2017年夏にアニメ化される『アホガール』。本気でイライラする可愛くないヒロインが主人公なのに、なぜか癒されるという不思議な魅力を持った作品です。今回は本作のキャラクターをご紹介!ネタバレを含みますのでご注意ください。
- 著者
- ヒロユキ
- 出版日
- 2013-05-17
自信過剰でポジティブ、とにかく並外れたアホの子、よしこ。そのアホさは今までの漫画のどんなヒロインよりもアホで、イライラさせられ、驚愕の萌えなさです。
近所の子供いわく顔も「中の下」。たいていこういうヒロインは顔だけは可愛いのですが、そこすらもとりたてて良くない。どうしようもないメインヒロインです。
初回からマークシート方式なのに0点をとったことを堂々と発表し、とにかく遊ぶことと寝ることと食べることだけに全精力を傾けている彼女。特に彼女が熱をあげているのがバナナ。これなくして彼女は語れません。
出典:『アホガール』1巻
朝食でただバナナを食べているだけのよしこの表情です。この世の奇跡に感謝するかのように流す涙に、恍惚とした表情。両手にバナナを持ち、とにかく幸せそう。アホにバナナがこんなに似合うとは。
よしこのこの様子を見て、となりで見ていた母親のよしえは頭を抱え、よしこの幼馴染の明が冷ややかな目でそれを見ています。よしえは彼に謝ります。
「……アホで…ごめんね……」
「お察しします」
そんな会話も気にせずよしこはバナナに夢中。本当にシンプルにアホという表現が似合います。
よしこは作中でパンモロや下着姿を披露してくれるのですが、これがまぁ見事に興奮しない。しかしなぜか自信だけはあるのでお色気感を出すのですが、やめてほしいとその場面を隠したくなります。
こんなに可愛くない、そして本当にアホすぎてイライラするヒロインも珍しいですが、なぜか読んでいて癒されることは確かなのです。普通の人間の理解できる範囲を超えた、珍獣のような少女です。
- 著者
- ヒロユキ
- 出版日
- 2013-10-17
よしこの隣に住んでおり、幼馴染のあっくん。無愛想なクールキャラですが、よしこのツッコミの時は心なしか生き生きとしています。
しかしその無表情さとよしこへのバイオレンスすぎるツッコミと暴言によって周囲からは距離を置かれており、携帯の連絡先は全3件。自宅、よしこ、よしこ家。3分の2がよしこに侵略されていることからもなんだかんだ彼の中でよしこの存在が大きいことが伺えます。
あっくんのよしこへのツッコミは壮絶。時に本気で殴り、時に投げ飛ばしと女の子にする扱いとは思えません。そう、彼の中で彼女は女の子というものではないのです。
出典:『アホガール』1巻
よしこの嫁のもらい手を心配したよしえに結婚を迫られてもクールに対応。よしこはアホで、さらに言うとサル並みのアホ。そしてサルとは恋できない、つまりよしこ=サルとは結婚しない、という見事な論理的解釈によりきっぱりと断ります。しかも作中ほぼ見ないいい笑顔です。
しかしよしえも押しが強く、結婚できないならばせめて彼女を人間にしてくれとすがりつきます。そんな彼女にさすがによしこをこのまま社会に解き放つのは人として罪悪感があると考えた彼は高校3年間でなんとかよしこを人間の知能までひきあげることにします。
明とよしえが話しているのは果たして人間の話なのでしょうか……。ここから明の高校3年間をかけた戦いが始まるのです。
アホがフルスロットルなよしこに唯一付き合ってくれる純粋ないい子、さやか。よしこが学力的にも顔面的にも偏差値が低い割になぜか自信満々なのに対して、さやかは可愛いのに自信が持てないタイプです。
よしこはところどころでさやかに失礼な発言をかまします。自信を持てないさやかに「頑張れば…人の役に立てるんだよ?」とドヤ顔で言ってきたり、褒め言葉を普通だよーと返すさやかに「まぁそうかも」と言ったり、かわいいさやかちゃんにマウンティングとってんじゃねぇよアホ!と言いたくなるようなやりとりをします。
ある日よしこに「さやかちゃんは地味かもね!」と言われてショックを受けたさやかは、なぜかよしこに「いい感じになる」ためのコーチングをしてもらうことになります。その中のひとつが体力づくり。「走ろう!」と駆け始めるよしこですが、どんだけ走るのかと思うとなんと3時間。
出典:『アホガール』1巻
初めていいことしたぞよしこ!なんだかんだ3時間も付き合っちゃうさやかには性格の良さしか感じられません。普段からアホに付き合ってあげちゃういい子ですが3時間とはぶっとんでいます。
そしてなぜよしこは3時間前と表情が全く変わらないのか。これがバナナの力なのでしょうか?
この前後にも無意識でさやかをいじめるよしこのおかげで、可愛すぎる彼女の表情が楽しめます。本作唯一の王道ヒロインさやかは文句なしに可愛い少女です。
もともとは捨て犬だったものの、よしこと熱い死闘?を繰り広げて彼女に忠実になった、名前が「犬」の犬。もちろんこのネーミングセンスはアホ中のアホ・よしこの仕業です。
出典:『アホガール』1巻
犬は人が乗れるほど体がでかく、バイクと張り合うほど足が早く、人間の言葉が通じるというチートな存在。彼の受け答え?はよしこよりも賢いと見受けられるものです。
犬が出てくると神回と言われるほどの人気者で、とにかく存在するだけで面白い。言葉が話せない分シュールな面白さが引き立ちます。
更に面白いのがあっくんの唯一の心の拠り所が犬だということ。あっくんの気持ちを察し、感動を共有できる相手なのです。完全によしこより彼の中では上のポジションでしょう。
もしかすると主人公よりも重要なポジションかもしれない彼女の飼い犬・「犬」です。
1巻の序盤から登場するのになぜか本名が明かされてない風紀委員長。朝の持ち物検査の時に登場、滅多に見せない明の外用スマイルに一目惚れし、それ以来彼のことが気になっています。
そんな彼女は風紀委員長ですが、風紀を乱しまくり。まずはひとめでわかるその見た目から。
出典:『アホガール』1巻
そう、彼女はおっぱいがでかい。よしこの目を力一杯見開かせるほどのGカップです。しかし彼女はそんな見た目だけのエロさではありません。明が好きすぎて脳内の妄想が爆発するのです。
妄想で迫られて「私の風紀……乱しちゃダメー!!」と廊下で悶絶したり、少し褒められただけで鼻血を垂らしたり、持ち物検査と称してボディチェックするとなった時などいつもの優等生キャラもどこへやら、「触りたい放題!!風紀委員長バンザイ!!!」と心の叫びをもらしたりと、なかなかエキセントリック。
日常ほのぼの系漫画の『アホガール』でのエロ担当、それが風紀委員長です。
ストーリー序盤から登場し、どうにかあっくんとよしこをくっつけようとするよしこの母・よしえ。時には同情を誘うように、時には犯罪すれすれの強硬手段であっくんとよしこの間に既成事実をつくろうと工作。既成事実が分からないよし子には頼もしくこう豪語します。
出典:『アホガール』1巻
よしえの得意な攻撃は睡眠薬入りのドリンク。どこで買ったのか、その薬はかなりの即効性。しかも彼女はその薬を常備しており、対あっくん用のみならず、旦那との久々の夜を邪魔されないためによしこに飲ませようとすることもあります。クレイジーです。
対あっくんの時ですが、一度目はあえなく失敗。あっくんがその目論見を見抜き、逆によしこが飲んでしまうということになりました。焦るよしえ。
「私なんて底抜けのアホとあっくんをくっつけないと
老後が真っ暗なんだから!!!」
もう歯に衣着せぬようになった彼女のこんな気合の入りようにより、2度目は見事成功。同級生の少年・黒崎を使って飲ませ、彼に濡れ衣を着せることにも成功します。
この親にしてこの子あり。既存の型にはまらないという意味ではやはり血の繋がりを感じるよしこの母・よしえです。
コンビニの前にいる時によしこがかまってきたことをきっかけに、彼女が生粋のアホとも知らずに舎弟になってしまった黒崎。よしこに毎回名前を間違えられたり、あっくんと友達になろうと家の周りをうろうろしたりとなかなかの残念キャラぶりを発揮します。
出典:『アホガール』1巻
黒崎はとにかくよしこの言うことは絶対。あっくんと友達になろうとしますが、ひょんなことからよしこのアドバイスであっくんの忠実なる犬になってしまいました。
それでも友達になることをあきらめず、いつもテストで学年1位のあっくんに近づくため猛勉強。なんと結果的にあっくんを追い抜かして黒崎が1位になってしまいます。
友達になりたいという思いだけで家にひきこもって勉強をしたという健気な様子もなんのその。あっくんは犬に追い抜かれるなど言語道断なのです。
「オレより良い成績を獲るな
オレはオレより成績のいい奴がキライだ」
かわいそうすぎます。
黒崎は初登場のオラオラはどこへやら、見事残念キャラとして定着。ヤンキーは意外と良い人というのはよくあるパターンですが、ここまでくると見ていて辛くなってきます。頑張れ黒崎!
- 著者
- ヒロユキ
- 出版日
キャラたちの個性が強く、普通に可愛いヒロインが地味扱いされてしまうほどのギャグ漫画、『アホガール』。まだまだ紹介しきれていないクセの強い人物がいっぱい。イライラさせられながらもなんだか憎めないアホガールのよしこと周囲のキャラに癒される、おすすめギャグ漫画です。