柔らかいタッチと、かわいらしい動物のデザインが特徴的な絵本作家の米津祐介。イタリア・ボローニャ国際絵本原画展に入選したのをきっかけに、日本だけでなく世界中にその作品が翻訳され広まっています。今回は、彼の描く優しいイラストの絵本を紹介します。
絵本作家としてだけでなく、イラストレーターとしても活躍している米津祐介。大学在学中から数多くの個展を手掛け、2017年現在ではイラスト入りのグッズも数多く販売しています。
クレヨン・アクリル絵の具・デジタル。あらゆる道具を使って作り出されるイラストはどれもかわいらしく温かみがあり、いつまでも眺めていたくなるような作品ばかりです。サクラ学習帳の表紙デザイン画や、海外向けの絵本作品など幅広く活躍する米津祐介、日本をはじめ十数か国で翻訳された絵本が世界中の子どもに愛されています。
『のりものつみき』は、ページがのりものの形にくりぬかれているしかけ絵本です。大きくくりぬかれた部分は赤ちゃんの手でもめくりやすく、好きなページを行ったり来たりして、思う存分遊ぶことができます。絵本を読むと言う感覚よりは、おもちゃに触れるような感覚に近いかもしれません。
丸や四角でできたさまざまな大きさのつみきが、いろんな形ののりものに変わる姿は、子どもたちの心をつかんではなさないことでしょう。厚紙タイプの絵本なので、よだれで汚れても、強く引っ張っても破れない頑丈さが魅力です。
- 著者
- よねづ ゆうすけ
- 出版日
- 2011-07-12
つみきの色のコントラストが赤ちゃんの脳を刺激し、つみきやモノの形に強い興味を持つきっかけになるこの絵本。そこに多くの言葉は書かれていませんが、言葉以外の大切な何かを絵本から感じられることでしょう。
友達と遊ぶ機会が少なかったり、一人っ子の赤ちゃんにもこの絵本はおすすめです。つみきをどんなふうに積めば乗り物のかたちになるのか、どんなふうに積めば面白いのか、そんなシンプルな赤ちゃんの疑問に絵本が次々に答えてくれます。
離乳食が始まる時期にとてもおすすめなのが『もぐもぐもぐ』。ねずみさんやねこさん、うさぎさんなど、子どもに人気の動物たちが現れ、好物の食べ物をもぐもぐもぐとほおばるのです。
食べるって楽しい! 食べるっておいしい! 食べることのよろこびをシンプルにわかりやすく赤ちゃんに伝える事ができます。もう大人とおなじ食べ物が食べられるはずなのに、なかなか卒乳してくれる気配がない…‥そんな赤ちゃんにも、美味しい食べ物を食べる幸せを教えてあげられます。
- 著者
- よねづ ゆうすけ
- 出版日
- 2013-04-26
赤ちゃんが大好きな繰り返し言葉と、かわいらしく親しみのある動物たち。『もぐもぐもぐ』はお出かけの時に気を紛らわせるのにうってつけなしかけ絵本でもあります。
登場する動物たちの口の部分はくりぬかれて穴が開いていて、ページをパタパタと動かすことで、もぐもぐもぐと食べ物を食べさせることができます。穴の開いたしかけ絵本は赤ちゃんに大人気です。どうしても泣き止んでくれない時や、気をそらしたい時にも役立ちますね。
『あいうえお』は、画用紙にクレヨンを塗ったような質感のイラストで、優しくあいうえおを覚えることのできる絵本です。ひらがなに興味を持ち始める幼稚園の年少あたりの年齢から読んであげたいですね。
ページをめくると、一つのひらがなに一つのイラストが描かれています。知っている言葉が急激に増え始める時期に、子どもが得意げに「これしってる」と教えてくれるかもしれません。
- 著者
- 米津 祐介
- 出版日
- 2015-03-20
手にとった大人は、自分が子どもだった頃を思い出すかもしれません。どこか懐かしいタッチで描かれたイラストはどれも読む人の目を引き、子どもの学びたいという意欲を刺激してくれることでしょう。
絵本のカバーの裏にはあいうえおの表が付録としてついているので、子どもの目につく場所に飾ってあげると二度楽しめます。とけいやりんご、かえるにつみき。登場するものや生き物、そして食べ物にまで興味がわいてくる、子どもの好奇心を刺激してくれる絵本です。
カメレオンは、敵から身を守るために背景と同じ色に姿を変えることができます。この世界には、そんな不思議で素敵な生き物がいると言うことを、赤ちゃんに教えてあげたらどんなに喜んでくれるでしょうか。
『にじいろカメレオン』は、しかけをくるくると回して遊ぶしかけ絵本で、しかけをまわすとカメレオンの色が変化していきます。その美しさは、大人でも夢中になってしまうほど!
物語のなかでカメレオンのレオンは、おおかみやヘビなど、キケンな動物に出会います。でも大丈夫。レオンはなんにでも変身できるのです。
- 著者
- よねづ ゆうすけ
- 出版日
- 2012-01-24
しかけ絵本と聞くと、どこか「すぐにこわれてしまうのでは」というイメージを抱きがちですが、絵本を上手に扱えない年齢でも、頑丈な作りのこの絵本なら安心です。
大好きな女の子とかくれんぼするカメレオンのレオンが、行く先々でいろんな色に姿を変えるさまはこっけいでもあり、たのもしくもあります。子どもの想像力を刺激し、新しい世界も見せてくれるこの絵本。コンパクトなサイズなので持ち運びにも便利です。
あなたの身の回りには、どんなまるがありますか? 『まる まる まんまる』は、目玉焼きや風船、ぶどうやおひさまなど、たくさんのまるいものが登場します。
まるという言葉の意味がとても分かりやすく描かれているだけでなく、穴あき部分から、簡単にページをめくることができます。はっきりした色合いとかわいらしいイラストは子どもの注意を引き、同じまるなのに全く違うものへ変わっていく様は子どもの目をくぎ付けにすることでしょう。
- 著者
- よねづ ゆうすけ
- 出版日
- 2014-09-09
「まる まる まんまるなーんだ」(『まる まる まんまる』からの引用)と掛け声をかけて子どもと一緒にページをめくれば、クイズ感覚で楽しむことも出来ます。
身の回りにあるまるいものを認識することができ、めだまやきやりんごなど、たくさんの言葉を覚えることも出来ます。この絵本に登場しないものでも、家のなかや出かけた先で丸いものを見つけた時、「まる まる まんまるなーんだ」と子どもに問いかければ、子どもの知識欲を刺激できるかもしれません。
クイズ感覚で楽しめる絵本が多かったですね。大勢の子どもたちを前に、問いかけながら読んでいくにもおすすめな絵本ばかりでした。泣き止まない赤ちゃんの注意をそらす工夫も盛りだくさんなので、出産祝いとしてプレゼントすると喜ばれるかもしれません。赤ちゃんをひざに乗せて、どんなことが好きなのか目を凝らしてみましょう。絵本のしかけにどんなふうに反応するか、何が好きで、何が嫌いか、絵本に触れる赤ちゃんの表情を楽しむのは、大人の特権ですね。