「グリム童話」は誰でも1度は手に取ったことがあるのではないでしょうか。映画化されたものもあり、「ラプンツェル」や「白雪姫」など、お姫さまと王子さまの物語に憧れる女の子も多いでしょう。そんな「グリム童話」を英語で読んでみませんか?
ペーパーバックのおすすめ作品です。実に51篇ものお話が収められていて、グリム童話の中でも主要なお話に触れるのに、とても適した本となっています。
それぞれのお話は5~6ページ程で終わるものばかり。英語だからといってあまり身構えずに読むことができます。
- 著者
- ["Brothers Grimm", "Jacob Grimm", "Wilhelm Grimm"]
- 出版日
- 2011-03-17
「ヘンゼルとグレーテル」や「7匹の子ヤギ」など、日本でもよく知られたお話が入っています。そのため、知っているお話から読み進めるのもおすすめです。また、「青いランプ」や「森の中の3人の小人たち」など子どもたちにはあまり馴染みのないお話も収められています。
「森の中の3人の小人たち」は、娘の美しさを妬む継母とその娘が登場します。継母たちは美しい娘をいじめ、冬なのに苺を取ってくるように言いつけるのです。困った娘は森の中で出会った小人たちの力を借り、無事に苺を手に入れて帰ります。娘を妬んでいじめる継母とその娘には、最後は残酷な刑が言い渡されます。
『グリム童話』は、もともと残酷な結末が多いものです。しかし、こちらの本は子ども向けに書かれているため、残酷な描写はカットされ、ハッピーエンドを楽しむことができます。
最後まで読み終えたときには、50以上ものお話を英語で読むことができたという達成感が得られるのではないでしょうか。初めて英語で読む方の導入に良いかもしれませんね。
ハードカバーの本で、15篇が収められています。こちらも「赤ずきん」や「眠りの森の美女」など、日本でよく知られているお話が多いため、手に取りやすいのではないでしょうか。
- 著者
- ["Ruth Brocklehurst", "Gillian Doherty"]
- 出版日
- 2010-09-01
こちらの本の魅力は、何といってもイラストです。表紙や挿絵の絵柄は色鮮やかですが、どこか温かみが感じられます。童話やおとぎ話の雰囲気にとても合っていて、その魅力が最大限に引き出されているのではないでしょうか。どこか素朴に見えるようですが表情豊かで、引き込まれます。また、当時のヨーロッパの服装なども再現されているので、そこにも注目したいです。
こちらも知っているお話から読み始めたり、知っているお話だけを繰り返し読むなどいろいろな楽しみ方ができます。
1つ目で取り上げたペーパーバックよりも読みやすく書かれていて挿絵もつけられているため、ペーパーバックが難しいと感じたらこちらの本がおすすめです。
大判の絵本で、8篇が収められています。日本でよく知られている「白雪姫」や「ブレーメンの音楽隊」など、どれも子どもたちが夢中になるお話ばかり。お子さんと一緒に読んだり、読み聞かせをしたりするのもおすすめです。
- 著者
- 出版日
- 2007-10-31
カラフルで、色遣いのきれいな絵本です。文章よりも挿絵がメインになっているので、分からない言葉があっても、挿絵から推測して読み進めることができます。また、表紙には全8篇に関わるイラストが描かれていて、こちらもとても可愛らしいです。
登場人物の表情もとても豊かです。特に『Lucky Hans』にはブタが登場しますが、そのぽかんとした表情などは、思わず笑ってしまいそうです。
この『Lucky Hans』は、奉公によって手に入れた金塊を馬、牝牛、ブタ、ガチョウ……と物々交換していくお話です。このお話を読んだ人は、日本の『わらしべちょうじゃ』が思い出されるのではないでしょうか。しかし、『わらしべちょうじゃ』の男が最後に富を手に入れるのに対して、ハンスは最後に何も残らず、それでもとても幸せそうに描かれます。こういった、日本と昔のドイツでの考え方の違いに触れることもできます。
そして文章は現代的な言葉遣いで書かれているため、読みやすく感じられるでしょう。
子ども向けの絵本で、それぞれのお話ごとに出版されています。「赤ずきん」や「長ぐつをはいたねこ」などはもちろん、「オズの魔法使い」や「不思議の国のアリス」など、グリム童話ではないものもシリーズに含まれています。
下の画像は、シリーズの中の「赤ずきん」です。
- 著者
- Ladybird
- 出版日
- 2011-03-29
こちらも絵本なので、挿絵がメインになっていて文章は少なめです。やはり、挿絵から推測して読み進めることができます。また、3つ目で取り上げた大判絵本よりも幼い子どもたちを対象としているので、文章がとても読みやすいです。
このシリーズはお話ごとに出版されているので、自分の好きなお話から読んだり、またはあえて知らないお話に手を伸ばしてみたりといった、様々な読み方ができます。
そして、別売りですがCDも用意されています。流し聞きや、お子さんと一緒にCDの真似をしながら発音するなど、色々な楽しみ方にチャレンジできる作品です。
「ヘンゼルとグレーテル」や「かえるの王子」など、8篇が収められている本です。易しい英語で書かれていて、日本語訳がつけられています。また各ページには英単語や熟語の注釈もつけられているため、分からないところを確認しながら読み進めることができるでしょう。
こちらはCDが付属としてついています。
- 著者
- ["グリム兄弟", "出水田 隆文"]
- 出版日
- 2015-02-25
こちらの本では、『グリム童話』の世界を存分に楽しむことができます。童話だけでなく、そもそもグリム兄弟とはどんな人か、兄弟がどのようにして『グリム童話』を作っていったのかなど、解説がつけられているからです。
それぞれのページは英文と日本語文が左右で対称に書かれています。まず英文を読んでから日本語訳を確認する、日本語訳を読んでから英文に触れてみる、など自分の好みや実力に合わせて読むことができます。
それぞれのお話も魅力的なものが選ばれていて、かつ読みやすく書かれているため、無理なくお話の世界に夢中になれるのではないでしょうか。
『グリム童話』の原書では残酷な描写があります。それは教訓が説かれることが多いからです。しかしこちらの本では、「漁師とおかみさん」など欲張りな人間がいかに愚かかということを、残酷さではなくユーモアたっぷりに描かれています。
「漁師とおかみさん」は、漁師がある日カレイを釣り上げたところからお話が始まります。実はそのカレイは魔法をかけられた王子さまで、何でも願いをかなえられるというのです。漁師はカレイを海に放してやりますが、欲張りなおかみさんはそれを聞いて怒ります。小さくてボロボロの家を、新しい家にしてほしいのです。漁師がカレイにお願いすると願い通りに新しい家を与えられましたが、おかみさんの欲は止まりません。次から次へとカレイに願いごとをかなえさせます。おかみさんの願いごとがすべてかなえられた結果、どうなるのでしょうか。
そして付属としてCDがつけられていることで、流し聞きをしながら読んだり、発音を確かめたりすることができます。また、シャドーイングにも挑戦してみてはどうでしょうか。お話の世界を楽しむだけでなく、英語の学習として活用することもできます。
『グリム童話』は世界中で愛されていて、なんと聖書と同じぐらいのベストセラーだと言われている作品です。幼いころに絵本や映画などで親しんだ人も多いと思います。今度は英語で触れることで、また違った『グリム童話』の世界を楽しんでみてはいかがでしょうか。