木村祐一のおすすめ絵本5選!『あらしのよるに』の作者

更新:2017.5.5 作成:2017.5.5

多くのメディアで注目を集める『あらしのよるに』の作者、木村祐一は小さい子から楽しめる絵本を数多く発表しています。

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子どもにとっては魔法使い?!絵本作家、木村祐一とは

木村祐一は1948年東京都生まれの絵本作家です。これまでに500冊以上の作品を発表しており、作家になる前は、造形教育の指導や幼児教育番組のブレーンとして幼児教育に携わっていました。それらの職歴を経て、得た知識や技術は絵本製作にしっかりと反映されています。

特に「あかちゃんのあそびえほん」シリーズは累計900万部のベストセラーとなりました。他にも多くの作品が海外翻訳されて出版されるなど、多くの人気作品を発表しています。

単純な仕掛け絵本でも、対象年齢によって楽しめる工夫をしている作品を発表し続ける木村祐一の代表作、シリーズをご紹介します。

不朽の名作絵本!木村祐一の代表作

著者
["木村 裕一", "あべ 弘士"]
出版日
1994-10-20

多くのメディアに取り上げられた『あらしのよるに』は実はシリーズで描かれた作品です。今回は代表作ともいえる第1作目をご紹介します。

ある嵐の夜、雨風をしのぐために2匹の動物が空き小屋に忍び込みました。その2匹はヤギとオオカミ。暗闇でお互いの姿が確認できず、風邪を引いてしまい嗅覚で相手が何者か分からず、互いの正体が分かるか分からないかスレスレの会話を展開していきます。

このお話の醍醐味は2匹の会話です。実はすれ違っているのに、それぞれがメインの情報を言わないため、お互いを同じ種族と勘違いしたまま友情が育まれていきます。滑稽なようですが、2匹の純粋な友情に読者はどんどん引き込まれていくでしょう。

そして途中で現れるアクシデントにハラハラします。「もしここでどちらかが気づいていたら?」と第3者目線で焦りを覚えてしまうでしょう。それほどこの作品の世界にのめり込んでしまうのです。

日常にもあるすれ違いをこんなにものめり込める展開で描けるのは、多くの幼児教育に携わってきた木村祐一ならではでしょう。それも「友情」という難しいテーマで、ここまで解釈の幅を広げられるような作品を描いたのはあっぱれと言わざるをえません!

実は第1作のこの作品では2匹がその後どうなったか、描かれていません。最後に2匹がどうなったのか、どうなっていくのかを考えることができるのです。シリーズ全てを読む前にここで踏みとどまって、その後を想像してみるのも良いかもしれませんね。

本で楽しむことを教える絵本

著者
木村 裕一
出版日

『みんなみんなみーつけた』は切込式のしかけ絵本です。小さな子どもが楽しめるように、ほのぼのとした可愛らしいイラストで展開されています。

本作では、主人公のライオンが一緒にかくれんぼをして遊んでいる仲間たちをどんどん見つけていきます。かくれんぼで隠れている動物たちは果たしてどこに隠れているのか……小さな子どもと一緒に楽しみたい一冊です。

柔らかいタッチのイラストで描かれているので、小さな子どもでも安心して楽しく読み進めることができます。また、かくれんぼという身近な遊びを題材にしているので、子どもたちの共感も呼べる作品です。文字数も少ないのでしかけを楽しむという意味で赤ちゃんからでも楽しめるのではないでしょうか。

もちろん動物たちはすぐに見つかってしまうイラストではあるのですが、仕掛けのページをめくる楽しさがあります。何度も読んでしまいたくなる絵本なので、仕掛けはどんどんボロボロになっていってしまうでしょう。それでも本を楽しむ子どもの様子を見たくて、何度も直してあげたくなります。赤ちゃんから楽しめる絵本なので、ぜひ読んでみてください!

単純な遊びこそ、子どもを喜ばせる一番の方法

著者
木村 裕一
出版日

『いないいないばああそび』は海外翻訳もされている赤ちゃんのためのシリーズ絵本「あかちゃんのあそびえほん」のうちの一冊です。

このシリーズも木村祐一の作品の中では人気の仕掛け絵本になります。赤ちゃんを対象とした内容になるので親子で楽しみながら読み進められる構成です。

様々な動物とまさかの登場人物による、いないいないばぁは何度でも楽しめます。見開きページいっぱいのイラストが大きなインパクトとなるので印象に残りやすい作品です。何度も読んでほしいとせがむ赤ちゃんは多いのではないでしょうか。

ページをめくるたび、大きな変化があり分かりやすく印象が変わるので赤ちゃんは大喜びするはずです。最後までしっかり楽しめる上に、誰にでも簡単に読める絵本なので長く大切にしたい絵本となるでしょう。

歯磨き嫌いがいなくなる!?説得力に頷ける絵本

著者
木村 裕一
出版日

『がんばれ はぶらしハーマン』は歯磨きを題材にした絵本です。子どもが歯磨きを嫌がりだしたら読んであげると良いでしょう。

登場人物の男の子は寝る前に甘いお菓子を食べたのに歯磨きをしませんでした。一方その子のお姉ちゃんはしっかり歯磨きをして寝ました。夢の中で意地悪な怪獣に虫歯にされてしまうのは……そしてそれを助けに来たのは……?定番といえる展開ですが、説得力がある作品です。

歯磨きを嫌がる子どもは多いですよね。そんなときにこの絵本を読んであげるときっと危機感をもって歯磨きをするようになるのではないでしょうか?もしくは「ハーマンがいなくても大丈夫!」と、より歯磨きに積極的に取り組んでくれるかもしれません。

可愛らしいイラストと穴あきのしかけ絵本なので、小さなときから長く楽しめる作品となっています。歯磨きをしないといけないと教えるために、適度なドキドキ感を与えられる作品なので、手元に一冊あると良いかもしれません。

わが子の成長物語のよう。生き方を伝えてくれる木村祐一作品

著者
木村 裕一
出版日

全体の物語構成は読みやすいため、どんな年齢でも楽しめる作品ですが、この作品は小学校に上がったお子様向けでしょう。自分の意思をコントロールし始めるころのお子様に「強いものに頼りすぎたら自分は弱くなってしまう」ということをそれとなく伝えてくれる作品です。

妹のものを失くしてしまった男の子は探している途中にある懐中電灯を見つけます。それを灯すと怪獣が現れるのです!その怪獣は失くしものを見つけてくれるし、何でも言うことを聞いてくれました。その怪獣はあることから現れたり、そうではなかったり……。男の子は徐々に怪獣に頼らずとも勇気を持つことができるようになります。

怪獣の存在は誰の心にでもある弱い部分です。人はつい楽をしようとしてしまいますが、それに打ち勝つことの大切さを柔らかく伝えてくれます。キャラクターの濃い怪獣はその弱い部分を表し、怪獣が現れなくなるのは男の子の心が強くなっていっているからでしょう。男の子の成長に、親は涙を浮かべ子どもは共感する作品です。

木村祐一の作品はシンプルかつ単純な技法を駆使して、子どもたちへメッセージを伝えようとしたものばかりです。だからこそ誰もが楽しみながら長く楽しめる作品が多いのでしょう。子どもの成長とともに作品を選べる楽しみがあるので、ぜひたくさん手に取ってくださいね。