5歳の子どもが喜ぶ、楽しい仕掛け絵本おすすめ5選!

更新:2021.12.19

世の中に無数に存在する仕掛け絵本の中から、おすすめの5作品を選びました。何を選んだら良いのか分からない。以前自分で選んだけれども、あまり喜ばれなかった......そんな方は、是非参考にしてみてください。

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驚きの視覚体験

最初に紹介する仕掛け絵本は、『きょうの おやつは かがみのえほん』です。この絵本の最大の特徴は、反射するピカピカの紙で制作されている点です。通常イメージする絵本だと、右から左にページを動かして読んでいくかと思いますが、この絵本は違います。

下から上にページを捲っていく形になっています。そして、上にページを持ち上げていき、下のページと直角になる位置で止めると、「反射」によって、絵が立体的に見える工夫が施されているのです。

著者
わたなべ ちなつ
出版日
2014-10-09

泡立て器にスプーン、銀色のボウルなど、おやつづくりに必要となる道具が、次から次へと立体的に登場してきます。まるで目の前にあるようにも見えるその映像で、見ているだけでお腹が減ってきそうです。

次の特徴としては、絵本自体に「手」が描かれていないところかと思います。手が描かれていない分、絵本に手を添えると、あたかも読んでいる本人がおやつづくりに参加しているような心地になってしまいます。

実はこれ、作者が戦略を立てたちょっとした遊び心なんですよね。この本をきっかけに、実際のお菓子作りに興味を持つ子も多いと思います。

一つ注意点を挙げるとすれば、やはりどの物語にも言えると思いますが、子供の興味関心に合っていなければ、喜んでもらえないという点です。

たとえば、視覚的な表現にもともと強い関心を示している。もしくは、食、お菓子に対する関心が強い性格を持っている。そんな子供であれば、無条件に喜びを示すでしょう。

海の中へ飛び込むような感覚

次に紹介する子供が喜ぶ仕掛け絵本は、『オセアノ号、海へ!』です。作者ボワロベールと、リゴーという人気作家がコンビを組んで、作品を作り上げています。

上で紹介した鏡仕掛けの絵本は、あまり広く知られた絵本の仕掛けではありません。ですから、その発想自体に驚き、興味を覚える方も多いと思います。しかし、この『オセアノ号、海へ!』で採用されている「立体的に飛びだしてくる」仕掛けそのものは、昔からありましたし、多くの方が色々な絵本で体験してきていることと思います。

しかし、それらの作品群と比較しても、『オセアノ号、海へ!』は、一つ抜きん出た魅力を抱えていると感じざるを得ません。その理由としてまず最初に言える要素は、芸の細かさです。

著者
["アヌック ボワロベール", "ルイ リゴー"]
出版日

この作品は、タイトルにもありますように、海の世界を描いています。その中で、無数の魚が浮き上がってくるページがあるのですが、その迫力たるや半端じゃありません。

そこまで細かく魚を飛び出させる必要あるのか、というぐらい、無数の魚が細かく描かれており、それがぐわ〜っと立体的に浮かんでくるので迫力に、大人であっても圧倒されることと思います。

飛びだす絵本のあるあるとして記憶している点は、開いたときに「引っかかるような感覚」です。あれは正直、子供心に醒める思いがしたのですが、この作品では、そこにも気配りがなされているようで、引っかかるような感覚なく、大変読みやすくなっています。

そのように絵本としての完成度が高い点も、魅力的な理由の一つと言えます。迫力ある海の世界を楽しませたいのなら、この絵本がおすすめです。

仕掛けおばけ

次の絵本は、『おばけやしき』です。タイトル通り、作品のテーマはお化け屋敷であり、本をめくるごとにお化け屋敷の中を進んでいくような展開を楽しむことができます。

仕掛け的には、上で紹介してきた絵本とくらべて、その手数が圧倒的に多いです。色々な物、おばけがページごとに設置されており、その仕掛けの多さに圧倒されることと思います。

著者
ジャン ピエンコフスキー
出版日

この作品は子供を喜ばせる絵本として紹介していますが、子供よりも先に大人がハマッてしまうケースも多々ありますので、それだけ内容の濃い仕掛け絵本であることは間違いありません。

ということは、5歳の子供が少し成長して、精神年齢を上げたとしても、それでもまだ、引き続き愛してくれると思います。

お化けが元々好きな子供はもちろん、特にこれまでお化けに関心を持つことなく生活していた子供でも、この絵本は楽しめます。

それだけ、お化けという枠組みを超えた魅力に溢れているからです。そんな、幅広い子供との"長い付き合い"が想定できる絵本、『おばけやしき』はおすすめです。

こんなかいだん、登りたい

続いての仕掛け絵本は「とびだす! 3Dアートえほん ふしぎなかいだん」です。この作品は、3Dメガネが無くても立体的に飛び出て見えるところが売りになっています。

この本の楽しみ方は、背表紙を下にして絵本を立てます。そして1ページずつ、手前に倒します。最初に紹介した鏡の絵本とは逆の動作です。手前に倒したら、正面から片目だけで見てみましょう。するとびっくり、絵が飛びだして見えてきます。

著者
永井 秀幸
出版日
2014-12-18

絵本の構成としては、中央に同作品のテーマである「かいだん」が常に描かれてあり、主人公がそれを登っていく過程で色々な経験をする展開になっています。子供は、どんどん下に落ちたり、どんどん上がる話が基本的には好きです。

そういった意味では、視覚的にも楽しいし、幅広い子供の心をつかみやすい仕掛け絵本だと思います。

「マドレーヌ」シリーズでもっとも有名

最後は、『ちいさなマドレーヌ』のしかけ絵本です。こちらの絵本は「マドレーヌ」シリーズの中でもっとも有名な作品となっています。仕掛け自体は、オーソドックスです。鏡も使っていないし、大掛かりな仕掛けがあるわけでもない、3Dでもありません。しかし、多くの人に愛されています。

著者
["岡松 きぬ子", "ルドウィッヒ・ベーメルマンス", "Ludwig Bemelmans"]
出版日

『ちいさなマドレーヌ』は、今回紹介した仕掛け絵本の中では最も古い作品です。1987年に発売され、今なお愛されているとは、なかなか凄いことではないでしょうか。

其の裏には、絵の可愛らしさや、しっかりと作られている物語の良さなどが理由だと思います。なお、『ちいさなマドレーヌ』は、絵本版『げんきなマドレーヌ』を元に仕掛け絵本として作っていますので、『げんきなマドレーヌ』と併せて読むと、更に楽しめると思います。

物語の主人公マドレーヌは、フランスのパリで生活する小さな女の子です。ですので、男の子よりも女の子の方が共感できる部分もあり、喜んでもらえる作品だと思います。

イマジネーションに満ちた絵本の世界を楽しむことで、子供の柔軟な心に刺激を与え、輝きをもたらすことは簡単に想像できると思います。でも、絵本のパワーはそれだけに留まりません。実は、絵本を一緒に読んであげる親にも、同じくらいの恩恵をもたらします。たとえて言うなら、石のように乾いた大人の心を、絵本は優しく解きほぐしてくれるのです。

心が変われば行動も変わる。子供に対する親の接し方が、絵本を通じて少しづつ良好になっていくケースは、よくある話だと聞きます。以上、5歳の子どもが喜ぶ、楽しい仕掛け絵本おすすめ5選!についてお伝えしました。

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