恐竜が出てくるおすすめ絵本!3歳~小学校低学年に読んでほしい5冊

更新:2021.12.20

恐竜という言葉を聞いて何を連想しますか?強くて大きくてかっこいい、そんなイメージのある恐竜は子どもたちにも大人気です。3歳くらいから小学校低学年の時期までに読んで欲しい絵本を紹介します。

ブックカルテ リンク

卵が割れて、大変と思ったら……『きょうりゅうのたまご』

『きょうりゅうのたまご』は、登場する男の子も恐竜のお母さんも、とても優し気で可愛らしい表情をしています。大事な卵を無くしてしまった恐竜のお母さんのために、男の子は一緒になって卵を探してあげるのです。

こんなことが現実に起きたら楽しいな、そう思える素敵で不思議な出来事が起こります。恐竜のお母さんが男の子の部屋になぜ現れたのかというと「恐竜臭かったから」というから驚きですね。恐竜ってどんな匂いだろうと子どもたちの想像が膨らむことでしょう。

著者
なかがわ ちひろ
出版日

恐竜のお母さんと人間の男の子は、一緒に卵を探して町を歩きます。恐竜が町を歩いていたら町の人たちは驚きそうなものですが、皆なぜか平然としていて、物語は終始のんびりとした雰囲気に包まれています。

ショベルカーを操縦して穴を掘り、卵を探すシーンは、乗り物好きな子どもも引き込まれるのではないでしょうか。土の中には宝石もあり、ついに男の子は卵を見つけて恐竜のお母さんに渡してあげる事に成功します。

恐竜と言うと怖いというイメージを持っている子どももいるかもしれませんが、この絵本の恐竜はとても優しい恐竜です。最後には、卵が割れてしまってあたふたしていると、小さな赤ちゃん恐竜が生まれるというサプライズもあります。笑顔になれるハッピーエンドです。

めくって楽しい『はっけんずかん きょうりゅう』

『はっけんずかん きょうりゅう』は、全編ひらがなで書かれたしかけ絵本です。子どもが初めて手にする図鑑としてもおすすめです。

ありとあらゆる種類の恐竜たちが描かれていて、大人も知らない知名度の低い恐竜も数多く登場します。ページ全体がタイムスリップした過去を映し出しているようで、図鑑と言えど恐竜たちは行儀よく並んだりせず、それぞれが生き生きとした姿で納められています。

著者
出版日
2016-04-12

『はっけんずかん きょうりゅう』はその名の通り、子どもが抱いた疑問に対する答えを、仕掛けをめくることで発見できるようになっているのです。テノントサウルスがのんびり歩いている絵の扉を開くと、小さな肉食恐竜のデイノニクスが束になって襲い掛かり、テノントサウルスを狩る様子が現れます。

どの恐竜が何を食べ、どこで過ごし、どんなふうに子育てや狩りをしたのか。不思議に思うと仕掛けの裏にその答えを見つけられるので、めくる楽しみも、知る喜びも得ることができます。

恐竜の表情に注目!『きょうりゅうがいっぱい!』

『きょうりゅうがいっぱい!』は、ダイナミックな仕掛けが満載な仕掛け絵本です。仕掛けの動きは単純なものですが、子どもが何度遊んでも壊れない頑丈さも魅力です。

絵本を立てて仕掛けをいっぱいに広げて、恐竜たちの愛嬌たっぷりな表情を楽しみながら、優しい反対言葉も覚えることができます。「おおきなこえのきょうりゅう とちいさなこえのきょうりゅう」など、言葉を覚え始める時期の子どもが、ワクワクしながら反対言葉を学ぶことができるでしょう。

著者
["ポール スティックランド", "ヘンリエッタ スティックランド"]
出版日

尻尾や口を引っ張ると、大きく広がり飛び出す仕掛けは、恐竜そのものの迫力を直に感じられます。きれいずき・きたならしいなど、反対言葉を読み聞かせながら、子どもたちにどちらがいいかを選ばせるのもいいかもしれませんね。

動きや形を立体的に感じる事ができるので、大勢の子どもに読み聞かせをする時にも重宝することでしょう。保育園や幼稚園などにあったら、園児たちに大人気になること請け合いですね。

化石から生まれた物語『けがをした恐竜―化石が語るティラノサウルスの話』

『けがをした恐竜』は、発見されたティラノサウルスの化石の一部に、骨折が直った部分があったことから作られた物語です。化石を見るだけで骨折していたことがわかるというのも科学技術のすばらしさですが、骨折が治ったという事実から導き出されるその恐竜の生活が、たくさんの温かい物語を想像させてくれます。

ティラノサウルスというと、大きな顎でなんでもかみ砕き、その目でにらまれたらすくんでしまいそうなほど恐ろしい恐竜の王様のようなイメージが強いことでしょう。でも、この絵本で描かれるティラノサウルスは家族愛に包まれていて、ケガをした母親がどんなふうに家族に守られたのかが綴られています。

著者
黒川 みつひろ
出版日

ティラノサウルスの体はよく見ると不思議な構造ですね。大きな顔と顎は大迫力なのに、巨体を支える二本の足は体の割に細く見えます。この絵本では、いろんな表情のティラノサウルスを見ることができるので、いつもは目がいかない部分もじっくり観察できるかもしれません。

どんなに強い生き物でも、傷つき倒れると家族の支えを必要とすることもある。当然のことではありますが、子どもの優しい心を育む大切な事実だと思います。ティラノサウルスにも子どもがいてお母さんがいて、家族がある。そんな風に想像を膨らませていくと、恐竜と言うものを別の角度から見る面白みを体験できます。子どもの視野を広げてあげられる一冊ですね。

『だくちる だくちる はじめてのうた』心がポッと温かくなる

孤独な世界に生きていたイグアノドンが、小さな恐竜プテロダクチルスと出会い、友達になります。世界にもし自分しか存在しなかったら、きっとそれは想像を絶する孤独でしょう。主人公のイグアノドンはそれまで、山が噴火する音だけを聞いて、孤独な世界を生きていました。

イグアノドンが孤独から解放された瞬間、どれほどの喜びを感じたでしょうか。プテロダクチルスは「ダクチルダクチル」という声しか出せません。でも、イグアノドンはそれでもうれしかったのです。友達ができる事のすばらしさを、恐竜たちの姿とともに学ぶことができる絵本です。
 

著者
["阪田 寛夫", "V. ベレストフ"]
出版日
1993-11-25

親しみやすい絵の具で描かれたイラストと、繰り返しが耳に心地よい歌のような文章はすんなりと読み手の心に入っていきます。

きっとイグアノドンの周りではとてつもなく大きな噴火の音が響いていることでしょう。でも、とても小さな恐竜の声を聴きわけようとイグアノドンは耳を済ませるのです。友達がいてくれるだけで心が強くなれる。寂しさを紛らわすことができる。少し切ない物語ですが、小さな小さな友情を愛おしく感じられる、そんな一冊です。

いかがでしたか。現在地球上で生きた恐竜に出会うことはできません。でも、絵本の中の恐竜たちはどれも生き生きとしていて、手を伸ばせば触れられそうな臨場感を感じられます。強くて大きくて、迫力満点の恐竜たちを思う存分子どもと一緒に楽しみたい。そんな願いが次々にかなえられる絵本をぜひ一度手に取ってみてはいかがでしょうか。

  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena
もっと見る もっと見る