たくさんのイケメンが1人の女の子を好きになる逆ハーレム。現実ではなかなかない世界ですが、だからこそ漫画で読むとおもしろく感じられます。ここでは、逆ハーレムものの中でも特にオススメの5作品をご紹介します。
超金持ち高校の私立桜蘭学院。家柄も財力も持った生徒だらけの学校で、いたって平凡な庶民である藤岡ハルヒは奨学特待生として通っていました。
ある日、静かに勉強できる場所を探して校舎内を彷徨っていたハルヒが迷い込んだのは、使われていない音楽室。そこにいたのは、ホスト部に所属する6人の美麗な男子生徒達でした。
あまりの場違いな世界に慌ててその場を去ろうとするハルヒでしたが、慌てるあまりに800万もする花瓶を壊してしまいます。もちろん庶民のハルヒに弁償できるものではなく、ハルヒは800万円をチャラにしてもらう代わりに、ホスト部のホストとして100人の指名客を取れと言われてしまいました。しかし、ハルヒにはホスト部員も気がついていない秘密があって……!?
- 著者
- 葉鳥 ビスコ
- 出版日
- 2003-08-05
少女向け漫画雑誌「LaLa」に、2002年から2010年の長期に渡って連載されていた作品で、コミックスの累計発行部数は1100万部を超えるなど、高い人気を誇った作品です。アニメ化をはじめ、実写テレビドラマ化やドラマCD、ゲームなど、幅広いメディアに展開されました。
主人公の藤岡ハルヒは、セレブばかりが通う桜蘭高校の中で、特に金持ちでもない一般庶民です。常に学年首席であることを条件に奨学特待生として学校に通っているため、成績は優秀ですが、反面、人に頼らないタイプでもあり、そのことで周囲とトラブルになることもあります。物語の始まりでは、地味な男子生徒風の容姿をしていましたが、実は可愛らしい容姿をした女の子です。
そんなハルヒが、割ってしまった800万の花瓶の借金をチャラにするために入ったのが、ホスト部という部活です。部長でありホスト部の創設者でもある2年生の須王環(すおうたまき)をはじめ、小学生にしか見えない3年生の埴之塚光邦(はにのづかみつくに)や、1年生の双子の兄弟の常陸院光(ひたちいんひかる)と薫(かおる)など、ハルヒを除く6人の部員は、セレブばかりの学園内においてもトップレベルの家柄と容姿を持つ男子生徒です。そんな彼らは、毎日、学校の女子生徒を相手に華やかなホストの世界を演出していました。
この作品の魅力はやはりキャラクターです。ストーリー自体は、後に少しシリアスパートも出てきますが、基本的にホスト部のメンバーが繰り広げるドタバタ学園ラブコメです。女の子1人に対して複数のイケメンが憎からず想うようになるという逆ハーレム状態の中、キャラクター達がワイワイと動き回る姿が楽しいので、深く考え過ぎず楽しく読むことができるでしょう。ストーリーよりもキャラクターに重きを置く方や、キャラクターを大好きになれる方にとっては、何度読んでもハマることのできる作品です。
『桜蘭高校ホスト部』については<漫画『桜蘭高校ホスト部』イケメンをランキングで紹介!魅力をネタバレ!>で詳しく紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
芦屋瑞稀(あしやみずき)は、偶然テレビで見かけた中学生高跳びチャンピオンの佐野泉を見て以来、ずっと彼に憧れ続けていました。初めて泉を見てから3年が経った時、泉の通う高校を突き止めた瑞稀は、そこへ転校することを決めます。
しかし、そこは何と男子校。女子である瑞稀は入学することはもちろんできませんが、それでも瑞稀は諦めません。何と、男子と性別を偽り入学してしまったのです。そこまでして学校で、瑞稀はようやく憧れの佐野泉と会うことができましたが、泉はなんと高跳びをやめていて……。
- 著者
- 中条 比紗也
- 出版日
少女向け漫画雑誌「花とゆめ」で2004年まで連載されていた作品で、コミックスは全23巻、愛蔵版も全12巻発売されるなど、その人気は連載終了後も長く続いています。ファンの間では「花君(はなきみ)」の略称で親しまれており、その人気は日本に留まらず、2006年には台湾でテレビドラマ化されました。
主人公の芦屋瑞稀は、女子ながら憧れの高跳び選手である佐野泉に会いたい一心で、男装姿で男子校に乗り込んでしまうなど、無鉄砲でお転婆な性格の持ち主です。一方で、佐野が瑞稀は女子であると気がついていることに気がついていないなど天然っぽいところもあります。
そんな瑞稀が男子校に入ってまで会いたいと願っていた佐野泉ですが、瑞稀と出会った時点ではある事情から高跳びをやめてしまっていました。成績は奨学生になれるほど優秀ですが、性格はクールで不愛想、しかし自分の好きなものに関わることだと熱く語ってしまうという一面もあります。
もちろん、現実的に考えればいくら男装したからといって、女子が全寮制の男子高校に入学することなど無理な話なのですが、それは漫画だからこその夢のある設定です。そして、もし好きな人に近付くためにそういうことができたらどうなるかな? という女子の妄想を具現化したような物語が本作と言えるでしょう。
例え設定はあり得なくても、憧れの人に少しでも近づきたいと思う瑞稀の気持ちそのものは、多くの女の子に共通する気持ちであり、だからこそ瑞稀に共感して読むことができます。そして、男子校に入学した瑞稀や、そんな瑞稀の秘密を知っている泉達がどういった結末を迎えるのか、ぜひ手に取って確認してみてください。
高校生の静香は、物心ついた時から自分の体型にコンプレックスを抱いていました。ある日、彼氏とホテルへ行った静香でしたが、彼氏が静香の三段腹を見て萎えてしまったことにひどいショックを受け、部屋に引きこもってしまいました。そんな静香は、ある日、どうせ引きこもるならエステティシャン育成のための研修所でモニターにならないかと誘われます。
一方、女子にモテる赤城響は、かつて付き合っていた彼女のことが忘れられずにいました。彼女のことは大好きだった響ですが、自身の包茎がコンプレックスで彼女を抱くことができず、それがきっかけで別れてしまったのでした。何とかコンプレックスを克服したい響は、包茎手術費用を稼ぐため、ボーイズエステティシャンになるため研修を受けることになります。
2人はエステ研修所で出会い、目標に向かって頑張ることになりますが……。
- 著者
- 真崎 総子
- 出版日
- 2004-06-11
女性向け漫画雑誌「デザート」に連載されていた作品で、コミックスは全部で7巻発売されています。2007年には深夜ドラマで実写化もされました。
静香は生まれつきぽっちゃり体型をコンプレックスに思っていますが、惚れっぽい一面もあり、いろいろな妄想を繰り広げます。
一方、響は自らの包茎にコンプレックスを感じており、包茎手術をしたいと思っていますが、資金がないために諦めています。性格はどこかぼんやりとしていて、接客には向いていないようなタイプですが、女子受けする容姿であることもあり、姉に勧められるまま、手術費用のために年齢を偽りボーイズバーのバイトへ応募しました。
そこで出会ったのが、ボーイズバーを経営する森永叶(もりながかなう)で、彼は響の手を「癒しの手(ゴッドハンド)」だと言い、響にボーイズエステティシャンの研修を受けさせることになります。
静香と響は、エステティシャンの研修とそのモニターとして出会うことになります。タイトル通り、たくさんの美少年がエステティシャンをする話であり、美少年に囲まれてエステ……というと少しエロティックなイメージをする方もいるかもしれませんが、エロ要素はそれほど多くありません。また、ドキドキハラハラするような大恋愛が描かれるというわけではなく、どちらかというと静かに気持ちが近づいたり離れたりするといった雰囲気です。適度に笑える箇所はもちろんありますが、落ち着いた雰囲気の漫画を読みたい方にいいかもしれません。
他にも、響が静香を痩せさせるという目標のもと動く過程で描かれているダイエットの方法などは、現実にも役に立ちそうなものも多く、ダイエットしたい方の参考にもなることもあるでしょう。静香は痩せることができるのか、そして恋がどういった形になっていくのか、その結末はぜひ手に取って確認してみてください。
荒っぽい男子生徒ばかりの公立織河工業高等学校は、その悪評の高さから、「檻高」と呼ばれて恐れられている存在でした。そんな檻高1年B組のリーダーは瀬戸川望という、クラスで唯一の女子生徒です。
ある日、1年B組には曽我慶次という男子が転校してきます。前の学校で暴力事件を起こしたことが原因で転校してきたのだという慶次に生徒達は関わろうとしませんでしたが、望はクラス活動に加わってくれるように何度も声をかけにいきます。しかし、慶次のほうは一向に参加してくれませんでした。
放課後、クラスメイトが帰った後も車作りに励んでいた望でしたが、荷物を運んでいる際に置いてあった鉄板が落ちてきます。間一髪、望のことを助けたのは慶次で……!?
- 著者
- 白石 ユキ
- 出版日
- 2011-12-26
少女向け漫画雑誌「Sho-Comi」で連載されている作品で、工業高校を舞台にするために作者自ら男子ばかりの「自動車部」に仮入部して取材をしたそうです。そんなリアルな取材のおかげもあってか、少女漫画によくある完璧なイケメンだけではない魅力のある工業男子が描かれています。
ヒロインの望は、周囲からは「檻校」と呼ばれている男子ばかりの高校に入学し、しかもその中でリーダーをやっているという、可愛い見た目とはギャップのある元気な女の子です。しかし、大勢の男子の中にたった1人の女の子という事実はやはり何かと危険が付きまとうらしく、上級生や他校生から狙われるたびに、望は慶次に守ってもらうことになります。
1人のイケメンに大勢の男子から守ってもらうという設定は、複数のイケメンからモテる逆ハーレムと、1人の王子様に守ってもらえるお姫様気分との両方を味わうことができます。ただ、工業高校に入るくらいメカが好きで、メカのことになると夢中になってしまうという辺りは他の少女漫画にはないヒロインの特徴で、守られるだけではないと女の子というのに新鮮さを覚えることもできるでしょう。荒くれものばかりの工業高校と、それに負けない強くて可愛いヒロイン、そんなヒロインを守る不良男子と、少し荒っぽい少女漫画を読みたい方にオススメの作品です。
高校に入学したばかりの春野美月は、人付き合いや自分の気持ちを素直に言うことが苦手な女の子。そんな自分を変えるためにわざわざ遠い高校を選んで入学したものの、クラスメイトともなかなか打ち解けることができないでいました。
そんな美月にとって唯一の憩いの場は、バイト先のカフェでした。ある日、美月がバイトをしていると、同じ学校のバスケ部の男子から呼び出されます。付いていくと、その場に現れたのは女子ファンも多いバスケ部のイケメン4人組でした。告白される雰囲気に思わずドキドキする美月でしたが……!?
- 著者
- あなしん
- 出版日
- 2014-07-11
少女向け漫画雑誌「デザート」で連載されている作品で、「春僕」の略称で親しまれています。連載中ながらコミックスは140万部を突破(2017年5月現在)するなど、注目度の高い作品です。
主人公の春野美月は、人付き合いが苦手な女の子です。自分を変えたいとは思っているもののなかなかうまくいかず、かつて別れたきりになっている友達「あやちゃん」との思い出だけを心の支えにしているような内気なタイプですが、一方で、友達の輪に入れず1人取り残されている子供に声をかけてあげられる積極性も持っています。
そんな美月が、バイト先のカフェをきっかけに出会ったのが、学校でも有名なイケメン4人組のバスケ部員達でした。4人のうちの1人、浅倉永久(あさくらとわ)は美月のクラスメイトです。当初はその天然系で何を考えているのかわからないような雰囲気に振り回され気味だった美月でしたが、次第に交流を深めるようになり、彼を介して他の3人とも仲良くなっていきます。
内気で一人ぼっちだった女の子が、学校でも女子人気の高いイケメンと交流したり恋愛したりする流れは、まさに王道の少女漫画といっていいストーリーです。永久をはじめ、イケメン4人組がバスケ部員であることと、美月が大切にしている思い出にバスケが関わってくるなど、ストーリーに絡んでくるバスケットボールの描写もきらきらしていて、青春物語に華を添えています。
ストーリーは王道ですが、美月をはじめとしたキャラクターには個性があり、美月も内気とはいえ子供に声をかけたりカフェで接客のアルバイトをしたりと内気過ぎることがなく、イケメン達も毒舌だったり失礼だったりとする一方で、ひたむきにバスケに打ち込んでいたり約束をきちんと守ってくれたりするなど、とても好感度の高いキャラクターになっています。また、敵役のキャラクターが敵過ぎないのも、この作品を読んでいて安心できるところといえるでしょう。恋愛漫画は楽しみたいけどあまりドロドロするのは嫌、敵役のキャラクターにイライラしたくない方などには、ほんわかとした空気で安心して読める本作はオススメです。
いかがでしたか? イケメンに囲まれるシチュエーションは少女漫画ならではといってもいいものです。そして、逆ハーレムと一言で言っても、その舞台設定やキャラクターも実に様々。ぜひ自分の好みにピッタリな一冊を探してみてくださいね。