5歳の子どもがきっと気に入る絵本、おすすめ35選!

更新:2021.5.28

心がぐ〜んと大きく成長する5歳。この時期の子どもは周りの人や物に注目するようになり、思いやりの気持ちが芽生えてきます。ここでは、そんな時期の子どもにぴったりな絵本を紹介していきます。

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5歳の女の子と一緒に楽しめる絵本。3びきのこぶた……じゃなくて?

主人公は3匹の可愛らしいオオカミ。彼らはお母さんから、広い世界に出て、自分たちの力で生きていくよう促されます。

オオカミたちは今まで住んでいた家を出て、レンガの家を建てました。しかし、そこに悪いおおブタがやってきて、オオカミたちが楽しく暮らしていた家を壊してしまうのです。

家を壊されてしまったオオカミたちは、コンクリートの家、鉄の家……と、壊されるたびにさらに頑丈な家を建てていきます。しかし、どんな家を建てても、おおブタはあの手この手で家を壊してしまうのです。

困ったオオカミたちは頑丈な家を建てることをやめ、お花でできたとっても素敵な家を建てました。さあ、悪いおおブタはこの素敵な家も壊してしまうのでしょうか……?

著者
ユージーン トリビザス
出版日
1994-05-18

有名な童話『3びきのこぶた』のパロディー作品です。ブタとオオカミの設定が入れ替わっている、とてもユニークなお話になっています。

悪いおおブタが家を壊す場面がとにかく刺激的!ダイナマイトで家を吹っ飛ばしたり、壁に向かってハンマーをフルスイングしたり……。そして、それに怯える優しいオオカミたちがとっても可愛らしく、思わずクスッと笑ってしまいます。

そして、最後に出てくるお花でできたお家がとっても可愛いのです。女の子ならきっと、こんなお家に住んでみたいな〜と憧れるはず。

こちらの絵本、『3びきのこぶた』のストーリーを知らないと面白さが半減してしまうので、ぜひ一緒に読み比べてみてください。

大人が読んでも面白い絵本。親子でクスクス笑いながら楽しい読み聞かせの時間を過ごしてください。

歌いながら読める、5歳向けの絵本

猫のピートは新しい真っ白な靴を履いてお出かけをします。

しかし、行く先々にはいちごの山や、ブルーベリーの山、そして泥んこの道……。せっかくの真っ白な靴は、どんどん汚れてしまいます。

でも、ピートは落ち込んだりしません。靴がどんな色になってしまっても、「かなりさいこう!」と歌います。

「とにかくピートのかんがえはこう なにがあっても うたをうたって まえにすすむってこと」(『ねこのピート だいすきなしろいくつ』から引用)

ポジティブなピートに、元気をもらえる一冊です。

著者
エリック リトウィン
出版日
2013-05-13

テンポよく文章が繰り返されるので、読み聞かせにぴったりです。「歌いながら楽しめる絵本」ということで、最後のページに楽譜が付いています。

こちらの絵本、シリーズ作で他にも『ねこのピート だいすきなよっつのボタン』、『ねこのピート はじめてのがっこう』の2冊が出版されています。気に入った方はこちらもぜひ読んでみてください。

親子で歌いながら絵本を読めば、とっても楽しい気分になること間違いなし!あまり絵本に興味がない子も、これなら楽しんで読めるはずです。

5歳の子に伝えたい、友達を思う気持ち

ある日、ねずみのアレクサンダは自分と同じような見た目だけどちょっと違う、ねずみのウィリーに出会います。彼は、ぜんまいでできたおもちゃのねずみでした。

仲良くなった2匹はいろいろな話をします。おもちゃのぜんまいねずみは、人間にとても可愛がられているようでした。やがて、いつも人間に嫌がられているアレクサンダは「ぼくもウィリーみたいなぜんまいねずみになって、みんなにちやほやかわいがられてみたいなあ。」(『アレクサンダとぜんまいねずみ』から引用)と願うように……。

ある日、アレクサンダは願いを叶えてくれる魔法のとかげがいることを知ります。願いを叶える条件は、満月の夜に紫色の小石を魔法のとかげに持っていくこと。

紫色の小石を必死に探すアレクサンダ。その時ぜんまいねずみのウィリーは、不要なおもちゃとして捨てられそうになっていました。

果たしてアレクサンダは紫の小石を見つけることができるのでしょうか?そして、ぜんまいねずみのウィリーの運命は……?

著者
レオ・レオニ
出版日
1975-04-01

『スイミー』『フレデリック』などで世界的に有名なレオ・レオニの絵本です。かわいらしいキャラクターたちがとても魅力的に描かれています。

レオ・レオニの絵本に登場するキャラクターたちはみんな、周りと自分を比べて悩んでいます。アレクサンダも、自分と見かけは似ているのに、人間から可愛がられているぜんまいねずみのウィリーのことをうらやましいと思っていました。そして、自分もぜんまいねずみになろうと考えるのです。

しかし大切な友だちに危機が訪れた時、アレクサンダの他人を羨む気持ちが変化します。自分のためではなく、友だちのために何かしてあげたいと……。

この絵本を通して自分らしさとは何か、そして、友だちを想う気持ちを親子で感じられたら素晴らしいですね。心が大きく成長する時期に、ぜひ読んであげたい絵本です。

お手紙大好き!な女の子たちにぴったりな絵本

森の郵便局で働いているのは、太っちょのはりねずみさん。毎日、森のみんなのお手紙をあちらこちらに届けています。

ある日、配達を終えたはりねずみさんは、切り株に腰掛けてお昼ご飯のサンドイッチを食べ始めました。すると、「クシャクシャ パリパリ アグアグ パリパリ」やけに良い音がするサンドイッチ。なんと、サンドイッチの中に手紙が1枚はさまっていたのです!

一体、誰の手紙を食べてしまったのでしょうか?手がかりは、封筒の裏の「や」という文字の部分だけ……。はりねずみさんは手紙の差出人を一生懸命探し始めます。

果たして、無事に手紙の差出人を見つけることができるのでしょうか?

著者
舟崎 靖子
出版日
1977-11-01

お手紙を書くのも渡すのも、そしてもらうのも大好きな女の子たちにぴったりの絵本です。

郵便局で働くはりねずみさんがうっかりサンドイッチと一緒に手紙を食べてしまうところは、思わずクスッと笑ってしまいます。

「『や』がつくのはやぎさんかしら。それともやまあらしさんかしら。そうそうやまばとのおばあさんのことかもしれません。」(『もりのゆうびんきょく もりはおもしろランド1』から引用)

一体誰が書いたお手紙なのか、子ども一緒に考えると読み聞かせが盛り上がりそうですね。

絵本を読み終わった後は、きっと郵便屋さんごっこをしたくなるはずです!

お片づけが嫌いな5歳児、必見!

なまけもののぎんたの家は、年中散らかりっぱなし。今日も物があふれかえる部屋でダラダラと過ごしています。

ある朝、野良猫のちゃまるがぎんたの家に遊びに来たかと思うと、すぐにさっさと出て行ってしまいました。面白くないぎんたは、ちゃまるの後を追いかけます。

「きょうはたんざくがおおいなあ」(『それならいいいえありますよ』から引用)

猫地蔵の前で止まったちゃまるは突然立ち上がり、なんと人間の言葉を喋ったのです!猫地蔵に貼り付けてあった短冊を手に、どこかへ行こうとするちゃまる。それを追いかけるぎんた。

ちゃまるは大きな鯉、熊の親子、そしておばけのところを尋ねると、次々にそれぞれの望み通りの家を紹介していきます。そう、ちゃまるは猫の不動屋さんだったのです。

それを知ったぎんたは、「かたづいてきれいないえ」と書いた大きな紙を猫地蔵に貼り付けます。自分で部屋を掃除するよりも、きれいな家に引っ越した方が早いと考えたのです。

なかなか家を訪れないちゃまる。待ちきれなくなったぎんたはちゃまるを探します。

すると、ちゃまるは古い蔵の前でねずみやおばけたちと何かを話していました。どうやらねずみとおばけたちは、お菓子がたくさんある汚い家を探しているようなのです。すると、ちゃまるは大きな声で一言。

「ちらかしほうだいぎんたのいえにごあんない」(『それならいいいえありますよ』から引用)

さあ、ぎんたは大慌て!ぎんたの家はどうなってしまうのでしょうか?

著者
澤野 秋文
出版日
2013-08-02

いろいろな家を紹介してくれる、野良猫のちゃまるがとっても可愛らしく描かれています。そして、ちらかし放題のぎんたの姿に、お片づけが苦手な子はドキッとするのではないでしょうか?

色彩豊かに細かく描かれたぎんたの家。面白い物がごちゃごちゃとたくさんあるので、ついじっくり眺めてしまいます。

そして、表紙の裏にも家を紹介してほしい動物たちがたくさん描かれています。裏表紙の方を見ると、それぞれどんな家を紹介してもらったのか見比べることができるので、絵本を読み終わった後はぜひ忘れずにチェックを!

お片づけが苦手な子におすすめな、とっても楽しい絵本です。

生と死、人生について、5歳児にも分かりやすく描かれる絵本

この作品は登場人物に読者が含まれます。絵本に登場する3人と共に物語を進めていくのは読者である私達なのです。生まれてから死ぬまでの頭と体の働き方を分かりやすく、丁寧に描いています。

主要な登場人物は私たちが生まれた時から共にする3人です。アタマはかせ、ハートおばさん、いぶくろおじさんは私たちが生まれた時からずっと、私たちのために働いてくれています。私たちの心身が傷つくことがあれば彼らはそれを癒そうと一生懸命になってくれるのです。

著者
ヘルメ・ハイネ
出版日
2004-03-19

頭・心・体の科学的な関連を可愛いキャラクターたちが彼らの仕事として紹介してくれています。自分を守るために働いてくれている様子に「ありがとう」と声をかけてあげたくなるでしょう。

物語の最後、死を描いたシーンでは3人それぞれのその後が描かれています。別れに悲しみを覚えますが、実はそれ以上に残された人たちが必要以上に悲しまないように働いてくれていたのです!

「まだ5歳には早いのかも……」と不安になるご両親も多いかもしれませんが、小学校入学手前、人間関係が一気に膨らむこの時だからこそ、心身の動き方・大切にすることを学んでほしいものです。子どもだからと遠ざけず、読んでほしい作品といえます。

入りやすい導入に始まり、笑いが止まらない!

まるで昔話の冒頭のような物語のスタートに始まり、パンツをピックアップして行方を追いかけていきます。子ども受けしやすい笑い話かと思いきや、予想外の冒険譚、物語の展開に驚きを隠せません。

おばあさんは川で洗濯した帰り道、おじいさんのパンツを川に落としてしまいます。おばあさんはパンツを追いかけるのですが、パンツの冒険はどんどん壮大になっていくのです。

著者
林 正博
出版日
2014-11-10

表紙のパンツの表情がとてもにこやかに描かれています。実は表紙はすべて伏線といっても過言ではありません。どんどん流されていくパンツは途中で多くの人を巻き込んでアクシデントとなっていくのです。そして物語はワクワクドキドキの冒険物語に……。ページをめくる手が止まりません!

子どもたちは「パンツが流されるなんて、へんなの!」と声をあげるのではないでしょうか?しかし読み進めていくうちに、パンツがどんどんたくましく見えてきます。子どもはパンツがたどる冒険に心躍り、大人はついつい応援したくなるでしょう。

物語の意外性とユーモアが抜群。この起承転結を考えたセンスと、それぞれのシーンに見合ったイラストに脱帽です。大人も子どもも心から楽しめる絵本となっています。

怒涛の展開に忙しくもしっかり楽しめる5歳向け絵本

遠足、運動会、ピクニック……お弁当のお昼といえば、おにぎり。この作品はそんなおにぎりがたくさん登場するのです。美味しそうなおにぎりを握るのは鬼たち。

おにぎりが大好きな鬼は人間たちが作ったおにぎりを食べて驚きます。「こんな美味しくないおにぎりを食べているなんてかわいそうだ!」鬼たちは自分たちが作る美味しいおにぎりを人間たちに食べさせるため、あれやこれやと試行錯誤を繰り返すのです。

著者
シゲタ サヤカ
出版日

普段はだらしない様子の鬼たちの様子も、おにぎりのために必死で動き回る様子もコミカルさと一生懸命が混ざり合って笑いを誘うでしょう。

美味しいものを食べてほしい気持ちというのは、お母さんたちの共感を強く呼ぶでしょう。しかし子どもたちはそれ以上に鬼たちのハチャメチャっぷりの方が気になってしまうかもしれませんね。カバー装丁にも一工夫されており、親子で大笑いできる絵本です。

5歳の子どもが大好きな言葉遊びを取り入れた絵本

『うんこしりとり』と内容がすぐに予想出来てしまうタイトルですが、意外と難しいしりとり遊びに子どもたちは大喜びするでしょう。下品ではないか?と思って避けず、言葉遊びを楽しませるためにも読んであげたい作品です。

作者のtupera tuperaは実は亀山達也と中川敦子によるユニットグループ。絵本やイラストレーションはもちろん、工作やアニメーション制作など様々な分野で活躍しています。各分野で注目を集め、数々の賞の受賞歴も目ざましいものが見られます。

著者
tupera tupera
出版日
2013-10-23

しりとりなので物語性はありませんが、言葉を考えることを楽しく学べるでしょう。「こいぬのうんこ」→「こうしのうんこ」→「こいするうんこ」……終わりは決まっているので、「こ」で始まるものは何だろうと考える楽しみがあります。安定したリズムがあるので、読みやすさは抜群といえるでしょう。

表紙のイラストもなかなかインパクトの大きいものです。さらに挿絵のイラストも見逃せません。キャラクターたちが踏ん張って用をたしている姿は、わが子の踏ん張っている姿を思い出し、どこか応援したくなるものを感じさせます。きっと子どももキャラクターたちに感情移入してしまうことでしょう。

インパクトが大きい作品を発表し続けているtupera tuperaの人気絵本です。子どもが喜ぶ要素が盛りだくさんの作品なので、大人が避けがちなネタですがぜひ子どもと楽しんでみてくださいね。

物事には必ず理由がある。その理由は人それぞれ、子どもそれぞれ!

子どもたちに物事の理由を教えてあげるのが私たち大人の役目ですが、時折子どもたちのほうから理由を教えてくれることもありますね。突拍子もなく奇天烈な、しかし一生懸命考えたであろう理由は微笑ましいものです。

ヨシタケシンスケは思わず笑顔になる作品を多く発表し、子どもと大人たちの心をわしづかみにしている絵本作家。絵本をはじめ、装幀や広告など他分野でも多く挿絵を提供しイラストレーターとしても名高い人物です。子どもの発想力を伸ばすような絵本の発表を重ね、多くの賞を受賞しました。

著者
ヨシタケ シンスケ
出版日
2015-03-07

『りゆうがあります』の物語のテーマはこどもたちのクセです。鼻をほじる、物をかじる、貧乏ゆすり……あげればキリがありません。親としてはやめてほしいクセばかりなのでついつい「やめなさい!」と声を荒げてしまうこともあるでしょう。しかし本作で登場する子どもたちは一生懸命それに理由をつけて続けようとするのです。

子どもの言い訳ともとれる理由に、呆れながらも発想力に脱帽してしまうご両親も多いのではないでしょうか?作中では「お父さんお母さんが楽しく過ごせるように」という子供からの気遣いも見られます。さらにそれを言い訳と否定せず、受け止めながらうまく切り返しているお父さんお母さんにもあっぱれです!

子どもの発想力というのは無限大。それを否定せずに受け止めることができるのは一番身近な存在のご両親。もちろんその発想力をうまく切り返しつつやり過ごすことも必要ですが、笑ってあげれるようにしてあげたいものですね。

不思議なまな板のお話

表紙の絵がとてもコミカルですね。ちょっとずるがしこそうなまな板と、周りをうかがいながら料理を食べさせているコックさんがいます。

まな板が料理を食べるなんて信じられませんが、この物語に登場するまな板は、コックさんが見ていない時にこっそりとおなかの上に乗った料理を食べてしまうのでした。まな板が小さなエビをペロリと食べる所を見てしまったコックさん。夜一人になった時に再び、まな板にエビを乗せてみます。

するとどうでしょう、まな板はなんとおなかの上のエビを食べてしまうではないですか!

著者
シゲタ サヤカ
出版日
2009-08-26

登場するコックさんの表情がとても豊かで、まな板が料理を食べてしまうという驚きの展開に笑ったり驚いたり。まな板のこずるい顔に、読んでいる人はおなかを抱えて笑うかも知れません。

図々しいまな板は、コックさんにおねだりをして、どんどん食べ物を食べていきます。そうなると……大人にとっては予想がつくものですが、食べ過ぎたまな板のあられもない姿を見て、子どもたちは再び笑いの渦に巻き込まれることでしょう。

何でも一人で出来るようになってくる5歳という時期、自ら進んで文字を読んで内容を知りたくなる絵本です。絵本を読むことで学びを見つけようと身構えずとも、純粋に物語を楽しむことが出来る一冊です。

5歳児におすすめの絵本

お世辞にも可愛らしいとは言い難い表情のうさぎの男の子。この子には、何を言おうが返ってくる言葉は「うんちっち」なのです。

朝起きて、お母さんにおはようと言われても、お父さんにほうれん草を食べなさいと言われても、お姉ちゃんにお風呂に入ろうと言われても、何を言われても「うんちっち」としか答えません。こんな子、現実にもいそうですね。

普通の大人なら、そんな事言うのよしなさいと叱りそうなものですが、うさぎの男の子が叱られるシーンはありません。何を言っても「うんちっち」と答えるうさぎの男の子は、怖いオオカミの前でも同じ調子で、大変な目にあってしまいます。

著者
ステファニー ブレイク
出版日
2011-11-14

オオカミにペロっと食べられてしまったうさぎの男の子。でも、お腹いっぱいになったオオカミの体に異変が起きます。口を開くと……オオカミは、「うんちっち」としか言えなくなるのです!

シュールな世界観と予想外の展開の連続。絵本に興味がなかった子どもでも、自分から手にとって読むほどの面白さが詰まっています。ラストシーンでのうさぎの男の子の発言がまた面白く、読んでいる方はずっと笑いっぱなしかもしれませんね。

自由気ままで怖いもの知らずなうさぎの男の子は、5歳児そのもの。この絵本を読んで、自分を客観的に見ることが出来たら、楽しみながら成長出来て一石二鳥ですね。

背伸びしたい気持ちに寄り添う

なほちゃんはまだ小さいけれど、大きいお兄さんやお姉さんと一緒にキャンプに行きたくて仕方ありません。ともこおばさんの家に遊びに行ったなほちゃんは、大きいお兄さんやお姉さんがともこおばさんと一緒にキャンプに行くことを知って、自分も行きたいと言い出すのです。

お兄さんやお姉さんは、なほちゃんが小さい事を理由に、キャンプは無理だと口々に言います。でもなほちゃんはそんな事ではめげません。するとともこおばさんはなほちゃんに聞くのです。暗がりのなか、一人でトイレに行けるかどうか……。

著者
林 明子
出版日
1984-06-20

どうしてもキャンプに行きたかったなほちゃんは、背伸びをしてお兄さんお姉さんについていきます。背伸びして頑張るなほちゃんのドキドキが読んでいるほうにまで臨場感たっぷりに伝わってきます。

自分を信じて勇気を出すなほちゃんの姿は、読み手の子どもたちにもきっと勇気を分け与えてくれることでしょう。この絵本を読んだ後はぜひキャンプに行ってみたいですね。同じくらいの年齢の子どもはなほちゃんを思い出し、絵本を読む前より少し、成長して頼もしい姿を見せてくれるかもしれません。

どうしたらいなくなる??

とっても臨場感のあるこの絵本。最初のページでは小さかったオオカミが、ページをめくるごとにどんどん近づいてくるではありませんか!

どうすればオオカミから逃げられる? そんな風に頭を働かせて作者と一緒になって考えるのがこの絵本の醍醐味です。絵本を傾けてみるとオオカミは坂を転がり落ちるようにフェードアウトするかも? 絵本を振ってみたらオオカミは落っこちてどこかに消えてしまうかも? いろいろ試してみてもオオカミは一向に消える気配はありません。そして、ついには最終手段をとることに!

著者
セドリック ラマディエ
出版日
2014-03-20

オオカミがどんどん迫ってくるなんて、怖いですね! でも、この絵本に描かれているオオカミの顔はどこか憎めない表情をしていて、オオカミもオオカミなりに必死でこちらに来ようとしているのだなと感じることが出来ます。

物語を声に出して読めば、「ありゃりゃ」や「もっと」など、小さな「ゃ」や「っ」の読み方に慣れることもできますね。小学校入学前にこう言った文章に慣れておくのは子どもにとってもいいことです。

絵本を逆さにしてみると、絵本の中のオオカミもひっくり返ってしまう。そんな姿を見ていたら、このままオオカミをほっておくと本当に絵本から出てきそうだとドキドキしてしまうでしょう。子どもはじわじわと近づいてくるオオカミにドキドキしたり笑ったり、心から楽しめると思います。

愛の物語です

うまそうだな。ティラノサウルスにそんなことを言われた草食恐竜アンキロサウルスの赤ちゃん。卵から生まれたばかりでひとりぼっちだったその子は自分の名前を「ウマソウ」だと勘違いして、ティラノサウルスをお父さんだと思い込んでしまうのです。

ウマソウは、大きくて強いティラノサウルスのお父さんを大好きになります。そして自分もいつか、お父さんのように大きく強くなれると信じて疑いません。ティラノサウルスは、アンキロサウルスのウマソウを、ほかの肉食恐竜が襲おうとすると、心は父となり、身を挺して守るのです。

著者
宮西 達也
出版日

愛があれば、血のつながりはなくとも産みの親と同じように子どもを愛することが出来る。この絵本はとても大切なことを教えてくれます。最後のシーンでは、競争だと言って自分の姿を隠し、ティラノサウルスはアンキロサウルスの少年を彼がいるべき場所に戻すのです。

ティラノサウルスの心の変化がページをめくるごとに読み手に伝わり、アンキロサウルスの子どもの愛がティラノサウルスの心を少しずつ変えていく過程は、読み手の心に触れるのではないでしょうか。

小学校に上がれば年の離れた先生や上級生、登下校の見守りをしてくれる地域の人など多くの人に出会います。この絵本は自分たちが大人に、社会に守られているということを知るきっかけにもなるのではないでしょうか。

そうべえたちが未知の世界に引きこみます

まず、このインパクトある、一瞬にして想像力をかきたてる表紙にどの子もとびつきます。

「とざい、とうざい。かるわざしのそうべえ、一世一代のかるわざでござあい。」という出だし。子どもたちが意味が分からなくても、みんなで暗唱してしまう1ページ目。

綱わたりをしていて、いきなり落ちてしまう軽業師のそうべえ。最初から一気に緊張感が高まります。そして地獄へ。一体どんな世界が待っているのでしょう。

著者
田島 征彦
出版日
1978-05-01

そうべえは火の車にのせられ、3人の仲間と、三途の川を渡りえんま大王の元へとむかいます。ふんにょう地獄、針の山、熱湯の釜、と地獄の恐ろしさが次々と描かれていて、子どもたちは未知の世界にくぎ付け。

人くい鬼に食べられてしまう場面では、お腹の中で何かをひっぱってみたり、こちょばしてみたり、袋を蹴ってみたり。興味深々の絵を眺めている子どもたちに、いつしか地獄の怖さはなくなっていきます。

緊張した顔からそうべえたちへの応援で笑顔になっていく子どもたちをみて、きっと大人はほっこりした気分になることでしょう。

最後までドキドキがとまらないお話の最後のオチが、これがまた深いのです。大人も子どもと一緒に楽しめるおすすめの本です。

想像力をはぐくめるラストが楽しい絵本

川端誠のダイナミックな絵と、子どもたちの目線に立った文字が魅力的です。

保育園、幼稚園では、プランターに植物を植える経験をさせることも多いので、とても身近な題材に見えます。ところがいきなり、「のっぺらぼうをうえました」ときます。

「のっぺらぼう!?どうなるの?」と、どんどん先へページをめくりたくなる本ですが、ゆっくりと、衝撃的な次のページを想像させるように読んであげましょう。

著者
川端 誠
出版日

「のっぺらぼうをうえました」さて、一体何が出てくるのでしょう。ちょっとしたダジャレのようになっています。ふだん見ている植物と照らし合わせて、その同音異義語を改めて学べる魅力もあります。

「けけけけけけっけっ」と笑うのっぺらぼうを、思わず真似たくなる子どもたち。ところがあっという間に、うえきばちをぬけてどこかにいってしまうので、拍子抜けしてしまいます。そしてまた最初から。

と思った瞬間お話が終わります。最初と違い、めがなんと3つ。ここからどうなるの?と最後に子どもたちの想像力をかきたてる構成がとても斬新です。

子どもたちに、絵本の続きをつくらせることもでき、面白い教材にもなりますのでおすすめです。

小さな紳士と淑女が育ちます

丁寧なごあいさつの仕方を学べる本。小さなぼうやを紳士にして、上品な言葉でどういったらよいのかが、かかれています。

ふだんお子さんに教えたことがありますか?「ケーキをとっていただける?」「なんておっしゃいましたか?」「ありがとう、げんきですよ、あなたは?」

この本のよいところは、固くならず、クイズのように気軽に読めるところでしょう。場面設定がかなりくわしくかかれているので、小さな子も理解できるようになっています。

「そんなときなんていう?」に予想させてから、ページをめくっていきましょう。

著者
["セシル・ジョスリン", "モーリス・センダック", "Maurice Sendak", "たにかわ しゅんたろう"]
出版日

小さな子に上品な言葉を教える場面、なかなかないですよね。そんな品のある言葉を、どのような場面で使うのか。絵本でそれらを知ることで、真似することがすきな子どもたちですから、ふと口をついてでてくることでしょう。

小さな紳士が大きなコートをきて、大人と対等に話す様子も、とてもほほえましいです。きっとお子さんも真似をしたくなることでしょう。これを真似して「紳士淑女ごっこ」もいいかもしれませんね。

イギリスを舞台にした洋書のため、グレーと青の2色だけで描かれています。日本との違いも学ぶことができます。落ち着いた配色のおかげでとても心静かに読めますし、大人にもおすすめです。

思わず笑っちゃうけど親近感いっぱいの絵本

表紙の等身大の男の子に感じる親近感と、「もっちゃう」ってなに?と子どもたちがページをめくりたくなるよう、うまく作られている絵本です。

「もっちゃう」はトイレにいきたい男の子の「もれちゃう」の意味です。トイレに行きたいのに、屋上に行っちゃたり、キリン、コウモリに出会い、トイレは遠のくばかり。

最後に男の子は目が覚めます。家のトイレに入ろうとすると妹が「お兄ちゃんは2回のトイレに行って」「あ~すっきりした」で終わり。と思ったら……「ぼく、妹なんていない」

さて、どういうことでしょう?

著者
土屋 富士夫
出版日

ひでくんは、トイレに行きたくて仕方ありません。

いろいろな動物たちが自分たちのトイレをつかっていいよ、と言ってくれるのですが、ひでくんにはどうもあいません。動物さんたちのトイレを知ることで、動物の生態を知ることもでき、興味をひく魅力がここにもあります。

長い長いトイレへの旅をしますが、実は夢。目が覚めるとトイレに妹が。2階にいってすっきりしたひでくん。

そこでひでくんは、妹などいないことに気づきます。夢はどこまで?そして子どもたちは、自分の苦い体験と重ね合わせて、苦笑いをしたり共感する子もいるでしょう。

最後にはなんだか、ほっとする絵本です。

かあちゃん大好き!と思える絵本

さとうわきこの、やさしいタッチと、独特の語りかけるような文体が魅力な作品。

ある日、うちじゅうのせんたくを終えたかあちゃんの「なにか あらうものを さがしといで」に、子どもたちが動物やものを追いかけます。

そんなときにあらわれたかみなりさま。子どもたちはお母さんのたのもしさを感じ、心強くなることでしょう。かあちゃんの活躍は一体どこまでつづくのでしょうか。

著者
["さとう わきこ", "さとう わきこ"]
出版日

たくさんのせんたくものを干すために庭中にはりめぐらされた、せんたくのひものページは、非日常で眺めていてとても楽しい場面です。

そこにあられる、かみなりさま。そのかみなりさまでさえ洗ってしまうかあちゃんに、お母さんの頼もしさを感じさせられます。

そしてそれに感謝したかみなりさまの話を聞いて、翌日大量にふってくるかみなりさまたち。きっと読み終わった後は、見えない空の上のかみなりに想像力を働かせた話に、花がさくことでしょうね。

さとうわきこの絵本は、絵の柔らかさと反対に、内容がとてもダイナミック。身近なせんたくを通して、お母さんの大変さ、強さ、そしてやさしさも感じられるおすすめの本です。

笑顔のためなら多少のわがままも聞いてあげたくなる絵本

とある家族の雨の日のひと時を描いた絵本。子どものわがままを聞いてあげたくなる作品です!

作者のウィリアム・スタイグはニューヨーク生まれの漫画家です。水球チームの創設者、ナショナル・アカデミー・オブ・デザインのメンバーであったりと異色の経歴の持ち主でした。彼の作品は子どもに夢と希望を与えることを目的としたものばかりです。

その中でも、この作品は比較的穏やかな日常の風景を基にした作品といえます。雨で友達と遊べずにいる少年を慰めるため、両親が楽しませようと奮闘します。両親に構ってもらっている間の少年の表情がとても可愛らしく表現されており、わが子の笑顔を思い出してしまう素敵な作品です!

著者
["ウィリアム スタイグ", "Steig,William", "涼, 木坂"]
出版日

ピッツァに見立てて、父親は少年を構い倒します。生地を練るところから、オーブンに入れて焼きあがるまで、丁寧に遊んであげるのです。母親のノリも良く、少年を楽しませることに余念がありません。少年も外で友人と遊べなかった不満など、あっという間に忘れてしまうのです。

物語の途中でも、少年の両親に構ってもらって嬉しそうな表情がいくつも出てきます。この家族のように、にぎやかで楽しい家族になりたいと思うご両親も多いのではないでしょうか?子どもの笑顔の引き出し方を教えてくれる1冊です。

友人の形は人それぞれ。それを大切にする心を育ててあげなければいけない

誰もが子どもの頃にいたであろう「ないしょのおともだち」について描いた絵本です。子どもの頃に得た友人というのは人だけではないはずです。

マリーには秘密の友人がいます。それは同じ家のすみに住んでいるネズミの女の子でした。彼女たちはお互いを見つけ、友人とした後も深くかかわることなく心の中でお互いの存在を隠し続けます。その後家族を得た彼女たちは再び同じ家に住むことになりました。そこでは彼女たちの娘が同じような経験を重ねていくのです。

著者
ビバリー ドノフリオ
出版日

子どもの頃の友人というのは人とは限りません。ペットだったりお気に入りの人形であったりテレビのキャラクターであったり様々です。そのことを私たち大人はつい“ごっこ遊びだろう”と笑ってしまいます。マリーもネズミの女の子もその娘たちは、それがよく分かっていたのでしょう。彼女たちは“ないしょ”にすることを徹底しました。

それがまた良い結果を導いたのでしょう。マリー達にはこの出会いが“素敵な思い出”として印象に残ります。そしておそらくそれを娘たちに語ったのでしょう。娘たちも「ないしょのおともだち」を大切にしていくのです。

友人の形は人それぞれです。それは子どもの頃ではなおさらといえます。決して笑わず、否定せず、“その友人との思い出を大切にすること”を教えてくれる作品です。

冒険にドキドキワクワク!胸が躍る絵本

飼い犬のベンジーが迷い込んだ船で様々な冒険するお話です。起承転結がはっきりした分かりやすい作品なので、子供は冒険物としても読めるかもしれませんね。

飼い犬のベンジーは、家族が船旅に出ている間に、とある客船に潜り込んでしまいます。その客船では、猫に追いかけられたりカモメの群れを見たり様々な経験をするのです。

家族旅行にいっしょに行けなかったベンジーの寂しさを、ペットを飼う家庭なら理解できる読者は多いのではないでしょうか?また、そのペットを連れていけないと知った子供の気持ちも……。子どもとペットの表情が丁寧に描かれているので、見事に両者の“寂しい”という気持ちが分かります。

著者
["マーガレット・ブロイ グレアム", "Graham,Margaret Bloy", "しげお, わたなべ"]
出版日

客船に乗り込んでからのベンジーの行動力はなかなか目を見張るものがあります。疲れて寝てしまったりもするのですが、船員たちと仲良くなったり、客船に居ついていた猫と仲良くなったりするのです。2週間という長い期間を知らない環境で過ごしていたとは思えない行動力です!

イラストも可愛らしいく、表情がはっきり描かれるので子供が一人で読んでも分かりやすく楽しめる作品となっています。一人読みに挑戦する最初の1冊として、手にとってみてはいかかでしょうか?

親の役目の一つ、“子どもの夢を笑わない”

大きな木を欲しがる子どものお話。子どもの想像力の豊かさを改めて知ることのできる作品です。

主人公のかおるは庭に大きな木が欲しいと母親に訴えます。その木の上ではかおるは動物たちと触れ合い、得意のホットケーキを焼くのだと、木の上で過ごす四季を想像します。そのお話を聞いた父親と一緒に、かおるは庭に木を植えるのです。

著者
佐藤 さとる
出版日

“大きな木があったら……”大人と子どもでは思い浮かべるものが違うはずです。大人は幼少時にした木登りなどの遊びを思い浮かべるでしょう。一方子どもは遊ぶだけでなく、生活するならどうすればよいかといったより身近なことに密着したことを想像していくのです。

子どもにとって想像することと遊ぶことは連結しているのでしょう。身近なものを模倣しながら想像力を駆使して新たなものを作り上げていくのです。私達大人はそれを見守らなければいけません。子どもの心を育てるため、親や周りの大人たちが何をすべきか分かる作品です。

愛すべきキャラクターたちがたくさん登場!ファンの多い絵本

人気シリーズ「バムとケロ」のうちの1冊です。個性的なキャラクターが登場するこのシリーズは子どもだけでなく、大人も読み応え抜群の作品です。

作者の島田ゆかはMOE絵本屋さん大賞を受賞した経験を持つ実力派の絵本作家です。パッケージデザイナーを経て、絵本作家業界に飛び込んできた彼女の作品は印象的なイラストとキャラクター、そして子どもの“楽しい!”という気持ちをくすぐる作品を多く発表しています。

温かいある日、キイチゴを探しに森に出かけていたバムとケロは小さな小屋を見つけます。誰も住んでいない様子のその小屋を二人の秘密基地にしようと掃除を始める2匹のドタバタストーリーです。

著者
島田 ゆか
出版日

シリーズ作品なので、この作品以前に登場したキャラクターも多く登場します。そのキャラクターたちも一癖二癖持ち合わせているので、シリーズ全てをコンプリートしたくなる読者は多いはずでしょう。登場人物たちのインパクトが強い作品というのは、大人も子どももついはまってしまいます。

可愛らしいキャラクターに伴い、背景の細かさに圧巻です。草一つ、葉一つが丁寧に描かれているので物語に集中することができます。登場人物たちの性格のバランス、イラストの丁寧さにおいて読みやすさ抜群の作品です。ぜひ読んでみてください!

そのままのあなたが好きだよ

大きなデパートのおもちゃ売り場に売られている、緑色のズボンをはいたくまのぬいぐるみコールテンくんは、「誰かに早くお家に連れて帰ってもらいたい」といつも思っていました。

ある日デパートにお母さんと一緒にやってきた女の子が、コールテンくんをつれて帰りたいとお願いしました。でもお母さんは、コールテンくんのズボンのボタンが外れていると言って買ってくれません。

コールテンくんはボタンを探しに、夜のデパートを冒険しにいきます。

著者
ドン=フリーマン
出版日

コールテンくんの歩き回っている夜のデパートは、昼間のデパートの華やかさとは対照的。人のいない静かなデパートの様子がよく伝わってくる描写は秀逸です。普段見慣れない風景を見て、読んでいる方も非日常感を味わえるでしょう。

動き回るコールテンくんが「ずっと前から~したかった」と、お決まりのセリフを言いながら冒険する様子もかわいらしいです。ドキドキしながら冒険をして、ハプニングが起きて、といったお話がテンポ良く展開していくのも、読んでいて気持ちが良いです。

また、コールテンくんを家につれて帰る女の子リサの、コールテンくんに対する愛情がとてもあたたかく、読んでいて優しい気持ちになれます。

だれかに無条件に愛情を注ぐことの素晴らしさを伝えられる一冊です。

けんかも仲直りも高速だよ

ジェームスは学校でいつもいっしょの仲良しの友達。でもジェームスは「僕」におもちゃを貸してくれないし、いばるし、乱暴だから、もう遊ばないんだって決めました。

「僕」とジェームスが、仲が良かったときは、誕生会に呼んだり、同じ伝染病にかかったり、お菓子を半分こして遊んだり、とにかくずっと一緒でした。

でも「僕」は、ジェームスとは二度と遊ばないと伝えるために、ジェームスのお家に乗り込んで行きます。

著者
["ジャニス・メイ・ユードリー", "モーリス・センダック", "小玉 知子"]
出版日

5歳の子どもの、お友達との関係性を、とてもよく表現しているお話です。シンプルな絵柄に、短く無駄のない文章が、読んでいてとてもわかりやすいのですっと頭に入ってきます。

5歳くらい子どもだと、「○○くんは、すぐにおもちゃを取るし、乱暴だし、いばりんぼうだからもう遊ばない。」と言っても、次の日幼稚園や保育園に行ってみると、その子と遊び始めていたりしませんか?

けんかも仲直りも、めまぐるしく展開されていく5歳児の世界が、端的に、的確に描かれた一冊です。子どもがお友達とけんかして、元気がないときにそっと読んであげると、仲直りのきっかけがつかめるかもしれませんね。

ちいさな動物を大切にね

鴨のマラードさんと、マラード奥さんは巣をつくる場所を探すために、遠く旅をしてきました。

ある日都会の公園にある池に降り立った2羽は、この池が気に入りました。けれど公園を走る自転車にひかれそうになりびっくりした2羽は、近くの川の中州で巣をつくることにしたのです。

やがて小さな小鴨がたくさん生まれると、マラード奥さんは子ども達をつれて、公園の池へ移動を始めるのでした。

著者
["ロバート・マックロスキー", "ロバート・マックロスキー", "Robert McCloskey", "わたなべ しげお"]
出版日

鴨の描写や、外国の建物の描写が美しい絵本です。緻密に描写されている鴨の羽毛が柔らかで、それだけで鴨のマラードさん一家に魅了されてしまいます。

マラードさんと、マラード奥さんの会話がユーモラスであったり、奥さんのしっかり者ぶりが伝わって来たりと、大人でも楽しく読むことができます。

マラード一家が隊列を組んで街中を行進していくとき、警察官をはじめ街中のいろいろな人が協力していく描写は、ちいさな生き物を大切に扱う精神を子どもに伝えるのに役立つことでしょう。

エンディングもハッピーエンドなので、読後感も良く読み終えることができます。

また鴨の描写が、本物のように緻密な描写なので、生物についての知識も伝えられるお得な一冊です。

未来は可能性でいっぱい

今日はきみはどんなことをしてきたのかな?たくさんぶつかってたんこぶをつくってしまったかもしれないし、指に怪我をしてしまったかもしれない。

でもあしたは新しいおともだちと出会うかもしれないね。明日は新しいことができるかもしれないね。

だからきみにたくさんのキスをしてあげよう。明日はきっといい日になるよ。

ドリス・シュワーリンのやさしい語り口で、小さな子どもに語りかけるように一日を振り返ります。

著者
["ドリス シュワーリン", "カレン ガンダーシーマー", "Doris Schwerin", "Karen Gundersheimer", "木島 始"]
出版日

一日をゆっくり振り返るような描写が、やさしい絵柄と語り口でつづられていきます。そっと語りかけるような文章が、こわばっている心をときほぐすようです。

一日の終わりに、いろいろなことがあってしょんぼりしている子がいたら、ぜひ読んであげたくなる絵本です。

今日はちょっと残念だったかもしれないけど、明日はどうだろうね?新しいお友達ができるかな?そのお友達の名前はなんだろうね?

明日というものが「不安」から「楽しみ」に変わる魔法の言葉がたくさんつまっている一冊。子どもだけでなく、読み聞かせている大人もふと心が軽くなるような力があります。

もし「今日」がうまくいかなかったら、お風呂に入って、歯磨きをして、布団に入って、親子でこの絵本を読んで不安な気持ちをやわらげて眠りましょう。

その日に見る夢はきっと幸せなものになるはずです。

ほんとうに大事なことは

スプーンにはいろいろな特徴があります。先は丸くて、くぼんでいて……。

でもスプーンにとっていちばん大切なことは、「それをつかうと じょうずにたべられる」ということです。

このようにいろいろなモノやコトには、大切なことがあります。野菊は白いことが大切だし、雨はうるおすことが大切。そしてあなたにとって大切なのは……。

著者
マーガレット・ワイズ ブラウン
出版日

たくさんの大切なことが、作者のマーガレット・ワイズブラウン独特の視点で描かれています。

はっきりとした絵柄や色使いとともに、「たいせつなこと」を言い切る展開は、読んでいてどこか安心感を覚えるでしょう。

風や空、植物などといった、いろいろな物事は、多様な角度から見ることができるのだと伝えることができる絵本でもあります。

それと同時に、いろいろな見方ができるけれども、本当に大事なことはすこしだけだという、物事の捕らえ方のひとつの方法を学ぶことができる一冊です。

また子どもたちだけでなく、物や情報であふれかえる社会で、迷って不安になってしまう大人にもおすすめの絵本でもあります。

自分にとってほんとうに「たいせつなこと」とは何なのかを見つめなおしたいときに、この絵本を開いてみてはいかがでしょうか?

自分にとって大切なものを整理するきっかけにもなるかもしれません。

子どもが考えながら読める絵本

「おおきくなるっていうことは」「ようふくがちいさくなるってこと」「おおきくなるってことは」「あたらしいはがはえてくること」「おおきくなるっていうことは」……と質問と答えのテンポよい繰り返しで、絵本がすすんでいきます。

著者
中川 ひろたか
出版日
1999-01-25

水に顔がつけられて、あんまり怒らないで、シャンプーだって嫌がらないでと、子どもたちは、「おおきくなるっていうことは」と一生懸命考え、また、理解しながら読みすすめていくのですね。短い文章の繰り返しですので、子ども1人でも読みやすいです。

幼稚園や保育園で自分より小さい子が入ってきて、時に一緒に遊んだりする中で、自分はお姉ちゃん、お兄ちゃんだという自覚も芽生えてきます。小さい子にはどうしてあげたらいいのか等も触れていますので、おすすめの1冊です。

楽しみながら時計の読み方を覚えることができる絵本

 

とけいの針のちびとのっぽが散歩にでかけます。途中で、どんぐりぼうやにとうせんぼされてしまいました。

「今、何時か教えてくれたら通してあげる」と言われた針たち。

ちびとのっぽが、どんぐりぼうやに時計の読み方を教えてあげながら、散歩をつづけます。

 

著者
まつい のりこ
出版日
1993-03-15

 

「ちびは、7から8へいっただけ、のっぽはぐるりとひとまわり、もとの12のところへいっちゃった。いま、なんじ?」

7時から8時に時計が進んだことをこんなふうに、わかりやすく、楽しく説明してくれているのです。

ひとつページをめくるごとに、楽しみながら時計の読み方を覚えていきます。子どもたちは、1人1人、成長過程が違うので、ゆっくり焦らずがいいですね。

なぞなぞを解いていくように楽しめる絵本になります。

 

5歳の女の子の大冒険

 

5歳の女の子のみいちゃんは、ある日、ママに1人で赤ちゃんの牛乳をかってくるよう頼まれました。1人での買い物がはじめてなみいちゃんは、とびあがるほどびっくりしてしまいます。

大人なら何てことのないすれ違う自転車も、坂道も、みいちゃんには越えなくてはならないものになってくるのです。坂道では、みいちゃんは転んでしまい、お金を道路に転がしてしまいます。膝がじんじん痛くても泣かずに我慢し、お金を見つけるのでした。

 

著者
筒井 頼子
出版日
1977-04-01

 

子どもたちは、自分とみいちゃんを重ねます。真剣に、時に不安になりながら。絵本をみる姿も力が入ってしまいますね。

みいちゃんは、無事、おつかいを終えることができるのでしょうか。

現実には、1人でのおつかいは難しい面もありますが、こうしてみいちゃんの気持ちになって、絵本の中でまた1つ経験を増やしていって欲しいですね。

 

おしゃまな女の子の壮大なロングヘアー計画

はあちゃんとみいちゃんは髪の長いのが自慢です。でも、まあちゃんの髪は短いおかっぱです。はあちゃんとみいちゃんは、背中が隠れるくらいまで伸ばすと言っています。すると、まあちゃんは、「わたしなんて、もっとずっとのばすんだから。」といって、壮大なロングヘアー計画を二人に話し始めるのです。

著者
高楼 方子
出版日
1995-08-10

 

橋の上からおさげを垂らして釣れるくらい。牧場の柵のところから、おさげのロープをビューンととばして牛を捕まえる。海苔巻みたいにおさげにくるまって、ふかふか布団にして外にねる。シャンプーでソフトクリームを作る等、まあちゃんのロングヘアーの発想はびっくりするほど素敵でわくわくするものばかりです。

この絵本を読んで、長い髪にしたくなる女の子が増えるかもしれませんね。

女の子が喜ぶ、何回読んでもわくわくどきどきがとまらない絵本です。

 

5歳児におすすめの定番絵本

 

ある晩、マックスはオオカミのぬいぐるみを着て大暴れします。怒ったお母さんに、寝室に放り込まれるのですが、その寝室に、にょきり、にょきりと木が生えてきて、寝室は森や野原になってしまいました。

いつの間にか波が押し寄せて、船も来て、マックスは航海の旅にでかけます。船が着いたところは、かいじゅうたちのいる所。

マックスは大丈夫なのでしょうか。

 

著者
モーリス・センダック
出版日
1975-12-05

 

5歳になると、マックスのようにママのいう事をきかない日も、口ごたえをする日もあるかもしれませんね。絵本の中のマックスも、とても元気な男の子の日常が垣間見えます。

とても緻密な絵で、怪獣も迫力満点。でも、マックスと踊っている場面などは、怪獣がどこかおちゃめに見えます。

文字が少ないので、とても読みやすく、画面いっぱいに広がった絵からは想像がどんどん広がっていきます。

 

読みながら終始笑いっぱなしのお話や、涙なしには読めないお話などなど。これから小学生になり、成長していく5歳の子どもにぜひ読んで欲しい物語ばかりでした。

これまでに紹介した絵本を読めば、今まで絵本に興味がなかった子どもでも、純粋に絵本を楽しめるのではないでしょうか。子どもが自分から絵本を手に取る瞬間を待っている。そんなお母さんお父さんにぜひ一度選んで欲しい絵本を紹介させていただきました。

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