ダイエット、それは女性には一生付きまとう命題です。とはいえ、ただ運動をしたり、食事制限をしただけではなかなか痩せないもの。そこで、実際に痩せた人の体験だからこそ心に響く、ダイエットコミックエッセイ5作をご紹介いたします。
美人は生まれた時から美人だし、スリムな人は太りにくい体質で、きっとなに食べても太らないのだよ、と思っている方もいるでしょう。実際そのような体質の人も存在はしますが、スリム美人が皆そうであるわけではありません。スリム美人にはきちんと理由があるのです。
『スリム美人の生活習慣を真似したら 1年間で30キロ痩せました』は、スリム美人の生活を徹底的に研究、実践したダイエットコミックエッセイです。本作は、ダイエットをしてはリバウンドを繰り返していた著者が、95㎏という自身最高の体重を記録したことで、本気のダイエットを決意したところからスタートします。
- 著者
- わたなべぽん
- 出版日
- 2013-02-01
美人の生活を真似すれば、痩せるのではないか、と気が付いたきっかけが、SNSやブログなどのダイエット日記。スリム美人の生活と自分の生活を比較したことで、自分がいかに太りやすい生活を送っていたのかを自覚します。このおデブさんにありがちなこと、に描いてあることに共感。耳が痛くなりますが、自身の生活が太りやすい環境であることを自覚できる、大切な項目になっています。
ワンプレートにする、お酒は必ずグラスに注ぐなど、たくさん食べない工夫や、可愛いくオシャレな小物を使用するといった、モチベーションの上げ方。実践したことが事細かに描いていますが、意外だったのは食事の盛り付け方です。目と口の両方で食事を味わうための方法ですが、料理を味わうだけでなく、食事にまつわる様々な行為を楽しむ、という考え方に、美人ポイントがあるなと感じました。
やはり意識の改革がダイエットには一番必要なのだと痛感させられます。日々の生活を楽しみながら、痩せる方法を探る本作、30㎏痩せたという頼もしい結果に後押しされながら、スリム美人生活を実践してみましょう。
当然ながら、人間は食事をしないと生きていけません。大概の人が1日に3度とっている食事ですが、1日に何度も取らなければならないからこそ、ないがしろにしがち。インスタント食品やコンビニ、スーパーの御惣菜など、手軽に食料を確保できることもあってか、中身よりも満腹度を重視するようになってしまいます。
運動は苦手だから、とダイエットに消極的な人におすすめなのが『おいしそうな女になってやる!』。タイトルだけ見ると、ものすごくハードなダイエットを決意した女性の、モテ記録のようですが、キリンの着ぐるみが目を引く、淡い色のタッチが目に優しいダイエット本です。
- 著者
- ナゴミ
- 出版日
- 2008-10-01
著者のナゴミの夫は、かなりスリムな体型の持ち主。そんな夫に最近女に見えない、と言われショックを受け、ダイエットを決意します。食事や運動以前の問題に、考え方の改善が図られているのが本作の特徴。なんでも一気に片付けよう、とするあまりに面倒くさがりになっていた著者に、夫の焦らせないような優しい言葉が心に響きます。
食事は残されたものをもったいないから、と食べがちですが、本作ではあくまでもお腹いっぱいの直前でやめることを徹底していました。無駄にするのではなく、満腹ラインを自分で知るための行動です。無駄という概念は脇に置いておいて、長い時間をかけて、自分の生活スタイルや身体の事、本当に欲しているもの、必要なものを探っていくのが、このダイエットには必要なのです。
自分の事なのに、自分の身体の事はよくわからないもの。生活、食事、余裕ができたら運動と、ダイエットは1日にしてならず、焦ることなく、長い目で見て自分を知ることが大切なのだと、教えてくれる1冊です。
痩せたらキレイになれる、というのは世の女性の大半が思っていることです。しかし、痩せるとは単純に体重が減ったという状態を指すだけではありません。近年よく言われている痩せているけれど脂肪が多い、といった隠れ肥満の女性は、見た目は痩せている女性の中でも意外と多いのです。
『ちゃんとキレイにヤセたくて。』は、まさしくダイエットの落とし穴とも言える、体重と見た目の違いが描かれたコミックエッセイ。40歳直前にダイエットを決意、12キログラムも痩せたのに、体型を隠すような服を着ているし、なんだか風邪をひきやすくなったり、実は全然キレイになってないじゃないか、と気が付くところからスタート。これは筋肉が無いからでは、と筋トレを開始します。
- 著者
- 細川 貂々
- 出版日
- 2014-08-05
食事療法や、そもそも運動はしていないけれど小食という方にありがちな、痩せてはいるものの、たるんでいるところは多いという方におすすめの本作。筋トレは自己流で行うと身体を痛めることもありますが、ボディービルダーという、まさしく筋肉作りのプロのアドバイスがあるので、安心です。
また、なぜダイエットは食事だけ、運動だけではキレイに痩せないのかを細かく解説。難しいことは書いておらず、漫画形式なので簡単に知識を取り入れることができます。さらに、家庭で少しの時間でできる筋トレ、というのが嬉しいところ。代謝が落ち始め、痩せにくい年齢になってきてからの減量や身体作りの成功例と言うのも、読者に勇気を与えてくれます。
筋肉もボディービルダー的ではなく、しなやかな女性らしい筋肉なのでご安心を。年齢的に無理、と諦めていた方にも、自身のやる気があればスリムボディを手に入れることができます。基礎と効果的な筋トレを学ぶことができる本作で、キレイな身体作りを目指しましょう。
ダイエットとはいっても、種類は様々。食事、運動など大まかなくくりにはできますが、運動ひとつとってもウォーキング、水泳、ジョギングなどがあります。全てが等しく効果があるのならば深く考える必要はありませんが、体質や生活にハマれば劇的な効果を生む、等ということもあるのだから、ダイエットは一筋縄ではいきません。
そんな、数え切れないほどのダイエットに挑戦し、7kg痩せるまでの過程を描いたのが『7㎏痩せろと言われても。』です。23歳のイラストレーター、鳥居志帆の元に届いた仕事依頼のメールが、本作の始まり。色々とネタの打ち合わせをした結果、全て出版社で費用を持つ代わりに、5カ月間で7㎏痩せるというダイエットに挑戦することになったのです。
- 著者
- 鳥居 志帆
- 出版日
- 2015-01-19
行ったダイエットはウォーキング、エアロバイク、腸内洗浄、ホットヨガなど全27種。かかった費用は472747とかなり現実的なお値段が提示されていますが、抑えきれない食欲や、ダイエットにありがちな停滞期など、痩せるための壁がこれでもかと立ちはだかります。しかし、全体的にユルイ雰囲気であるせいか、深刻度は薄め。
様々なダイエットに挑戦し、それがどの程度きつかったのか、効果があったのかなどが、わかるというのが本作の最大のポイント。やはりお金がかかるダイエット方法は、すぐには手が出せないもの。率直な感想が綴られているため、自分には合いそうかどうか、端的に見分けるのに一役買ってくれます。
読み物としても笑いどころが多く、挫折や自分に甘い部分もさらけ出してくれるので、親近感がわきます。停滞期にも、これからダイエットを始める人にも、カタログ的にダイエット方法が紹介されているので、知識が豊富に。ついでに肩の力も抜いてくれる、楽しんで読めるダイエットコミックエッセイです。
自分がその立場にならないとわからないことはたくさんありますが、その最たるものは年齢でしょう。女性は特に30歳を過ぎると代謝が落ち、太りやすくなります。年齢を重ねるごとに脂肪が付き、気が付けば中年太り状態。避けたい事態です。
中年を過ぎてからダイエットを成功させた女性も多いですが、順調にはいかないもの。そんな、体重の増加に怯えるすべての女子必見なのが本書。注目すべきは著者、山下カヨコの年齢。48歳で10kg痩せたという情報に勇気づけられます。
- 著者
- 山下 カヨコ
- 出版日
- 2011-05-19
山下カヨコがダイエットを始めたきっかけは、30歳を過ぎてからの急激な体重の増加でした。慌てて豆乳やキャベツダイエットを試しましたが、効果はなし。減ってはリバウンドをする生活を繰り返す中で、こうすれば痩せるのではないか、という方法に気が付きます。
大食いではないけれど、ちょっとだけ食べすぎる、ジムに行った帰りの買い食い、行かない日は動かないなど、思い当たる節のある女性多いでしょう。小太り女性だった山下カヨコが実践したのは、外食で少しだけ残すなどの、満腹になりすぎない食事方法と、有酸素運動、筋トレなど。特別なことはありませんが、無理をしないことが大前提で、少しずつできることを増やし、生活改善を目指していくのです。
前半はダイエットの失敗談が中心で、だからこそ成功談が際立ちます。ズボラな性格でも痩せた、という事実が読者のやる気を促進するのにも一役買ってくれます。中年女性だけでなく、今までダイエットに失敗し続けたすべての人の、教科書となる1冊です。
ダイエットはすべての女性の、最大の関心事。様々なダイエット方法と、奮闘する著者に、自分も頑張らないと、と意欲がわくはずです。笑えて参考になる作品ばかり、ダイエットのお供にぜひどうぞ。