イースターとは、イエス・キリストが十字架に架けられて死んだ3日目に復活した日を記念したお祭り復活祭とも呼ばれる日です。 最近では、テーマパークのイベントや街の雑貨屋さんなどで、イースターが取り上げられはじめました。 今回は、子どもに「イースターってなに?」と聞かれた時に一緒に読みたい絵本をご紹介します。宗教や世界の風習となると、話は難しくなるかもしれませんが、可愛い絵と、ワクワクする文章でイースターを知ってもらいましょう。
NHK教育テレビなどで番組が放送されているフランスのキャラクター「ペネロペ」が、イースターの遊びを紹介してくれる絵本です。この絵本に出てくるイースターエッグがとてもカラフルで、 華やかなイースターを表現しています。
イースターエッグとは、復活祭に出される、彩色や装飾を施されたたまご(ゆで卵やたまご型のおもちゃ等)のことです。たまごが使われる理由は、見ただけでは動かないたまごから新しい生命が生まれることから、死と復活を象徴しているとされています。国や地域によっては、復活祭の際に庭や室内のあちこちにたまごを隠して子供たちに探させる遊びも行われています。
この絵本では、イースターに関する難しい説明はせず、「イースターは、かみさまのおいわいで、たまご型のチョコレートを配る日」とだけ書いてあります。
イースターという日がいまひとつ分からなくても、この絵本に出てくるように、あちこちに隠されているカラフルなたまごを探しあてるゲームだということが見てとれます。手作りのイースターエッグを作って遊ぶこともあるので、色やデザインの参考にもなります。
- 著者
- アン グットマン
- 出版日
- 2011-06-23
続いて、イースターをただ楽しむだけではなく、イースターにまつわる伝説を分かりやすく教えてくれる絵本が『イースターってなあに』です。イースターうさぎ(イースターバニー)が、カラフルなたまごを隠してしまうので、“イースターの朝はみんなでたまごを探そう!”というお話です。
この絵本では、ヨーロッパなどに伝わる伝統を簡単に説明していますので、子どもでも簡単にイースターの文化を知ることができます。
- 著者
- リースベット スレーヘルス
- 出版日
余談ですが、イースターエッグは東方教会・西方教会を問わない古くからの習慣のようですが、イースターバニーは西方教会(西欧)のみの習慣であり、16世紀から17世紀にかけて定着したものです。
イースターバニーは、カラフルなたまごやキャンディなどをバスケットに入れて、子どもたちの家に届けるといわれています。祝日の前夜に子どもたちに贈り物を届けるという点では、イースターバニーはサンタクロースに似ているかもしれません。
この絵本には、イースターという言葉は出てきません。ですが、カラフルなたまごとうさぎの存在から、イースターを想像させてくれる1冊です。偶然みつけた様々なたまごを、 あわてんぼうさちゃんが大急ぎで色んなところに配達に行きます。
・・・が、あれれ?イースターエッグではなく、もしかして本物のたまご?
あわてんぼなうさちゃんのかわいい配達に、ほっこりする絵本です。幸せを運ぶ配達人のようなうさぎは、イースターバニーを連想させてくれます。子どもと一緒に、「このたまごはこのおうちでよかったのかな?」「うわ!こんな赤ちゃんが出てきた!」など会話の弾むのが楽しい本です。
アメリカの絵本作家ディビッド・ウォーカーさんのパステル調の絵は、春らしさが感じられ、命の芽生えを表現する楽しい文章ともあわせて、絵本からたくさんの春を感じとることができます。
- 著者
- ティモシー ナップマン
- 出版日
- 2013-01-28
アメリカのホワイトハウスが舞台という、日本人の日常と少し離れたお話。この絵本では、イースターでホワイトハウスに住むお嬢様と、イースターのパーティーを楽しみます。たまごを探したり、スイーツを食べたりと、アメリカのイースターではこのようなパーティーをしているんだろうな・・・と想像が膨らむ絵本です。
江國香織さんの翻訳ということもあり、それぞれの登場人物の秘かな想いなども伝わってきます。
何でも満ち足りているようにみえる、ホワイトハウスに住むお嬢様にとって、このイースターの日に、お友達と遊ぶことが大きな喜びであるということは、親としても楽しめる1冊です。
- 著者
- ジョン・ベーメルマンス マルシアーノ
- 出版日