小学校低学年の女の子におすすめ!絵も物語も可愛らしい本5選

更新:2021.12.20

小学校低学年は、まだ幼稚園や保育園の延長でその時々の個人の興味関心によって行動します。また女の子の特徴としてカワイイモノやファンタジーが大好きです。今回は絵も物語もかわいい、女の子におすすめの本をご紹介いたします。

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おおかみより、だいぶ、うわて。もしかして彼女は、魔性の女の子?

なぞなぞが好きすぎる、女の子のお話です。森へ、なぞなぞの相手を探しに出かけた女の子は、オオカミに出くわし、「手に、頭をあてて目をつぶって考えるといいのよ」とアドバイスをして、彼がその通りにしている間に逃げ出します。

一見、おっとりしていそうな女の子が、実は利発で計算している感をみじんも見せずに、オオカミどころか、読み手も女の子のペースに飲まれそうな勢いです。さてさて、最後はどのような展開になるのでしょうか……。

なぞなぞ好きな方はもちろん、なぞなぞにあまり興味が無かった方も、この本をきっかけになぞなぞの魅力に親子とも、はまってみてはいかがでしょうか?

著者
松岡 享子
出版日
1973-02-10

女の子から毎日なぞなぞを出され続けるお母さんが、とうとううんざりして、誰か他の人とやって、というくだりは、思わず同じくらいの女の子をお持ちのお母さんならクスッと笑ってしまうのではないでしょうか。

この年くらいのお子さんは、夢中になるものをみつけると、しばらくは朝から晩まで親や友達を巻きこんで自分の世界観を共有化しようとします。そんな愛らしさも、上手に表現されています。

のびのびと、子育ての本質を教えてくれる

スーちゃんの何気ない日常が散りばめられていています。この年齢特有の、夢と現実の境界線があいまいで、自由奔放な女の子の日常が描かれています。

特別な日に使うお皿の上にはママを喜ばせようと土で作ったケーキ。そして土だらけの階段やキッチンに、花壇から抜かれたお花、庭に大事な銀のケーキナイフが。

さて、ママは一体どのような対応をするのでしょうか?

この物語のように、子育て楽しめたらなあ……とか、こんな両親だったら毎日が楽しそうだなあ……とか、思っちゃうくらい日常を楽しく親子で展開していくお話です。

著者
ジョーン・G. ロビンソン
出版日

この年齢特有の夢と現実の曖昧な境界線を家族が暖かく見守るっているからこそ、スーちゃん天真爛漫さの魅力が随所随所に散りばめられています。

本来は、このように子どもを自由に受け入れていく余裕が、子育てには必要なのですね。子育ての参考書にもなります。
 

いきなり妹がでるという現実に、どう対応する?

親の再婚によって、小学一年生にして、突然おねえちゃんになったお話。長いプロセスを経ておねえちゃんになるのでなく、突然おねえちゃんになるという理不尽さ。今の時代、よくあることかも知れません。

さて、おねえちゃんは、妹への嫉妬、責任感、今まで味わったことのない感情と対峙します。感情の濃厚なやりとりや摩擦を通過し、本当の家族になっていくまでの状況を丁寧に描写されています。

葛藤しながら様々なことを学ぶおねえちゃんと憎めない妹のお話です。

著者
いとう みく
出版日
2012-06-16

両親は、長いプロセスを経て、好きになって、結果、結婚するという結論に至りますが、子ども達は、そういうプロセス無しでいきなり兄弟姉妹になるわけです。

そのような境遇の家庭の親御様もお読み頂いたら、子どもの視点に立つことができます。子どもの気持ちがダイレクトに心に直球してくる物語です。

大人でも、このような環境になった場合、かなりのストレスを感じると推測されます。自分がこのような状況になったらどんな行動にでるだろうかと、いろいろ考えさせられる物語です。

偉そうなのに憎めない、不思議な魅力を振りかざすおうさま

りさちゃんが作ったクッキーのおうさまが動き出し、台所に住み始める奇想天外なお話。大人の視点で見れば、思いもつかない展開に、驚きのあまりぶっ飛びそう。

それに加えてクッキーのおうさまは、はさみやセロハンテープ、栓抜きなどを家来に従え、異素材を擬人化させ、違和感なく融合させるところも大人感覚では驚きの連続です。

また、お菓子の箱でお城を作るプロセスは子ども達も大喜びしそうです。

著者
竹下 文子
出版日

お母様がお子様に読み聞かせされる場合は、展開が早いので、少しずつ読むよりは、一気に読んであげると楽しめます。

というか、物語に読み手がぐいぐい引っ張られるというくらい、展開が気持ちいいほど早いのです。

『クッキーのおうさま』はシリーズ化されています。他に、『クッキーのおうさま えんそくにいく』『クッキーのおうさま そらをとぶ』があり、全て読んでみたくなるくらい、おうさまが魅力的なキャラクターに惹かれます。

理不尽なんてなんのその。自分主体のあっぱれ物語

皆さんは目標にむかう途中、難関や、理不尽な目にあったとき、どう思うでしょうか?「ああ、もうだめだ」か、それとも、その苦難の中に、少しでも幸せを見つけ、それを生きるための糧にできるか?

これは、あおい目のこねこがねずみのくにを探しに行くお話。

7つの短編で出来ており、それぞれ理不尽なことや理解不能な場面に出会うのが定番です。にもかかわらず、前向きに目的達成にむけてサクサク進んでいくことに、読み手はあっぱれな爽快感を感じます。

著者
エゴン・マチーセン
出版日
1965-04-01

大人も勇気づけられる一冊です。理不尽を乗り越えるヒントは、この物語の主人公である、あおい目のこねこが教えてくれます。

おそらく、作者は、これからの人生の中で起こりうる様々な理不尽なことに対して、自らを失わず、目的達成をする大切さを伝えたかったのではないでしょうか?

色数を制限された垢抜けた絵でさらりとスマートに描かれた絵がとても魅力的です。文、絵も携わっているデンマーク出身の作家であるエゴン・マチーセンは、独学で画家となり、当初、抽象画家として壁画を中心に描いていました。さらりと線の美しい絵の表現力は、こねこの体のしなやかさをうまく表現しています。

低学年の女の子におすすめの本は、物語もさることながら絵もファンタジックで可愛らしいものが多いです。その年齢特有さを象徴している主人公が多く、一見気まぐれに見えますが、実は思慮深く考えています。その奥深さに驚きつつ、お母様でしたら、その当時を彷彿させるものも発見されるのではないでしょうか。お子様と一緒にこの時代特有のファンタジーを共有されてはいかがでしょう。

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