大人も子どももついつい笑ってしまう、クスクス、アハハと親子で盛り上がりながら読める本を集めました。楽しい絵本タイムにどうぞ。
Tシャツを脱ごうとバンザイをして途中まで脱いだものの、そこから脱げずに足をばたつかせる男の子の表紙。
バタバタと動く足、子どもらしいまん丸のおなか、愛らしさと面白さが混ざり合ったこの表紙だけでクスリときます。「あるある!」とニンマリしてしまうママも多いのではないでしょうか。
- 著者
- ヨシタケ シンスケ
- 出版日
- 2015-10-08
表紙からインパクト大の『もうぬげない』。これは笑わせてくれそうだぞ、という空気が表紙を見ただけで伝わってくる絵本です。
着替えをしようとしたけれど、途中で脱げなくなった男の子。「このまま脱げないままだったらどうしよう」と色々な想像をし始めます。想像はふくらみ、あり得ない方向にまでいってしまうのですが、本人はいたって真剣。その様子が子どもには刺さるのでしょう、大笑いが起こります。
自分ひとりで着替えができるようになる3歳ごろから、小学生まで長く楽しめる、笑える絵本です。上手く脱げないという経験をした子ほど共感ができ、笑えるのかもしれません。
ヨシタケ シンスケの楽しく笑える絵本は他にも、『りんごかもしれない』『りゆうがあります』などがあります。インパクトのあるイラストとユーモアたっぷりの作風、その中には子どもへの温かいまなざしも感じられ、ゲラゲラ笑った読後には、なんだかほっこりとした気持ちが残ります。
臭くて臭くて誰も近寄らない沼に、1頭の大きなヘラジカが住んでいました。とっても臭いこのヘラジカの名前はメチャクサ。でもある日、森で一番威張っているオオカミがメチャクサを食べてやろうとやってくるのです。メチャクサはどうなってしまうのでしょうか。
- 著者
- ジョナサン アレン
- 出版日
「臭い」「汚い」という言葉、子どもたちが盛り上がるワードですよね。しかもその匂いがあまりにも強烈なのです。オオカミは次々に攻撃をしかけるものの、メチャクサの匂いを嗅いだ瞬間に緑色や紫色になってひっくり返ってしまいます。
ひっくり返ってしばらく起き上がれなくなるほど破壊力のある臭さ、いったいどれほど臭いのでしょう。1度は嗅いでみたいような嗅いでみたくないような……色々な想像をめぐらせ、子どもたちはワクワクするのでしょうね。
どうすれば臭い匂いを嗅ぐことなくメチャクサを食べることができるのか。想像力豊かな子どもたちは色々なアイディアを話してくれそうです。
散々やり込められるオオカミですが、彼のその後にはちょっと驚かされるかもしれません。少しびっくりなオチも楽しみつつ、ワイワイしながらぜひ読んでみてください。
登場するのは、パトリックという男の子と彼のおばあちゃん。パトリックはおばあちゃんの家に泊まりにきました。おばあちゃんは言います。「さぁ、そろそろ寝る時間よ」と。でも、パトリックが寝るためには大事なものがありません。おばあちゃんはビックリ!「あらまっ!」と叫びます。
- 著者
- ケイト ラム
- 出版日
花柄のドレスを着て、真珠のネックレスをつけ、ハイヒールを履いたおしゃれなおばあちゃん。「はやく寝なさい」とパトリックに言う表情はちょっと怖そうにも見えますが、実はとってもパワフルなのです。
可愛い孫が寝るための、ベッドやまくら、毛布がないことを指摘されると、あわてて材料を取りに行き、色々自分で作ってしまうおばあちゃん。電動ドリルを使ってベッドを作ったり、ペンキを塗ったり、布を染めたりするのもお手の物です。
でもおばあちゃんの格好を良く見てください。おしゃれな格好をして腕にはハンドバッグをかけたまま。このギャップが何とも滑稽で面白いのです。
「でも……」と言うパトリックの冷静な表情と、「あーらーまーっ!」と叫んであわてて飛び出すおばあちゃんの、テンションの違いにも笑わされます。最後のオチにもしっかりと笑える要素が詰まった、おすすめの1冊です。
「あるひ、ぼうやは、わゴムが どのくらいのびるか、ためしてみることにしました。」(『わゴムはどのくらいのびるのかしら』より引用)
輪ゴムの端をベッドにひっかけて、反対の端をしっかりと握って、男の子はどんどん進みます。自転車に乗り、バスに乗り、さらには飛行機、ロケットまで。子どもたちの想像の世界を大きく膨らませてくれる絵本です。
- 著者
- マイク サーラー
- 出版日
次から次へと登場する乗り物に乗りこむ男の子。そして輪ゴムの伸びること伸びること。子どもたちからは「えぇ~!!(そんなのありえなーい!)」という声が次々にあがります。でも、そんなことを言いながらも「次は何に乗るんだろう」と目をキラキラさせながら見入ってくれます。
輪ゴムの伸び縮みする感触が分かっていたり、引っ張りすぎて「パチンッ」「いたいっ!」という経験をしていれば、何歳でも楽しめますよ。大人も「このゴムどうなるんだろう」とちょっとドキドキしながら読んでしまいます。
乗り物がたくさん出てくるので、乗り物好きのお子さんにもおすすめです。
お風呂が嫌い、髪の毛を切るのも大嫌いなこんもりくん。そんな彼の髪の毛は、もじゃもじゃの山のようになってしまいました。
そしてある日、こんもりくんはあることがきっかけで、自分の髪の毛の中に入り込んでしまうのです。そこに広がっていたのは…….
- 著者
- 山西 ゲンイチ
- 出版日
- 2011-01-08
大きな髪の毛では朝1人で起き上がることもできなければ、逆立ちもできません。でも、オーナメントを飾ればクリスマスツリーにできますし、食べかけのお菓子をちょっとしまっておくこともできます。「こんもり」と伸びた髪の毛はふさふさモジャモジャで柔らかいのかと思ったら、思いのほか硬さもありそうです。
ありえない髪の毛だけでも子どもたちは大喜びですが、さらに喜ぶ展開が待っています。『こんもりくん』には子どもたちが大好きな「おなら」も登場するのです。しかも、「とってもくさいおなら」。ここには子どもたち、おおウケです。
子どもたちが想像を膨らませることができるように、一言一言をゆっくりと間をとりながら読んであげるのも良いかもしれません。子どもたちの反応を見ながらテンポを変えて読むのも面白いですね。ママは思わず「やだぁ」なんて言っちゃいそうですが、パパとはゲラゲラ笑いながら読めそうな絵本です。
いかがでしたでしょうか。大人が楽しみながら絵本を読むと、子どもの嬉しさや楽しさは倍増する気がします。気負わずゆったりと読んで、親子で楽しいひとときを過ごしてくださいね。