夏に読みたい絵本おすすめ5選!季節感が楽しめる物語

更新:2017.6.1 作成:2017.6.1

強い日差しに腕がジリジリして突き抜けるような青空に気が付いたら、ここにご紹介する絵本を開いてみてください。ワクワクするような冒険を予感させる夏が、いよいよ始まります!

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夏が空から降ってくる、夏の始まりに読みたい絵本

「天気予報の時間です」梅雨明けはもうすぐと、カタツムリがテレビのニュースで告げています。それを見ていたおひさまが「そろそろみんなに知らせますか」と立ち上がると、寝起き姿のメロンやスイカ、ご飯中のセミとカブトムシ、お掃除をしていた扇風機やひまわりなど、夏を感じさせるキャラクターたちが「誰かが呼んでいる」と気づくのです。

ソフトクリームを先頭に、夏のキャラクターたちはドーン!と一気に走り出します。途中で蚊取り線香や金魚鉢、浮き輪も加わり、わっせ、わっせと一目散におひさまに向かって走るのです。こうして暑い夏はやってきます。

著者
かがくい ひろし
出版日
2008-05-20

「どーん」「わっせ わっせ」「しゅるしゅるしゅる」「ぐもももももも」「パッカー」……。『なつのおとずれ』には楽しい擬音語がたくさん出てきます。読み聞かせでも、間違いなく子どもウケする愉快な絵本です。

夏の風物詩が真ん丸目玉の可愛いキャラクターとして描かれていて、汗をかきながら走っていきます。ソフトクリーム、かき氷、スイカ、メロン……と連なって、最後に待っていた流しそうめんのじっちゃんと、シューッとおひさまの口に滑り込んでいくシーンは爽快です。空高く上ったおひさまが「よろしくねー」とみんなを吐き出し、空から夏が降ってきます。

最後のページでは太陽がギラギラと照りつける夏が待っています。氷をシャカシャカかく音や団扇でパタパタ仰ぐ音が聞こえてくる、暑そうだけれど楽しい夏を感じさせるエンディングです。

最高のスイカ日和を楽しむ夏の絵本

スッキリと晴れた日、うららちゃんとだいち君がおじいちゃんのスイカ畑にやってきます。叩くとポンポン音がするスイカを割ると、スイカの中は真っ赤っかです。甘いスイカを夢中になって食べていると、あれれ?みんなもスイカになっちゃった!?

綺麗な青い空に真っ赤なスイカの果肉が映えて、それはそれは美味しそうに描かれています。スイカ色がページいっぱいに広がって、夏の読み聞かせ絵本としてもおすすめです。 

すいか!

2013年05月17日
石津 ちひろ
小峰書店

「すばらしい いちにちに かんしゃかんげき」という具合に、す、い、か、で始まる文章の言葉遊びも楽しい絵本です。スイカを美味しそうに食べるシーンにも、それぞれ「すいか」を頭文字にした軽快で楽しい文が続きます。イラストだけではなく、文中にもスイカが満載の絵本です。

スイカを「すごい いきおいで かじってたら」みんなはスイカになってしまいます。真っ青な背景の中でスイカ色になったおじいちゃんたちが種の飛ばしっこをしていて、それはそれは楽しそうです。鮮やかな色合いのイラストも夏らしさを盛り上げます。

夏の夕暮れのような、不安な気持ちを感じさせる絵本

「ルールは守ること。意味のわからないルールなら、なおさら。」と裏表紙に書かれたこの本は、不思議な世界観の中に読者を引きずり込んでいきます。ぼくが去年の夏に学んだ事柄を淡々とした箇条書きにしているのですが、こってりとした油絵が異世界を表現しているようで、怖いような、不安な気持ちを沸き上がらせてくるのです。

夏のルールは様々です。もしそのルールを破ってしまうとどうなるのか……。赤い巨大なウサギに睨まれたり、不気味な焼却炉が燃えていたり、なんだか恐ろしいことになりそうな感じがします。

著者
ショーン タン
出版日
2014-07-23

文字は少なく明快です。でもその隣のページに広がるイラストが、不思議で怖く難解で、読み手によって伝わり方が異なるでしょう。子どもたちが読むならば、もしかすると暗いイラストの印象だけが強く残ってしまう本かもしれません。夏の日の長さについ遊び過ぎてしまい、気づくとすっかり暗くなっていたときに感じるような、胸をザワザワさせる不安な気持ちがこの本にはあるのです。

ショーン・タンが描いたイラストは筆のタッチが素晴らしく、まるで画集のようです。どれも暗く乾いたような印象を受ける絵ですが、最後のルール「夏の最後の一日を見のがさないこと。」の後には、色鮮やかな果物や花、ケーキの間を、小さくなった兄弟がパレードする姿が描かれていてホッと胸に染み入ります。全編にわたって異次元の世界に迷い込んだような気分にさせる『夏のルール』は、大人にこそ手にとってほしい絵本です。

都会っ子が憧れる、最高の夏休み

夏休みでもお父さんとお母さんはお仕事で、ケイとユイの兄弟は学校のプールとゲーム、麦茶にポテトチップスで退屈しています。そんなとき、田舎のおじさんから遊びに来ないかと葉書が来るのです。大喜びした兄弟は「さらば、東京」と二人だけで飛行機に乗り、お母さんの田舎へおじさんを訪ねて出かけます。

田舎の生活は、都会っ子のケイとユイには新鮮です。子どもたちと仲良くなって木登りや川遊びに挑戦したり、おじさんと海釣りをしたり、二人は大自然の中で都会では体験できない魔法の夏を満喫します。

著者
["藤原 一枝", "はた こうしろう"]
出版日

翻訳本かと思うほど、イラストのレイアウトや人物の顔、デザインがとてもしゃれています。でも中身は完全に日本の景色です。夏の空は青く、山や海は輝き、家の中の様子にも懐かしさを感じさせる田舎暮らしが描かれています。

東京のビル街で暑さにウンザリし、家でつまらなさそうにゴロゴロしている都会っ子の兄弟の顔が、自然の中では輝きます。他の子どもたちと田舎で遊ぶ兄弟は、最初は自然に慣れず、靴がぐちゅぐちゅになったり、ボコボコのどろどろになりますが、木登りや川遊び、海水浴や魚釣りを満喫していくにつれ、たくましく真っ黒になっていくのです。

外でたくさん遊んだ後に、新鮮なトマトやキュウリ、魚が美味しいと思う兄弟の気持ちには、誰もがうなずけます。都会っ子の二人にとっては自然の中で過ごした夏休みこそ『まほうの夏』であり、いつかわが子にもこんな体験をさせてあげたいと願うお母さんたちも多いことでしょう。

思わず大笑い!関西弁の冷蔵庫に笑える本

ある夏の日、けんいちの家の冷蔵庫は突然冷えなくなります。ビールを飲もうと思っていたお父ちゃんが故障かと冷蔵庫を調べると、冷蔵庫には目と鼻と口ができて「私も夏休みをもらってプールに行ってみたい」と言い出すのです。冷蔵庫をプールに!?と驚くけんいちですが、なんとお父ちゃんは快諾します。

プールまで自分で歩くと言う冷蔵庫には手足やしっぽまで生えてきます。「れいぞう子」だから女物の水着が来たいという冷蔵庫を連れて、けんいち一家はプールへ行くのですが……。関西弁のボケとツッコミが愉快な家族の会話も満載で、思わずニヤリとしてしまう物語です。

著者
村上 しいこ
出版日

次から次へと続く奇想天外で愉快なお話に、子どもならずとも大人も楽しめる作品です。絵本を卒業した小学校低学年のお子さんの、夏休みの読書に強くおすすめします!文字も大きく、可笑しなイラストとお話にグイグイと引き込まれていくので、文字が読めるようになったばかりのお子さんでも、苦労することなく完読するでしょう。

関西弁のけんいちの家族もユニークです。冷蔵庫に食べられるかと思ったお母ちゃんは「わしらを食べんといてください。食べるんなら、このひとだけにして。」とお父ちゃんを押し出し、冷蔵庫へ「ほな、なんですの?言いたいことがあったら、ちゃっちゃと、言うてください。」と開き直ります。プールに行きたいと言う冷蔵庫に「ええやんけ。ええやんけ。わかった。ほないこ。」とすぐに返事をしてしまうお父ちゃんも愉快です。ポンポンと飛び交うテンポが良い会話が可笑しくてたまりません。

ストーリーにも突っ込みどころが満載です。お母ちゃんが見ていた通信販売の派手なパンツやプールを満喫した冷蔵庫が日焼けでヒリヒリすると言ったり、「れいぞう子」だからお母ちゃんの水着を貸してほしいと言ったり……。うちの冷蔵庫もこんな風に面白かったらいいのにな、と思わずにいられません。

大人も子どもも「夏休み」という言葉には自然とウキウキするものです。でも、夏休み返上で働く大人たちや、することがなくて夏休みは退屈だと思っている子どもたちの夏気分を、ここでご紹介した絵本が少しでも盛り上げることができると嬉しいです。

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