産まれたばかりの赤ちゃんに、あなたはどんな絵本を読ませてあげたいですか?読み聞かせはまだ早いのでは……と思う方もいらっしゃるでしょう。今回は、選び方のポイントとともに、幼い子どもでも楽しめる擬音やリズム感のある文章がたっぷり入った作品を紹介していきます。
幼少期から本に親しむことは大切……とは思っているけれど、実際には子どもが何歳になったら読んであげたらいい?とお困りの方は多いのではないでしょうか。
また、知人の出産祝いで絵本を贈りたいけれど、どんな選び方なら間違いない?と悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
おすすめの作品をご紹介する前に、選び方のポイントを簡単に説明していきます。
【いつから読み聞かせをする?】
読み聞かせる時期ですが、いつからでも早すぎるということはないようです。早ければ妊娠8ヶ月頃、「胎教」として絵本を読み聞かせることを産婦人科からおすすめされる方もいます。
【どんな作品を選べばいい?】
0歳〜1歳は、まだまだ視力が発達していない状態です。その時期から絵本を読んであげるなら、色合いのはっきりとした絵の作品を選ぶことをおすすめします。
また、文字のないものを選び、優しく話しかけながら読んであげることもよいでしょう。本を通してコミュニケーションすることで、安心感を与えることができます。
それでは、読み聞かせにおすすめの作品をジャンル別で紹介していきます。
うずらちゃんと仲良しのひよこちゃんが、順番に鬼になってかくれんぼで遊ぶお話です。
うずらちゃんは自分の羽の色を活かして、花の影に隠れます。ひよこちゃんは体の形をうまく利用して、ひょうたんの実の中に隠れるのです。2羽は上手に隠れるので、読み聞かせる大人でも、どこに隠れているのかすぐには分からないでしょう。
子どもと一緒に、どこに2羽が隠れているのか探してみてください。
- 著者
- きもと ももこ
- 出版日
- 1994-02-25
子どもと一緒に隠れたキャラクターを探し出す楽しみもありますが、遊べることだけが本作の魅力ではありません。読んでいくうち、お友達との遊び方についても学ぶことができるのです。
赤ちゃんは成長するにつれて、外の世界への好奇心が強まっていきます。しかし、まだお母さんやお父さんの姿が見えなくなると不安になるのは当たり前。
物語の最後に、それぞれのお母さんが登場します。遊びに夢中の子供たちは母親の視線にまったく気づかず、近づいてくる影を見て、おばけと勘違いしてしまうのです。最終的に、お母さんたちだと分かって安心します。
子供と大人では、見えている世界に大きな違いがあると気づかせてくれる物語です。
赤ちゃんでも親しみやすい「くり返し言葉」と、身近な生き物が描かれています。
ページを開くと、たくさんの蝶々とともに「ひらひら」と様子を表す言葉。蝶々のほかにも、てんとう虫やカタツムリが登場し、そのたびにリズミカルな言葉が続きます。
言葉のリズムを楽しめることに加えて、身近な虫たちの名前を覚えることもできるでしょう。点がいくつあるか、虫は何匹いるかなど、指でなぞって数えてみれば、また別の楽しみ方ができるのでおすすめです。
- 著者
- わかやま しずこ
- 出版日
- 1998-06-10
「てんてん」や「ぐるぐる」といったリズムのよい言葉は、赤ちゃんの興味を引くことができるでしょう。ちょっとしたお出かけに持っていくこともでき、絵を描くことに興味を持ちはじめる年齢になったら、本作の真似をして絵を描いてみることも。
0歳~1歳の子どもは、大人が読んでくれるのを聞いているだけなので、基本的には受け身。しかし、0歳から読み聞かせを続けていれば、2歳頃からは自発的に本に触れるようになるかもしれません。文字に親しむための導入としてもおすすめです。
本作を読んだ後は、外に散歩に行って、作中に登場した虫たちを探すという楽しみ方もできるでしょう。
動物の鳴きごえだけで、お話が進んでいきます。ストーリーはないまま動物がどんどん増えていくお話なのかな、と思ったその時、思わぬどんでん返しがあります。赤ちゃんにおすすめなのはもちろん、大人もクスリと笑える絵本です。
鳴きごえがたっぷり、音がたっぷりのこの絵本、次々と登場する鳴きごえを読んでいるうちに、読み手の私たちも何だかノリノリになってきます。その様子が伝わるのか、赤ちゃんも嬉しそうにしたり、キャッキャッ笑ってくれたりするので、頑張りがいのある1冊とも言えるかもしれません。
- 著者
- 高畠 純
- 出版日
「わんわん わんわん」と最初に登場するのは1匹のイヌです。そこから、ネコ、ブタ、ウシなどなど、動物はどんどん増えていき、とても賑やかになっていきます。しかもみんなばらばらの方角を向いていて、雑然とした感じが何ともいえません。
それぞれバラバラに動いていた動物たちですが、突然何かを見つけたようで一斉に同じ方角を向いて止まり、鳴きごえも小さくなります。ここでは「一体何を見つけたんだろう?」と大人も思わず引き込まれてしまいます。
最後に、大人向けの面白ポイントをもう1つご紹介しましょう。見開きの右ページには動物のイラストが、左ページにはそれぞれの鳴きごえが書かれているこの絵本なのですが、その配置が左右のページで同じ場所になっているのです。これに気がつくと、本当に全てのページでそうなのかと調べてみたくなりますので、ぜひこれもチェックしてみてくださいね。
題名の通り、様々な大きさ、色、模様の猫が登場するシンプルでパッと目を惹く絵本です。
初めに登場するのは大きい猫。ページいっぱいに描かれた猫はなかなか迫力があります。小さくて可愛らしい猫にしましまで色鮮やかな猫。ぽちぽち猫は毛糸で遊び、背高のっぽ猫はおすましをしています。そして最後はみんな集合。みんなそろって元気に「にゃーお」。
お気に入りの猫ちゃんは見つかったかな?
- 著者
- グレース スカール
- 出版日
- 1986-09-30
全部で9匹の猫たちが筆のタッチで描かれた、柔らかな絵本です。ぶち模様の猫は「ぽちぽちねこ」など簡単な言葉で猫の説明が描かれているので分かりやすく、リズミカルに読めることも赤ちゃんが楽しめる絵本としてピッタリです。
最後に登場した猫たちがそろって鳴く場面では、何度も読むうちに鳴き声を覚え、真似をする姿も見られて可愛らしいですよ。
今にも「ピョーン!」と飛びあがりそうなカエルがこちらを見ています。表紙が気になって、つい手にとってしまう人も多いでしょう。子どもに、動物や虫を親しませたいなら、まず本作を読み聞かせてあげるのはいかがでしょうか?
縦開きでページをめくっていくタイプです。カエルや子猫、イヌなどのキャラクターが次々に高くジャンプする様子を楽しむことができます。「次はなにがでてくるかな?」と親子で楽しみながら読み進めば、ページをめくるたびに赤ちゃんの笑顔がこぼれることでしょう。
- 著者
- まつおか たつひで
- 出版日
- 2000-06-01
世の中には、いろんな生き物がいるということを教えてくれます。生き物の愉快な動きが赤ちゃんを夢中してくれるでしょう。
登場する生き物が次々に飛びあがる姿を見せてくれますが、最後に登場するカタツムリは……? 実際に手にとって確認してみてくださいね。
動物が飛び上がるという、単純なくり返しなのに、なぜか大笑いしてしまう絵本です。親子でワクワクしながら読んでみてください。
動物の親子が登場し、赤ちゃんが自分でページをめくることも出来るこの絵本。イヌ・ブタ・パンダ、そしてゾウなど、動物園などで身近に触れる事の出来る動物が現れ、しかけをめくるたびに抱っこをしたりキスをしたり、親子の深い愛情表現を見ることが出来ます。
親からの愛情はもちろん、子どもがどれほどお母さんを愛しているかがとてもよく伝わってきます。わかりやすい愛情表現で親子が触れ合う姿はほほえましいものです。読んであげる時には赤ちゃんを膝に乗せてスキンシップを取りながら読んであげたいものですね。
- 著者
- 奥野 涼子
- 出版日
立体的で面白みのある仕掛けが盛だくさんなので、気に入ったものを何度も繰り返し読みたがる赤ちゃんにとてもおすすめです。指でページをつまむ感覚や、目に鮮やかな可愛らしい絵が赤ちゃんの心をつかみます。
リズム感のある文章で、スキンシップを楽しむ親子の姿でこちらまで幸せな気持ちにさせられるので、読み終わった後は絵本の中に登場する親子のマネをしてみるという楽しみ方もあります。生まれて初めての絵本にもおすすめです。
真っ暗な海の中で、小さなお魚ちゃんが一人、ママを探す旅に出るお話です。小さくて可愛らしいお魚ちゃんが旅の途中で出会うのは、ブクブクと泡を吹きだすカニや、ひょこひょこ泳ぐ亀など、自分とは似ても似つかない海の生き物たちです。
大きなクジラや、うずまき貝にも出会います。クジラは自分を「ザブーン」と名乗り、うずまき貝は自分を「グルリンコ」と名乗ります。赤ちゃんにも発音しやすい簡単な擬音で表現された名前の数々に親しみがわくのではないでしょうか。
- 著者
- ヒド ファン・ヘネヒテン
- 出版日
- 2014-01-07
物語は終始真っ暗な海の中で続いていきますが、小さなお魚ちゃんが出会う生き物は暗い海の中でも鮮やかに浮かび上がり、存在感が抜群です。赤ちゃんはきっと、黒い背景にぽっかりと浮かび上がるお魚ちゃんを見て、想像力を働かせるのではないでしょうか。
小さなお魚ちゃんがひたむきにママを探す姿がとても可愛らしくて、大人はキュンとしてしまうかも知れませんね。最後にはママと会うことが出来たお魚ちゃん。ママ大好きという気持ちがあふれ出す、そんな絵本です。
表紙に描かれているのは可愛らしい亀。この亀がこの絵本の主人公です。版画で描かれた味のある挿絵で、亀が木の上にあるものをいろんな動物に次々と取ってもらいます。
最初に登場するのはサルです。亀がサルに「リンゴを取って下さい」と頼むと、木の上のリンゴを取ってくれます。亀はそれを受け取るときちんとお礼を言います。
自分のして欲しい事を口に出して相手に伝え、感謝の気持ちを伝える。当たり前の事ではありますが、それができるような大人になってほしいと願う気持ちが、絵本から伝わってくるようです。
- 著者
- 福知 伸夫
- 出版日
- 2003-03-01
版画で描かれた世界はとても温かみがあり、亀と向き合う動物たちのやり取りは、単純ながらも心温まるものです。赤ちゃんの大好きな繰り返しが多用されているので、赤ちゃんが先を予想する力が育まれるのではないでしょうか。
キリンが器用に長い首を使うシーンや、ゾウが長い鼻を使うシーンなど、生き物の特徴もわかりやすくとらえられていますが、サイに落ち葉をお願いした時には、体当たりしたことを教えてあげる必要があるかもしれませんね。登場する動物の特徴を知ることができ、学びにもなる絵本です。
表紙を開き、まず登場するのは黄色い小さなヒヨコ。可愛らしく手を挙げて、挨拶をしています。ページをめくっていくと、子どもに人気の動物たちが続々と現れ、「こんにちは」と「ばいばい」をくり返していきます。
ヒヨコ、ゾウ、ウサギなど、さまざまな動物たちが次々にご挨拶。最後はみんな揃って「ばいばーい」と手を振ってくれます。とてもシンプルな内容ですが、まだ文字が読めない子どもでも、自分でページをめくって楽しめるので、本が好きになるきっかけになるかもしれません。
- 著者
- まつい のりこ
- 出版日
登場する動物に合わせて、読み手が声色を変えたり読み方を工夫したりするなど、子どもが喜ぶやり方を模索するのもこの絵本の楽しみ方のひとつです。
「挨拶」がテーマになっているので、動物たちと一緒に声を出して、自然に身につけさせることもできます。最後のページでは、動物が勢ぞろいして「ばいばい」してくれます。小さな子どもを集めた読み聞かせ会などでは、本作を締めくくりとして読むのもおすすめです。
「ばいばい」は、日常で大切になってくるコミュニケーションのひとつ。本作を通して、子どもの成長に役立ててみてください。
子どもは幼いながらも、耳や目、鼻など五感を働かせ、あらゆる刺激を受けとっています。本作は、そのなかでも「音」に着目し、描かれた作品です。
お箸のような棒が壁にぶつかると「ちん ちん」、ピンク色の空間に浮いている白い球体が動くと「りん りん」。ボールが跳ねたり、粘土を握ったり、身近に感じられる物が動き、それを表した擬音とともに描かれていきます。
- 著者
- 元永 定正
- 出版日
- 1990-04-10
人間を取り囲む音には、こんなにもバリエーションがあったのか!と驚かされるでしょう。さまざまな音やカラフルな色合いで表現されていきます。鮮やかな色が使われているため、まだ視力が発達しきっていない幼い子におすすめです。
色の使い方にメリハリがあり、音と絵がとてもよく合っているので、何度も読んでいくうちに、赤ちゃんの表現力も磨かれていくことでしょう。
最後のページには「ぷ」の一文字。ピンク色の空気が、どこからか噴き出しているような絵が描かれています。オナラみたい!と子どもに大ウケするかもしれませんね。
ねんどで作られた、色んな表情の顔がでてきます。この絵本に、物語はありません。ただ子どもと好きなページに描かれた顔と言葉を、一緒に声に出すだけで楽しめるでしょう。
子どもが言葉を覚えるまでの期間は、その後の長い人生に比べたらほんの一瞬。その短い期間に、言葉をしゃべることの楽しさ、表情で気持ちを伝えることの気持ちよさを教えてあげたいですね。
口で説明するよりも本作を参考にしながら、赤ちゃんとコミュニケーションをとることが近道かもしれません。
- 著者
- ナムーラ ミチヨ
- 出版日
- 2010-06-16
喃語(なんご)に似た言葉がつまっているため、一緒に真似をして読むことができます。子どもがまだ大人の言っていることが分からなくても、作中で登場するいろんな顔の表情は感じとれるでしょう。
ただ単に声を出すだけの「だっだぁー」から、歯をかみしめて発音する「ぎーじぎーじ」、思わずマネしたくなる「べろべろべー」など、実にさまざまな種類の表情と言葉を楽しむことができます。
お母さんだけでなく、時にはお父さんから読んであげるなど、声を変えることも赤ちゃんにとってよい刺激になることでしょう。
おさるさんがバナナをもぐもぐ。ゴリラさんも美味しそうに食べています。食べたあとは、元気もりもりになったようです。
0歳でも発音しやすい言葉がたくさん並んでいる本作。子どもと一緒に言葉の音やリズムを楽しめるでしょう。
もぐもぐ、むにむに、もこもこなど可愛らしいオノマトペが多く登場します。赤ちゃんと一緒にもぐもぐ食べる真似をしてみたり、もこもこしているものを触ってみたり、楽しみ方は無限大です。
- 著者
- 出版日
- 2015-02-18
赤ちゃんと優しく触れあい、スキンシップを取りながら楽しく読んであげたい作品です。「おてて むにむに」とお話しながら、可愛い小さな手に触れてあげると、子どもは喜んでくれるでしょう。
「ほっぺ むにゅー」と言いながら、柔らかいほっぺを優しくつまんだら、くすぐったくてクシャっとした笑顔を見せてくれるかもしれません。
子どもは親と触れあうことで、安心感を得ることができます。読み聞かせの時間が、楽しいスキンシップの時間になったら、赤ちゃんだけでなく、読み手の心も満たされるでしょう。
最初は喃語での発声だった言葉も、こちらの絵本を真似するように少しずつ言葉を発するようになるかもしれませんね。また、何度もくり返し読んであげることで、オノマトペの言葉の意味も少しずつ理解してくれるようになると、子どもの成長が感じられて嬉しいものです。
バラエティに富んださまざまな言葉の音や、リズミカルにつながる言葉の響きを楽しむことのできる作品です。
どこかへ向かって走っている汽車。途中で哺乳瓶を乗せ、次にコップを乗せて……と赤ちゃんが見覚えのある身近なものを次から次へと運んでいきます。はたして、目的地はどこなのでしょうか?
本作は、とてもわかりやすいシンプルな絵で描かれています。子どもが真似できそうな、「がたん ごとん」という音がくり返し出て、汽車は哺乳瓶やりんごを乗せて走っていきます。
- 著者
- 安西 水丸
- 出版日
- 1987-06-30
「がたん ごとん」「のせてくださーい」
このようなやり取りがくり返され、汽車は進んでいきます。言葉がまだ分からない小さな子どもも、何となくリズムをつかんで真似して遊べるでしょう。
お母さんやお父さんと読んで一緒に楽しんで、少し大きくなってからもお友達同士で真似できる、楽しい一冊です。
ジャズピアニストとモダンアーティストによって描かれた本作。独創的な世界感が子どもたちを惹きつけます。
終始不思議な言葉と絵で紡がれています。最初のページを開くと、ひょろっとした生き物のように見える色とりどりの物体がずらりと並んでいます。彼らが不思議な動きをしながら、物語が進んでいくのです。
「もけら」という言葉って何?どんな意味なの?と、深く考える必要はないかもしれません。
- 著者
- 山下 洋輔
- 出版日
- 1990-11-30
まさに子どもの想像力を刺激する一冊です。
あれこれ理屈で考えがちな大人には、不可解な言葉と不思議な絵の羅列にしか見えないかもしれません。しかし、子どもはそこに独自のストーリーを見出すことができるのです。
意味を持たない言葉を続けて読んでも、なぜか子どもは笑ったり、集中したり、釘付けになるでしょう。リズムをつけて読んだり、書かれている絵をマネして描いてみたり、楽しみ方はさまざまです。
言葉を覚える前の赤ちゃんにとっても、楽しめる絵本でしょう。
0歳におすすめのしかけ絵本です。
ことりのピイちゃんがあそびに来て、こんにちは!とごあいさつ。本書にはしかけがあり、ピイちゃんの頭の部分をお辞儀しているかのように動かすことができます。
自分が誰かの家にお邪魔するときは「こんにちは」とあいさつし、誰かを招く時は「いらっしゃい」とお迎えすること。本作を通して、幼少期に覚えてほしいあいさつの言葉を教えることができます。
- 著者
- 木村 裕一
- 出版日
絵本に施されたしかけは、子どもの気を引きたいときにうってつけ。可愛いイラストに加え、持ち運びやすいサイズという点でもおすすめできます。
シチュエーション別に、どんなあいさつをすべきなのか、しっかり理解させてあげる必要があります。しかし、説教のようにきつく言われても、子どもにはその重要性は伝わらないでしょう。
楽しく学べる絵本を用い、親子でコミュニケーションをしながら、きちんとあいさつができる子どもに育てていきたいですね。
本作は各ページに3つのイラストが描かれていて、それを上から順に読みあげていくのですが、図形の絵本ではありません。
最初は、「さんかく まる しかく」「まる しかく さんかく」。ここまで読むと大人は「丸や三角、四角といった図形の形を見せてあげられる本?」と思うかもしれません。
ところが、「さんかく ぞう まる」と突然図形の中に、ぞうが飛び込んできます。さらに登場してくるのは、船やレモン、なんと顔まで。「ふね ふね ふね」と並んでいるのと見たときには、何だかもうクスリと笑ってしまうでしょう。
- 著者
- ["及川 賢治", "竹内 繭子"]
- 出版日
シンプルなタッチのイラストで、カラフルな色使い。絵本に初めて触れる赤ちゃんでも親しみやすいでしょう。
読み聞かせのコツは、リズミカルに読むこと。音に強弱をつけたり、テンポを変えたりしながら読むと抑揚がでて面白いですよ。
お子さんが少し大きくなって、指差しができるようになってくると、「これは何かな」と会話をしながら読めるでしょう。言葉が出てきたら、自分で指差しながら読むことできます。成長に合わせて楽しめる作品です。
「ぷーん」「ぷくぷく」「どぉーん」といった擬音語と、カラフルなイラストでつづられた絵本です。ストーリーがないからこそ、音や語感に集中でき、赤ちゃんにも響きやすいでしょう。
大人の私たちが読むと、「これは何を意味しているのだろう」と深く考えてしまいがち。しかし、子どもに読み聞かせをしてあげると、単純に言葉の響きを楽しめばいいことに気づくことでしょう。
突然にっこりしたり、真剣な表情でイラストをじーっと見つめていたり。「ここが面白いはず」と大人が思って気合をいれて読んでいても、全然違うページで笑いを誘うこともあります。
子どもの反応が見たくて、ついつい手にとってしまう親御さんも多いでしょう。もちろん、リズムやテンポを変えて読んであげるのも楽しいですよ。
- 著者
- 駒形 克己
- 出版日
各ページに、適度な穴があいていることも魅力のひとつ。穴があったら、気になって指を入れたくなるのです。指を出したり入れたり、体を使って絵本を楽しむことができます。穴があることでページもめくりやすくなるので、物を触りたいざかりの子どもにもぴったりです。
本作と同じように擬音語でつづられた楽しい絵本としておすすめなのが、谷川俊太郎・作、元永定正・絵の『もこ もこもこ』です。地面が突然「もこ」と盛りあがり、「にょきにょき」と大きくなります。ダイナミックな動きが楽しめますので、ぜひ読んでみてください。
題名から想像できる方も多いかと思いますが、おなかをぽんぽん叩く動物たちがたくさん登場する絵本です。「ぽんぽん ポコポコ ぽんぽん ポコポコ」という気持ちのよいリズムが、赤ちゃんの耳にも楽しく響きそうです。
- 著者
- 長谷川 義史
- 出版日
「ぽんぽん」は、おなかを叩く擬音語であり、幼児語の「おなか」という意味も同時に表しています。これが上手く組み合わさって、太鼓をリズムよく叩いているような語感になっています。
最初のページ、「ぽんぽん」と動物のおなかが大きくアップされて描かれています。「おなかをぽんぽん」といえば、やっぱりたぬきですよね。「たぬきかな?」と思うのですが、実は、最初に登場するのはたぬきではないんです。こんな意外性も楽しみながら読んであげてください。
少し大きくなってくると、「次の動物は何かなー?」とアップになったおなかを見ながら親子で楽しむこともできます。もちろんたぬきも出てきますよ。どこで登場するか楽しみながらぜひ読んでみてくださいね。
また、お父さんが登場するのも素敵ですね。あかちゃん絵本に登場するのは「お母さん」が多い印象ですが、この絵本は先にお父さんが登場します。お父さんが読み聞かせしてあげる絵本としてもおすすめです。
この絵本には、赤ちゃんの大好きな繰り返し言葉が何度も登場し、可愛らしい笑顔が登場し、赤ちゃんの興味を引くことでしょう。
しましまの魚が海の中をすいすい泳ぐ姿、いろんな色のヘビがぐるぐるととぐろを巻く姿、まんまるなスイカのしま模様。カラフルなペロペロキャンディには、よじ登ろうとする小さなアリが可愛らしく描かれています。
最後のページは3ヶ所がくりぬかれた仕掛けになっていて、ページをめくったり戻ったりすること自体を楽しめます。
- 著者
- 晃夫, 柏原
- 出版日
赤ちゃんはなんでも手に取って振り回したり口に入れたりするものですが、この絵本は角が丸く処理されているので安心です。ページも分厚い紙で作られているので、赤ちゃんが破こうとしてもそう簡単には破けません。
挿絵がカラフルで、色鮮やかなコントラストで描かれているので、赤ちゃんの注意を引きたい時にも役立つ一冊です。ぐるぐるの部分を読む時には、本をぐるぐる回して見せると、赤ちゃんが大喜びしてくれるかもしれません。
あなたの苦手なものは、何ですか?
カエルにとってはヘビ、ネズミの天敵はネコ……というように、それぞれ苦手とするものは異なるでしょう。もちろん人間である私たちも、虫が苦手だったり、おばけが怖かったりとさまざまです。
本作は、登場するキャラクターが苦手なものと遭遇してしまって「うわーぁ!」と驚き悲鳴をあげる、という展開でお話が進んでいきます。
- 著者
- まつおか たつひで
- 出版日
何といっても面白いのは、動物たちが飛びあがってビックリしている表情。ぜひ、彼らの表情に合わせて、「うわーっ!」と読んであげてください。読み聞かせの時間が盛りあがること間違いなしです。
本作は「はじめてのぼうけん」シリーズの一冊。先ほど紹介した、『ぴょーん』も同じシリーズです。どちらも動物がキャラクターとなっている、親しみやすい作品です。
さて、最後に登場するのはお料理中のママ。ママの苦手なものは何でしょう?ラストのページには、読み手もドキッとさせられることでしょう。
可愛らしいノンタンとお友達が、いろんな食べ物をもぐもぐ食べる姿を見せてくれます。離乳食が完了期に入り、食べ物に興味を持ちはじめた子どもに読み聞かせてあげるのがおすすめです。
最初のページでは、ノンタンが何かをもぐもぐ食べています。何を食べているのか、気になりますね。
「なにたべてるのかな?」と問いかけると、赤ちゃんも一緒になって声を出してくれるかもしれません。
- 著者
- ["キヨノ サチコ", "キヨノ サチコ"]
- 出版日
うさぎさんがニンジンを食べ、ぶたさんが美味しそうにりんごを食べている姿を見たら、読んでいるほうまでおなかが減ってしまいそうです。
楽しく何度も読み聞かせをしているうちに、動物や食べ物の名前を覚えられることが期待できます。おやつを食べた後にしっかり口をゆすぐところも、「ぶくぶくぶく」と大げさに声を出してみると赤ちゃんが真似したくなるでしょう。
食事の時の咀嚼の回数が少ない子も、この絵本のように「もぐもぐもぐ」と声を一緒に出せば、促すことができるかもしれませんね。
「にらめっこしましょ あっぷっぷ!」
おなじみのフレーズで進んでいく作品です。登場するのはだるまさんやお猿さん、ぶたさんなどさまざま。彼らとの真剣勝負がくり広げられます。
お母さんも赤ちゃんも、真剣に変な顔をして、「だるまさん」や「おさるさん」に負けないように頑張ってくださいね。
裏表紙では、お母さんの大きな笑い顔。勝負に負けても楽しくて笑ってしまう、みんながハッピーになれる絵本です。
- 著者
- 中川 ひろたか
- 出版日
- 2003-05-01
だるまさんやおさるさんのキリリとした表情から、単なるにらめっこの勝負にかけた真剣さが伝わってきます。けれども、やっぱり最後は「ぷははは わらっちゃったぁ」と笑ってしまうのが本作のよいところ。「にらめっこしましょ」と適度に緊張感をもたせた後の「あっぷっぷ」顔には、赤ちゃんもにっこりするでしょう。
キャラクターたちの笑った顔がとてもユニークに描かれています。ぶたさんは笑ったときに舌がペロリと出る表情がとてもチャーミング。心から笑うと、ほがらかな表情になれるのでしょう。
「いないいないばあ」で笑うようになってきたら、にらめっこ遊びも夢中になってくれます。予想外の表情を見るたびに、喜んでくれるでしょう。最後のページの「もっかい やって あっぷっぷ」で、実際に赤ちゃんとにらめっこを楽しんでみてくださいね。
「あがりめ さがりめ ぐるりとまわって ねこのめ」という有名なわらべ歌に「いないいないばあ」が加わって、楽しくふれあい遊びができる作品です。わらべ歌は親子の温かいふれあいの時間を過ごすことができます。
最後のページには親もドッキリびっくりしてしまう展開があり、「びっくりしたねー!」と思わず笑顔になれるでしょう。
- 著者
- いまき みち
- 出版日
「あがりめ さがりめ」と読みながら、読み手も真似して赤ちゃんに見せてあげるとよいでしょう。表情がくるくる変わるのが面白いのか、興味深そうに見つめたり、声をあげて喜んでくれたりします。
「いないいないばあ」が何度か続くページでは、登場する女の子が見開きで動きがあるように描かれています。読み手の私たちも、思わず左右に揺れながら楽しく読んであげることができるでしょう。
わらべ歌をもっと楽しみたいという方には、ましませつこの『あがりめ さがりめ おかあさんと子どものあそびうた』がおすすめです。可愛いイラストとともに有名なわらべ歌が15曲紹介されています。
「ぺんぎんたいそう はじめるよ」という威勢の良い掛け声で始まるこちらの絵本、ぺんぎんと一緒に体操を始めましょう。といっても、まだ0歳の赤ちゃん、自分で動くのはまだ難しい部分もあると思いますので、パパやママが優しく手足を動かしてあげながら読んでみてくださいね。
- 著者
- 齋藤 槙
- 出版日
- 2016-06-01
登場するのは2羽のぺんぎんの親子です。首を伸ばしたり縮めたり、羽をぱたぱたさせたり、真似のしやすいコミカルな動きでお話は進みます。最後の「じゃーんぷ!」のところでは「たかいたかーい」と抱っこしてあげるのがおすすめです。声をあげて喜んでくれる赤ちゃんもいることでしょう。
この絵本は、赤ちゃんを卒業して幼児になってからもぜひ読んであげてほしいです。というのも、1、2歳になると、ぺんぎんの動きを子ども自身で真似できるようになってくるのですが、この動きが何ともぺんぎんにそっくりなんです。特に首を縮めるところがぺんぎんそのもの。これは本当に可愛いのでぜひ親子で長く楽しんでくださいね。
パンをちぎったり穴をあけたりして顔を作る、誰もが子どものときに1度はしたことがあるのではないでしょうか。『ぽんちんぱん』は、「ぱんぱん」「ぽんちんぱん」「ちぎちぎぱっぱ」というような小気味よいリズムの言葉でつづられ、登場する色々なパンに顔が作られていきます。
- 著者
- ["柿木原政広", " "]
- 出版日
何とも美味しそうな食パンの表紙につられ、思わず開いてみたくなります。この食パンが最初に登場し、「ちぎちぎぱっぱ」とちぎられて、大きなお口のにっこり食パンになります。つられて赤ちゃんもにっこりしてくれそうですね。
この絵本は、どのページにも見開きにパンが1つ載っています。他にも何も描かれていないシンプルな作りだからこそ、小さな赤ちゃんでも認識しやすく、集中して見てくれそうです。次々に美味しそうなパンが登場するので、大人も思わず見入ってしまいますよ。
読み終わったあとには何だかおなかも空いてくるような、そんな魅力的な絵本です。
先ほど紹介した『くつくつあるけ』と同じく、林明子が描いた作品です。
主人公は、初めて自分で服を着ようとしている、可愛らしい赤ちゃん。大きな洋服でくるっと包まれています。
洋服にすっぽりと隠れて何も見えなくなった途端、「ぱっ」とおててが出た様子が描かれています。手の次は頭、小さな足……と順番に体のパーツを追っていくため、それぞれの部位が何という名前なのか、教えることにも役立つでしょう。
- 著者
- 林 明子
- 出版日
- 1986-06-20
「おてて、あたま、おくち、あんよ。」とくり返し読むうちに、赤ちゃんも「おててはどこかな?」と楽しみながら自然に覚えていけるようになっています。
1986年に発行されてから読み続けられているロングセラーです。お母さんと子どもが楽しくスキンシップできる作品です。
表紙一杯に男の子の両手が何かを握っています。さあ、どっちの手に入っているでしょう? 赤ちゃんはそれだけでもワクワクして、目を輝かせてどちらかを選びます。
どっちかな? と考えていると、男の子の手が開き、握っていた赤いミニカーが現れてニッコリ。次に、お母さんが両手を握って差し出して見せるのです。再びどっちかな? と考えていると、握っていたアメ玉がポンと飛び出します。どっちの手に入っているかのゲームは続き、手のひらからはクレヨンやどんぐりが飛び出します。
- 著者
- 新井 洋行
- 出版日
答えがわかるページでは、クイズを出した人が満面の笑顔を見せてくれます。赤ちゃんとお母さん二人でクイズを楽しむのもいいですが、読み聞かせ会などで大人数が集まる場所で披露するのもおすすめです。
ページをめくってあたっていたらただそれだけでハッピーな気持ちになれる。単純ながら子どもの心をがっしりとつかむ一冊です。
赤ちゃんにどっち? と尋ねると、自然と指差しができるようになるかもしれません。初めて遊ぶお友達同士の距離をぐっと縮めるのにもぴったりの絵本です。
小さなくまの男の子が主人公の優しく温かな絵本「くまくんの絵本」シリーズの中の1冊です。
くまくんが出会うのはお花やすずめ、猫や犬。そして新聞屋さんや郵便屋さん。くまくんはみんなに自分から「〇〇さんこんにちは」とご挨拶をします。家に帰って来てからはお母さんにも「こんにちは」。そして、最後はお仕事から帰って来たパパにも元気に「こんにちは!」。
少し照れた表情や嬉しそうな様子が可愛らしく、ゆっくりとページをめくりながら読みたい絵本です。
- 著者
- ["しげお, わたなべ", "やすお, おおとも"]
- 出版日
赤ちゃんは繰り返しの言葉が大好きです。言葉の響きはもちろんのこと、次に何の言葉が登場するかが分かりやすいので、その言葉を楽しみに待つことができるのでしょうね。
少し大きくなった1歳前後のお子さんが好きなことが、模倣遊び。手をふったりお辞儀をしたりと、可愛らしい姿には大人もメロメロですよね。
この絵本は、「こんにちは」と挨拶をする場面が9回。その挨拶に合わせてくまくんがお辞儀をする姿も描かれています。赤ちゃんが大好きな繰り返しの言葉を楽しみながら、いつしかお辞儀を真似るようになり、教えなくても挨拶を覚えていくことができますよ。
そして、赤ちゃんが大好きなお父さん、お母さんとの触れ合いが描かれている事も魅力の1つです。ぜひ絵本を真似て、追いかけっこや高い高いもしながら楽しんでみてくださいね。
赤ちゃんから幼児さんまで長く楽しむことができる1冊です。
一見とぼけているような表情の丸いまり。このまりが平坦な道を転がったり、坂道を転げ落ちたりします。また、ポンポンとボールのように飛び跳ねたと思いきや、バットで叩かれ、ビューンと飛んでいってしまいます。
その後、飛んでいった先の壁にぶち当たってぺっしゃんこに!次のページでは、なぜか丸かったまりがサイコロのような正方形になってしまいます。
しかし、そんなことはお構いなし、と言いたげに旅は続きます。サイコロみたいになったまりはコトンコトンと動いていき、今度はその先に水たまり。
予想通りボシャンと落っこちて、水の底深く沈んでしまい……ハラハラさせられる展開に。その後、水たまりの表面にぷっかり浮いてきたと思いきや、その姿はなんと元通り丸くなっていたのです。
- 著者
- ["谷川 俊太郎", "広瀬 弦"]
- 出版日
はっきりとした色彩に、手書き風で温かみのある絵が優しい雰囲気を醸し出しています。まりがただひたすら進んでいくだけの物語ですが、赤ちゃんの好きな擬音が盛りだくさんです。
まりがころがる地面の色や形が変わったり、水たまりが出現したり、平坦なだけの退屈な道ではありません。赤ちゃんもこの先、まりの身に何が起きるのか、ワクワクしながらストーリーに夢中になってくれるのではないでしょうか。
行く先々でいくつもの困難にぶち当たっては、乗り越えていくまり。その様子は、大人も勇気がもらえるでしょう。健気に突き進んでいく姿を応援したくなります。
お出かけ好きの子どもにぴったりです。自分で立って歩けるようになる頃には、何もかも自分でやりたいという頼もしい心も芽生えはじめます。
そんな時、くつを履きたくない!ひもを結びたくない!これはイヤ!など、こだわりを見せてお母さんを困らせてしまう赤ちゃんはたくさんいるでしょう。
一足の可愛らしい小さなくつが、一生懸命歩き出す健気な姿を描いています。マネっこが大好きな子どもなら、この絵本を読んだらすぐに外に出かけたくなるかもしれません。
- 著者
- 林 明子
- 出版日
くつが命を吹き込まれたかのように歩き出す姿は、幼い子どもがやっと歩きはじめる姿を彷彿とさせます。
つま先をトントン地面につけて音を楽しんだり、突然駆け足になってみたり、ジャンプして転んでしまったり……。登場する擬音のバリエーションも豊かで、赤ちゃんと一緒に楽しく読んでいけば、早い時期からひらがなに親しむこともできます。
くつが飛びあがって転んでしまうシーンでは、読み手も大げさなほどに豪快に転んだように読んであげると、子どもも笑顔になってくれるでしょう。転んでも立ちあがるところを何度も読み聞かせておけば、実際に外に出て転んだ時に、涙を見せず笑ってくれるかもしれません。
土に埋まった野菜の頭を見て、何の野菜か当てるクイズが楽しめる一冊です。土の上に出ている葉っぱの部分を見て、下に隠れている野菜の種類をいくつ言えるでしょうか?
特徴的な葉っぱや、頭が少し見えている野菜の名前を楽しく覚えることができるだけでなく、野菜そのものに興味を持ってもらえるでしょう。
クイズの途中には、モグラの頭が見え隠れするサプライズもあって、赤ちゃんを飽きさせません。
- 著者
- tupera tupera
- 出版日
- 2010-07-20
ご飯を食べる前の時間や、寝る前に「今日はどのやさいさんを食べたかな?」と質問してから読みはじめると、盛りあがること請け合いです。作中に出てくる野菜のキャラクターを子どもが好きになれば、野菜嫌いが少なくなるかもしれません。
引っこ抜かれて豪快に飛び出す野菜はみな個性的で、可愛らしい表情を見せてくれます。なかでも、お化粧をしているカブのイラストは、子供たちの笑いを誘うことでしょう。野菜を擬人化しているので、読み聞かせの後には「にんじんさん、残さないでね」と声をかけてあげることもできます。
横にページをめくって問いかけ、縦にページをめくって正解を見せてあげる仕組みが斬新で、絵本の概念が覆されるでしょう。
子どもが初めて自分の食器として扱うもののなかに、コップがあります。この絵本に登場するのは、かわいらしい顔をしているコップちゃんです。
コップちゃんにあいさつをしたり、話しかけたり。一緒になって「こんにちは」と声をかければ、徐々にあいさつが理解できるようになるでしょう。「お名前は?いくつ?」と聞かれていくうち、赤ちゃんも「お返事する!」とやる気を出すかもしれません。
コップちゃんは突然車になって走り出したり、ゴロンと転がったり。想定外の展開には、大人も楽しむことができるでしょう。
- 著者
- 中川 ひろたか
- 出版日
かわいくて面白くて、読んでいる人を笑わせてくれるコップちゃん。コップ同士を合わせて「かんぱい」と言うことも、この絵本で学ぶことができます。実際に、日常に取り入れてみるとよいでしょう。
コップに描かれた顔はシンプルなのに、とても表情豊かです。ゴロンと寝ころんだときのコップちゃんは、つまらなそうな顔をしているのに、突然いないいないばあをはじめます。
生まれて初めてコップを手にする子どもは、この絵本を通じて、物を大切に使うという優しい気持ちが芽生えるかもしれません。
多くの赤ちゃん、お母さんに読まれている、福音館書店「0.1.2.えほん」シリーズの作品です。
描かれているのは、たくさんの大きい物小さい物。抽象的で色鮮やか、ユーモラスな形が赤ちゃんの目を惹きつけます。初めに登場するのは、緑と黄色のグラデーションの丸い物体。口のような物が付いていて、大きい物も小さい物も同じ形をしています。違うのは大きさだけ。その後も四角い物や、黒い物、くらげのような物や車のような物など、多種多様の変わった物が登場します。
大きい物と小さい物の形は全く同じということが共通点。そして、文字にもこだわりがあります。丸い物のページには丸い文字で「おおきい ちいさい」と書かれていて、四角い物は「お、お、き、い ちい、さい」と読むと角ばったように感じます。
読むことよりも感じることを大切にしたい絵本です。
- 著者
- 元永定正
- 出版日
たくさんの形や色、大きさであふれたこの作品。言葉で説明するのはなかなか難しいのですが、その絵も色も赤ちゃんの五感を刺激するものばかり。この不思議な世界に赤ちゃんの興味は惹きつけられるのです。
そして、絵本のテーマともなっている物の大きさ。同じ形の物が違う大きさで描かれているので、大きさの認識を自然と感じることができます。
「0.1.2.えほん」シリーズの絵本は、どれも赤ちゃんがめくりやすく破れにくい厚紙で作られているので、自分でページをめくれるようになった時期にもおすすめです。
赤い表紙と大きなパンダの顔が目を惹くこの絵本。シンプルでリズミカルに読めるお話に赤ちゃんもきっと楽しい気持ちになりますよ。
「なーんだなんだ」に続いて初めに登場するのは黒い丸。そして更にもう1つ。目は2つで、鼻は1つ。その正体とは……パンダさん!正解は分かったけれど、まだお話は続きます。パンダさんの腕の中にいるのは、小さくて可愛いパンダくん。パンダくんが甘える姿が何とも可愛らしく描かれています。
お父さん、お母さんに抱っこをしながら読んであげたい絵本です。
- 著者
- ["カズコ G・ストーン", "Stone,Kazuko G."]
- 出版日
赤ちゃんが認識しやすい赤と黒を使って描かれているので、赤ちゃんの目をパッと惹きつけます。そして、繰り返しでリズミカルに読める台詞は耳に心地よく、大好きな大人の優しい声で読んであげれば赤ちゃんが笑顔になること間違いなしです。赤ちゃんの反応を見ながらゆっくりと読んであげてくださいね。
『なーんだなんだ』という題名の通り簡単な当てっこ遊びにもなっているので、少し大きくなってきたら親子で当てっこ遊びをしてみても楽しいですね。
キャラクターは小さな男の子からカウボーイ、博士などさまざまな人物が登場します。彼らが被っているのは、それぞれに合った特徴的な帽子。本作は、帽子を取ったら何が登場するかな?とクイズ形式で楽しめる絵本です。
tupera tuperaの描く作品。子どもから大人までびっくり仰天、思わず吹き出してしまう仕掛けがいっぱい詰まっています。
帽子をとった後の展開がまったく想像できない、ワクワク感のある仕掛け絵本です。
- 著者
- tupera tupera
- 出版日
- 2012-07-03
子どもが仕掛けを見つけると、我先にめくって展開をみようと必死になるでしょう。
仕掛けをめくるときに、「さあめしあがれ」と頭にお料理を乗せたコックさんになりきって言ってみたり、冒険家の帽子を取るときには「どっかーん」と大げさに言ってみたり。言葉のもつ音の楽しさが存分に味わえるのも、本作の魅力です。
切り絵で表現された世界観がとても鮮やかで、見ているだけで元気になれます。この絵本を参考に、色紙でさまざまな帽子を作ってみるという遊び方もおすすめです。
子どもの成長に合わせて、長くじっくりと楽しめる仕掛け絵本です。
どのページをめくっても顔、顔、顔……次々といろんな顔が登場します。ページ全体を使って、大きな顔が描かれています。
顔には目がふたつあり、鼻と口はひとつ、と1ページずつ確認しながら読み進められるでしょう。読みながら、「ここが鼻だね」と実際に子どもに触れてあげれば、スキンシップを図ることもできます。
- 著者
- 柳原 良平
- 出版日
顔のパーツが理解できるだけでなく、「楽しい顔」「悲しい顔」など、さまざまな表情を感じることもできます。楽しいとき、口がどうなるかな?悲しい顔だと、目と口はどう変わる?泣いた顔、怒った顔は?……と確認をしながら、読んでいくことがおすすめです。
人にはいろいろな感情があり、その時々に応じて変化する表情について教えてくれています。いろいろなものを吸収していく0歳〜1歳の時期に、豊かな心を育ててくれる絵本です。
ほっぺをくっつけた親子が微笑ましく映ります。表紙だけで、優しく穏やかになれる作品だと気づくでしょう。作中では人間だけでなく、金魚からアヒル、ゾウやサルなど、さまざまな動物の親子が笑顔で触れ合っています。
三浦太郎のシンプルなイラストが可愛らしく、リズミカルな言葉のくり返しが楽しめるでしょう。
- 著者
- 三浦 太郎
- 出版日
本作は、イラストやストーリーが単純で分かりやすく描かれています。登場する動物たちも、とてもシンプルなタッチ。他のページでも、使われている色味はごく少量です。無駄のない描写だからこそ、絵本の中の動物たちの造形が際立っていて、赤ちゃんにとって優しい表現に感じられるのです。
こういった分かりやすくシンプルなイラストは、関心を引くことができるでしょう。小さい子どものためのファーストブックとしても人気があります。
読み聞かせをしながら、子どもにくっついてあげれば大喜びしてくれるでしょう。お父さんとお母さんにくっついてもらうことが好きで、この絵本を読んでほしいとリクエストしてくるかもしれませんね。
笑うことは、心を豊かにしてくれます。無邪気に笑う表情を見ると、大人も心から赤ちゃんを愛おしく思う気持ちになれるでしょう。大好きな人とくっつき、幸せな時を味わうことの重要性を感じられる作品です。
この絵本の主人公は、白くまの親子。子ぐまはお父さんの背中を見あげて、早くお父さんのようになりたいなぁ、と思っていました。すると、お父さんは子ぐまを肩車してくれるのです。
憧れのお父さんよりも高い場所に乗せられた子ぐまは大喜び。お父さんならではのダイナミックな遊びを楽しむくまの親子がとても微笑ましく感じられます。
読み聞かせが終わったら、子どもはくまの親子を真似して、お父さんに抱きつきたくなるかもしれません。
- 著者
- ["とよた かずひこ", "とよた かずひこ"]
- 出版日
白くまのお父さんは子ぐまを肩車して、おっとっと、とふらつく姿は危なっかしいものですが、読んでいる方は不思議と笑いがこみあげてくるでしょう。
お父さんはつまづいてしまったのかと思いきや、子ぐまをドキドキさせるために、わざとおっとっと、とふらつきます。子ぐまが楽しんでいるのを感じたお父さんは、その動作をくり返すのです。
読み聞かせをしながら子どもと一緒に「おっとっと」と声を出すと、より読み聞かせの時間が盛りあがることでしょう。ぜひ、親子でスキンシップをしながら読んであげてください。
お母さんと朝ごはんを食べたり、つみ木で遊んだり、お散歩をしたり。そんな日常の些細な場面で、うさぎの親子が「ぎゅっ」とする姿を見せてくれます。
表紙からも分かるように、抱きあう親子の表情がとても穏やかにみえます。「大切に思っているんだよ」と言うだけでなく、動作で示してあげることが子どもの安心感にもつながるのです。
- 著者
- ["フィリス ゲイシャイトー", "ミム グリーン", "デイヴィッド ウォーカー", "福本 友美子"]
- 出版日
「ぎゅっ」と抱きあう姿はもちろん素敵ですが、一日を通して、ゆったりとした親子の時間が描かれている点も本作の魅力です。
靴下の指人形で遊んだり、ごろりと寝転んで絵本を読んだり、ちょっとのんびりしてみたり。作中で扱われているのは、本当に些細な日常の一場面です。
子どもに家族の絆を伝えられる物語です。それだけではなく、仕事や家事で追われている親御さんにとっても、癒しとなるでしょう。忙しさで忘れかけていた、大切な何かを思い出させてくれるかもしれません。
子どもが大きくなると、「ぎゅっ」と抱きしめてあげられる機会は減ってきます。まだ子どもが小さいうちに、家族の時間を大切に過ごしたいと思わせてもらえる一冊です。
美味しい苺を食べて、にっこりする赤ちゃん。大好きなくまさんのぬいぐるみをだっこして、さらににっこりします。大好きなお母さんにみせてくれる笑顔は、にっこりよりも格上の「に〜っこり」です。
表紙の可愛いらしい赤ちゃんの笑顔が印象的。この子がにっこりする瞬間がちりばめられています。
同じにっこりでも、子どもはたくさんの表情を見せてくれます。読み聞かせをしながら、思わずこちらも幸せな気持ちになってしまうキュートな作品です。
- 著者
- ["いしづ ちひろ", "ゆうこ, くわざわ"]
- 出版日
生まれたての赤ちゃんの「嬉しい」「楽しい」「美味しい」などを表現した、にっこりの笑顔。その表情が温かいイラストで描かれています。
実際に目の前にいるかのように、ほんわかとした表情や愛おしい仕草、可愛らしい小さな指などが丁寧に表現されています。
ちょっとお母さんの顔が見えなくなって泣きべそをかいてしまったり、お母さんを発見した時に最上級の笑顔を見せてくれたり。子どものどんな表情も、親にとってはかけがえのないものでしょう。
赤ちゃんがたくさんの感情を胸に抱きながら、少しずつ、着実に成長していることを思い出させてくれる絵本です。
赤ちゃんが大好きなお母さんたちがたくさん登場します。
金魚、ワニ、猫、あおむし、ひよこなど、さまざまな子どもの動物たちにも、人間と同じようにママがいます。本作で描かれる彼らにとっても、ママは大好きな存在のようです。
動物の親子のふれあいが温かく描かれた作品です。
- 著者
- ["まど みちお", "真島 節子"]
- 出版日
子どもと母親の姿が同じ動物もいますが、青虫のママは蝶、ひよこのママは鶏、おたまじゃくしのママは蛙です。まだ小さな子どもでも、何度も読んであげるうちに、関連性を見いだせるようになるでしょう。
さまざまな動物が登場し、それぞれ好きなスキンシップも異なります。猫なら母親に顔を舐めてもらい、サルは抱っこしてもらいます。それぞれの動物に合った、子どもの愛し方を垣間見ることができるでしょう。
あなたなら、どのように赤ちゃんに愛情を伝えますか?この絵本を通して、家族のふれあいについて考えてみるのもおすすめです。
さっちゃんと一緒に口、鼻、耳といった顔の部分を順番に「どこでしょね」といいながら探していきます。動物たちも登場するので、赤ちゃんのお顔に優しく触れてスキンシップをしながら、「この動物さんはなにかな?」「にゃんにゃんだよー」というように優しく語りかけながら読み聞かせしてあげたい絵本です。
- 著者
- ["なかえ よしを", "上野 紀子"]
- 出版日
顔のパーツごとに登場する動物は変わるのですが、これがなかなか考えられているなと思わされます。たとえば、耳のところでは耳の長いウサギ、鼻のところではブタ、目のところではタレ目のパンダというような具合です。
目のところや最後のお顔全体のところでは、一緒に「いないないばあ」をしてあげるのもよいかもしれませんね。赤ちゃんは「いないいないばあ」が大好き。キャッキャッと喜んでくれそうです。
ふんわりホワホワとしたタッチで、とっても優しげなイラストがとても魅力的ですよね。このシリーズでは他に、『おつむ てん てん』という絵本があります。「おつむ てんてん おくちは あわわ」という心地よい言葉の繰り返しの中で、赤ちゃんとのスキンシップが楽しめます。
遊び終わって、家に帰って来てから眠るまでの生活について丁寧に優しく描かれているお話です。
主人公は可愛らしい犬の子ども達。たくさん遊んでどろんこになった子ども達は、お家に帰るとお風呂に入ってご飯を食べて、歯を磨いたらお話の時間。子守唄を聞くうちに眠たくなってきたようですよ。明日もきっと楽しいことが待っているはずですね。
それでは、この絵本を読んでいる子ども達も一緒におやすみなさい。
- 著者
- ["なかがわ りえこ", "やまわき ゆりこ"]
- 出版日
淡く優しい色遣いで描かれた絵が赤ちゃんにぴったりの絵本です。
お風呂に入る時には「きれいきれい」、晩ご飯を食べる時には「おいしいおいしい」、そして子守唄を聞くと「ねむいねむい」。言葉を繰り返しながらゆっくりと読み進めると、だんだんと本当に眠たくなってくるようです。最後のページでは明日の楽しみを想像しながら眠る子犬達の姿に癒されます。
夜眠るまでの時間はどうしてもバタバタしてしまがちですが、赤ちゃんの頃から読んでいると自然と生活習慣も身に付くかもしれませんね。イヤイヤ期が始まって、ご飯もお風呂も歯磨きもイヤ!となってしまった時にも助けてくれる1冊なので、ぜひ赤ちゃんの時期から長く親子で楽しんでみてくださいね。
一日の終わりに読んであげたい一冊です。温かい雰囲気の切り絵で作られた人の顔と、単純な言葉のくり返しを楽しむことができます。
朝目が覚めたら顔を洗って、歯を磨いて、ごはんを食べて牛乳を飲む。大人にとっては当たり前の習慣でも、子どもはまだまだ理解できないものです。
0歳後半から1歳にかけて、自分の足で歩けるようになって、歯が生えはじめたころに読み聞かせてあげると、朝の習慣を覚えるためにも役立つでしょう。
- 著者
- 柳原 良平
- 出版日
作中には、太陽がさんさんと照りつけるシーンや、魚がすいすい泳ぐシーンも出てきます。まだ言葉が理解できない子どもにも、自然に囲まれながら広い世界に生きている、ということが伝わるでしょう。
本の最後では、星がキラキラと輝き、月が静かな空にぽっかりと浮かんでいます。心を穏やかにしてくれる絵を見ながら、「ゆめ にこにこ」という言葉で物語を締めくくれば、赤ちゃんも安心して眠りにつけるでしょう。
本作には、赤ちゃんの日常を綴った詩が多数収録されています。
「まだ早いんじゃない?」と思われる親御さんもいらっしゃるでしょう。しかし、なんでも吸収できる時期だからこそ、リズムのよい綺麗な言葉に親しませてあげたいものです。
日常の些細な場面、自然の美しさ、家族の絆が感じられるものなど、詩のテーマは多岐に渡ります。シーンを選ばず、どんなときでも読んであげられる作品です。
- 著者
- 松谷 みよ子
- 出版日
- 1971-08-20
あひるを「がこ がこ」と擬音語で表現したり、同じ表現をくり返したり。言葉の面白さ、日本語のもつ響きの美しさが、詩から生き生きと伝わってくるのです。
赤ちゃんに読んであげることはもちろん、大人が読むことで癒しを得られる作品ともいえます。作中に描かれる幼い子どもの姿がとても愛らしく、気持ちを穏やかにできるでしょう。
松谷みよ子の詩に、いわさきちひろの絵が非常にマッチしています。ご自身のために購入することはもちろん、出産祝いなどの贈り物としても最適な一冊です。
赤ちゃんの読み聞かせにぴったりのおすすめ作品をご紹介しました。お気に入りの一冊は見つかりましたか?子どもの笑顔を想像しながら、ぜひ読み聞かせる絵本を選んでみてください。きっと子どもに親の愛情が伝わるでしょう。