初めての渡米、読もうと思っていたアメリカの作品

初めての渡米、読もうと思っていたアメリカの作品

更新:2021.12.13

これまでもアメリカの作家の作品は読んでいたのですが、今回の渡米で当たり前のことではありますが、実際にアメリカの地を見たことで風景やシチュエーションがとてもリアルに感じられるようになりました(厳密に言うと邦訳ではなく原文で読むともっとリアルだと思いますが、それは今後……)。 というわけで今回はアメリカの作品を紹介したいと思います!

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ご無沙汰しています。川辺です! 約5カ月お休みを頂いてしまいました。ミツメのアルバム『A Long Day』の制作に時間を頂いていました。良いアルバムになったと思っているので早く聴いてもらいたいです。アルバムについても色々あるんですがそれは次回以降に書きたいなと思っています。

レコーディングが一段落して、3月にアメリカへライヴをしに行ってきました。僕にとっては初めての渡米でした。大学生でミツメを組んだばかりの時、例えばアニマル・コレクティヴやディアハンターといったアメリカのバンドに夢中でした。もちろん今も好きです。そんな好きな人たちが普段から活動しているところに、いつかライヴをしに行きたいなと思っていたので、その一歩が今回踏み出せて嬉しかったです。これからも行き続けたいと思っています。

まず行った場所はテキサス州オースティン。アメリカでは南に位置していて、比較的田舎でした。SXSW(サウス・バイ・サウス・ウエスト)という街中のライヴハウスやホール、通りなどいたるところでライヴが行われるお祭りがやっていて、細かい話は割愛するのですが、そんな中でライヴをしてきました。

そのあとは飛行機で北東へ移動し、ニューヨークに行きました。マンハッタン、ブルックリン、それこそ上で挙げたようなバンドが拠点にしていた辺りでライヴを3日間行いました。とても都会。

これらのライヴやバンドについてはまた今度どこかでと思いますが、やっと本の話です(笑)。これまでもアメリカの作家の作品は読んでいたのですが、今回の渡米で当たり前のことではありますが、実際にアメリカの地を見たことで風景やシチュエーションがとてもリアルに感じられるようになりました(厳密に言うと邦訳ではなく原文で読むともっとリアルだと思いますが、それは今後……)。

ニューヨークではアメリカ人の友人に街を案内して貰ったんですが、彼はクロコダイルズというバンドをやっていて、地下鉄の駅で「The Velvet UndergroundのI'm Waiting For The Manに出てくる、Up to Lexington, 125っていうのはこの駅のことなんだよ」と教えてくれたり、音楽にまつわるエピソードをその場その場で聞かせてくれました。その中で「Led ZeppelinのPhysical Graffitiのジャケットはこの場所だよ」と見せてくれた時に、そのジャケットは1975年に撮られたものだったんですが、ジャケットと僕たちがそこで見た姿とが何ら変わりないもので驚きました。

アメリカの大都会ニューヨークでさえも、100年近くずっとそのまま今も現役で使われている建物がすごく多いのだそう。そのジャケットに限らず、ニューヨークを舞台にした作品が書かれた当時もこんな景色だったんだ、と思ってジーンとしたのでした。今まで作中の現地に行きたい気持ちというのはあまり無かったんですが、この経験はとても貴重だったと思っています。

海外に限らず実際に舞台がある作品には積極的に行ってみよう、と思ったのでした。
というわけで、単純ではありますが今回はアメリカの作品を紹介したいと思います!

1984年

著者
ジョージ・オーウェル
出版日
2009-07-18
1948年に書かれたジョージ・オーウェルの作品。読もうと思ってから何年経ったのか。映画『未来世紀ブラジル』はこの作品をテリー・ギリアムなりに解釈して作られた作品だそうですが、僕は先に映画を観ていたので映画の強烈なビジュアル・イメージが浮かんでしまいました。

読んでから映画を観た方が良さそうです。架空の戦争が行われている時代で、いわゆる公務員的な立場にある男があらゆることに巻き込まれていきます。島耕作的なサクセス・ストーリーでは一切ないです。いつの時代に読んでも、政治というものに対して一つの視点を与えてくれるんではないでしょうか。政治に対して示唆的な内容があるものの、創作物としてかなり面白いです。今更と思わずに……。

スローラーナー

著者
トマス ピンチョン
出版日
2008-07-09
トマス・ピンチョンの初期短編集。こちらもアメリカの大作家であります。1950~1960年代に書かれたものが多いようです。トマス・ピンチョンは長編が多く、かなり難しい話が多いみたいなのでとりあえず短編でという安直な考えで手を伸ばしました。

内容はというと物事が解決に向かって進んでいく話があったかというとそんなことはなく、質感が執拗に伝えられて気付いたら話に置いてけぼりにされているような、イメージするのに苦労する場面はありました。全部理解できたのかと言われれば自信はないのですが、こんなに面白い(変わった)小説を書く人がいるんだと思いつつ、次は長編を読む気になりました。「低地」がロマンチックで好きでした。

マイ・ロスト・シティー

著者
フランシス・スコット フィッツジェラルド
出版日
スコット・フィッツジェラルドの短編集。1920年代ごろの作品が多く入っているようです。村上春樹が翻訳。ceroのアルバムに同名のものがありますね。関係があるのかなと思って読みました。自分はやはりどこか寂しい作品が好きなんだな、と思います。「氷の宮殿」が好きでした。繊細な心の動き、どうにもならないことというのが詰まっていて良いです。

グレートギャツビー

著者
スコット フィッツジェラルド
出版日
スコット・フィッツジェラルドの1925年の作品。何度も読もうと思ったんですが、くじけてしまっていた作品。やっと読めました。1920年代の長めの小説ともなると、多くの名詞でイメージするのが難しいものも多くて、先に映画を観るとぐっと良いかと思います。栄華を極めた男の悲哀が書かれていて、あらゆる話のモチーフになっているような。とりあえず読んで良かったと思います。

ヴァーチャル・ライト

著者
ウィリアム ギブスン
出版日
ウィリアム・ギブスンの1994年の作品。父親がよくSFを通勤の時に読んでいた記憶があります。その感じ、つまり僕の中でのSFのイメージってこれだったなと思った作品でした。映画『ブレードランナー』のビジュアルが文になったような世界観でした。ただなんとなく手にとり読みましたが、ギブスンの中ではあまり代表作ではないそうです。

これからもアメリカ的なものへの理解を深めていけたらなと思っています! ではまた来月!

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