坂崎千春の大人におすすめの絵本4選!Suicaペンギンの生みの親!

更新:2017.5.6

最近頑張りすぎてなんだか疲れている......と思ったときにおすすめ。クスッと笑って、ワクワクして、ちょっと泣いて、心の洗濯をしてみませんか?

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脱力したかわいい動物で人間の心を自由に描く坂崎千春

坂崎千春は千葉県生まれの絵本作家であり、イラストレーターです。 東京藝術大学デザイン科卒業後、文具メーカーのデザイナーとして勤務。1998年に独立し、現在に至ります。

自身が手がけたキャラクターデザインは、JR東日本「Suica」のペンギン、2010年開催の千葉国体のマスコット「チーバくん」などです。

愛らしい動物で人間の日常生活や心の中を描く、その独特の世界観にほのぼの、ほっこり。そんな大人向けの絵本で贅沢な時間を過ごしてみませんか?

あのSuicaペンギンがお買い物。気になる名前は?兄弟は?

初めに紹介する絵本は『ペンギンのおかいもの』です。

JR東日本Suicaのキャラクターペンギンは、関東圏に住んでいない人もどこかで見かけたことがあると思います。Suicaペンギンに名前があったんだ!家族がいたんだ!と初めて知る人も多いでしょう。

本名はスイッピ。5人兄弟の4番目です。そのペンギン兄弟5人がデパートでお買い物。上のお兄ちゃんから順番に欲しいものを1つずつ買っていく中で、末っ子のちびすけが迷子になり……。

著者
さかざきちはる
出版日
2014-10-03

ペンギン兄弟が5人でお買い物に行くというシンプルなストーリーですが、細かく描かれた売り場のイラストによって、まるで絵本の中に入ったかのように楽しめます。

デパートに行ったらこういう光景あるある!という人(ペンギン)や物が忠実に描かれ、でも、登場人物すべてがペンギンなのであまりの可愛さに心がキュンとなるでしょう。

他のたくさんのペンギンの買い物客の中から、ショッピングに夢中のペンギン兄弟を探すページがあり、パッと見ただけではどこにいるかわからないほど、溶け込んでいます。探すうちに他のかわいいペンギンにも目を奪われてしまうかもしれません。

本の表紙になっている、ペンギンのぬいぐるみ売り場を見るペンギン、他にも実演販売コーナーに群がるペンギン、対面販売で魚を売るペンギンなど......兄弟以外のお気に入りのペンギンを見つけてクスっと笑ったり、ほっこりしてください。最後に迷子になったちびすけの意外な行動にも心をつかまれます。

仕事や家事で疲れた心に癒しの一冊となること間違いなしです。

肩の力を抜いて読みたい!心のコリをほぐしてくれる一冊

次の絵本は『クウネルがゆく』。雑誌「クーネル」と、ホームページのクーネル劇場に掲載されていた作品が集められた絵本です。

表紙からもわかるようにちょっと間の抜けた姿のクウネルくんとその仲間たちとの心温まるお話です。

クウネルくんの生態は……グウタラ星の住人で、お腹いっぱい食べて、ぐうぐう寝ることに幸せを感じます。言い争いや面倒くさいことが苦手な性格です。
 

著者
坂崎 千春
出版日
2005-09-20

あっ!私のこと?とドキッとしたあなた!ぜひ、ごろんと寝転がって読んでみてください。

クウネルくんが新しい町に引っ越ししてきた場面からお話が始まります。友達に引っ越しのお知らせの葉書を出すついでに、「この町のことを好きになれますように」と自分にも出すクウネルくん。

なんとなく落ち込んで、元気がないときは、布団から出ずに本を読み、お菓子やお茶もその辺に置き、留守番電話にも出ず、家にいながら行方不明になるクウネルくん。

数少ない友達のムクネルくんが遊びに来たときも、気を遣わずこたつを囲んで、「スープにおもち入れる?」「いいねえ」と自然体な2人。

絵と短い文章に、逆に想像が働き、クウネルくんと一緒に遊んでいるような感覚になります。ところどころ、クスっと笑えるところもあり、「クウネルくんみたいになりたいなあ」と羨ましくさえなってしまうほどです。

でも、ただの癒し本だけではありません。クウネルくんのおばさんであるマリカおばさんがクウネルくんにかけた言葉「友だち少しでも大丈夫。本当に好きなことには、だれもがひとりでむかっていくんだよ。」にはハッとさせられ、共感するのではないでしょうか?

4月から新生活がはじまり、新しい環境、人間関係に慣れようと必死の1か月で、少し疲れが出ていませんか?肩の力を抜いて、クウネルくんに身体と心のコリをほぐしてもらってください。自分へのご褒美にどうぞ。
 

「お母さんありがとう」と素直に感謝の気持ちを伝えたくなる本

次におすすめする絵本は『ずっと、あなたのそばにいるよ』です。

ハラハラドキドキするようなストーリーではありません。ただ母と娘の日常をクマによって描いているだけの本ですが、この絵本は泣けます。

もう取り戻すことはできない瞬間、でもその時はそんな大切なこととは気づいていない瞬間……それらがつなぎ合わされ、母娘の人生が見事に描かれています。
 

著者
坂崎 千春
出版日
2003-11-26

今までのお母さんとの関係を思い返してみてください。小さい頃はお母さんの後をくっついて離れなかったり、成長して徐々にお母さんへの隠し事が増えたり、反抗したり、言い合ったり……立ち止まって振り返ると色々な思い出があると思います。

「ふつうに幸せな日々は、ふつうに続いていくと思ってた。いつか別れがくると知っていても、それはずっと先のことだと思っていたんだ……」(『ずっと、あなたのそばにいるよ』より)

こう言われると、お母さんに対する後悔はありませんか?当たり前の日常が二度と訪れることのない、大切な瞬間で人生はできていると心に沁み渡ります。そしてその人生は一度きり。

すべてを読み終わった後、涙と共にしばらく自分の時間に入り込んでしまうかもしれません。そして、今までのお母さんから受けた愛情に素直に感謝するでしょう。心がきゅっとしめつけられるような、切ないけれど前へ進む力をくれる絵本です。

あなたの心は何ペンギン?

最後に紹介する本は『ペンギンゴコロ』です。

「わたしのココロはペンギンの形をしている」(『ペンギンゴコロ』より)

この絵本はかなりユニークな絵本です。ペンギンの姿の白と黒、前と後で人間の心を表しています。

著者
さかざき ちはる
出版日

キングペンギンのイラストには「大きなココロ」、イワトビペンギンには「はずむココロ」、ちょっとうつむいたペンギンには「こんな日は昔のことをなつかしんでいる」。

白と黒だけの素朴なタッチのイラストと一言コメントなのに、力の抜け具合といい、かわいらしさといい、一気にペンギンの虜になってしまいます。

いろんなペンギンの中で、「あー今の私これだ」とか「昔こうだったな」と思えるペンギンがきっといるはずです。ちょっと後ろ向きな心を前向きにしてくれるでしょう。

この本は目と心で読んでください。なんだかほのぼのとして、満たされます。ストレスで疲れた心を必ず癒してくれる一冊です。
 

以上、時にほっこり、時にうるっと、自然と身体の力を抜いてくれる坂崎千春の絵本を紹介しました。「人間社会」に疲れたあなたにおすすめです。

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