「こぐまちゃんえほん」シリーズは、幼いしろくまちゃんとそのお友達のこぐまちゃんの日常を描いた物語です。2人の日常生活は好奇心と新たな挑戦でいっぱい。誰でも子供のころ1度は経験したことのある言動が満載で、懐かしさを感じる絵本です。
「こぐまちゃんえほん」シリーズと言えばコレ!というほど有名で、大人から子供まで多くの人々に愛されている物語です。
しろくまちゃんが自分で用具を揃え、材料を準備し、お母さんに聞きながらホットケーキを焼きます。大好きなホットケーキはフライパンの上でぴちぴちぷつぷつ焼き上がっていき……。美味しくできたら窓から仲良しのこぐまちゃんを呼び、2人で美味しいねとお話ししながら食べます。最後は仲良く食器洗いもしますよ。
- 著者
- わかやま けん
- 出版日
- 1972-10-15
物語はしろくまちゃんの「わたし ほっとけーき つくるのよ」というひと言から始まります。しろくまちゃんが冷蔵庫から卵を出すシーンはささやかなシーンでありながらも、うらやましいな!やってみたいな!と感じる子どもたちが多いのではないでしょうか。
何でも自分でやってみるしろくまちゃんは、冷蔵庫から卵を出す際に落として割り、材料を混ぜれば材料を机上にまき散らします。こぐまちゃんのこのような小さな失敗は親の目線で読むとハラハラする一方で子供ってこうだよね……と思わず共感して、微笑ましく感じますよ。それにしても、子供に任せて見守っているこぐまちゃんのお母さんはなんて寛大なのでしょう。
自分の力で頑張る子どもとそれを暖かく見守る親の姿は同じ子育て世代の親子のお手本となることでしょう。そして何より「美味しかった!」で終わらず食器洗いで終わる物語はしつけにもおすすめの物語です。
しろくまちゃんのお友達、こぐまちゃんが主人公の物語です。「おはよう」と起きてから「おやすみなさい」と眠るまでの何気ない日常をユーモラスに描いています。
顔を洗ってご飯を食べて、ペットの金魚にエサをあげます。昼間にはたくさんのぬいぐるみで遊び、トイレやお風呂にもチャレンジ。朝起きて寝るまで、ごくごく普通の日常生活が描かれていますが、こぐまちゃんにとっては気づきと挑戦の連続です。
- 著者
- わかやま けん
- 出版日
こぐまちゃんは顔を洗っては歯を磨くときに「みてて みてて」と言います。一人でやるんだ!という気持ちと上手に出来る!という充実感に満ちた「みてて」は小さな子ども達からとてもよく聞く言葉の一つですね。
昼間はたくさんのぬいぐるみ達のリーダーとなって先頭に立って遊びますが、きちんと並べたはずのぬいぐるみが倒れてしまったり、自分の体よりも大きい荷物を抱えていたりする姿も小さな子ども達に多い行動で、思わずクスッとしてしまうことでしょう。昼間遊んだたくさんのぬいぐるみ達と一緒に布団に入る姿には「あるある!」と共感してしまいますよ。
顔を洗ったり、うんちに行ったり、お風呂に入ったりとこぐまちゃんは生活習慣もこなしますので生活習慣を身につけたい子どもの読み聞かせにもおすすめです。
こぐまちゃんとしろくまちゃんの水を使ったいたずらを描いた物語です。
物語の冒頭、こぐまちゃんはじょうろで花に水をあげるお手伝いをしています。花にあげ終わったら池の金魚へ、その次は地面のアリへとお手伝いが水遊びに変わってきたところで、しろくまちゃんが長いホースを持って現れて……。
エスカレートする2人の水遊びは地面が川になるほど続きます。どろんこになったこぐまちゃんはお風呂でも洗面器とシャワーでまたまた水遊びです。
- 著者
- 森 比左志 わだ よしおみ
- 出版日
子どもの大好きな水を使ったいたずらの様子がとてもユーモラスに描かれている物語です。この本を読んで、こぐまちゃんとしろくまちゃんが羨ましいと感じる子も多いことでしょう。
お手伝いをしていたこぐまちゃんは最初、手にじょうろを持っています。じょうろでやっていた小さないたずらが、しろくまちゃんの登場によってホースによる壮大な水遊びへと変化していく様子には子どもの好奇心がいっぱい。ホースだけでなく、様々な入れ物や瓶、葉っぱまでも水遊びの遊び道具として活用しているところも見どころです。
たっぷり遊んでどろんこになったのでお風呂に入ったこぐまちゃん。今度は洗面器を頭にかぶり、シャワーの水音を楽しみます。子どもの創造性がたっぷり楽しめる1冊です。
「わたし これから おつかいよ おかあさん はやく いこうよ」ととても意気込んでしろくまちゃんは買い物に出かけます。
お店に着くとたくさんの果物やパン、美味しそうなケーキ。長いフランスパンはしろくまちゃんが大事に抱えて歩きます。途中見つけた大きなケーキを買ってもらえず泣き出しますが、帰り道に滑り台で遊んでご機嫌です。
帰ったらおかあさんと買ってきたものの確認も忘れずにしますよ。
- 著者
- わかやま けん
- 出版日
しろくまちゃんとおかあさんは歩いて買い物に出かけます。途中のポストでおばあちゃんへの手紙を出したり、通りで車に危ない思いをしたり、目的地のお店に到着するまでにもこぐまちゃんには学ぶことがたくさん。
お店では、買う必要のあるものとケーキのように欲しくても買ってもらえないものがあり、泣いても思い通りに行かないことを学びます。
そしてしろくまちゃんは、帰ったらおかあさんと一緒に買ってきたものをチェック。フランスパン、りんご、たまご、缶詰……しろくまちゃんの夕食は何でしょう。「さあ ゆうはんの したくを しましょうね」という最後のおかあさんのセリフは、買い物がゴールではなくその先もあることに気づかせてくれますよ。
子どもの日常生活を描いた「こぐまちゃんえほん」シリーズの作品集の中で別冊となります。「さよなら さんかく またきて しかく……」という遊び歌に合わせた言葉遊びが綴られた本です。
白、赤、黄色という色のつながりと四角、三角、丸という形のつながりの2種類から、言葉遊びが広がります。
青色からの連想で登場したぐにゃぐにゃおばけがとんで行き、こぐまちゃんとしろくまちゃんで「さよなら さんかく……」とお別れして言葉遊びも終了です。
- 著者
- わかやま けん
- 出版日
- 1977-03-20
この本は左側のページが「○○なあに」という問いかけの言葉、右側のページがその答えと答えからの新しい連想で構成されています。問いかけのページにはその形や色に合ったたくさんの絵が並んでいますので、読みながら自分の一番好きなものを選んだり、描かれていない別のものを考えたりするのもいいですね。また、右側の答えと連想のページにはしろくまちゃんやこぐまちゃんが登場。2人は何しているのかな……。
本を読み進めていくと、黒からの連想でめだまが出てきます。すでにまるは登場済。2回目に登場した丸いものを「まるまる」と表現することに対して子どもがどう反応するのかも興味深いところです。
ぜひ親子で言葉を楽しんで下さいね。
「こぐまちゃんえほん」シリーズはこぐまちゃん、しろくまちゃん、おかあさんなどの限られた人物のみが登場します。そして舞台はこぐまちゃんやしろくまちゃんの当たり前の日常のみ。しかし、まだ幼いこぐまちゃんやしろくまちゃんにとっては、当たり前の日常にこそ発見、学び、楽しみがあるのですね。
泥だらけになったり、荷物を持ちすぎて危ない思いをしたり、時に大人が目を覆いたくなるような子どもらしいシーンが登場することで、普段取り上げてしまっている子どもの好奇心や欲求に改めて気づかされることでしょう。またこぐまちゃんやしろくまちゃんは、本の中で手洗い、トイレ、お風呂などの生活習慣をしっかりと行いますので、しつけにも役に立つ絵本です。