動物のことを学べる絵本おすすめ5選!【年齢別】

更新:2021.12.3

人間は古来動物に癒され、動物から学んで、生かされてきました。動物との触れ合い、動物達への理解、そして動物達から学ぶ真理、を学べる本を年齢別にご紹介。どれもじっくり読めば読むほど深みが感じられる名著ばかりです!

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【0歳〜】ふさふさチクチクぴったんこ

『どうぶつしゃしんずかん: 0・1・2歳向け』は、まだ言葉を話せないお子さんからでも十分楽しめる絵本。

タイトルの通り、可愛い動物たちを指差しながら、親子でコミュニケーションできる作りになっています。小型で厚紙仕様なので、お出かけに持ち歩くのにもぴったり。
 

著者
内山 晟
出版日
2015-02-05

赤ちゃんの指を写真にのせて、ふわふわの毛のひつじさんだね、ふさふさの尻尾のりすさんね、チクチクのはりねずみさんは鼻すじをなでてあげようか、などと語りかけながら遊べるようになっています。

長ーい耳のウサギ、長ーい手足のナマケモノ、長ーい首のキリン。背中にぴったんこはコアラの親子、お腹にぴったんこはオラウータンの親子。水族館で見たことあるのはジャンプするイルカ、水に浮かぶラッコ。

と、見開きごとにテーマに合わせた動物たちと言葉がセットになっているので、どうやって語りかけたらいいかな、と悩むことなく自然と親子のコミュニケーションタイムを過ごすことができる絵本!

最後のページはワンちゃん猫ちゃんが大集合。もこもこのトイプードル、寒さに強くて雪の中でも大丈夫なロシアンブルー、垂れ耳が可愛いスコティッシュフォールド、長い胴体に短い足のダックスフント。お散歩途中で出会えそうな種類の子犬と子猫ちゃんの写真がたくさん!むずかり防止にも使えそうな小さな動物事典はプレゼントにもピッタリなオススメの一冊です。

【1歳〜】おやこでなにしてる?

『どうぶつのおやこ』は、その名の通り動物の親子のイラスト画集というような絵本。絵なのに動きの一瞬から次の動きが想像できて映像を見ている気持ちになってきます。

ハイハイからあんよに移行する1歳頃は動くものに興味が出てくるので、何をしてるのかな?と語りかけながら読み聞かせるのにピッタリです。
 

著者
薮内 正幸
出版日
1966-11-01

毛の一本一本まで丹念に描かれている動物たち。表紙はネコの親子。目を細めて集中。次の動きで捕まえるぞ、手を上げて構えている様子が見事に捉えられています。捕まえるぞ!って狙ってるね。何を狙ってるのかなあ?ママの尻尾だね!と会話も弾みそうです。

この後も、毛の一本一本、目の瞳の奥の奥まで生きているかのように描かれている動物たち。緊張した様子でママ、ママと吠えている子犬。ママのおっぱいをくわえてしがみついている子ザル。黒々と光る毛皮とつやつやのお鼻ですっくと立ち上がりママを見つめるツキノワグマの子ども。ママと同じ立派なシワと垂れさがった皮膚の首を持つカバの子。つぶらな瞳と長いまつげがキュートなキリンの子ども。

母さんにじゃれてお腹を見せて転げ回る子ライオン。絵なのにまるで動いているかのよう。父さんライオンのふさふさのすこし縮れたたてがみは一本一本がとても力強く、迫力満点。

動物園にでもいったかのような気分になれる一冊、是非手にとってみてくださいね。

【3歳〜】はからせてくださーい

『どうぶつしんちょうそくてい』は、さまざまな動物の身長を測らせてもらうお話です。

動物園の身長測定の日です。果たして動物たちは身長を測らせてくれるでしょうか?

保育園幼稚園に通い始め身長を測ってもらう機会が増える3歳前後のお子さんにとって、身長測定は身近なテーマ。動物達の身長はどうなのだろうとワクワクさせてくれる一冊。
 

著者
聞かせ屋。けいたろう
出版日

まずはウサギ。みみをぴーんと伸ばしてますが、測るのは頭の先まで、40cmです。

カンガルーはジャンプして止まってくれません!残念……測れません!

キリンは特別な身長計で、520cm。

コウモリは逆さに測り、コアラは……登って寝てしまいました。

動物園の身長測定は波乱万丈です。ズルをするワニ、仁王立ちのシロクマ、寝てしまったコアラはどうなるでしょう?

様々な動物の個性や身長を知ることができて、自分との比較をしてみても楽しめます。身長測定が苦手なお子さんは、もしかしたら、マイペースで測定できないカンガルーやコアラの姿に自分を重ねてほっとするかもしれません。

本を読んだ後、身長測って測って、と家族や兄弟で盛り上がれそう。読み聞かせにもピッタリです!

【小学校低学年向け】どうぶつにだってことばがあるのだ

『ドリトル先生アフリカへいく』は、動物の言葉がわかるお医者さんのお話。

ドリトル先生はイギリスのお医者さん。動物が大好きで家でたくさんの動物を飼っていましたが診察室にも動物があふれ、不潔だからと患者が減ってしまい、貧乏に。

そんな時、飼っていたオウムが、動物の言葉を教えるから動物の医者になれば、とアドバイス。そういうわけで、ドリトル先生は動物のお医者さんになったのです。

著者
["ヒュー ロフティング", "南條 竹則"]
出版日

そんなドリトル先生の評判を聞いた人から、アフリカのサルに恐ろしい疫病がはやっているので、アフリカへ来てください、と頼まれます。アフリカへは船で渡ったのですが途中座礁。ロープをつたいやっと島にたどり着いたものの、人間嫌いの島の王様に牢に入れられます。

ドリトル先生大ピンチ!も、オウムの機智でなんとか脱出。無事サルを治療しはじめるも、忙しくなりすぎ……アシスタントをライオンに頼むも断られ、カモシカもヒョウもみんなライオンの真似をして手伝えない、との返事。

ドリトル先生の苦難はまだまだ続きます。いったいどうなるのでしょうか?

親に頼りっきりだった保育園幼稚園時期を卒業しはじめる小学校低学年時期。船で冒険に出る、島で脱出劇、などワクワクドキドキの冒険談は、自立に向けての背中押しとなることでしょう。動物と話せる、という設定も、低学年ならではの想像力で共感し、物言わぬ動物に対する優しさも育っていくはずです。是非さりげなく目につく所に置いてみてくださいね。

【小学校高学年向け】心臓の鼓動の数が寿命の数?!

『絵ときゾウの時間とネズミの時間』は、動物学の視点から、動物の寿命について面白くわかりやすく解き明かしている絵本です。

小学校高学年になると、平面、立体、グラフ、と算数も複雑になっていきます。なんでこんな面倒くさい勉強しなきゃいけないの!なんて文句が出てくる時期。

しかし、この本を読むと、動物の一生についての知識はもちろん、勉強は人生の発見を助けてくれるんだ!算数は人生の謎を解き明かす鍵となるんだ!と勉強することの面白さが伝わってきて、感動すら覚えます。
 

著者
本川 達雄
出版日
1994-04-15

導入はガリバーを例えて表面積と体積についての考察です。

12倍大きいガリバーに与える食事は小人何人分か、小人の王様は家来に計算させます。12倍だから、12倍?体重で考えれば、体積だから12x12x12=1728人分?いやいや、皮膚つまり表面積で考えて12x12=144人分?

さて実際に食べたのは185人分。

表面積に近いけど、ちょっとちがう……。

というところから、実際の動物の体重と食べる量を調べてグラフにすると、体が大きいと食べる量は一定の割合で増えるけど、増えた体重ほどは増えない。では体重あたりの食べる量を調べると、体が大きくなるほど、食べる割合は小さくなる。

つまり、ネズミは自分の体重と同じ量の餌を4日で食べきりますが、牛は自分と同じ量の餌を食べきるには一ヶ月かかる、という。なぜか?体が大きいと表面積の割合が少ないので、皮膚から逃げるエネルギーが少ない。よってそれを補う餌も少なくなる、というわけ。

へー!

そして著者は次に、動物のサイズと呼吸の数を調べてグラフに。小さい生き物ほど呼吸は早い。大きい生き物は呼吸がゆっくり。さらに心臓の鼓動も調べると、やはり小さいものは早く大きいものはゆっくり。

ゾウは1分に30回、人間は1分に60回、ネズミは1分に600回!

そしてこの呼吸と心臓の鼓動を比較すると、なんと、どの生き物も呼吸1回につき心臓を4回打っているとのこと!そして、寿命と比較すると、どの動物も心臓を15億回打ったら寿命を迎える計算になるのだそうです!

へー!

ゾウは70年、ネズミは2年。ゾウはうらやましい?ネズミは可哀想?

心臓が1回打つ時間を基準にすれば、みんな同じ濃さの人生を平等に送っていることになる?!

動物って奥深い。人生って奥深い。学問って奥深い。

大人だってうーむと唸らせられ、ふーむ、と考えさせられる絵本。是非読み聞かせるというより、共に学ぶ、あるいは、発想豊かな子どもから教えてもらう、という気持ちで一緒に読んでみてほしいイチオシのオススメ本です!

それぞれの動物の毛の感じや特徴的な一瞬の動きなどが楽しめる幼児向けから、動物の体重や心拍数から寿命を割り出す方法を知ることができる小学生高学年向けまで、よりすぐりの5冊です。是非お子様の年代に合わせて読み聞かせてみてくださいね。

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