冒険の物語が描かれている絵本おすすめ5選!

更新:2017.5.25 作成:2017.5.25

冒険という言葉で、何を連想するでしょうか。主人公が宝探しの旅に出たり、見たこともない人や動物と仲間になったり……。ワクワクとドキドキがぎっしりつまった冒険絵本の数々。未就学児から小学生以上の年齢まで幅広く楽しめる冒険絵本を紹介します。

  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena

冒険といえば定番なのがこの絵本『おしいれのぼうけん』

さくら保育園の園児たちがとても怖がっているもの、それは押し入れと、ネズミ婆さんでした。押し入れは先生の言うことを聞かないと閉じ込められてしまう場所で、ネズミ婆さんは存在そのものが子どもたちを震え上がらせる怖い魔女です。

暴れん坊のさとしとあきらが、お昼寝の時間になっても喧嘩をやめなかったその日、先生は押し入れの上の段にさとしを、下の段にあきらを閉じ込めてしまいました。べそをかくあきらとは違い、涙をこらえたさとしは押し入れの穴から外を覗きます。二人はだんだん怖くなり、さとしは喧嘩の原因だったミニカーをあきらに返してやりました。二人の手が触れると、そこから押し入れの冒険が始まるのです。

著者
古田 足日
出版日
1974-11-01

さとしは持っていたデゴイチで、あきらはミニカーで押し入れの世界を走り回り、遊び始めます。するとどこからともなく恐ろしい声が二人の耳に届きました……ネズミ婆さんです。世にも恐ろしいネズミ婆さんが子分のネズミたちに、あきらを食べさせようとしたのです!

二人は命からがら逃げますが、ついにたくさんのネズミとネズミ婆さんに取り囲まれてしまいます。疲れはてたさとしがネズミ婆さんの言いなりになろうとしたとき、それまで弱気だったあきらが言い返します。ネズミ婆さんはカンカンに怒り、絶体絶命の二人の前に、おもちゃだったミニカーとデゴイチが乗れるほど大きくなって助けに現れるのです!

スリル満点で、未知の世界に足を踏み込むドキドキが満載のこの絵本。押し入れから始まる壮大な物語は、友達と一緒なら勇気が湧くと言う大切なことを学べます。さとしとあきらが自分の思いを貫く姿も、読み手を爽快な気分に導くのではないでしょうか。

悪い事をした子どもを押し入れに閉じ込めるという行為に違和感を感じる人もいるかもしれませんが、先生たちも子どもを正しく導くために試行錯誤しているという大人のありのままの姿を子どもに見せる事も出来ます。二人の少年が成長していく姿を見守っている気分になれる、そんな物語です。

図書館ネズミの書いた本とは?『としょかんねずみ』

図書館で暮らすネズミのサムが主人公のこのお話。サムは夜になって図書館から人がいなくなると、大好きな本を読んで過ごします。とても素敵な暮らしですね。

本をたくさん読みすぎると、自分でもお話を書いてみたくなるものです。サムは自分で物語を書いてみようと思い、ペンを取ります。ちいさなネズミが絵本を書く姿はユーモアたっぷり、とても可愛らしいものです。サムが出来上がった本を図書館に置くと、たちまちその本は子どもたちに人気の一冊になります!

著者
ダニエル カーク
出版日
2012-01-16

ネズミのサムが書いた本は子どもたちに大好評!子ども達はこんな面白い絵本を描いた誰かに会いたくなるのです。そこで図書館の館長さんはサム宛てに手紙を書きます。

華やかな色彩が特徴的で、可愛らしい挿絵は子どもたちの心をつかむことでしょう。広大な図書館のどこかに、サムがいるかもしれない。図書館に行くと想像が膨らんでワクワクするかもしれません。サムの表情がアップになるシーンは、子どもたちの笑いを誘うのではないでしょうか。

臨場感たっぷりの挿絵を見ていると、読み手はサムを目と鼻の先に感じられることでしょう。はっきりとした色合いで少し離れた場所からでも見やすいので、絵本の読み聞かせ会などにもおすすめです。この絵本を読み終わると、なぜか図書館に足を運びたくなる、そんな絵本です。

たくさんの動物に出会える冒険絵本『もりのなか』

紙の帽子をかぶり、おもちゃのラッパを持った主人公の男の子が森へ行き、散歩を始めると、ライオンや象が現れます。

男の子が散歩を心から楽しんでいるからなのか、男の子に出会った動物たちはみんな、男の子と一緒に散歩をするためそれまでやっていたことを終わらせます。たてがみにクシを通していたライオンはさっさとそれを済ませ、象は水浴びを急いで終わらせるのです。ラッパを持った男の子はきっと、動物たちを引き寄せる何かを持っているのでしょう。

著者
マリー・ホール・エッツ
出版日
1963-12-20

クマやカンガルーの親子、コウノドリやサルもその行列に加わります。最後には行列が思い思いの楽器を鳴らし、喉を鳴らし、にぎやかに歩き続けました。

しばらくして、動物たちと一緒に遊び始めた男の子。楽しく遊んで、かくれんぼを始めると、いつの間にか動物たちは隠れていなくなってしまうのです。そして男の子の前に現れたのはお父さんでした。

男の子が動物に接する態度には、見習いたいものがあります。出会った動物たちを決してせかさず、しゃべらない動物に無理に話をさせることもなく、ありのままを受け入れるのです。友情を築くには、主人公の男の子のように広い心で相手に接することが大事だと読み手も感じられるのではないでしょうか。

挿絵は終始モノクロで描かれていて、たくさんの動物が登場するのに、物語は静かな雰囲気に包まれています。かくれんぼをした動物たちはいったいどこに行ったのでしょう? 読んだ後も想像を膨らませて楽しむことが出来る絵本です。

夏の冒険を描いた絵本『ふたりだけのとっておきのいちにち』

夏、海に向かうというシチュエーションからして、何か楽しい事が起きそうな予感がするから不思議。この絵本は、夏の時期にだけ会えるロビーとリンが、秘密基地を作って夏の海辺で大冒険を繰り広げるお話です。

サファイアブルーの美しい海と、砂浜に立つ可愛らしい家。見ているだけでもバカンス気分になれるこの絵本は、子どもの大好きな秘密基地つくりの面白さがぎゅっと詰まっています。

著者
ヘレン ダンモア
出版日

おしゃべりしている二人の母親から遠ざかり、ロビーとリンはコンブでジャングルを作ります。竹竿と古い布で作った小屋の前には、キレイな貝殻を並べていき、二人の基地は心に描いた通りに出来上がっていくのです。

抱えきれないほどまぶしい思い出を抱えた二人は、お別れの日が来てしまうのを恐れました。そして二人はその日が近づくと、赤い帆を張ったボートに乗って海に乗り出すのです。

友達二人だけで、二人を引き離す大人から逃げるようにボートに乗る。これは子どもが自分の思いを大人に踏みにじられないための抵抗ですね。真っ青な海に浮かぶボートの帆は鮮やかな赤で、二人の情熱を象徴しているかのようです。

文章量は多めで、一人で読むなら小学校3年生くらいからがおすすめですが、物語は美しい絵と読みやすい文章でどんどん読み手を引き込んでいくので小学校低学年の子でも読めるかと思います。美しい夏の思い出は、宝物のように本棚に大切にしまいたくなりますね。

親切な心から始まる大冒険『ペッテルとロッタのぼうけん』

ペッテルとロッタは、みなしごの兄妹です。三人のおばさんと暮らすことになったペッテルとロッタは、産まれた子猫を以前お世話になったクリスティンおばさんにプレゼントするため家を出ます。

人には親切にするようにと教えられた二人が素直にその言葉を実行しようとする姿は見ていてとても清々しいものです。

兄妹が子猫を洗濯女のクリスティンおばさんにあげると、帰りは荷車に乗せてもらいました。すると運命のいたずらなのか、二人は道に迷って家に帰る道を見失ってしまいます。二人は頑張って帰り道を探しますが、なぜか家から遠ざかるばかりなのです。

著者
エルサ ベスコフ
出版日
2001-09-30

兄妹は道に迷った先で川に入っていたところ服を無くしてしまい大変な思いをしますが、最後にはなんとサーカスのテントの中で三人のおばさんに再会できるのです。

たくさんの魅力的なキャラクターと、クラシックな北欧の雰囲気を味わうことが出来るこの絵本。どんなに悪く見える人でも親切にすれば心を通わせられる。その言葉を信じる兄妹の姿がけなげで、子どもたちは二人から多くのものを学べるのではないでしょうか。

スウェーデンの絵本作家エルサ・ベスコフの描き出す街や森の風景は異国情緒にあふれ、ノスタルジックな雰囲気に包まれています。絵本を開くとそこは別世界です。いつの間にか読み手は親切な心を持った兄妹と冒険に出ている気分になれるのではないでしょうか。

絵本を開くと始まる冒険の数々……お気に入りの一冊は見つかりましたか?絵本の中ならどんな場所へも行けるし、好きなキャラクターになりきることも出来ます。日常が退屈だと感じたら、どれか一つ手に取って、冒険の扉を開いてみてはいかがでしょうか。