の女性で京志郎には淡泊なところがあります。京志郎はそんなあかりのことを大切に思っていました。

本作は主人公を中心に、誰にでも起こりそうな日常を丁寧に描いています。嫌なこともステキなことも全て日常の中に隠れていると思わせてくれるからこそ、読者も読んでいて力づけられるのではないでしょうか。

一方で、男性目線から読んだ時、恋愛に関して相手に流され気味な志乃というキャラクターへの好みがわかれてしまうこともあるかもしれません。女性向け漫画だからこそでもありますが、本作はやはり女性を勇気づけてくれる女性のための漫画であると言えるのかもしれません。20代30代の女性にはぜひ手に取って頂きたい作品です。

前向きな恋の終わらせ方『忘れられない』

ある日、残業で遅くに帰宅した智花は、母が日帰りの旅行に行ったまま帰ってこないと聞かされます。驚いて警察に届けようとする智花を止めたのは父。携帯を持っていない母は泊まっている旅館の番号だけ知らせてきましたが、父は智花に、そっとしておいてやれと言って連絡させようとしませんでした。

不安にかられた智花は、男友達の暁に相談します。暁は、3年前に別れた元カレ。偶然に再会したことをきっかけに、「ともだち」としてたびたび会うようになったのでした。そうするうちに智花は、これまでずっと暁のことを忘れられなかったのだと気がつきますが……。

著者
谷川 史子
出版日
2012-05-25

表題作である「忘れられない」をはじめ、「つまさきで踊る」、「エンドレスマーチ」、「春の前日」の短編物語が収録された作品です。表題通り、忘れられない気持ちを抱えた登場人物達が、それぞれ静かに生活しながら自分と向き合っていく切なさをともなった物語になっています。

燃える恋が始まるわけではなく、どちらかというと恋を終わらせる物語ですが、決して後ろ向きなだけではなく、むしろ前向きな終わりへと向かっていく流れはまさに大人の恋愛漫画です。

まだ10代や20代前半ほどの若い読者と、それ以上の年齢の読者、またこれまで体験したことの違いによって、この物語の感想は様々な形になるでしょう。それだけ解釈の幅広い地に足のついた物語であり、同時に優しさと切なさに溢れた作品だと言えます。失恋した時に読むと、涙が止まらなくなることもあるかもしれません。女性の方には特に読んで頂きたい漫画です。

家族は自分を写す鏡かもしれない『おんなのいえ』

29歳の有香は、3年間付き合っている彼氏の松谷圭佑が好きな仕事に打ち込めるように、それまで細々と続けていたイラストの仕事もアルバイトもやめ、安定した仕事に転職しました。しかしそんな有香に対して圭佑は、お互いに自分の人生を歩もうと別れを突きつけてきたのです。

突然の失恋にショックを受けた有香は実家に帰省しますが、ちょっとしたことで母親と衝突して、そのまま倒れて救急車で運ばれてしまい……。

著者
鳥飼茜
出版日
2013-04-12

2015年に講談社漫画賞一般部門にノミネートされた作品で、全8巻で完結しています。

美術大学を卒業後、アルバイトをしながら細々とイラストの仕事もしていましたが、特にそれで大成する訳でもさせようとする訳でもなく、交際相手である圭佑とこのまま結婚するんだろうと漠然と思ったまま、気がつけば29歳になっていました。この頃になると、有香は圭佑の夢を応援することが夢と思うようになります。しかしそれは、圭佑にとってはただの押しつけでしかありませんでした。

圭佑が有香に別れを告げたのはそういったことの積み重ねなのですが、有香には自覚がなく、逃げるように実家に帰省します。そこで、何かと干渉してくる母親に、「アンタのためって言いながらその代わりに自分の言う事聞いて欲しいってバレバレやねんてば」と言ってしまいます。しかしその言葉は、自分が圭佑にしていたとこと同じであると気がついた時の有香の苦しい気持ちは、誰でも1度は感じたことのあるものなのではないでしょうか。

有香を中心に、対照的な性格をしている有香と妹のすみ香、そして2人の母との関係性もきちんと描かれており、女同士の家族といった側面も楽しむことができます。女同士だからこそ、家族だからこそ生まれる台詞や態度に共感する方はきっと多いはずです。

甘美的な遊女達の悲恋『花宵道中』

江戸幕府公認の遊廓である吉原。そこで生まれ育った朝霧は、七つの時に長屋女郎であった母を亡くした後、山田屋に引き取られて女郎をしていました。

吉原が火事で焼失して仮宅での営業をしていた朝霧達は、同じ女郎の八津と共に八幡様のお店へと出かけます。そこで、草履が片方脱げてしまっていた所を、通りすがりの男が助けてくれました。青い色のボタンの鼻緒が気に入っていると言った朝霧に、男は髪を振り乱して探してきてくれます。

男の名前は半次郎といい、朝霧の草履の鼻緒に使われている友禅を染めた職人だといいます。それをきっかけに、2人はお互いに想い合う仲になるのですが……。

著者
斉木 久美子
出版日
2010-02-10

2006年、R-18文学賞を受賞した小説『花宵道中』を原作に、2009年に漫画化され、「女性セブン」で連載されました。その後、実写映画化もされ話題を呼びました。5部からなる物語で、それぞれの異なる遊女を主人公に据えることで、いくつもの悲しく儚い恋を描いています。

山田屋という廓で働く朝霧は、生まれも育ちも吉原で、母もまた長屋女郎でした。そんな生い立ちから、男とは体を重ねるだけで恋などとは当然のように縁遠く生きてきましたが、職人の半次郎との出会いが彼女を変えることになります。

原作小説がR-18文学賞を受賞していることからわかるように、官能的な描写が多々ある漫画になっていますが、生々しいようなことはあまりなく、どこか美しさを称えた描き方になっています。

遊廓が舞台ということでどうしても暗くなりがちなところもありますが、そんな中でも一生懸命に生き、自分の心に素直にあろうとする遊女達の姿勢に心打たれる方も多いのではないでしょうか。時代ものではありますが、言葉も現代風に書かれているのでとっつきやすく、違和感なく読むことができます。そういった点は時代劇好きにはもしかすると物足りないこともあるかもしれませんが、一方で慣れていない人にとっては物語に入り込みやすく、楽しむことができるでしょう。時代ものをあまり読まない方も、ぜひ手に取って遊女達の結末を確認してみてください。

いかがでしたか? 失恋はなるべくしたくないものですが、どうしようもない時もありますよね。漫画の世界でも、失恋しても頑張るキャラクターがたくさんいます。そんなキャラクターの姿を見たら、失恋もまあ悪くないのかもしれない、なんて思えることもあるかもしれませんね。

  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena
もっと見る もっと見る