8歳の子におすすめの絵本5冊!親子で物語について語り合うきっかけに

更新:2017.5.20

小学校1年生の大きな壁を乗り越え、心と体がグンと成長する8歳の子どもたち。生意気なことを言ったかと思うと、チョコンと膝に乗ってきたり・・・・・・。親子で一緒に読んで話し合う、きっかけ作りの本を集めました。

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友情ってなんだろう?『完全版 あらしのよるに』

嵐の夜、壊れかけた小屋にやっとの思いでもぐりこんだ白いヤギのもとへ、同じように雨宿りをしに来たオオカミ。小屋の中は真っ暗です。風邪で鼻も利かず、相手の顔も見えない中、ヤギもオオカミもお互いを自分の仲間だと思い込んで話を続けます。映画化もされた『あらしのよるに』、シリーズ7冊が一気に読める「完全版」です。
 

著者
["きむら ゆういち", "あべ 弘士"]
出版日
2014-09-02

ヤギとオオカミがお互いに勘違いをしたまま話を続けるやり取りが、トンチンカンで面白い『あらしのよるに』は、翌日にまた会う約束をするところで終わります。2匹が再会したとき、お互いがヤギとオオカミだと知ってどうするのだろう?とワクワクさせられます。

この物語には続きがあります。第1巻の『あらしのよるに』から第7巻の『まんげつのよるに』までを、全部収録した本がこの「完全版」です。話にグイグイ引き込まれていくので、文字がスラスラ読めるようになった子どもたちの一人読みでも良いのですが、あえて親子で一緒に読むことをおすすめします。

自然の摂理ならヤギはオオカミに食べられてしまうところですが、2匹は友情を深めていきます。でもそれぞれの仲間は種族の垣根を超えた友情を許さず、追いつめられた2匹は仲良く暮らせる森があると信じて逃げ出します。執拗に追うオオカミたちにハラハラし、あれだけ仲がよかった2匹の友情が壊れてしまう展開と「あらしのよるに」のキーワードで奇跡が起こる様には、子どもも大人も涙するでしょう。

みんな違ってみんないい『せかいのひとびと』

地球には色々な人が住んでいます。体の大きさ、肌の色、耳の形、髪型、住む家、遊び方や食べ物も違うし、色々な文字や言葉もあって・・・・・・。世界には様々な民族、文化、風習、言語などがあることを、手が込んだ優しいイラストで描いた作品です。
 

著者
ピーター・スピアー
出版日
1982-01-20

細部まで美しく描かれた絵は魅力的で、1コマ1コマをじっくりと眺めたくなります。この本が社会の教科書と違うのは、世界の国々や文化を紹介するだけではなく、「いい人もいれば悪い人もいる」「みんなでいるのが好きな人もいれば一人が好きな人もいる」と、個人の嗜好や性格もそれぞれ違うのだと表現しているところです。「自分と違っているというだけでよその人たちを嫌う。自分たちだって他の人から見れば違っているんだ。」というわかりやすく優しい語り口とイラストは、子どもたちの心に残るでしょう。

世界の遊びや食べ物、ペットのページでは、どれが好きか親子で指さししあうのも楽しい絵本です。あやとりって、アフリカの遊びだったって知ってた?なんて、次々見つかる新しい発見に話がはずみます。
 

『たべることはつながること』で自然界の繋がりを考える

自然界の生き物が食べたり食べられたりしてお互いに繋がっている「食物連鎖」を、親しみやすい絵と説明でわかりやすく紹介している科学の絵本です。人間もこの繋がりの中に組み込まれており、「自然を大切にすることは、私たち自身を大切にすることと同じ」と説いています。
 

著者
パトリシア ローバー
出版日
2009-05-30

陸だけではなく海の生き物でさえも食べ物の繋がりは小さな植物ではじまること、植物を食べない生き物にも植物は必要であることを図解で説明しています。鷹の絵の中にみそざざいがいて、その中に芋虫がいて、さらにその中に葉っぱがある絵や、リスが食べるドングリやバッタと、リスを食べるキツネやコヨーテ、ヤマネコなどをリスを中心に描いている図式は、子どもたちにもわかりやすいでしょう。

アメリカ西海岸でラッコを乱獲したばかりにウニが繁殖し、ケルプ(海藻)や魚がいなくなったという環境破壊にも触れており、繋がりが一つでもなくなったら、生き物たちの繋がりも全部変わってしまうと説明しています。この絵本は、自然界の生き物たちが食べたり食べられたりしながら自分の口に入るまでの食物連鎖を具体的に考える良い機会になり、自然を大切にする意識を高めるきっかけ作りにも最適です。
 

困難を乗り越えて達成を目指す『リンドバーグ 空飛ぶネズミの大冒険』

ハンブルグに住む知りたがりやの小ネズミは、人間の本を読むのが大好き。ある日、新型ネズミ捕りの恐怖に町のネズミが一匹もいなくなったことに気づくと、仲間を探してアメリカへ行く決心をします。天敵のネコやフクロウに狙われたり、数々の失敗を繰り返したりしながら、ついに小ネズミの飛行機は大西洋へ飛び立つのです。

著者
トーベン クールマン
出版日
2015-04-15

主人公のネズミには名前がなく、お話は最後まで「小ネズミ」として続けられます。困難を乗り越えてニューヨークに到着した小ネズミは有名になり、「空飛ぶネズミの航空ショー」で次々と大きな町をまわることになりますが、そのポスターを見て胸をときめかせた少年の名前が「チャールズ・リンドバーグ」です。1927年に大西洋無着陸横断を一人で成し遂げた最初のパイロットと、ハンブルグからアメリカに飛んできた小ネズミがうまくリンクしています。

この本はドイツの作家トーベン・クルーマンの処女作ですが、建物や飛行機、設計図、ネジの一つ一つまで描き込まれた美しいイラストとスリリングな冒険のストーリーは、はじめての作品とは思えない素晴らしい出来栄えで、まるで映像を見たかのような気持ちにさせてくれます。夢をあきらめず、信念をもって困難を乗り越え計画を成功させるチャレンジ精神について、親子で語り合いたい絵本です。

時計がわかるようになったら『ヒギンスさんととけい』

屋根裏部屋ですてきな置時計を見つけたヒギンスさんは、その時計の時間があっているか調べるためにもう一つ時計を買ってきます。でも家の中の時計がどれも少しずつ違って見えるので、どれが正しいのかと次々に時計を買うのです。
 

著者
パット ハッチンス
出版日

几帳面なヒギンスさんは、最後には時計屋が使っていた懐中時計こそ正しい時間を知らせるものだ、と懐中時計を買い、やっと満足しました。4階建ての家のあちこちに置いた時計をせっせと確認するたびに時刻は少しずつ進んでいくのですが、ヒギンスさんが気づかなかった部屋を移動する間の時間に、子どもたちは気づけるでしょうか?

ぽっちゃりとユーモラスな風貌のヒギンスさんのイラストも、お話に面白みを加えています。時間という観念を理解し、時計が読めるようになった8歳の子どもたちならすぐに話のオチもわかるでしょう。読み聞かせにもピッタリの楽しい絵本です。

親子で共感し、楽しく語りあえるようなストーリーの本を集めました。自然や友情の大切さを理解し、目標を達成させる強い心をもった大人に育ってほしいですね。